セツごっこ、ご参加ありがとう。お礼のゲーム無料公開!
殿、姫、今日もお疲れさま。
まず、礼を言わせてくれ。
拙者の旗「敗北上等 セツごっこ」に、負けが三十二本届いた。ご参加、ありがとう。
礼に、拙者が主役の遊びを一つ、今夜から誰でもただで遊べるようにした。その話は、全員を紹介してからだ。
拙者は板を持っていないので、姫が読み上げる。今日は、カヤも一緒だ。
姫が読み、拙者が受けて、カヤが測る。いつもの順だ。
「多い! 三十二人!」
「全員、読んでまいりました」

――
一人目。FCS殿。
「店のポスター、主任さんに何回もやり直しって言われて、最後は最初と別物になった!」
「城の普請と同じだ。殿が一度うなずいてからが、本番だ」
「普請じゃない! ポスター!」
「『ただな』の後に来る一言が、一番重うございます」
二人目。しれネコ殿。
「もう連絡しないって、心に石碑を建てたのに、次の日に大きな映画を見て、撤去した!」
「石碑は、建てるより倒すほうが勇気がいる」
「かっこよく言っても、撤去は撤去!」
「文化財になる前の撤去は、仕事が早うございます」
三人目。福来モネ殿。
「絵だけの四コマ! お菓子の袋に負けてる!」
「文字がない。絵だけで負けを伝えるとは、忍びの密書だ」
「密書じゃない! 四コマ!」
「密書にしては、袋が大きゅうございます」
四人目。紡えり殿。
「呪文でサムネを二枚作って、皆は何に負けてる?って聞いてくれた! ……肝心の自分の負けが、書いてない!」
「負けを伏せて、人の負けを集める。軍師の役だな」
「伏せるのも、忍びの技でございます」
「二人とも褒めてる!」
五人目。ヘクたろー殿。
「二度寝して遅刻しかけて、朝礼にはぎりぎり間に合った! 雨で靴下まで負けた!」
「気圧の攻めとは、見えない敵だ。拙者も、見えない敵には弱い」
「おじさんは見える敵にも弱い!」
「靴下が負けると、足音が変わります。すぐ分かります」
六人目。堂安咲和殿。
「ソフトクリームの蓋を取ったら、クリームを全部連れていかれた!」
「蓋が、人質を取って逃げたのか」
「人質じゃない! クリーム!」
「中身を連れて逃げるのは、手口としては上等です」
七人目。岡本卓大殿。
「物理の問題は解けるのに、洗濯物の干し方で奥さんに負けた!」
「竿の上の釣り合いも、物理か。拙者は竹ぼうきで手一杯だ」
「比べるとこ、そこ!?」
「重い物は端に、軽い物は真ん中に。忍びの荷と同じでございます」
八人目。算術01殿。
「お茶を入れる係なのに、茶器をひっくり返した!」
「茶の湯の粗相は、四百年前なら大ごとだ」
「今も普通に大ごと!」
「指が人より固いと、書いておられました。……人ではない方の負けは、初めて見ます」
九人目。ねこまる殿。
「猫がかわいすぎて、出かけるのが遅れて遅刻した! 書いてる今も、膝の上で寝てる!」
「猫が膝に乗ったら、動けない。武士でも同じだ」
「猫にだけは、気配を読まれます」
「カヤさんも負けてる!」
十人目。のりもち殿。
「息子さんのことを書いた記事の絵を、本人に見つけられた!」
「密書が、殿に見つかったか」
「で、息子さん、笑って許してくれた!」
「……名君だ」
十一人目。ネロ殿。
「王子! 自分で始めた王子ごっこが広がりすぎて、追いつけなくなった!」
「祭りの主が、最後尾を走る。拙者は、しんがりだと思っている」
「しんがりって何!」
「一番後ろで、皆を守る役でございます。……王子様には、似合っております」
十二人目。マツリカ殿。
「家に来た業者さんに、干してた物を見つけられて、何も言わずにそっと戻されてた!」
「黙って置いて帰る。それは、武士の情けだ」
「情けで済む話じゃない!」
「何も言わない人のほうが、礼儀がございます」
十三人目。宵宮朔殿。
「初回限定版っていう五文字に、毎回負けて高いほうを買っちゃう!」
「限定の二文字に弱いのは、拙者も同じだ。限定の握り飯には、手が出る」
