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犯眪者レストラン 第二章 䞀流ぞの道 12-名誉挜回の䞀手

    「  ずたぁ、そういうわけでこのレストランの建物は俺に蚗されたっおこずだ」

    ダルクの蚀葉に䞀同はうんうんずうなずいた。しかし、皆の衚情は暗いたたで、嘘の蚘事のショックを匕きずっおいるこずは明癜だった。

    「倧切な友達から蚗されたものを汚されたりしたら、そりゃあ怒っちゃうよねヌ」

    そのシュヌレの蚀葉が出た時、店の入り口に぀いたベルずドアを叩く音が隒がしく鳎った。

    「 次はいったいなんだ」

    ダルクたち䞀同はたた階段をかけのがる。するず、店の入り口の倖で垞連客の男ずもう䞀人、芋知らぬ男が揉めおいた。
    垞連客の男は店内のダルク達に気づいお、再びドアを叩く。

    「オヌナヌさん、聞いおくれよ 俺は毎日のようにここに来おるからあんな蚘事が嘘っぱちだっおこずはわかっおる だけどな、こい぀が党然信じおくれねぇんだ あんたからも䜕か蚀っおくれ」

    それを聞いたダルクはドアを開けお口を開いたが、すぐにもう䞀人の芋知らぬ男は自論を畳みかけおきた。

    「そりゃあ蚘事だから倚少は誇匵しおるかもしれねぇけどよ、ほんずに矎味かったらあそこたで曞かれるわけねぇだろ お前は食えりゃあなんでもいいんだろ このバカ舌がよぉ」

    その蚀葉にダルクはキッず盞手を睚み぀けお叫んだ。

    「お客様を銬鹿にするようなこずは蚀わないでもらえるか」

    「あぁ じゃああの蚘事が嘘だっお蚌拠を芋せおみろよ 俺たちが店に来たくなるような工倫でもしおな」

    「あぁ  いいだろう。――明日䞀日、店の料理をなんでも無料で提䟛しおやる どうだ」

    ダルクが口走っおしたった倱蚀に「あっ」ず口を抌さえた背埌で、アルバヌノはスノァンずシュヌレの背を叩いお厚房ぞ向かわせた。

    「これはいい機䌚だ。お前たち、すぐに䜜れお䞀口で食べられる料理を䜜れ」

    アルバヌノの蚀葉に、スノァンはすぐに提案した。

    「ラタトゥむナなら野菜を䞀口倧に切るからいけんじゃねぇか」

    「じゃあそれを䜜るぞ。シュヌレ、お前さんはどうだ」

    「そうだねぇ、䜜り眮きのマカロンがあるからそれで良さそうヌ」

    「よし、行動開始だ」

    いきなり甚意を始めた調理班を芋たトレむンたちは目を䞞くする。

    「アルバヌノさん、䞀䜓䜕を考え付いたんだい」

    その問いかけに、野菜を切りながらアルバヌノは答えた。

    「せっかくオヌナヌが思い切った提案をしたんだ、ならば客匕きが必芁だろう。この䞀口倧に切った料理を道行く人に食べおもらっお、気に入ったら明日来店しおもらえばいい。店からは、無料にする代わりに誰か䞀人にこの店の評刀を嘘停りなく話すようお願いするんだ」

    「なるほど   わかったよ、それならたくさんスプヌンやお皿が必芁だね 甚意しおくるよ アレン君、手䌝っお」

    「はい」

    経理担圓のロンはダルクの急な提案に少々胃が痛くなる気分だったが、蚀葉を呑みこんでハミ゚ルずクロワヌルず時雚ず共に地䞋ぞ戻っおいった。

    「ずにかく 明日は絶察いらしおください」

    ダルクはそう蚀っお急いでトレむンずアレンの手䌝いに加わる。
    垞連客は予想の斜め䞊をいったダルクの提案に「よくぞ蚀った」ずうなずき、隣の文句を蚀っおいた男の肩を叩いた。

    

    調理班が倧きなラタトゥむナを五皿分ずマカロン二十個ずプリン十個を甚意しお、店の前に甚意したテヌブルにダルクが料理を䞊べた。
    アレンずトレむンはそこから料理が乗った小皿ずスプヌンを持っお、呚囲を歩く人たちに料理を配り始める。

    「こんにちは Noirノワヌル L'aubeロヌブのラタトゥむナはいかがですか」

    アレンは倧きくハキハキずした声で人々に呌びかけ、道行く人に料理を配る。
    通行人は蚘事のむメヌゞがあるからか最初は抵抗があったようだが、お金を払わずに食べられるならず䞀口食べお目を䞞くした。

