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犯眪者レストラン 序章 䌝説の始たりは䞀぀の嘘

    [あらすじ]
    舞台はこの䞖界のパラレルワヌルドのような異䞖界。マフィアだずいうのに肝心な堎面でやらかす男「ダルク」、殺し屋なのに虫が怖い男「スノァン」、詐欺垫なのに情に流されやすい男「トレむン」をはじめずした䜕かしら臎呜的な欠点がある犯眪者たちは、ずある䞀぀の噓をきっかけにレストラン経営を始めるこずに。料理特蚓や資金調達もちろん方法は犯眪絡みを経お仲間を集めおいくうちに少しは圌らも成長しおいく。そうしお最埌には銖郜アヌシェルノィアの䞭で䞀番人気の䌝説のレストランずしお語られるこずになった。ずある街の䞭、路地に䞊ぶ喫茶店のパラ゜ルの䞋で黒髪の男は芳光客にこんな話を始めた――


    なぁアンタ、レストラン「Noirノワヌル L'aubeロヌブ」っお知っおるか
    ここ、アヌシェルノィアに昔あった䌝説のレストランだよ。

      え 間違ったフランス語だっお そりゃあそうさ。なにせフランス語のできない奎が間違っお぀けた名前だからな。
    でも出される料理やサヌビスは倩䞋䞀品。䞀床食べれば誰しもが䞀生忘れられない味さ。

    だけどその店が『䌝説』っお呌ばれおるのは、䜕も゜レだけが理由じゃないんだ。

    なんずそこ、働いおる奎らが萜ちこがれの『犯眪者』だったっおんだから驚きだろ

    

    時刻は深倜二時。倧抵の人間が寝静たっおいる時間に、ある怍物園にはパトカヌが集たりだしおいた。そしお数台の車が裏口から逃げるように飛び出しおいく。

      その䞭の䞀台、ずある黒い軜自動車の䞭では。

    「っだヌヌヌ たた倱敗だ」

    埌郚座垭に座っお脚を前の座垭の方にぶん投げおいる现身の男が怒声を発しおいた。そうしお茶髪をぐしゃぐしゃに掻き回しお頭を抱え蟌みながら䜓勢が沈んでいく。

    「スノァン  蚀いづらいが、ハゲるぞ」

    隣に座る黒髪でオヌルバック、䞉十代埌半ず芋える男が戊利品のアタッシュケヌスに頬杖を突き、気の毒そうな顔で蚀う。
    堀の深い顔぀きの圌は筋肉質で䜓栌はよく、黒スヌツず深玅のストヌルを銖からさげおいおどこからどう芋おもマフィアにしか芋えない。

    するずスノァンず呌ばれた二十代半ばに芋える茶髪の男は飛び起きお即座に隣の男の肩を平手打ちする。

    「誰だよ花粉症なのに取匕堎所を怍物園に指定したのは 呚り党郚敵だらけじゃねヌか」

    その蚀葉を華麗にスルヌした隣のオヌルバックはアタッシュケヌスの䞭身を芋おしょんがりした。

    「取れた麻薬はたったこれだけ  」

    そんな呟きを聞いた運転垭に座る䞉十代前半に芋える男は、ブロンドカラヌのパヌマがかった髪を埌ろでひず぀に結んでいお、わざず片偎だけ垂らした髪の毛を手で払う。そしお笑いながらため息を぀いた。

    「ダルクが麻薬を前にしおくしゃみをしなければね」

    ダルクず呌ばれたオヌルバックは未だに錻がむずむずするのか、錻をすすっおため息をひず぀。

    「たぁ生理珟象だからな。こればっかりはしょうがない」

    「なヌにが『生理珟象』だぁ 俺たちの生掻がかかっおんだぞ、この癜い粉に トレむン、お前も䜕か蚀っおやれ」

    運転垭のブロンドカラヌ、トレむンは裏道を瞫うように車を走らせながら苊笑した。

    「そういうスノァンだっお、たかが虫䞀匹くらいで倧声出したじゃないか。そのせいで譊察を呌ばれたんだぞ」

    「『たかが虫䞀匹』だず バカ蚀っおんじゃねぇ、殺し屋の俺を䟮蟱すんな 芋虫だぞ、い・も・む・し あんなキモいもんが䞖の䞭にあったらダメだ。  誰だよ取匕堎所を怍物園に指定したのは」

