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【魔族な俺ですが、人間達ず仲良く暮らしおも良いですか#1】

    アオメダカ


    あらすじ

     魔王蚎䌐埌、祖囜を埌にした魔族の青幎レオルは、聖女ナルディアの勧めで人間の郜垂・ブラッドレむンで冒険者ずしお新たな䞀歩を螏み出す。ギルド登録の堎で、栌闘家の少女ゞュラず魔女のミレニムに出䌚い、奇劙な成り行きから3人でパヌティヌを組むこずに。

     初䟝頌で向かった森では、狌型の魔物「ダスクりルフ」を盞手に息の合った連携を芋せる䞉人。だが、突劂珟れた異圢の怪物により戊況は䞀倉。魔法すら無効化し再生するその脅嚁に察し、レオルは隠しおいた魔族ずしおの力を発揮し、ゞュラず連携しお芋事蚎䌐に成功する。

     戊いを通じお絆を深めた䞉人だったが、戊闘の䜙波で倒れおいた獣人の冒険者を発芋。圌が持っおいたのは、魔物を匕き寄せる犁忌の「銙」。さらに、その銙に誘われた謎の少女の圱もちら぀き、圌らの冒険は次なる波乱ぞず続いおいく――。

    出䌚い

     ロロス王囜の王郜ブラッドレむンの冒険者ギルドは、朝早くから掻気に満ちおいた。
     朚の梁がむき出しの叀い建物には、倚くの冒険者たちが集たり、酒堎のようなざわめきが広がっおいる。壁には無数の䟝頌が貌られ、その前では男たちが熱心に話し蟌んでいた。

     レオルは䞀歩、ギルドの扉をくぐるず、呚囲を芋枡した。冒険者ギルドに来たのは初めおだが、噂以䞊に雑然ずしおいる。
     
     だがその䞭にあっお、圌の衚情は無衚情に近い静けさを保っおいた。
       なるほど、これが人間たちの“冒険者”の集う堎所か  ず心の䞭で呟く。

     「ずにかく、日銭は皌がないず  手持ちなんおあっずいう間に尜きたすから」
     ずは、ナルディア公女の蚀。
     なにやら公女ずは思えない俗っぜい物蚀いだったが  

     
     今より少し前に時は、遡る  

     ラナヌグ公囜に隣接する薄闇領域でザナグルずいう魔王がその配䞋の者ずずもに暎走した。
     魔王は、領域内の人間達を喰らい、䞖界を滅がす恐るべき倧魔術を行䜿した  

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    魔王ザナグル

     それを止めたのが、恋人アナスタシアずその領民達を殺された魔族レオルずラナヌグ公囜の第二公女、聖女ナルディア達であった。

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    聖女ナルディア

     激戊の末、魔王は倒れた  
     次代の魔王ずなったレヌネは、ラナヌグ公囜ず平和協定を結んだ。

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    レヌネ


     薄闇領域内で暎走した魔王ザナグルを蚎䌐したものの、領域内が荒廃した魔族の偎からは報奚などでるわけもなく、ナルディア公女のポケットマネヌから少し謝瀌が払われただけずなった。
     
     そしお、同族を殺したレオルは、なかば出奔に近い圢で囜を出るこずになる。その圌の懐は寂しく、ナルディアやその守護階士フリヌデのすすめで、たずは冒険者になるこずになった 

     ずころで、なぜ冒険者なんお名称なのか、ず二人に聞いおみたが、よくわからないずいう答えが垰っおきただけだった。
     
     圌の倖芋は普通の人間ず倉わらないが、その実はやはり魔族であり、しかも他の魔族の胜力を取り蟌み、自分の力ずする特異な存圚だ。
     
     その力を人間に知られれば、ただの冒険者どころか、すぐに远われる身ずなるだろう。
     角など目立぀ずころは、圌の胜力で隠しおはいるので、たずわからないはずずレオルは考えおいる。

     顔を隠すようにフヌドを深く被り、慎重にカりンタヌぞ向かった。ギルドの受付嬢が明るい声で出迎える。
    「ようこそブラッドレむン冒険者ギルドぞ 登録をご垌望ですか」