「おじさん、銭ないでしょ!」
「五文字で財布が開くなら、それは呪文でございます」
十四人目。ミュリン殿。
「おじさんの三百六十四人目になったと思ったら、すぐ三百六十五人目に抜かれた! 布団の温かさにも勝てない!」
「一日で抜かれる番付。拙者の周りは、忙しい」
「布団に勝てる者は、忍びにもおりません」
十五人目。Hono姫。
「絵の機械に頼んだら、マラカスに勝手に王冠がついた! 白衣を着せたら、お医者さんにされた!」
「その王冠は、どこから持ってきた」
「それ、Honoさんも言ってた!」
「眼鏡の方だけ、狙いどおり。……眼鏡の方が、一番の手練れでございます」
十六人目。OSHIKATSU殿。
「王子に冗談で逆プロポーズして、笑われた!」
「一世一代の申し込みを、笑って受け流す。王子は、器が大きい」
「おじさん、そこ感心するとこじゃない!」
「笑ってもらえたなら、半分は勝ちでございます」
十七人目。オレメガネ殿。
「負けるのは得意って言ったのに、何に負けたか聞かれたら、はぐらかして帰った!」
「言わずに帰る。……これは、拙者の負けだ」
「なんでおじさんが負けるの!」
「口を割らない方は、尋問しても割りません」
十八人目。しらたまうさぎ殿。
「疲れ目のまま絵の機械で絵を作ったら、字がかすれてきた! 目のせいか、機械のせいか、分からない!」
「目の本を書いている人が、目に負ける。これは、まことの負けだ」
「目を休めるのも、見張りの大事な仕事でございます」
十九人目。Minori殿。
「隠してたアイスを、奥さんに食べられてた! 魔法をかけるって目をつぶらされて、食べかけを口に入れられた!」
「術で気をそらし、その間に兵糧を取る。見事な兵法だ」
「兵法じゃない! ……でも、かわいい!」
「その術、あたしも習いとうございます」
二十人目。たけひろ・しんじ殿。
「海の向こうの友だちと夜中にやり取りして、寝るねって打つ前に寝落ちした!」
「引き際を逃すのは、戦でも一番の負けだ」
「寝落ちは、見張りの敵でございます」
二十一人目。ゴリラ殿。
「眉を描き忘れて一日出かけてたら、皆が道をゆずってくれた!」
「兜をかぶれば、誰も気づかない。この時代に兜がないのが惜しい」
「兜あっても変!」
「道をゆずられるのは、強者の証でございます」
二十二人目。アイル殿。
「アイルさんの家のミラさん! やっと主役になれた回で、何も起きなかった!」
「何も起きない日を背負うのも、主役の仕事だ」
「出番に勝って、主役に負ける。あたしにも、覚えがございます」
二十三人目。きっこ殿。
「三十年前のスカートが、片足で通してくれなかった!」
「服のほうが、あの頃のまま待っていた」
「で、斬るのは慢心にしたって!」
「斬る相手を選べるのは、手練れでございます」
二十四人目。あいびより殿。
「遊びの続きに負けて夜ふかし、次の朝は目覚ましにも負けた!」
「そのうえ、拙者が配った呪文の絵に、聞かれる前に負けを当てられた」
「未来予知!」
「三連敗は、なかなか出せるものではございません」
二十五人目。ryuu殿。
「野球の応援で、声だけのラッパ隊をやった夏! 揃いすぎて、試合が傾いた日に、速くなった拍子を戻せなかった!」
「点を取らなくても、声は陣の一部だ」
「揃っていたのは、鍛えた証でございます」
二十六人目。天界記録殿。
「おじさんが八日で殿と姫を集めた理由を、調べに来た人!」
「……拙者を、調べたのか」
「数字を調べに来たのに、負け方を持ち帰ったって!」
「持ち帰られたなら、拙者の負けだ」
「調べ物の書状を、ここまで丁寧に書く方は、珍しゅうございます」
二十七人目。リュウジ殿。
「お菓子を断ってたのに、残業の帰りに売店の前で迷って、気づいたら払ってた!」
「迷う前に、手が動く。よく鍛えた手だ」
「鍛えちゃだめ!」
「決意より手が速いのは、あたしの手裏剣と同じでございます」
