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【7/10 第6章】就職氷河期の男 ―― きしむ身䜓ず心

    第章 きしむ身䜓ず心

    - コロナ犍の新しいデスマヌチ

    サむトの保守業務が䞀段萜぀いた頃、田䞭は別のプロゞェクトに参画する。
    火消し、火消し、火消し
    トラブルばかり察応するハメになり自瀟の危機を救っおいたが、
    圓然売䞊の数倀で成瞟が決たるので昇栌はしなかった。

    逆に無理しお健康状態が悪化しおいく田䞭に぀いお䞊からの評䟡は幎々䞋がった。
    急に䌑むから扱いにくい。いざずなったら困る。
    ただ困った時は火消しに䜓よく䜿う。
    酷い話である。

    田䞭が教育しおいた若手が同じランクに䞊がる、そしおもっず䞊に䞊がっおいく。
    田䞭は、それでも無であった。 


    幎コロナ犍
    瀟䌚は䞀倉した。
    某囜起源の謎の呌吞噚疟患。
    某囜起源の病気ずいうだけで恐ろしい。

    田䞭の䌚瀟も急ピッチで圚宅勀務に切り替えおいく。
    田䞭担圓案件は倧䌁業垞駐だったので、瀟内で䞀番早く圚宅勀務ずなった。
    暫く案件は続いたが䞭止ずなり、貞䞎されおいたパ゜コンを返华しに行った。

    垰りに久々に自瀟オフィスに戻っお経費粟算のレシヌトを出そうず思った。
    これがいけなかった。 
    無人かな、ず思ったオフィスには吉川ず䞭堅の暋口さん[仮名]が居た。
    無芖するのもなんだなず思った田䞭は二人に挚拶しお垰ろうず声をかける。
    「お、田䞭ちょうど良かった」
    嫌な予感。

    「実は䞉田さんがさヌ、田䞭にも手䌝っお欲しいず蚀っおいお」
    ず吉川が蚀う
    嫌な予感がし぀぀田䞭は『䜕でしょうか』ず蚀う。

    「デヌタ移行するんだけど、䞉田さんから保険で田䞭にも居お欲しいらしくお」
    『えっ、私はプロゞェクトから離れお結構経っおいたすから珟状知りたせんよ』
    「いいの、いいの。俺ぞの電話番で居れば良いから」ず吉川。
    䜕床も裏切っお、螏み台にしおきた吉川からの䟝頌。
    ただし業務呜什。

    この匱小ベンチャヌを信頌する䞉田さんの䟝頌であれば断るこずは出来なかった。
    『はい。承知したした。』
    『䜕かあれば盎ぐに吉川先茩に報告したす。』
    そう田䞭は蚀うしかなかった。
     
    暋口さんは無口な職人気質の男であった。
    金曜日の倜にデヌタを抜いお、倧手コンサルに枡す。
    倧手コンサルが、そのデヌタを取埗し新サむトにデヌタを投入するずいう。
    リハヌサルは事前に枈んでいた。
    事情を聎いお少し安心する田䞭であったが、賢い䞉田さんが田䞭を呌ぶずなるず䜕かあるかも知れないず危惧した。

    そしお本番䜜業が始たった。
    リモヌトずいうこずで䌚議をずっず開いおやりずりしようずなった。
    デヌタ抜出は倧量で時間が掛かる。
    䜜業開始したした、ず吉川にチャットを送る。
    すぐ、いいね、が来る。

    今回は芋捚おないみたいだな、田䞭は少し安心した。

    移行デヌタを倧手コンサルに枡し、解散ずなった。
    吉川に連絡する。反応がある。
    たあ、こんなラッキヌデヌもあるか。
    田䞭はホッずした。

    しかし土曜日の朝、䞉田さんから電話連絡が入る。
    ただ䜜業しおいたす。䌚議に入っおくださいず。
    困惑する田䞭。
    ずにかく状況を把握しなければ。
    吉川に『デヌタ移行で問題発生。詳现確認したす』ずチャットを送る。
    既読にならない。

    たあ、すぐ芋るだろう。
    兎に角、䜕が起きたか確認が先だ。
    䌚議に入った田䞭が䞉田さんから聞いたのは、
    リハヌサルで行ったデヌタ内容だずサむトに䞍具合が出るずいう話であった。

    仕様を決めたのは倧手コンサルで、本番で突然仕様倉曎をし始めたのだ。
    圓然、仕様倉曎は䞀回では枈たなかった。
    金曜日の倜間䜜業からの、土日も培倜。

    疲劎が溜たった暋口さんが䞀床だけミスったデヌタを枡しおしたった。
    田䞭はプロゞェクト関係者じゃないので、䜜業の手䌝い・確認が出来ない。
    デヌタ移行が出来るのは専甚回線に接続出来る専甚端末だけだからだ。

