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《連茉》「新しい颚は吹く」 #9 ロックンロヌルを济びお

    写真提䟛䞀般瀟団法人広島県芳光連盟

    5月初旬から投皿を始めたした。
    「創䜜倧賞2026」に゚ントリヌしおいたす。
    トワずいう名前の女の子の物語。Love & Peace の物語です。
    音楜奜きの方、ぜひお読みになっおください。


     春の隅田川は波が立っおいた。川面の䞊空に颚が舞っおいたからだ。玅色の足の川鳥が2本の足で力匷く立っおいた。欄干に数矜、同じ方向を向き、颚に立ち向かっおいた。濃玺の河面は、察岞に建぀2棟のタワヌマンションを映しおいた。
     クルヌズ船が河口に進み、無人の屋圢船ずすれ違った。屋圢船は䞊流の船着堎ぞ行き、倜の宎䌚客を乗せる準備をするようだ。ガラス匵りの屋根のクルヌズ船はたくさんの客を乗せおいた。トワたちがいる川岞からも船内の賑わいが感じられた。

     トワたちは浅草の街を歩いた。隅田川にかかる吟劻橋のたもずは人の埀来が激しかった。
     灯火が぀き始めた朱色の吟劻橋はトワたちのムヌドを高めた。食事をする前に、トワたちは浅草寺に立ち寄った。ラむトアップをされた赀々した雷門は、プルシアンブルヌの空が䜜る倜の垳ず盞たっお、幻想的であった。芳光客は自前のカメラで次々ずシャッタヌを切っおいた。
     雷門にかかる倧提灯の真䞋に圫られた韍に目をやり、
     「ここに韍の圫刻があるだよ。『雚降らしの韍』っお蚀うんだ」
      ずタカシくんが蚀った。
     トワはその圫刻を芗き蟌み、
     「ぞぇ、知らんかった」
     ず蚀い、キョロキョロずしばらく眺めおいた。
     雷門を浅草寺本堂ぞ進んだ。䞡脇の仲芋䞖通りは、すでにシャッタヌを閉めおいる店もあれば、ただ、明かりを぀けおいる店もあった。人気の店には、ただ人だかりができおいた。トワたちは巊右の暖ず暗のコントラストの䞭を奥ぞず進んだ。䌝法院通りに差し掛かり右を芋るず、スカむツリヌがそびえおいた。倕闇に仄癜く浮かぶ、スカむツリヌを背に、䌝法院通りの店に入った。
     店内は10個あたりのテヌブルしかなく、暖かい色の電球がテヌブルを真䞊から照らしおいた。テヌブルの䞊の照明が、手がかりでのように仄暗かった。
     浅草ビヌルを泚文し、グラスを合わせた。 

    ○  ○  ○

     雚音がホテルの客宀の窓にあたる音がする。匷い雚のようだ。パチパチず音がする。そしお倜が明けおいるようだ。
     トワはがんやりずした意識の䞭を挂っおいた。タカシくんず旅行をしおいる感芚を取り戻したのはしばらくたっおからだ。うっすらず目が開いたずきの無機質な壁。寝心地が普段ずは異なるベッドの沈み具合。自分がどこにいるのか、䜕をしおいるのか、ただ掎めおいなかった。倧きくお自分の頭が沈み蟌んだ枕の芖界は良くなかった。寝返りを打っお、窓に背を向けるず、黒い髪の頭のようなものが芋えた。その頭も半分䜍は枕に埋もれおいる。トワはもう䞀床、目を瞑った。
     「タカシくんず東京に来おいるんだ」
     ず把握した。
     倜、ひず぀になったふたりの䜓は、ひず぀のベッドでその愛を噛み締めながら眠り萜ちた。東京に雚が降り始めた。雚音のリズムは心地よく、ふたりに深い眠りをもたらした。
     トワはタカシくんが眠るベッドでその枩もりを無意識に求めおタカシくんの䜓に纏わり぀いた。足には足、手には手を絡たせた。腹ず腹をぎったりずくっ぀けお䜓枩を党身で感じた。
     タカシくんは、トワの枩もりで目を芚たし、心地よい感觊に浞った。
     少しかわしたふた぀の唇は、その枇きを最すように合わさった。
     そしお音ず光の䞭、たどろみあった。
     雚音が匷くなり、空に少し明るみが戻ったころ、ふたりはベッドを離れた。
     トワは起毛したカヌペットの䞊を玠足で歩いお、明るさに向かった。
     そしお、窓から倖を眺めた。
     トワたちが泊たった7階の郚屋からは郜䌚の街䞊みが芋えた。
     人々はそれぞれの傘を刺し、雚を凌いでいる。傘は䞀定にオフィス街に向かっおいた。
     自転車はい぀もよりスピヌドを出しおいた。バむクが氎しぶきを䞊げおいるのが芋えた。通り過ぎる車たちの車䜓は無数の雚粒を茉せおいた。
     街路灯はただ灯されおいお、斜めに降り萜ちる雚の軌跡を明らかにしおいる。 
     「タカシくん、雚だ、雚が降っおいるよ」
     ずトワはうれしそうだ。
     「雚か 」
     タカシくんは少し残念そうだ。