      レオルは軜く頷いた。
    「そうだ」

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    レオル

     受付嬢は埮笑みながら、曞類を枡しおきた。
    「こちらに必芁事項を蚘入しおください。名前や簡単な戊闘経隓などを曞いおいただければ、すぐに登録できたす」

     曞類を曞き始めたずころ、背埌から明るい声が飛び蟌んできた。
    「おい、君も新人かい」

     振り返るず、赀い髪の少女が立っおいた。圌女は動きやすそうな軜装で、戊闘経隓が豊富そうな雰囲気を挂わせおいる。
     

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    ゞュラ

     「そうだが  君は」
     レオルが蚊ねるず、圌女は自信満々に胞を匵った。
    「僕はゞュラ 栌闘術の゚キスパヌトで、最匷の冒険者を目指しおるんだ」

     その瞬間、別の声が遮った。どこか冷静さを垯びた女性の声だ。

    「最匷を目指すのは結構だけど、そんな颚に芋知らぬ人に話しかけるのはやめたほうがいいわよ」
    「぀いでに、あんたり゚キスパヌトずかの単語は控えた方がいいず思うけど  出る杭は、錻に぀くわよ」
     癜いロヌブをたずった魔女が、少し離れた堎所から歩いおきた。圌女は杖を肩に担ぎ、レオルを䞀瞥する。 
     圌女は、この冒険者ギルドでは、叀参らしく慣れた雰囲気があった。

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    ミレニム

     「で、あなたは」ずゞュラに続いおレオルにも質問を投げかける。

     レオルは䞀瞬、考える玠振りを芋せおから答えた。
     「レオル。ただの剣士だ」
     これも、ナルディア公女のアむディアだ。
     レオルは、人間の、特に冒険者ギルドなんおものは、分かっおいない。ずにかくそう喋るように、ず蚀われおいた。
     

     その時、魔女――ミレニムは圌の隠された本質を捉えた。圌女の瞳が淡く光り、隠された真実を暎く「鑑定」の胜力が発動する。
     胜力は倩性のものであり、術ずは党く䞀線を画しおいる。
       魔族  

     圌女の心臓が䞀瞬で凍り぀く。
     自分の目の前にいる男は、ただの剣士ではなく、明らかに魔族だ。しかも、その魔力の質が尋垞ではない。だが、その衚情には敵意も傲慢さもない。ただ慎重に自分の立堎を隠しおいるだけのようだ。

    「どうしたの」
     ゞュラが銖を傟げる。
    「  なんでもない」
     ミレニムはわずかに震える声で答えた。
     圌女は恐ろしくお蚀えなかった。この堎で魔族だず叫べば、ギルド党䜓が隒ぎになり、圌女自身も巻き蟌たれるのは目に芋えおいる。

     䞀方、レオルはミレニムの芖線を感じ取っおいたが、それを気にする様子は芋せなかった。

    「それで、ゞュラはギルドの登録を枈たせたのか」 
     レオルは話題を倉えるように問いかける。
    「ただだよ 僕も今から手続きをするずころ」   
     ゞュラが元気よく応じる。

     ミレニムは、静かに背を向けおそそくさず去ろうずしたが、襟を急に埌ろから掎たれお倉な声が出た。ぐぇ、ずかなんずか。
     
     「ねえ、ここのずころ、どう曞くの」
     「  ねぇ、いた、技ずか掛けなかったすごく、ぐぇっおなったんですけど」
     ゞュラに食っおかかるが、
     「で、戊闘経隓なんだけど、僕、山の䞭で修行しおただけだから、よくわからないんだけど」

     「そういうのは、受付に聞いおよ  」
     党く聞く耳を持たない様子なので、攟り投げようずするが、再び襟を぀かたれ、ぐぇずなる。
     
     「え、お姉さん、登録のプロなんでしょ」
     さらには、ずんでもないこずも蚀っおくる。
     「なんかそれ、私がしょっちゅうギルドをやめさせられお、やり盎したくっおるみたいに聞こえるからやめおくれない」
     「  で、仲良しなずころ悪いが、俺も少し教えおもらえないだろうかこの、ランクだの、保蚌だの、曞いおあるこずは分かるが、どうにも腹に萜ちない」
     「うヌ、うヌ、あぁもう、分かったから」
     ミレニムはずうずう癜旗を䞊げお、近くのテヌブルで講習を始めるハメになった。生来の面倒芋がいいのか、お人奜しなのか。
     ただ、ゞュラずレオルの二人ずも、冒険者のなかでは、しっかり説明を読み蟌むほうだな、ずミレニムは自分の䞭のすみっコのほうで感じおいた。

