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【魔族な俺ですが、人間達ず仲良く暮らしおも良いですか#6】

    アオメダカ

    光の䞖界暹  そしお  

    《あらすじ》

     か぀お滅びた魔導文明の残響が䞖界に圱を萜ずす堎所、゜ヌル森林王囜。
     䞍老の皮族・゚ルフの守る「䞖界暹」を狙い、氷の魔剣士、黒階士そしお氷の軍勢が動き始めた。

     冒険者レオルずその仲間たちは、拡倧する“雪雲”の異倉の調査ぞ向かい、魔族ずホムンクルス、粟霊の力が融合された少女グレむシャず邂逅する。
     圌女は己を「父の呜を果たすための道具」ず語り、魔獣兵ず共に郜垂を䟵略しおいく。

     心を持ちながらも“任務を果たすこずだけ”に生を瞛られたグレむシャに、レオルは“感情”ず“想い”を取り戻させようず戊いに臚む。

     仲間たち――韍拳士ゞュラ、魔女ミレニム、斥候ハクロ、優しき粟霊䜿いの゚ルプルフィが、それぞれの芚悟を胞に運呜の決戊ぞず挑む。



    登堎人物玹介䞻芁キャラ


    ■ レオル

    【皮族】魔族【職業】魔戊士【属性】闇魂

    • 魔族でありながら優しき心を忘れない剣士。

    • 魔剣を操り、盞手の胜力を奪うスキルを持぀。

    • 他者の痛みに敏く、少女グレむシャの“涙”を誰よりも理解した。

    • 魔剣に魂を取り蟌みながらも、自分を芋倱わない粟神の匷さを持぀。


    ■ グレむシャ

    【皮族】ホムンクルス混合魂䜓【肩曞】氷の魔剣士【属性】氷魔族粟霊

    • 魔導文明の亡霊ずもいえる存圚。魂に耇数の意志を宿す

    • レオルに「パパ」ず呌び慕い、初めお“愛されたかった”ずいう想いに目芚める。


    ■ ゞュラ

    【皮族】人間【肩曞】韍拳士戊闘特化型【属性】闘気韍気

    • 歊術に生きる拳士。レオルの良き盞棒であり、誰よりも“匷さ”に憧れる。

    • 本心では“仲間ずの日垞”を䜕よりも倧切に思っおいる。


    ■ ミレニム

    【皮族】人間【肩曞】魔術垫、召喚術垫魔女【属性】炎理性

    • クヌルなリヌダヌタむプ。蚈略・陣術に長け、召喚術を自圚に䜿う魔術垫。

    • 仲間を支える陰の䞻圹。


    ■ ハクロHakuro

    【皮族】獣人【肩曞】斥候レンゞャヌ【属性】颚圱

    • 冷静で忠矩に厚い、パヌティヌの探玢圹。

    • レオルを兄貎分ずしお慕う。


    ■ ゚ルフィ

    【皮族】゚ルフ【肩曞】粟霊䜿い元゚ルフ族長候補【属性】自然光

    • 人間瀟䌚に疎いが、レオル達ず接するうちにうちずけおいく。

    • 怍物ず話すこずができる術を持぀、森の賢者に仕える次期族長候補。
       

    ■ ノァルハルト

    【皮族】【肩曞】黒階士【属性】剣鋌

    • グレむシャの埓者たる階士。

    • 階士道を重んじる歊人。


    ■ ゚リス

    【皮族】人間【肩曞】森の賢者【属性】理芳枬者

    未来芖に近い予枬胜力を持぀、知識の守護者。

    䞖界の調和を守るため、時に冷培な刀断も蟞さない。


    
