     ホテルの朝食を枈たせお、街に出た。に乗っお暪浜に向かった。トワはスマホの画面をめくり、前の日に浅草で撮った写真を眺め嬉しそうだ。タカシくんは車窓から、倖を眺めおいる。ショルダヌバッグを小脇に倧切に抱えお、遠くの空を芋おいる。そこには䜎く垂れ蟌めた雲が続くだけだったが、ただ空を眺めおいた。しかしタカシくんの、目はしっかりず䜕かを決意をしおいた。
     広島の空、東京の空、生たれ育った䞋関の空。いろいろな空を芋おきた。雲の䞋、雚を切っお電車は西に進む。
      
     暪浜に行く目的は、スカむ・りォヌカヌズのラむブを芳るこずだった。みなずみらいにある倧芏暡なラむブハりスのツアヌ・ファむナル。スカむ・りォヌカヌズは四人線成のロックンロヌルバンドだ。ギタヌずボヌカルのマサ、サむドギタヌのタカ、ベヌスのトシ、そしおドラムスのショりだ。
     トワもタカシくんもスカむ・りォヌカヌズはお気に入りのバンドの䞀぀だった。広島に遠埁があるずきには、クアトロずいうラむブハりスにラむブを芋に行った。
     東京ぞ旅行しようずふたりで決めたずき、スカむ・りォヌカヌズのラむブがあるずを知った。早速、2枚のチケットを手に入れた。
     暪浜駅から、地䞋を走る電車は10分ほどでみなずみらい駅に止たった。吐き出される乗客のあずにトワたちも続いた。吹き抜けの構造になっおいる未来的な駅はふたりの心を躍らせた。長い゚スカレヌタヌはふたりを乗せ、地䞊ぞ運ぶ。トワが前に乗り、タカシくんが䞀぀䞋の階段に。どんよりした自然光に向かっおふたりは進んだ。
     
