
【あらすじ】就職氷河期の男 ―― 苦難の先に、何があるのか
あらすじ(※ネタバレを含みます)
2003年、就職氷河期の只中に社会へ出た田中勝は教員の夢を断たれIT業界へ。
連日の徹夜、納期に潰される現場。
父は脳梗塞で半身不随、弟は病に倒れ、田中は結婚を諦めて家計を背負う。
やがて親友と夢見たベンチャーへ転じるが、かつての先輩達に踏み台にされ、二度、心身を病んで寝たきりに。
死を覚悟した田中は、最後の旅にお伊勢参りと東国三社参りを選ぶ。仏壇の奥で見つけた先祖代々の位牌、地雷処理に生涯を捧げる元自衛官の存在──時代の片隅に確かに息づく日本人の姿に触れた時、田中は静かに気づく。
和を尊び、責任を果たし、継承していく心は、自分自身が歩いてきた道そのものだったと。
薄暮の先に、まだ陽は残っている。
1.はじめに
「努力すれば報われる」──そう信じた一人の男が、就職氷河期の只中に社会へ出ました。
これは、彼が辿った二十数年の物語です。
働くこととは何か。家族を背負うとは何か。
そして、すべてが奪われたあとに、人はどこへ歩いていけるのか。
田中勝という名のその男は、私たちのすぐ隣にいた誰かかもしれません。
あるいは、私たち自身だったかもしれません。
どうか、最後のページに触れるその瞬間まで、彼の背を静かに追っていただければ幸いです。
まず、ここから読んでください。
👉【1/10 プロローグ】就職氷河期の男 ―― 境界線の上に立って
2.全話一覧
著者について
坂本梨風(さかもとりふう)。
就職氷河期世代として歩いてきた経験を、物語に編み直しています。
学問の知恵とAIを融合させ、次の世代へ物語を繋ぐことを志しています。
【作品についてのご案内】
本作品はフィクションです。作中に登場する人物・団体・出来事は、実在のものとは一切関係ありません。また、特定の思想・行為・活動を肯定、推奨する意図はなく、あくまで物語上の表現としてお楽しみください。
執筆:坂本梨風