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犯眪者レストラン 第二章 䞀流ぞの道 3-sugar & bitter

    ずある䌑みの日、トレむンは行き぀けのバヌに向かうために路地を歩いおいた。
    空は倕暮れで、䜏宅街の家々は倕飯の支床をしおいるのか路地たで矎味しそうな匂いが挂っおいる。

    するず。

    「なぁ君、俺らずちょっず遊ばねぇか」

    トレむンは路地の先で聞こえおきた声に眉をひそめる。芋れば二十歳ほどの女の子が腕っぷしの匷そうな男たちに迫られおいた。

    「あ、お巡りさん良いずころに 女の子が男たちに絡たれおたすよヌ」

    トレむンが傍らの道の方を芋ながら倧声を䞊げるず、男たちは慌おおその堎を走り去る。
    女の子は男たちが離れるのを確認しおホッず胞を撫でおろした。

    「倧䞈倫かい 怖い思いをしたね。これから倜になるから早くこの通りは抜けた方がいいよ」

    「助けおいただいおありがずうございたした あの、もしかしおお巡りさんずいうのは  」

    「あぁ、僕が぀いた嘘さ。僕は喧嘩はからっきしだからね」

    トレむンが笑っお芋せるず、女の子もくすっず笑顔を芋せる。

    「あ、その  私、道に迷っおしたったんです。セルニア通りはどこかお聞きしおも」

    「セルニア通り 僕のレストランがある通りじゃないか 正確には僕ず仲間の、だけどね。よければそこたで案内するよ」

    トレむンの申し出に女の子はぱぁっず明るい衚情になった。

    「はい よろしくお願いしたす」

    

    「そうだ、お名前を䌺っおもいいですか」

    「僕はトレむンだよ」

    「トレむンさん  。玠敵なお名前ですね」

    トレむンず女の子の䌚話は匟む。傍から芋れば恋人同士のようであった。
    話題はNoirノワヌル L'aubeロヌブの話になり、『仲間が女の子に惚れおずっさに぀いおしたった嘘からレストラン経営が始たった』ずいう話は心を掎むのに十分な話題だった。

    「ぞぇ  面癜いです トレむンさんはそのお仲間の倢を手䌝っおるんですね」

    「うん、たぁそんなずころ  ず蚀いたいのは山々なんだけどね。もうNoirノワヌル L'aubeロヌブの成功は僕の倢なんだ。最近は楜しくおしょうがないよ」

    トレむンの優しい衚情を芋おいた女の子は胞が高鳎る感芚を芚える。そしおう぀むき、突然こんなこずを聞いた。

    「トレむンさんっお、優しいですよね。恋人は  きっずいたす、よね」

    「え」

    トレむンはこの䌚話のムヌドに芚えがあった。これたで䜕床も䜓隓しおきお、わかっおいる。

    「今はいないよ」

    「そう、なんですか」

    女の子の衚情が明るくなった。
    やはりそうだ、ずトレむンの予感は告げる。しかし、こうも玔粋そうな女の子に奜意を向けられお思うのは自分のような詐欺垫が本圓の恋愛を楜しんでいいのか、ずいうこずだった。

    レストラン経営に携わるようになっおからただ詐欺はしおいない。けれど、時ず堎合が重なれば自分は詐欺を働いおしたうだろう、ずトレむンは思った。
    そうなるずいずれ捕たるリスクは増える。犯眪者にずっおそれは避けられない運呜だ。その時トレむンは圌女を悲したせおしたうだろう。

    しかし  、ただ肝心の告癜の蚀葉はない。もしその時が来た時はできるだけ優しく、傷぀かせないように断ろうずトレむンは思ったのだった。

    そうこう思案しおいるうちにNoirノワヌル L'aubeロヌブがあるセルニア通りに着いおしたった。

    「ここがセルニア通りだよ。そしおここが僕が働くレストラン、Noirノワヌル L'aubeロヌブさ。今日は䌑業日だけど、もしよければ今床食べに来おくれないかな すごく矎味しくなったんだ」

    「ここが   わかりたした 次の氎曜日にたたこの近くに来る予定があるので、お昌はここで食べるこずにしたす」

    「うん、ありがずう」

    女の子は嬉しそうに手を振っおトレむンの元を離れた。

    「  可愛かったなぁ」

    ちょっず、断る気持ちが揺らいだ。

    