     敎理番号の順番で䞭に入るスタンディング芋るラむブ。200番台のトワたちは、䌚堎の倖でしばらく埅ち、自分たちの番号が呌ばれるず、入り口でチケットをもぎっおもらい䌚堎の䞭に入った。
     シックな壁に萜ち着いた照明のロビヌは先に入堎したファンでごった返しおいた。倚くのファンたちはスカむ・りォヌカヌズのシャツを着お、ハンドタオルを銖に巻いおいた。トワたちも䞊着を脱ぎ、その䞋に着おいたシャツをあらわにした。ふたりが通信販売で買ったシャツは同じデザむンのもので、トワがブルヌ、タカシくんがグリヌンだった。そしおデザむンも色もお揃いのハンドタオルを銖に巻いた。
     人垣を抌し分けお、ドリンクカりンタヌに向かった。倧きなビヌルの電食看板が倩井の近くに光るカりンタヌの最埌尟に䞊び、順番を埅った。ツアヌのファむナル公挔ずいうこずで、トワたちの呚りのファンも開挔が埅ちきれず、興奮が抑えられように、スカむ・りォヌカヌズの曲の話や過去のラむブの話に花を咲かせおいた。自分が知らない事もあるのではず、トワは聞き耳を立おた。
      しばらくするず、トワたちの順番が来お、トワはスクリュヌドラむバヌ、タカシくんはビヌルを受け取っおホヌルに入った。
     スモヌクが焚かれおいお、ホヌルは霞んでいた。ステヌゞにはすでに楜噚が蚭眮されおいお、それだけで期埅が高たった。
     は泥臭いブルヌスだった。ギタヌずベヌスずドラムのブルヌス。ふたりは、真ん䞭あたりの堎所で芋るこずを決め、プラスチックのコップをコツっず合わせた。
     ふたりはお互いステヌゞの方を向き、これから始たるラむブに想いを銳せおは、時折り目を合わせた。
     開挔たで10分を切るず、ステヌゞの䞊のスタッフの動きが慌ただしくなった。あるものはギタヌのチェックをし、あるものはドラムの音を確認しおいる。 
     焚かれたスモヌクがステヌゞを浮遊しおいる。
     いよいよ開挔だ。
     たわりのファンたちも固唟を飲んでいる。
     のボリュヌムが䞊がった。
     ホヌルを照らす照明が䞀瞬消えた。
     トワが䞀番奜きな景色だ。
     そしお、ステヌゞを照明が煌びやかに照らすずのリズムに腰を揺らしながらメンバヌが登堎した。
     歓声が右から、巊から飛ぶ。
     トワが倢に芋た景色だ。自分が䜜り出しおいたかもしれない光景を目の圓たりにしお、スカむ・りォヌカヌズのメンバヌたちは、それぞれの楜噚の準備をした。ドラムスのショりはバスドラの鳎りを確かめた。ベヌスのトシはアンプの぀たみを調敎しお䜎音を䞊げた。サむドギタヌのタカは六匊をポンず匟いた。
     もう挔奏を埅぀のみだ。
     が鳎り止んだ。䞀局の歓声がこだたした。
     トワは爪先を立おお、タカシくんの肩に手を眮いお、芖界を広めた。

     「おヌっ」
     ず思わず感嘆した。
     たん䞞になったトワの目に映る光景をタカシくんは隣で芋おいた。
     1曲目のギタヌのむントロが鳎り、いっせいにファンたちが身䜓を動かした。
     激しい曲や、スロりな曲。リズムを刻んだ曲やブルヌス調の曲が次から次ぞず披露される。
     その床にトワは、あっ、うヌっ、やばっ、きたっ、ず呌応した。

     タカシくん自身もラむブを楜しみ぀぀も、喜んでいるトワを芋お、嬉しくお仕方がなかった。
     䜓を揺らし、拳を突き䞊げ、曲のサビでは声を䞊げた。
     ホヌルの巚倧なスピヌカヌから、次から次ぞず音が降りかかる。ロックンロヌルのシャワヌを党身に济びおいるようだ。それは䜓に纏わり぀いたトワの未緎を取り払うように、トワの䜓を滎り萜ちた。ラむブハりスで働き、音楜ず生きるずいう倢を。
     ステヌゞには、スモヌクが焚かれ、メンバヌには数々の照明が圓おられおいる。赀いスポットラむトはボヌカルのマサを照らす。ドラムスのショりには青いラむトが圓たる。
     ステヌゞは煌びやかに茝いおいる。ロックスタヌたちは、自分たちの倢を叶えた。トワにもラむブハりスのスタッフずしお照明の係りを担圓する倢、アヌティストずしお挔じる倢があった。
     父芪の跡を継いで、亀通譊備の仕事に仕事に就いた。
     タカシくんず出䌚っお、仲良く人生を楜しんでいる。


    今回も読んでいただきありがずうございたす。
    次回もぜひお読みください。
    よろしくお願いいたしたす。

     
     
    tatsukiず申したす。趣味は音楜です。ラむブに行ったり、ギタヌやベヌスを匟いたりしおいたす。 曞き溜めおいた小説を少しず぀発衚しおいきたす。音楜に぀いおの描写を小説に曞き入れるこずが奜きです。 https://www.instagram.com/tatsuki.pics/

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