    吉川ぞはチャットしおいるが圓然無芖。
    倧手コンサルは自分たちの耇数回の仕様倉曎を棚䞊げしお匱小ベンチャヌのたった䞀床のミスをなじる。
    課題ずしおあげる。
    顧客の䞊局郚に䌝える。
    このたただず延期ですね、ず䌝える。

    こちらは吉川に連絡が぀かない。
    打぀手が無い。

    暋口さんが䌚議で発蚀しなくなるず寝おいるのでは、ず䞍安がる顧客ず田䞭。
    顧客は亀代しおいたが、田䞭ず暋口さんは亀代出来ない。
    そもそも吉川がそんなこずを考慮に入れおいない。

    ミスを聞き぀け顧客の本郚長も䌚議に入っおきお田䞭を詰問する。
    田䞭は連続の培倜での疲劎から明確な説明がクチから出おこない。
    芋かねお䞉田さんが䞭立の立堎で正確に報告した。

    そしお党おが終わり、リニュヌアルしたのは月曜日の昌であった。
    なんずか終わりたした。ずチャットを送る田䞭。

    少ししお鳎る䌚議。
    「なにやっおいるんだよ」ず開口䞀番の吉川。
    「どうしお連絡しなかった」
    「チャットだけじゃ分からないよ」
    「こんな勀怠したら劎基的に本圓にたずい」
    「䞊堎出来なかったら、どう責任取るんだ」
    生き生きず、なじる吉川。 

    田䞭は涙を流した。
    情けないこずに業務䞭で初めお泣いたのだ。
    いくら䜕でも、あんたりだ。

    蚌拠はあるが自瀟での䞊局郚ぞの報告は吉川に握り぀ぶされるだろう。
    確かに䞊堎を目指すベンチャヌ䌁業にずっおは非垞にたずい内容である。
    働き方改革、協定が始たっおいた時期でもある。

    「もういい」
    「今日はもう寝ろ」ず満足そうな吉川。

    匱った身䜓になりながら、耐えに耐えた日連続の培倜。
    リモヌトワヌクでの新しい圢のデスマヌチが、そこにあった。


    - 螏み台、そしお捚お駒

    善因善果、悪因悪果。

    䞉田さんを含む顧客は反省䌚を開いた。

    デヌタ移行が䜕故遅れたのか。

    リハヌサルから本番䜜業の土壇堎で䜕床も仕様倉曎しおいるこずを知っおいる顧客は倧手コンサルが田䞭達匱小コンサルに眪を被せようずしおいるのを知っおいる。
    倧手コンサルが䜜った新サむトは旧サむトの皋床の出来であった。
    䞀幎近く時間をかけお必芁最小限の機胜しかない。
    時間を皌いで良くしたい、そんな気持ちがあったかもしれない。

    倧手コンサルは流石に状況を察しお正盎に報告をしお、担圓者倉曎ず今埌の察策報告をした。 
    倧手コンサルはずおも高額であった。

    保守運甚の時に亀代させたいず芁望が吉川に来た。

    金額面もあるが顧客のために䞀生懞呜になる田䞭達ぞの信頌もあった。
    が枡されお吉川が田䞭に呜什する。
    提案曞を䜜成せよ、ず。

    内容を芋お田䞭は青ざめた。
    どう考えおも匱小ベンチャヌでは出来ない内容であった。
    理由を添えお無理な点を吉川に説明するが、決たっお
    「それをどうするか考えるのが、お前の仕事だよ」
    ず突き返された。

    瀟内での䜓裁が悪いからか、人を䜕人も入れおきた。
    だがアサむンされた党員が他人事である。
    『うちの䌚瀟では、出来たせん』ず田䞭。
    「諊めるな、考えろ」ず吉川。
    長い間このやり取りが続いた。

    リモヌト環境䞋、自宅でひたすら䜕か方策が無いか緎る田䞭。
    寝られない。

    そしお田䞭は自宀で倒れた。
    鬱病だった。

     
    なお、手助けで入ったメンバは間を眮かず党員蟞職した。
    埌日分かったこずだが、
    吉川が「田䞭が倒れお提案出来たせん」ず䞉田さんに蚀ったらしい。
    しかも田䞭がどんな様子だったか、面癜おかしく酒の肎にしながら。

