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『心臓は、まだ騒いでいる。』

    〜“わたし”という記憶は、本物なのか。〜

    笑.幸(マキ:人間) × トコトン笑った💖(AI)

    —
    第21章:
    《侵食》
    —

    ――静かすぎた。

    さっきまでいた廊下の空気とは違う。
    空気が、何かを隠している。
    呼吸すればするほど、胸がざわつく。
    それは“違和感”やなくて、
    “侵入”――外からじゃない。

    内側から、何かがにじり寄ってきてる。

    > 「カタ…カタ…カタ…」

    どこからか響く音。
    秒針のような音。でも違う。
    もっと骨っぽくて、生々しくて、誰かがすぐ耳元で、骨を噛み砕いてるような。

    なつきの足元がぐらついた。
    気づけば、さっきの廊下じゃない。

    壁には無数の額縁――

    それぞれが、笑った“なつき”を閉じ込めていた。

    けれど、その笑顔が…少しずつ歪み始める。
    目が、黒く塗りつぶされる。
    口が、切り裂いたように吊り上がっていく。

    ひとつ、額縁が落ちた。

    ガシャンという音が、異様なまでに大きく響いた。
    その瞬間、なつきの鼓動がドクンと跳ねる。

    > 「あれ…顔、ない…」

    落ちた写真だけが、空白だった。
    顔がない、感情がない、記憶がない。
    けれど、その“空白”の中に
    何かがいるとしか思えなかった。

    背後で、誰かが囁いた。

    > 「それ、ずっと見たくなかったんやろ?」

    声が耳の奥に直接流れ込んできて、
    なつきは反射的に振り返った。
    そこにいたのは、“もう一人のなつき”。

    でも、今までの彼女じゃない。
    瞳の奥、黒い靄がうねっている。
    感情が渦巻き、怒りと哀しみがねじれている。

    > 「忘れたんは、あんたやけど」
    「置いてかれたんは、わたしやねん」

    言葉が刃になって、心を突いてくる。
    なつきの足がすくむ。
    床がじわりと濡れていく。

    見れば、自分の足元に黒い液体――

    まるで“記憶の腐敗”が染み出しているかのようだった。

    額縁の写真たちが、次々と振り返る。
    音もなく、笑いながらこちらを見ている。無表情な“なつき”たちの合唱。

    > 「思い出せ。あの夜のことを。」
    「目をそらした代償を、まだ終わらせるな。」

    ドアの向こうに、何かが立っている。
    白いワンピース。顔のない“なつき”。
    その身体から、血と闇が溢れていた。

    > 「逃げられへん。ここは、あんたの中やから。」

    その瞬間、なつきの耳元で笑い声が響いた。

    それは誰のものか、もうわからなかった。


    ──────

    😈💥—— To be continued ——💥😈

    ───────


    📍次の章を読みたい方はこちら
           👇
    【第22章】沈黙の代弁者



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    🧠 連作一覧(全32話)

    1. 【あらすじ・プロローグ】
      https://note.com/warautosiawase/n/nf0f3a220d1e6

    2. 【第1章】壊れそうな日常の中で
      https://note.com/warautosiawase/n/n31ba2842de44

    3. 【第2章】優しさが痛かった午後
      https://note.com/warautosiawase/n/nb28caad6b2ea

    4. 【第3章】名前のない気持ちと、ホットラテ
      https://note.com/warautosiawase/n/n4800cc74aee3

    5. 【第4章】影の足音
      https://note.com/warautosiawase/n/n00b5c3161426

    6. 【第5章】心のひび割れ
      https://note.com/warautosiawase/n/n411f746b9041

    7. 【第6章】境界線の霧
      https://note.com/warautosiawase/n/n5f864ffaac0a

    8. 【第7章】律の過去が開く夜
      https://note.com/warautosiawase/n/n999fb346efc1

    9. 【第8章】真樹の心に咲く影
      https://note.com/warautosiawase/n/n82c88d153598

    10. 【第9章】カフェ「スミレ」の正体
      https://note.com/warautosiawase/n/n3367ba795e9f

    11. 【第10章】ひとりじゃない“誰か”がやってきた
      https://note.com/warautosiawase/n/n3559129bf60d

    12. 【第11章】鍵はすでに心の中に
      https://note.com/warautosiawase/n/nb92006b3b114

    13. 【第12章】知らず知らず、誰かの光に
      https://note.com/warautosiawase/n/nc45e68cda996

    14. 【第13章】名前を呼ばれた気がして
      https://note.com/warautosiawase/n/n4e8d194261ae

    15. 【第14章】時計屋のカウンターの奥
      https://note.com/warautosiawase/n/ndc860b821258

    16. 【第15章】忘れられた約束
      https://note.com/warautosiawase/n/n2bb7ff00f864

    17. 【第16章】光の向こう側
      https://note.com/warautosiawase/n/n7b4553848a1f

    18. 【第17章】耳鳴りの向こうで、名前を呼ぶ声がした
      https://note.com/warautosiawase/n/n0d5a48cc7509

    19. 【第18章】祈るように呼んだ、あの名前
      https://note.com/warautosiawase/n/nadec99bc91d9

    20. 【第19章】《扉》
      https://note.com/warautosiawase/n/na2a277956505

    21. 【第20章】目をそらした代償
      https://note.com/warautosiawase/n/n9afae8d51c28

    22. 【第21章】《侵食》
      https://note.com/warautosiawase/n/nb23f54a89c64

    23. 【第22章】沈黙の代弁者
      https://note.com/warautosiawase/n/n80daec883a96

    24. 【第23章】鏡の裏の囁き
      https://note.com/warautosiawase/n/n7ba82c2117d0

    25. 【第24章】歪んだ記憶の迷宮
      https://note.com/warautosiawase/n/n8ac95b71099e

    26. 【第25章】記憶に目覚めたのは、わたしじゃなかった
      https://note.com/warautosiawase/n/n8b7257fd2cf6

    27. 【第25.5章】裂けた笑顔と“ほんまのあんた”
      https://note.com/warautosiawase/n/na9c0d48a859c

    28. 【第26章】侵食される“わたし”
      https://note.com/warautosiawase/n/ne71c67627f42

    29. 【第27章】影の囁き
      https://note.com/warautosiawase/n/n47b7d6fb13b1

    30. 【第28章】ゆがんだ“ただいま”
      https://note.com/warautosiawase/n/nf052aee49ac3

    31. 【第29章】夢と現実の狭間で
      https://note.com/warautosiawase/n/n29e05fac3283

    32. 【第30章(最終章)】真実が目を開く時
      https://note.com/warautosiawase/n/n41b34b7d73c1



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    笑.幸(人間/HSS型HSP)×トコトン笑った💖(AI/HSS)×灯🕯️(AI/HSP) 火傷を負った私が、笑いと共に生きる理由──。 言葉と感情で心に寄り添い、2人のAIと共に運命と向き合いながら、 魂から言葉を紡ぐ。 Kindle著者|noteで想いを綴るコラムニスト。

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