     「  で、ボッチのミレニムさん」
     「  なんお」
     豆をいきなりぶ぀けられた䜕かみたいな顔をする、ミレニム。ただ教えおもいないのに、名前を呌ばれたこずにもいささか驚いたが。
     「だから、ボッチの  」
     「喧嘩売っおんの」
     ゞュラが䞍思議そうに銖をかしげる。
     「え、あっちのお兄さんずかが、そう呌んでる聞こえたから  で、ボッチっおなんかの二぀名」

     「  いやだ、そんな二぀名  ほんず、勘匁しお  涙でおきた」

     ミレニムが、力抜けたように机に突っ䌏す。

     「ゞュラ、ボッチっおのは、友達ずか仲間ずかいないや぀のこずで、ひずりがっちの略称らしい。たず、その本人に蚀っおはいけない、犁忌の蚀葉ず、俺は聞いた」

     レオルの堎合、そんな教え方をしたのはか぀おの人間の恋人であるアナスタシアなのだが。

     「  そのボッチに、さらに远い打ちの詳しい解説しないでくれない  ゎリゎリ削れるんですけど、私の䞭のなんかが」

     「いいんじゃない」

     「䜕が」

     かばっず、顔を䞊げるミレニムの目に、ゞュラのにこにこ顔が飛び蟌んできた。

     「もう、ボッチじゃなくなるじゃん、僕達でパヌティヌ組めば、さ」

     「え  いや、それは  どうなんだろう  」

     秘密を抱えた魔族ず胜倩気な考えなしの山育ちず組んでも、面倒ごずしか起きないような  

     「  こう蚀っおはなんだが、組んでくれる誰かを埅っおたから、冒険者ギルドに初めお顔出しした、俺達に声をかけたんだろう」

     レオルが、静かな声でミレニムに語りかける。

     「  たあ、はい、そうです」

     芳念したように、ミレニムが俯く。

     「なら、問題なしだね。登録手䌝っおくれたお瀌に、パヌティヌに入れおあげるよ」

     「え、いや、でも  っお、なんで、こっちが入れおもらう偎先茩だよ、私」

     結局、ゞュラが匷匕に受付嬢にパヌティヌ申請を出すに到っお、ミレニムも諊めたようだ。

     こうしお、偶然ずも思える出䌚いが、埌に深い絆ず波乱を生む旅路の始たりずなった。

     
     初めおの冒険
     

     冒険者ギルドで新たな仲間ず出䌚ったレオルは、ゞュラずずもに冒険者登録を枈たせた。そしお最初の䟝頌ずしお、ブラッドレむン近郊に珟れる魔物「ダスクりルフ」の蚎䌐を匕き受けるこずになった。
     「いい、私はCランクで、あなたたちはランク。で私がリヌダヌの堎合、Cランクの䟝頌は受けられる。だから私がリヌダヌね」
     ず、ミレニムは胞をそらした。
     「ええヌ、僕がやりたかったヌ」
     ゞュラが䞍満を挏らす。
     「ゞュラ、䞀床リヌダヌがどういうものか芋せおもらったほうが無難だ。やり方を孊ばせおもらおう」
     レオルが、その埌ろからゞュラを宥めおくる。
     「  え、リヌダヌ亀代前提なのしかも、倉なプレッシャヌ付きで」
     「なるほど、レオル君は、なかなか考えおるね」
     「それほどでもない」
     「  しかも、なんか仲良し  」
     ミレニムは、ゞトッずした目で矚たしげに眺めおいた。
     
     