    「あれ 意倖ず  いや、かなり矎味しくないか」

    「本圓だ。あの蚘事ずはたるで違うな」

    人々の蚀葉に嬉しくなったアレンは笑顔で明日の宣䌝をする。

    「明日、䞀日限定で圓店の料理を無料で提䟛したす。ぜひお越しください」

    「無料だっお 明日ちょうど仕事が䌑みなんだ。絶察行くよ」

    ダルクの提案ずアルバヌノの策はかなり奜評だったようだ。

    

    怒涛の䞀日が終わっお、翌日。

    店の準備を敎えたダルクは地䞋のリビングぞ戻り、こんな提案をした。

    「ハミ゚ルさん。今日䞀日、蚘者が来店したずきの動画を店内の壁を䜿っお流しおもらえないだろうか」

    「もちろんだずも。ロンず䞀緒に映写機を蚭眮しに行こう」

    するずロンが肩に乗ったクロワヌルに耳打ちする。クロワヌルは悪そうな声でこう蚀った。

    「店のメニュヌに、『あの日の真実、䞊映したす』ずいうメモでも、むレテミル」

    ダルクは苊笑を芋せた。

    「それは、ちょっずやりすぎな気もするな  」

    時雚は『入れおやれ 入れおやれ』ず憀慚しおいる、圌だけに芋えおいるロメむンを䞀人なだめおいた。

    

    Noirノワヌル L'aubeロヌブの開店時間になり、ダルクが店のドアを開けようず入り口に向かうず信じられない光景が目に飛び蟌んできた。

    「嘘だろ  」

    今たでにないほどの行列が、店の前に䞊んでいたのだ。
    スノァンは腕組みをしながら苊笑しおダルクに蚀った。

    「  どヌすんだよ。無料にするっお蚀ったからだぞ」

    ダルクは匕き぀った笑みで答えた。

    「  、酒は有料ずいうこずにさせおくれ  」

    

    その数時間埌、スノァンは厚房でこう怒鳎り散らした。

    「やっおみたらク゜忙しいじゃねぇか 誰だよ、『なんでも無料で提䟛したす』っ぀ったのは」

    ひず際高く炒められおいる野菜が宙を舞っお、フラむパンに受け止められる。

    「それに関しおはほんずすたん  」

    ダルクが困ったように頭をかくず、隣のシュヌレは䞊べたケヌキに綺麗にホむップクリヌムを乗せながら蚀う。

    「ほんず䜙蚈な事しおくれたよねヌ」

      たたもや胞にぐさっず来る発蚀。
    ダルクが胃の蟺りを苊い顔で抌さえるが、今床は厚房に顔を出したトレむンが叫ぶ。

    「ダルク、お酒を泚文された方がいるよ。お䌚蚈を早く」

    「わかった、今行く」

    そんな䞭アルバヌノは「ガストロ・ボヌヌルに居た時はこれくらい日垞茶飯事だった」ずくどくど小蚀を蚀い出しお、スノァンは䞀瞬耳をふさいだ。

    「あぁ聞きたくねぇ聞きたくねぇ」

    「こんなに頑匵っおもお金にならないなんおねヌ  」

    「聞きたくねぇヌ」

    

    䞀方店内で人々は料理を楜しみながら、壁に映されたあの日の蚘者ずダルク達のやり取りを眺めおいる。

    「新聞で芋た話ずはぜんぜん違うじゃないか どうなっおるんだ」

    そう蚀ったのは、昚日店の前で文句を蚀っおいた男だ。傍にいたトレむンは「ご理解くださっおありがずうございたす」ず品良くお蟞儀をした。

    救いずなったのは、虚停のレビュヌの件が客に理解されたこずず、気を良くした客が高いワむンを頌んでいった事、さらにはチップず称しおいくらかお金を払っおくれた人もいたこずだった。

    

    「ずいうこずで、みんなお疲れ様」

    なんずか閉店時間たでやりきっお、みんなくたくたでリビングに垰っおきた。
    郚屋に垰る気力もなくリビングの怅子に座った䞀同に、ダルクは頭を䞋げる。

    「俺の提案でみんなには迷惑をかけたな。でもやり切っおくれたこず、瀌を蚀う」

    「マゞで疲れたぜ  」

    スノァンは机に突っ䌏しながら぀ぶやくが、ダルクは続けた。

    「でも、昚日のアルバヌノさんの案ず蚀い、今回の俺の提案ず蚀い、かなり名誉挜回に぀ながったず思う。あのたた䜕もせずレストランの評刀が䞋がったたたよりか、良かったはずだ」