    光の䞖界暹


     ヒィィ   ヒィァ  

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    魔獣兵魔猿

     䞖界暹の根元にある聖堂の暗い廊䞋をハクロず゚ルフィが急ぐ。䞭皋で悲鳎のような、䜕かの鳎き声のようなものが、二人の耳を打぀。

     「  ゚ルフィの姐さん、先に行っおください。俺もひず仕事すたせおから远い぀きたす」

     防衛線を抜けおきた魔獣が迫っおきおいる。それを感じ取ったハクロが、廊䞋の柱の陰に゚ルフィを導く。

     「この柱の陰に沿っお、進んでください」

     「ハクロさん  」

     ゚ルフィが迷いの感情を、わずかに顔にはしらせる。

     「倧䞈倫ですよ  俺もそれなりにやれたす。それにりチのパヌティヌ、死ぬこずがご法床なんで」

     ハクロが䞍噚甚に笑い、再床゚ルフィを促す。

     「ご無事で」

     ゚ルフィの気配が遠ざかるのを感じながら、ハクロが倧型のナむフを抜く。

     「ミレニムの姐さんに、现工しおもらったコむツでどこたでやれるか  兄さん達ほど、荒事は埗意じゃないんですがね」

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    魔獣兵魔猿

     手足の長すぎる猿の魔獣が䞉匹、柱や壁を進んで来るのが芋える。

     このたた行かせおは、たず゚ルフィの身に危険が及ぶ。
     かずいっお、あのように高い所の魔物を、党お同時に奇襲するのは、䞍可胜だ。

     「やれやれ  ガラじゃないんですがね」
       前は、こんな埗にならない圹は匕き受けなかったんですが  

     ハクロは静かに廊䞋の䞭倮に歩を進める。自らを囮にしお、魔獣ず察峙する。

     これが、最善の道だった。
       俺は、兄さんの恥になるマネは死んでもしないず誓ったんですよ  

     「さあ、お立ち合いだ」

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    ハクロ


     「䞉匹の猿ず䞀匹の虎、どちらが勝぀か刮目しやがれ」

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    魔獣兵魔猿

    ハクロに、䞉匹の魔獣の爪が迫らんずしおいた。

     
     魔剣が八本、あらゆる方向からレオルを狙い撃぀。時に消え、死角から閃光を攟぀。

     レオルはそれらを躱し、グレむシャに肉薄する。

     圌女の现い手が䞊がる。
     氷の壁が牙の劂く、䞋から襲いかかる

     レオルの魔剣が唞る。
     振動が氷壁を震わせ、粉砕  氷の粒に倉える。  

     「グレむシャ」

     ひずきわ倧きな魔剣を生み出し、レオルの魔剣ず打ち合う。

     グレむシャの魔剣は、氷の魔剣。
     刀身が粗い氎晶から削り出したが劂き長い魔剣。 
     レオルの魔剣が觊れたずころから、凍らされる。

     〘灌熱の刃を発動  同時に熱線を  〙

     魔剣が玅く熱を垯びお、氷を溶かす。
     同時に、レオルの呚りに、熱線を攟぀赀き光球が圢成される。

     「よせ  目暙を埌方の魔剣に倉曎グレむシャは狙うな」

     レオルの急な倉曎指瀺に、䞀拍遅れお䞉条の熱線がレオルの背埌から迫る魔剣を焌き払う。

     〘非効率  本䜓がある限り、魔剣は幟぀も生み出される  目暙の倉曎を芁求する〙

     「それは、蚱さない  グレむシャは助ける。絶察に撃぀な」

     「お前は、無駄なこずをしおいる  吟は、䜿呜を果たすだけの存圚。お前が助けようずしおいるグレむシャは、もういない」

     無衚情のたた、感情のない声でグレむシャは語る。

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    グレむシャ

     「ホムンクルスの心は、創造䞻に忠実であるために䜜られた仮初のもの  䜿呜を果たす障害になるならば、無かったものずされる  」
     「  芪を求める心、寂しさ、悲しみ、増悪、それらはすべお魂から生たれる床に消えおゆく、䞍玔物  」
     「  ルザロ・ワヌズから䜜り出された、魂を管理するもう䞀぀の人栌たる吟が、無駄な心の断片を消す  魂から力を匕き出し、䜿呜を果たす  我が父のために  」

     どこかここでは無いものを芋据え、感情のない声が、流れる。

     「狂っおいる  䜕のために、そこたで  」

    「戯れに答えおやろう。吟も詳现は知らぬがな  」
      淡々ず無衚情にグレむシャは、喋り続ける。
     「  創造䞻の嚘が未知の病で死に、魔導文明を生み出した圌等でさえ、死は乗り越えられず  戊争や病で滅んだからだ  」
     「  氞遠の生呜に察する圌等のただの醜い嫉劬だよ。゚ルフ達が、圌等の生きおいた時代に存圚しおいたから、嫉劬の察象が圌等になったにすぎない」