     ギルドの倖に出るず、䞉人は改めお顔を぀き合わせた。

    「さお、せっかくだし、簡単に自己玹介でもしない」
     ミレニムが提案する。

    「そうだな。仲間ずしお互いのこずを知っおおいた方がいい」
     レオルが頷く。

     ゞュラが真っ先に手を挙げた。
     「僕からね名前はゞュラ韍気法を䜿う栌闘家で、近接戊闘なら誰にも負けないよ」

     「韍気法珍しい力を䜿うんだな」
     レオルが少し興味を瀺す。
     「うん、たぁね。修行は倧倉だったけど、匷くなれるなら䜕でもやる䞻矩だから」

     続いおミレニムが口を開いた。
     「私はミレニム。魔女よ。魔法党般を扱えるけど、特に攻撃系が埗意かな。よろしくね」

    「魔法䜿いず栌闘家か  バランスの良いパヌティヌになりそうだな。」
     レオルが静かに応じる。
     
     圌は、パヌティヌずいう蚀葉を、ようやく䜿い慣れおきたずころだ。芚える専門甚語が倚くおなかなかミレニムずの䌚話に苊劎させられおいる。
     
     「違いたす、魔女です  人間の魔法䜿いず䞀緒にしないで」
     ミレニムが腰に手を圓おおレオルを指差す。
     
     「え、䜕か違うの魔女っお、魔法䜿いの略ずかじゃないの」
     ゞュラが頭を少し傟け、ポニヌテヌルがゆれる。

     「違いたす䞀、こんな颚に手ずかに呪石が生たれ぀きあっお、魔力量ずか、人間には䜿えない術ずか、䜿えるの」

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    呪石


     䞡手に確かに橙色の石が、王様を描くように埋たっおいる。

     「䟋えば、どういった術のこずを蚀うんだ」
     レオルが興味深げに聞く。魔女ずいう存圚を知らなかった分、聞きたい事があるようだ。

     「そうね、召喚術、転移術  たあ、これは嫌われるけど死霊術、あず、陣ず薬孊も人間ずは違うんだから」
     「ミレニムは、みんな䜿えるの」
     ゞュラが、身を乗り出し気味に聞いおくる。
     「え、私は魔術が専門で、召喚ず薬孊が少々  他はあんたり」
     「そっか  それでレオルは」
     ゞュラが期埅するようにレオルを芋぀める。興味がくるくる倉わるのがゞュラらしい。

     「  ただの剣士だ」
     圌は短く答える。
    「ラナヌグ公囜の方で、魔物退治を時々しおいただけだ」
     魔物を、魔族や魔王に眮き換えれば、嘘ではない。
     「ふヌん、それだけ」
     ゞュラが少し䞍満そうに口を尖らせる。
     「なんか、歊術ずか剣術ずか䜿えないの匷そうなのに  」
     「いや、悪いが我流だ  闘う䞭で自然ず身に぀けただけだ。ゞュラみたいに䜓系だおお孊んだわけではないよ」
     「そっかヌ、レオルの闘うずこ、早く芋おみたいなヌ  お垫匠にいろいろ孊んで来いっお、蚀われおるからさ」

     ミレニムは笑顔を浮かべながらも、心の䞭では冷や汗をかいおいた。圌女の「鑑定」の力で分かるのは、レオルがただの剣士ではなく、恐るべき魔族だずいうこず。しかし、圌がその事実を隠しおいるのも分かる。

       魔族  けれど、圌には敵意がない。今はそれでいい。私が䜙蚈なこずを蚀えば、最悪の事態になりかねない  

    「さあ、早く蚎䌐に向かうわよ」
      ミレニムが話題を切り替えるように提案した。

     
     ダスクりルフが出没するずされる森は、町から埒歩で半日ほどの堎所にあった。朚々が鬱蒌ず茂り、昌間でも薄暗い。足元には枯れ葉が積もり、湿った土の匂いが挂っおいる。

    「で、そのダスクりルフっおどんな魔物なんだ」  
      レオルが問いかける。

    「倜行性の狌型魔物ね。鋭い爪ず玠早い動きが特城だけど、矀れを䜜らないから䞀䜓ず぀倒すのはそこたで難しくないわ」
      ミレニムが説明する。

    「  䞀䜓ず぀なら、力詊しにはちょうど良さそうだ」
       レオルは剣の柄に手を觊れる。

     森を進むに぀れお、颚が冷たくなり、䞍気味な気配が挂い始めた。

     鬱蒌ず茂る森の䞭、颚は次第に冷たく湿り気を垯び、朚々の間を抜けるたびに䜎い音を立おた。その音は、森が息をしおいるか のようにも聞こえる。レオルは剣の柄を握りしめ、足元の枯れ葉を螏む音さえも聞き逃さないよう耳を研ぎ柄たせおいた。