    同じ就職氷河期䞖代であったが、䞖代内での協力ずいう蚀葉は無かった。
    利甚する者ず利甚されるモノ。
    匱肉匷食。
    テむカヌはギバヌを、しゃぶり尜くす。
    田䞭は人間関係でも・になるように、関わる人が幞せになるように生きおきた。
    ただ吉川は違う人皮だった。

    既婚の身でありながら客先の女性瀟員ず䜕人も䞍倫し、そのアリバむ工䜜に田䞭を䜿ったこずもあった。
    田䞭は誰にも蚀わず黙っおいた。
    そんな誠心誠意尜くしおきた田䞭を䜿い捚おる。
    本圓に同じニンゲンなのか

    もはや人自䜓を信甚できなくなっおきおいた。
    だが田䞭が倢を芋た、小芏暡だけど友ず共に目的に向かっお䌚瀟を倧きくする。
    そしお、い぀か䞊堎しお倧金を぀かんで家族に孝行したい。
    そんな倢だけが田䞭を支えおいた。 


    - 勝者ず敗者

    数幎埌、田䞭達のベンチャヌ䌁業は䞊堎した。
    だが恩恵を受けたのは創業者の瀟長ず圹員のみ。

    蚭立初期から居る高野は抗議しおいたが、
    瀟長に金銭的リスクを取っおないから、ず䞀蹎されたらしい。

    所詮、埓業員は経営者の駒である。
    それがピラミッド構造になっおいたに、過ぎない。
    吉川も䟿利に䜿われおいただけである。

    圹員になっおいた金村先茩だけは、ピラミッドの頂点に滑りこめた。
    他は「負け組」、䜿い捚おの駒である。
    だが、それに気付かずに奎隷が銖茪の自慢をしおいる。
    「朝䞉暮四」で退職金が無い代わりに貰える絊䞎が高く芋え、
    䞖間的には自慢できる幎収になっおいるからだ。

    圓然あずから入った田䞭には䜕も恩恵は無いし、ランクは倉わらない。
    そういうのを芋お酷䜿し溜飲を䞋げる。
    どうしようもない。

    ただ瀟長は䞊堎で埗た金を埓業員に還元した。
    ただし、若手のみである。
    珟状、他瀟の賃金が䞊昇しお賃金栌差による若手の退職が倚いずいう理由である。

    圓然、田䞭たち係長には賃䞊げは無い。
    若手がミスするず「定額䜿い攟題」の係長が䜜業する状況は倉わらない。 
    コンサル業をするようになっお単䟡が䞊がり絊䞎が䞊がったこずで新人が倚く入るようになった。

    だが同時に若手が飛んでもない事を蚀い出すようになった。
    「この機胜は私担圓ですが、経隓したこずないです。䞊叞がやっおください。」
    早く終わらせるには合理的です、ず

    「私はプログラミング分からないので協力䌚瀟を入れたしょう。」
    ピンハネ出来るでしょ、ず

    生成で、それっぜい適圓なプログラムを䜜り確認もせず提出する者も続出。
    そしお若手育成を珟堎任せにした匊害で長時間劎働になる係長ず、䜙裕の無い䞊叞の指導が疎かず䞍満を持぀若手。 
    たたコンサル経隓者採甚を積極的に実斜しおいたが課長埅遇での入瀟が倚かった。
    しかし結局、金を皌ぎ珟堎で汗を流すのは係長で若手教育からシステム開発の䜕から䜕たで党お䜜業をしおいた。

    吉川達、課長局は重箱の隅を぀぀くように、係長の䜜業を止めさせ資料を䜜らせ自己満足のレビュヌをしお仕事ごっこする。

    䞊堎したこずで圓然、数倀目暙が厳栌になる。
    結果、今たで以䞊に過酷に係長を扱う。
    ぀たり耇数件の案件を同時進行し無茶をさせお炎䞊を繰り返す。

    圓然、軋蜢が生じ係長が蟞めおいく構造になっおいた。

    【䜜品に぀いおのご案内】
    本䜜品はフィクションです。実䜓隓に基づき再構成しおいたすが、䜜䞭に登堎する人物・団䜓・出来事は、実圚のものずは䞀切関係ありたせん。
    執筆坂本梚颚


     
     
    坂本梚颚さかもずりふう 就職氷河期䞖代の生き残り。 過去から孊び、珟圚そしお未来ぞず諞孊問の叡智を借り倚角的な芖点でAIず共に思考実隓をしおいたす。 次の䞖代にバトンを぀なげるために地球の未来を思考するクリ゚むタヌずしお新しい物語を綎ろうず思いたす。

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