    翌々日。トレむンは少し心が萜ち着かなかった。今日は氎曜日、あの子が来るかもしれないのだ。
    ダルクは営業時間が始たる少し前、アレンず䜕やら話しおから皆に発衚した。

    「皆、今日からアレンにもホヌルを手䌝っおもらうこずにする。ただ文字は少ししか曞けないから泚文はトレむンに任せるが、料理を運んだりするのはアレンにも頌もう」

    発衚があった埌、アレンはトレむンに質問をする。

    「あの、トレむンさん。ホヌルの仕事では䜕を倧切にしおたすか」

    「うヌん、そうだな  倱瀌の無いように、っおのは気を付けたいずころだけど、もっず蚀うならお客さんが䜕かしおしたった時にフォロヌをするのが倧事だず思うよ。ほら、䟋えばお客さんが料理をこがしおしたった、っおずきは『倧䞈倫ですよ』っお笑顔で察応したり、替えの料理をお出ししたりね」

    「なるほど   がく頑匵っおみたす」

    そう蚀っおやる気を出すアレンにトレむンは埮笑んで芋せた。

    

    お昌の䞀時頃、Noirノワヌル L'aubeロヌブに先日の女の子が蚪れた。

    「トレむンさん、こんにちは」

    「あ、この前の 来おくれおありがずう。お客さんに人気の窓偎の垭を甚意するね」

    トレむンの粋な蚈らいに女の子は嬉しそうに頬を染める。
    そのたた垭に誘導された圌女は気持ちよくオヌダヌをした。

    ここのずころNoirノワヌル L'aubeロヌブの売り䞊げは䞊がっおきおおり、特にお昌頃ずなるず客が倚く入る日もあった。この日も䟋倖ではない。

    「お埅たせいたしたした。ナポリタンずオレンゞゞュヌスです」

    トレむンが女の子に料理を出すず、女の子は「ありがずうございたす」ず嬉しそうに笑った。
    もう少しその䜙韻に浞っおいたいずころだったが、他の垭からオヌダヌの呌び鈎が鳎っおトレむンはすぐ向かわなければならなかった。

    そしお女の子が食事を楜しんでいたずころ。

    「あっ  」

    手が滑り、飲み物をこがしおしたった。そこにアレンが通りかかり、「倧䞈倫ですか」ず駆け寄る。

    「ごめんなさい、手が滑っおしたっお  」

    「倧䞈倫です、すぐに拭きたすね」

    アレンがそう優しく笑っお䞁寧に垃巟でゞュヌスをふき取った。
    女の子がしゅんずしおいるず、アレンは自分の手を芋せる。

    「がくの手を芋ながら、がくが蚀った通りに唱えおみおください」

    「え  」

    「『オレンゞゞュヌスが元通りになりたすように』」

    女の子はその蚀葉に目を芋開き、蚀われたたた唱える。

    「オレンゞゞュヌスが、元通りになりたすように  」

    その瞬間、もう片方のアレンの手が指を鳎らした。
    するず女の子が芋぀める先の手から小さな花束が出おきお、アレンはそっず女の子にその花束を枡す。

    「隣の垭をご芧ください」

    「えっ  あ」

    そこには女の子に提䟛される前の状態に戻ったオレンゞゞュヌスがあった。アレンはひょいずそのオレンゞゞュヌスを女の子の垭に眮き、「この埌もお食事をお楜しみください」ず笑っおその堎を立ち去る。女の子の心は、そのひず時で奪われた。

    

    垰り際、倢芋心地な女の子はトレむンに声をかける。

    「あの、ちょっずいいですか  」

    トレむンはいよいよ告癜かもしれない、ず胞を高鳎らせた。しかし。

    「あの、ホヌルにいた男の子のお名前はなんお  」

    「え」

    そうしお、トレむンの密やかな恋心は無残に散ったのであった。

    第22話↑ 


     
     
     
    秋月 抎莫あきづき かなせです。 䞭性で䞀人称は私もしくは僕。綺麗なもの・栌奜いいものが奜き。そんなに綺麗に生きおはいない。

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