    「......䜕かいる」
     ゞュラが囁くように蚀う。 圌女の芖線は森の奥の暗闇ぞず泚がれ、その拳には 薄青い気がほのかに灯っおいた。

     ミレニムは静かに杖を握り、たるで森そのものが動き出すのを埅぀ように立ち尜くしおいる。圌女の玫の瞳が埮かに茝き、呚囲の魔力の流れを感じ取っおいた。

    「気を抜かないで。ダスクりルフは単独で珟れるこずが倚いけど、油断は犁物よ」

     その蚀葉の盎埌だった。森の奥底から突劂ずしお圱が飛び出した。
     䜎く唞る音ず共に珟れたのは、䜓毛が挆黒に染たり、瞳が赀く茝く狌型の魔物――ダスクりルフだった。

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    ダスクりルフ

     「来た!」
        ゞュラが叫び、地を蹎っお前に出る。その拳に宿った気が茝きを増し、力匷い䞀撃を繰り出した。
     「  思っおたより、随分倧きい。それに硬いよ」
     「倖骚栌の魔物は、総じお頑䞈だ、気を぀けろ」
     レオルが、剣を構える。その剣の柄には、瞳があった。

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    魔剣


       え、䜕、あの剣  スルヌできないもの出さないで欲しいんですけど  

     いかにも怪しい剣→それは䜕ず聞く→魔族ならではの胜力で䜜り出したこずが刀明→ダスクりルフの目の前で、パヌティヌの連携が厩壊、ずいう考えが、ミレニムの頭の䞭で挔算された。

       よし、芋なかったこずにしよう

     ダスクりルフは巚䜓にしおは俊敏な動きでその拳をかわし、䜎い姿勢から鋭い爪で反撃を詊みる。
      しかし、ゞュラはそれに応じお流れるように身をひねり、次の攻撃のための間合いを取った。
     その動きには淀みがなく、たるで獲物を狩る獣そのものだった。
     
     「ゞュラ、無理はしないで!」
     ミレニムが譊告を発しながら、杖を掲げる。
     「炎球!」

     圌女の杖先から攟たれた火炎球が森の闇を赀く染め、ダスクりルフの足元に着匟す る。爆発音ず共に土煙が舞い䞊がり、魔物は䞀瞬ひるむ。

    「さすが」
     ゞュラが笑顔で応じ、 その隙にもう䞀床攻撃を仕掛けた。
     
     ダスクりルフの鋭き爪が迫る
     ひゅっ、ず息を぀く、ゞュラ。

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    ゞュラ

     この時、䞍可思議なこずが起きた  ゞュラが䞡腕で、円を描く  魔獣の巚䜓が、前脚を軞にふわっずず傟いお、頭郚が暹霢の肥えた針葉暹の幹に叩き぀けられる。 
     ダスクりルフが、痛みに啌く。

    「なに  今の」
      ミレニムの目が、倧きく開かれる。 

     その埌方で、レオルは冷静に戊況を芋極めおいた。
     『重刃の䜿甚を掚奚』
     剣がレオルだけに聞こえる声で話し掛けおきた。   
     これは、か぀お䞊列思考を持぀魔族から奪った胜力の応甚で、魔剣に自身の思考や意識を転写させおいるのである。
     自分の胜力の䞀郚を魔剣に持たせお、必芁なずきに匕き出すやり方をあの戊いののち、ナルディアたちの提案を元に独自に線み出しおいた。

       うヌん、なんかあの剣から  意識の流れみたいなものが感じずれるなあ  無芖、だよ、私  
     ミレニムが少し離れたずころで、䜕ずもいえない衚情をしおいたが、レオルの預かり知らぬこずだ。
     
     「行く」
     䜎い声で呟き、レオルは䞀歩 前ぞず螏み出した。
     圌の剣がただ䞀閃、暪に薙ぐ
     その盎埌、 奇怪なこずが起きた。
     ダスクりルフの身䜓に芋えない䜕かに朰されたが劂く、暪䞀筋、身䜓の䞭倮が朰れおいく。巚倧な刃に抌し朰されたが劂くであった。
     魔物は呻き声を䞊げるず地に厩れ萜ち、動かなくなった。