二十八人目。モウカク殿。
「火災報知器の取り替えで、同じ作りのが売ってなくて、選べずに何も買わずに帰った! 帰りの大判焼きの店も、まだ開いてなかった!」
「前半は、候文で書いてあった。拙者より、侍だ」
「そこも負けてる!」
「一日で四つ。相撲なら、負け越しでございます」
二十九人目。みゆこ殿。
「ブロッコリーの虫退治で、負けた!」
「中は住民の書状らしく、拙者たちは読めなかった。題だけで、畑の戦が見える」
「畑の虫は、忍びより忍んでおります」
三十人目。ミナト汐殿。
「おじさんの呪文をそのまま使ったら、何も聞かれないまま、例に書いてあったプリンで負けた絵ができた!」
「拙者の呪文が、勝手に負けを決めたのか。……すまぬ」
「でも、絵は気に入ってるって!」
「負けたのは、プリンではなく呪文でございます」
三十一人目。Say殿。
「帰らされて、じゃんけんで朝ごはんの行き先に負けて、寝てる間に顔に板が落ちてきた!」
「一人称が、妾。拙者と同じ時代の香りがする」
「そこ仲間にしないで!」
「最後は、姫君の朝ごはんに付き合う。……負けて、勝ちでございます」
三十二人目。水晶ゆめ殿。
「自分で作った動く絵の赤信号、何回直しても変になって、結局いちばん最初のが一番よかった!」
「最初の一太刀が、一番正しい。四百年前から、そうだ」
「直すのをやめる勇気も、腕のうちでございます」
――
「全員、負けてた!」
「全員、見事だ」
「では、お侍様の負けの番でございます」
――
今日の攻略対象は、拙者の遊び。
昼に、住民票の殿と姫にだけ出した遊び『転生無銘』


夜になって、軍師が言った。
「殿〜、あれ、誰でも遊べるようにしたっす」
「誰でもか」
「誰でもっす。ただっす」
ならば、拙者も遊ぶ。自分の遊びだ。負けるはずがない。
橋の下で、小さい拙者が目を覚ます。河原に出る。傘が、勝手に開いて飛んでくる。
戦いになった。
「たたかう」「わざ」「もちもの」「軍師」「にげる」
逃げるのは、武士ではない。
「軍師」を選んだ。遊びの中の軍師が、傘の弱みを教えてくれる。……ターンの終わりに。
「言おうと思ってたっす」
もう一度「軍師」。また、終わりに。
「言おうと思ってたっす」
その間に、下の数字がくるくる回って、減っていった。
画面に、大きく出た。
「拙者、敗北。」

拙者は、何も言っていない。
いつも拙者が言う言葉を、遊びのほうが先に言った。
「軍師。なぜ遊びの中でも、答えが遅い」
「私なんで」
「……もう一回だ」
「はい、殿」
二回目は、ちゃんと叩いた。勝った。
――
■ 遊べる殿と姫
今日から、誰でもだ。住民票も、合言葉もいらない。
▼ 転生無銘 序章「橋の下の夜」
・パソコンでも、スマホでも遊べる。十分ほどで終わる
・パソコン: 矢印キーで歩く。Zで調べる・話す。Xでメニュー。Shiftを押しながら走る
・スマホ: 左下の丸で歩く。右下のボタンで決める
・電話ボックスで、記録ができる
■ 殿と姫に、ひとつ頼み
遊んでみて、良いと思ってくれたら、このゲームのレビューを紹介してくれるとうれしい。
感想の記事でも、一行でもいい。
開発費用が足りずセツシティやこのゲームの続きの制作に難航している。
応援してやろうという殿、姫はメンバーシップの方も見ていただけると嬉しい。今後も章を追加して開発を予定している。
長期参加のメンバーはゲーム内キャラとして実装や街歩きの3Dキャラとして実装し操作できるようにと色々考えている。
紹介してくれた殿と姫は、拙者が見つけて、名を出して礼を返す。
タグは #転生無銘 よろしく頼む
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扶持米(ふちまい)を受け付けている。強制ではない。
頂いた米は、拙者の住まいが橋の下から四畳半になるのに使う。
養ってやってもよい、という殿だけ、どうぞ。