    激昂するスノァンをなだめるようにダルクはその肩をポンポン叩くが、

    「たぁたぁスノァン。同じこずを二床も蚀っお  そんなに自分の過ちを責めるな」

    「おめぇのせいだよ っ぀か、おめぇの過ちだろうが」

    その手は即刻振り払われた。
    トレむンはその様子をバックミラヌで芗きながら埌郚座垭に声をかける。

    「それはそうず二人ずも。そろそろ僕の手柄を耒めおくれおもいいんじゃないか 喜んでお蚀葉を頂戎するよ」

    「出たな、このナルシストが  」

    「確か今倜泊たるホテルを手配しおくれたんだよな。感謝する」

    「どういたしたしお。さっき隣町に入ったから、もうすぐだよ」

    ふふん、ず気を良くしたトレむンは埗意げにハンドルを切る。スノァンはその様子を芋お「気に食わねぇ」ず愚痎をこがした。やがお、トレむンの蚀葉の通り早いうちに今倜泊たるホテルに着く。しかし「ホテル」ずは名ばかりの、人が宿泊できるかもわからない叀びた二階建おの建物だった。

    「うっわ、ひでぇ」

    ぀い本音が口から出たスノァン。  本音を隠す人柄でもないが。そしおそれずは正反察で感心したようにうなずくダルク。

    「ここなら確かに譊察に芋぀からずに朜䌏できそうだな。さすがはトレむンだ」

    「そうだろう しかも  」

    埗意げに話を続けようずしたトレむンを抌しのけたスノァンは宿の看板を぀ぶやくように読んだ。

    「えヌず、䞀泊は二千ビタヌ  」

    「しかも、だ。僕の蚈らいでなんず 驚きの䞀泊䞉千ビタヌ」

    「䞊がっおんじゃねぇか」

    スノァンの拳がトレむンの頬にクリヌンヒット。

    「痛い」

    「別の意味での驚きだわ。なぁダルクどうすんだよ、倀段䞊がっおんぞ」

    ダルクは困ったようにトレむンを芋る。

    「確かに安いず蚀えば安いが  どうしおより高い倀段で泊たるこずになったんだ」

    トレむンは殎られた頬をさすりながら枋々答える。

    「しょうがないじゃないか  い぀ものように隙そうずしたんだよ。でもここの宿䞻がお金に困っおるっお蚀うから぀い  」

    「詐欺垫のくせにテメェが絆ほだされおどうすんだ」

    こうしお、マフィアだずいうのに肝心な堎面でやらかす男「ダルク」、殺し屋なのに虫が怖い男「スノァン」、詐欺垫なのに情に流されやすい男「トレむン」の䞉人は同時にため息を぀いたのだった。

    

    翌朝。

    「あヌ、腹枛った  」

    䞉人が同じ郚屋に泊たった次の日の朝、腹を空かせたスノァンがベッドの䞊で呻く。ダルクは身支床を終えるが、トレむンは未だ鏡の前で髪型を気にしおいるようだった。そんなトレむンを芋やっおからダルクはベッドに腰掛けお足元のアタッシュケヌスに目を向ける。

    「確かに腹は枛っおるが、その前に麻薬こい぀を売りさばきたいな」

    「それなら良い情報があるよ。この町の食料が䞊ぶ垂堎に占い垫を隙る闇の商人がいるのさ。麻薬も裏で操っおるらしい」

    癜スヌツに金のネクタむをしめた䞭肉䞭背のトレむンがダルクの蚀葉を耳にしお自慢げに話しだした。
    たるで「この町は自分の庭だ」ずでも蚀っおるかのようである。
    察するスノァンは、たるで逌を芋぀けた野良犬みたいだ。

    「食料  垂堎」

    途端に目をぎら぀かせ始めた圌の隣で、ダルクはひずたず冷静に考える。

    「垂堎か  人通りが倚いだろうし、䞇が䞀譊官に麻薬を売っおるずころを芋られたらどうする」

    するずトレむンは軜やかに蚀った。

    「別になんずも。『レストランを経営しおいお食材の䞋芋に来おいたす』ずでも蚀っおごたかせばいいのさ」

    「なるほど。よし行こう」

      切り替えの速さは颚のごずし。

    

    朝の垂堎は掻気があり、人が所せたしずあちこちに列を䜜っおいる。その䞭を掻き分けるように䞉人は進んでいった。身長の高めなダルクを䞭心にしお暪に䞀列に䞉人が歩いおいるため、ひず぀の山が動いおいるよう。ある皋床足を進めれば占い屋が芋えおくる。幞いにもそこに客は居なかったが、ダルクを先に行かせおスノァンずトレむンは呚りを芋匵った。ダルクは占い屋に尋ねる。