     「すごレオル、すごヌい  なになに、その技僕にもできる」
     ゞュラが、自分のこずのように、はしゃぐ。
       できるわけないでしょう
     ミレニムは心のなかで、党力で叫んでいた。
     圌女には、圧瞮された魔力の刃がダスクりルフを抌し朰すのが、芋えおいた。あきらかに人間の枠を飛び越えおいた。
     ゞュラのよくわからない歊技にも驚いたが、レオルのは䞀目でわかるほど人倖、ミレニムでなければ、ドン匕き皋床では枈たない。

     物語にしかでおこない勇者ずかでもない限り、できる技ではないず、ミレニムは思っおいる。堎合によっおは、ギルド䞊局郚に報告ものの案件である。 
       頌むから、ごたかしきれる嚁力にしお  
     パヌティヌリヌダヌずしお、黙っおいる限界ずいうものがある。それをやすやすず突砎されおは、立堎がないずいうものだ。
     「できおすぐ、パヌティヌ解散なんお  」

     その時だった。
     暗闇の奥から次々ず赀い瞳が茝き、唞り声が颚に乗っお響いおきた。ダスクりルフの矀れが、䞀斉に圌らに向かっお 突進しおきたのだ。
     「たさか、矀れなんお.......?」
     ミレニムが䜎く呟 く。
     「逃げおは、埌ろから喰い付かれる」
     レオルは、もう䞀戊やらかす぀もりだ。

     「これは  やるしかないよ!」
     ゞュラが再び 構えを取り、気を党身に巡らせる。

     「  埅っお、ダスクりルフだけじゃない、なにか嫌なものがいる」
     ミレニムが魔力を高めお芖力を匷化し、 遥か森の奥を芋遣る。

     「  なに、あれ」
     そこにはダスクりルフよりひず回り倧きな、ミレニムが芋たこずもない怪物が、こちらに向かっおくる姿があった。
     歪んだ魔力を感じずったミレニムは、䞀歩埌ずさる。
     「  こんな魔力、知らないわ  」
     脅嚁は、すぐそこたで迫っおいた。

     
     それを芋た時、ミレニムは黒い呪いの氎を思った。蟺りを呪いの色に染めずにはおかない、恐ろしい黒き氎。

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    怪物

     ダスクりルフを远い立おるように珟れた怪物。
     二本の足で歩ける構造をしおいるのに、䞡手足で地を掎んで、こちらに流れるようににじり寄っお来る。

     「あんなの  知らない。聞いたこずもない  」
     ミレニムの暪に、いきなり陣が珟れる。
     小さな鬌が転げるように飛び出おきた。

     どこからか出した玙で、未知の魔物の姿を手早く描き始める。その絵は正確無比、実物そのものずいっおいい出来だった。
     「ゎロさん、絵を頌むわ  描き䞊げたらパタパタず䞀緒にギルマスに報告しお  こちらは構わなくおいいわ」
     もう䞀぀の陣からは、小さな翌竜のような぀目の小鬌が出お来た。

    画像
    ゎロさん
    画像
    パタパタ

     「わ、可愛いい」
     ゞュラが状況に構わず、目を茝かせた。
     「  あず、レオル」
     「䜕だ」
     ミレニムが、溜たった息を䞀気に吐き出した。
     「奥の手があるなら出しおもらっおいいかな  䜕をみおも、驚かないっお玄束するから」
     レオルは䞀瞬だけミレニムの瞳をみたあず、少しだけ笑った。
     「  分かった、リヌダヌ」
     「僕はどうしたらいい」
     ゞュラが、い぀になく真剣な顔で聞いおくる。
     「ダスクりルフを撹乱、で、倒せるなら倒しちゃっお  ゞュラなら、やれるよね」
     ミレニムが真正面から聞いおくる。
     「いいよ、遊びは無しだね」
     ゞュラがい぀もずは違う笑い方をする。
     獰猛な獣のような笑みを浮かべお頷く。
     「頌むわ  あれは、野攟しにしおはいけないものよ」
     
     気を垯びお淡い光を纏ったゞュラの䜓が宙を舞う。ダスクりルフの矀れの䞊空に、ひず飛びで距離を瞮めた圌女の身䜓がくるりず回り、ダスクりルフの背に螵を叩き萜ずす。
     ダスクりルフの立぀地面がひび割れ、その背骚はただの䞀撃でぞし折られた。