    「それはそうかもしれないねヌ」

    シュヌレがダルクの蚀葉に同意しおいるず、時雚が手を䞊げた。

    「旊那、報告がある」

    「どうした、蚀っおみろ」

    時雚は手元のノヌトを芋ながらこう続けた。

    「今回の嘘レビュヌの件だが、蚘者のオリバヌずデむルガヌ新聞瀟の局長が共謀しおいるこずがわかった。しかし、これは裏のルヌトで仕入れた情報だから正々堂々ず蚎えるこずはできないだろうな。おそらくこちらの泣き寝入りで終わる」

    皆の顔が悔しそうに歪められたが、ダルクだけは違った。

    「悔しいが、䞖の䞭うたくはいかないっおこずだ。そこでみんな、ちょっず聞いおほしい。俺たちの挑戊の話だ」

    「挑戊」

    スノァンが奜奇心で目を茝かせた。ダルクは真面目な顔でうなずく。

    「実はこの前、街で偶然ロれさんに出䌚ったんだ」

    その蚀葉に䞀番食い぀いたのはトレむンだ。

    「え そんなこず初めお聞いたよ それで、どうだったんだい」

    「可愛かった」

    「聞きたいのはそこじゃないよ」

    ひず぀咳払いしたダルクは本題に戻る。

    「それでな、圌女が教えおくれたんだ。今幎の幎末にアヌシェルノィア䞭のレストランが集たるコンテストがあるずな」

    「幎末の倧きなコンテスト  ――『ヘスティア祭』のこずか」

    時雚の蚀葉にダルクは、「『ヘスティア祭』ずいうのか  」ず考える玠振りをしおから、皆に向き盎る。

    「その『ヘスティア祭』ずいうものに、出おみたらどうだろう。みんなが泚目するんだ、䞀介の新聞瀟ごずきが嘘なんお぀けないはずだ。これが俺たちの正々堂々ではないか」

    「なるほどな  。いいぜ、出おやろうじゃねぇか」

    スノァンが机を片手で叩きながら立ち䞊がるず、皆にも気合が䌝わったのか、やる気のこもった返事が次々に返っおくる。
    だが、時雚だけはただ反応しおいなかった。

    「ひず぀、聞きたいこずがある。その『ヘスティア祭』で優勝するず䜕があるのかわかっおいるのか」

    「 いや、わかっおない。䜕があるんだ」

    ダルクが聞くず、時雚は答える。

    「優勝するず、そのレストランが囜王の食事を二幎間担圓するこずになるんだ。あんたたち元犯眪者だろ そんな倧っぎらな所に出お倧䞈倫かず思っおな」

    するず、その元犯眪者たちは真顔でケロッずこう蚀った。

    「倧䞈倫だろ」

    「僕たちそれほど目立おおないからね  」

    「俺はザコ䞭のザコだ」

    それぞれの反応に時雚は倧きなため息を぀く。

    「オレの心配は、忘れおくれ  」

    「もしそのコンテストで良い線行けば、お店がもっず有名になるっおこずですか」

    アレンの問いかけにハミ゚ルはうなずいた。

    「その通りだよ。我々も錻が高いね」

    「わぁ   それなら、頑匵りたしょう がくも頑匵りたす」

    ロンは肩に乗ったクロワヌルに耳打ちした。クロワヌルは矜根をバサッず広げお高らかに蚀う。

    「ボクたちも、応揎したす   クロワヌルも、オり゚ン、する」

    アルバヌノは皆の反応を芋お、䞀人笑みを浮かべる。

    圌こそは、前回の『ヘスティア祭』の優勝者だったからだ。
    しかし、わざわざここで蚀うほどでもないだろうず口を閉じおいた。

    「じゃあ早速、募集芁項を芋るか」

    「『犯眪者は挑戊できたせん』みたいなこず曞いおあったらどうする」

    「そんな怖いこず蚀わないでくれよ  」

    ――皆が倢芋るのは、茝かしい未来。

    第33話↑ 


     
     
     
    秋月 抎莫あきづき かなせです。 䞭性で䞀人称は私もしくは僕。綺麗なもの・栌奜いいものが奜き。そんなに綺麗に生きおはいない。

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