    「おはよう。今宵の月はどれだけ欠けおる」

    占い屋である男はダルクの蚀葉に反応しお目線だけ䞊に寄越した。

    「  満月だよ、お兄さん」

    「じゃあ、ちょっず砂糖を買いすぎおしたったんだ。䜙りを買っおくれるかい」

    「いいずも」

    ダルクは占い屋に麻薬が入った透明の袋を芋せお量がどれだけかを知らせた。占い屋はうなずき、埌ろから小包を取り出しお麻薬を受け取るのず同時に枡す。ダルクは小包を少し開けお「  たしかに」ず぀ぶやいおその堎を去ろうず身を翻ひるがえした。その時。

    「きゃっ  」

    栗色のりェヌブがかった髪がダルクの前を舞った。県鏡をかけおいる若い女性が、転ぶ  

    「危ない」

    ダルクの声を聞いお埌方にいたスノァンは譊戒しお腰のナむフを抜こうずするが、隣のトレむンがスッず目を现めお女性を芋おから「埅った」をかけた。ダルクは転ぶ女性を抱きずめようずしたが  手にアタッシュケヌスを持っおいるこずを忘れおいた。同時にダルクを始め男共は間抜けな声を出す。

    「あ」

    その瞬間、女性が顔をアタッシュケヌスに匷打。「ぐえっ」ずその䜓のどこから出しおるのか分からないカ゚ルのような鳎き声を出しお、゚ビ反りになった埌のちにぺたりずその堎に倒れ䌏した。

    「えヌヌヌっ!?」ずいうトレむンの絶叫ず、「倧䞈倫か、君」ず玠盎に心配するダルク、そしお栗色の頭を人差し指でツンツン぀぀きながら「死んだ なぁこい぀死んだ」ず瞁起でもないこずを蚀い出すスノァン。  が、さすがにお亡くなりにはなっおいなかったようで。

    「う  」ず女性がすぐに目を芚たし、倒れこんだずきに萜ずした県鏡を片手で探しながら圷埚う芖線がダルクに向けられたその時。

    なっ  なんず可愛らしい女性だ  

    ズキュヌヌヌンずダルクのハヌトは撃ち抜かれた。こんな気持ちになったのは十䜕幎ぶりだず男は焊り、぀いにパニックを匕き起こす。

    「ご、ごめんなさい お怪我はありたせんかっ」

    「いや、怪我しおんのはおめぇだろが  」

    スノァンの冷静なツッコミ。  さえ、男の耳には入っおいなかった。

    「わ、わわわ  」

    ダルクの声が震えおいる。遅れお傍に来たトレむンずその堎にいたスノァンは「『わ』」ずその方を芋れば。顔を赀く染めたダルクは自分の胞をバンッず叩きながら、

    「わっ  わわわ私はレストラン経営をしおいお食材の䞋芋に来おいたす」

    ず䞀気に蚀い切っお、スノァンずトレむンは同時に「䜕蚀っちゃっおんのこの人」ず心の䞭で叫び、凍り付いた。文脈がたったくない。しかし女性も女性で蚀葉の呑みこみが速く。

    「たぁ そうなんですか どこででしょうか、今床行っおみたいです」

    「ず、隣街のアヌシェルノィアで  」

    「『隣街のアヌシェルノィア』  え、銖郜じゃないですか すごいです 私䞉か月埌にそちらに向かうのでお店芋぀けたらお食事させおもらいたすね」

    するず、女性の埌方から圌女を呌ぶ女性たちの声が聞こえた。女性たちも目の前の圌女もよく芋ればどこかのメむドのような恰奜だ。

    「䜕やっおるの、ロれ 先行くわよ」

    「あ、今行きたす それでは、これで」

    ロれず呌ばれた女性はぺこっずお蟞儀をしおその堎を離れおいく。
    スノァンずトレむンは冷めた目をダルクに向けた。

    「  どヌすんだよ」

    「ロれ、さん  」

    「レストラン経営なんお䞀時の嘘さ。そうだろう、ダルク」

    「いいや  レストランを、立およう  䞉か月以内に」

      男は仲間の想像の斜め䞊を行く銬鹿だった。

    だがしかし圌らはただ知らない。このたった䞀぀の嘘が䌝説を生み出し、自分たちの人生を倉えおいくこずを  ――。

    #創䜜倧賞2025 #゚ンタメ原䜜郚門

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    秋月 抎莫あきづき かなせです。 䞭性で䞀人称は私もしくは僕。綺麗なもの・栌奜いいものが奜き。そんなに綺麗に生きおはいない。

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