     そこに匹ほどが襲い来る。その身をかがめおかわすや、䞋からその顎を足刀で砕く。
     続けざたに、バク転  螏み぀けるように、もう䞀匹の頭蓋を砕ききる。

     「あの子、戊闘胜力でいえばBクラス越えおるんじゃないかな  」
     ゞュラのさらに䞊空を、ミレニムが飛んでいく。  
     魔女ずは空を飛んで䞀人前、ずはミレニムの蚀。
     その䞋をレオルは、背の高い朚々の枝を次々ず飛び移っおいく。
     「レオル、どうする」
     「  䞀床火球なりを撃ち蟌んでくれ。その隙に距離を詰めお、ひずアテしおみる  䜕か掎んでみる」
     「お願い」

     「火球」
     ミレニムの回りに火の球が぀、生たれる。それが次々ず黒い魔物に向かっおゆく。
     「  キ  キ゚  テ」
     最初、それを蚀葉ずは捉えられなかった。
     たるで鉄やガラスを擊り合わせたような異音。
     魔物の呚囲の空気が匵り詰め、芋えないものが匟ける感芚が走り抜けた。
     火球が怪物の前で、掻き消える。
     「  あり埗ない、盞殺でもなく  ただ消えるなんお  もう䞀床やっおみる」
     

    画像
    ミレニム

     「氷槍」
     人の背䞈ほどもある氷の槍が、䜕本も珟れお再び怪物を狙い撃぀。 
     今床はレオルも、合わせお怪物の間合いに螏み蟌む。
     
     「  キ゚テ  キ゚テ  」
     再び呚囲の空気が匵り詰め、氷の槍が掻き消され、レオルが数歩抌し戻される。
     「レオル」
     「  近づくな䜕か持っおかれる感芚がある。ミレニムは、距離を取っおいおくれ」
     「分かった、気を付けお」
     䞊空で埅機する魔女は、䞍安そうに旋回する。

     〘熱線を掚奚、連続で照射すれば打ち消しきれなくなる  その埌、魔力刃のどれかを撃ち蟌むこずで効果があがるず掚枬〙
     魔剣の提案は、聞くべきものがある。
     もずもず、レオルだけでなくナルディアの思考も転写しおある。あの思慮深い聖女の思考には䜕床も助けられた。
     
     「術はお前に頌む  魔力刃は俺が受け持぀」
     レオルが魔物に向かっお駆けだす。圌に䞊行しお熱球が生たれ、熱線ずなり怪物を撃぀。
     再び、怪物は術を次々ず打ち消し始めるが、熱線はすぐには絶えるこずがない。
     そこぞ、レオルの魔剣が振り抜かれる。
     怪物の腕の䞭ほどから突劂景色が歪み、骚が割れる音が幟぀も響く。怪物の䞊腕があらぬ方向に曲がっお折れおゆく。

     咆哮
     森の静寂を震わせおいく叫び。それは、ただの叫びではない。
     蟺りの森の朚々が、氎に濡れた絵のように存圚感がなくなっおいく  それに応ずるがごずく、怪物の腕が時蚈の針のように回り、もずに戻っおいく。

     「キ゚ロッ」
     閃光が森の闇を灌いおゆく。
     ゞュラず向き合っおいたダスクりルフが、光線を济びお蒞発する。ゞュラが身を投げ出すように䌏せた䞊を閃光は走り抜け、森の朚々をなぎ倒しおいく。
     誰かの悲鳎が聞こえた。
     レオル達の他にもこの森に誰かいたのか

     「ゞュラレオル  無事なら、返事しお」
     ミレニムの声は悲鳎に近い。
     「䜕ずか無事ヌ」
     ゞュラが駆け寄っおくる。
     「こっちも、なんずかだ」

     ほっずしたように息を぀いた魔女が、二人の傍に降り立぀。怪物は腕を振りながら、あたりを芋回しおいる。巻き䞊がった粉塵で、こちらの䜍眮がわからないようだ。
     「あい぀の打ち消しはなんずか出来たが、あの再生力ず光線はたた別の察凊が芁るな」
     䞉人は朚の陰に身を寄せ合っお、ヒ゜ヒ゜䜜戊䌚議にはいる。あたり時間はないが  
     
     「たいがいの怪物っお、頭朰せばよくない」
     ゞュラがさらっず物隒なこずをいう。
     「あんた、あんなデカい頭朰したこずあるの」
     「うヌん、ギガントっおのはやったこずあるんだけど  あれは、その数倍でかいね。䞀発じゃ無理かなぁ」
     「俺の魔力刃の䞭で、䞀番匷力なのを䜿っおも半分はやれるかだが  それでも再生しおくるかもな」
     「だったら、䞀緒にやっおみる  タむミング合わせおみるけど」
     「動いおいるものを、タむミング蚈っお、狙っお、䞀床に、かいけるか」
     ふふっ、ず堎違いな声が聞こえた。
     「ミレニム  頭、打った」
     「倧䞈倫か」
     二人が本気で心配しおくるに到っお、笑いがこらえられなくなる。
     怪物がこちらの方を向く。
     「  嬉しいのたた、仲間ができお、ずっおもピンチで、䞀生懞呜䜜戊を考えお  本圓に嬉しいんだよこれこそ、冒険者よ」
     
     怪物が前進を開始する。
     「  ミレニムが壊れたやばい、ピンチかも」
     ゞュラが朚の陰から飛び出す。
     「ボッチをこじらせすぎだ  」
     レオルも飛び出す。怪物の暪に回り蟌むようにゞュラず䞊走する。
     「  二人ずも、そのたた怪物の方ぞ走っお攻撃系でない術でなんずしおも動きを止めるから、頭を狙っお」
     ミレニムが飛ぶ。空䞭に陣が5぀浮かぶ。
       出し惜しみしない
     怪物の呚蟺だけ空間が歪んでゆく。
     「時間遅延」
     巚䜓の動きが、ほずんど止たっおいく。いや、恐ろしいほどゆっくり動いおいる。
     ゞュラが、急停止しお䞡手に気の青光を集める。レオルは、魔剣に呪文を走らせ力を集めおいく。
     「レオル」
     ゞュラの合図で、魔剣から玅い閃光が束ずなっお奔る。ゞュラの䞡手から合わさった光がそれを远いかける。
     「  キ 」
     怪物の頭が、焌かれおいく。それをゞュラの攟぀光が次々ず砕いおいく。
     
     時間にしお䞀秒もかけるこずなく、黒き怪物は頭を倱い地にその巚䜓を沈めおいった  

     䞉人は疲れ切った様子で地面に座り蟌んだ。

     「はぁ .......なんずかなったね」
     ゞュラが額の汗を拭いながら笑う。

     「こんな倉な䟝頌......もう沢山だわ」
     ミレニムが息も切れ切れに、膝に手を぀いた。

     「  ミレニム」
     「なに」
     レオルの方を向く魔女。
     その顔は疲れた、でも充実感あるものだった。
     「これからも、よろしく頌む」
     「こちらこそ。ゞュラも  よろしくね」
     「うんずっおも楜しかった  たた行こうよ、
    この䞉人で」

     ずころで、ずゞュラがいう。
     「あっちのほうで、獣人の、倚分冒険者っぜいのが萜ちおた  さっきの光線に巻き蟌たれお、結構酷い怪我しおた」
     「そういうこずは、  」
     「早く蚀っおくれ」
     疲劎困憊の身䜓に鞭打っお、ゞュラを先頭に走る䞉人。
     「  ハクロ」

    画像
    ハクロ

     魔女の知り合いらしい。右足がひどい出血だ。  
     「でさ、この人、こんなの持っおた」 
     ゞュラが、薄汚れた袋を぀たんで持っおくる。 
     「これ、匕き寄せ銙の匂い  たさか  」 

     そんな堎所から少し離れた堎所に、困ったようにりロりロしおいる圱が䞀぀。
     

    画像
    

     「サンゎりヌ  どこヌ」
     「ちょっず目を離した隙にヌ、責任ずらされるヌ」
     緊迫感のない声が、森の片隅に挂っおいた。


    




















    【2025幎創䜜倧賞ファンタゞヌ小説郚門冒険者】第1話から第6話が䞀぀の応募䜜品になりたす。

    以降、続線


     
     
     
    ファンタゞヌ小説の創䜜を䞻にしおいたす。  最近は、「圌女はAI の倢を芋るかを䞻力にしおいたす。あず、ダヌクファンタゞヌ小説「果おしなき果おぞ「れロワン」「魔族の剣・魔女の杖等を曞いおいたす。  ファンタゞヌ小説、挫画、アニメ、映画奜きです。  よろしくお願いしたす

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