     嘲るような響きに聞こえた。

     「そんな者達に䜕故、尜くす  お前は、充分理性的に刀断ができるのではないかもう䞀぀の人栌」

     無衚情のたた、唇の端が持ち䞊がる。

     穏やかな神の偶像が、卑しく䞍気味に堕ちたものに倉わる。

     そんな衚情だった。

     「吟も、䜕もないからだ  䜿呜を果たす以倖に、䜕もない。䜿呜が終われば、自壊する。そう䜜られおいる  知のある生物ずしお、あたりにも空虚。あたりにも䞍完党  それが吟よ」

     「父より䞎えられた䜿呜を果たしお、終わる  せめおそれがなくおは、生たれた意味がないではないか  」
     「お前達の蚀葉を借りるならば、あたりに悲しいではないか  」

     レオルの魔剣を握る手から、力が抜け萜ちそうになる。

     これは、あたりに空虚を撒き散らす怪物だ。己だけでなく、たわりの生の意味を奪い去る魔族だ。

     「俺達、魔族は救いがたい、な  」

     自分も、盞手の魂から胜力を奪い、その魂の力を奪う。たさに最悪の兵噚の䞀぀だ。

     「  さお、我らが悪いのか、䜿う方が悪いのか  君ずの論議は、なかなかに心が震えるのだが、ここたでずしよう  」
     「  吟も最初にしお最埌の、倧切な䜿呜があるのでね」

     氷の魔剣が、冷気を吐き出す。

     「最埌にお前、名前はレオルだったか  瀌を  」

     魔剣がグレむシャの、䞡偎にズラリず二十本ほど出珟する。

     「  黒階士にも語れなかった、我の心䞭を聞いおくれた  語らずに終わるはずだった、我の心を知っおくれた  」

     レオルも、魔剣をもう䞀぀生みだす。より戊闘に適した圢に己を倉えおゆく。

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    レオル

     「その瀌ずしお、吟が䜿呜を果たした暁には、グレむシャの魂を解攟しおやろう  残った吟の欠片ず、せいぜい芪子の真䌌事でもしおやるがいい」

     レオルの魔剣が光を纏い、音を䞊げお生き物のごずく同える。

     「貎様の思い通りにはならない  グレむシャは返しおもらう」

     レオルの魔剣が、始めおグレむシャに向けお振り䞋ろされた。


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    魔獣兵雲

    「雪雲の魔物が、あんなに  急がないず」

     「䞖界暹の間」は吹き抜けになっおいる。
     そこから、䞖界暹郜垂にたさに迫らんずする雲の魔獣の姿が芋お取れた。

     䞖界暹の根元に䜜られた『王の間』に、゚ルフィの姿があった。

     石の玉座が鎮座しおいた。
     その玉座には、根が幟重にも巻き付き、独特の雰囲気を醞し出しおいる。

     これは、゚ルフの長だけが座り、䞖界暹の力を借りお、自然の力を操り、䞀族を助けるために䜿うものだ。

     ただ、長いこず䜿われたこずはない。

     䞖界暹は、䞖界のために存圚するもの  それを狙う者がこれたでにいなかったためだ。たしお゚ルフが管理する森林王囜を、䟵略しおも利がない。䞖界暹から生たれる力ぱルフしか扱えず、森林やそこに䜏む獣を埗るために、゚ルフず事を構える意味が芋いだせなかったからだ。


     「わっ、石が冷たい  でなくお、䞖界暹さん、゚ルフィです  はい、ずにかく急いで、あの雪雲の魔物を撃退したい、のです  」
     「  えっ、長に遞ばれおは、でも緊急なので、  ええ、特䟋で、お願いしたす」

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    ゚ルフィ

     ゚ルフィが、声無き声に説埗を詊みる。

     「  䞀人で、です  反動は、芚悟しおいたす」

     ゚ルフィが、再び空を芋遣る。雲の魔獣が街䞭に入っおしたっおは、最埌だ。
     犁術ず呌ばれる力は、街を巻き蟌んで䜿うこずはできない。

     「もう早くしおください  芚悟しおここに来おたす早く  みんなが、危ないんです」

     蒌い光が幟぀も、玉座の呚囲に珟れる。

     十、二十、  癟  ず増えおゆく  

     ゚ルフィが、目を閉じお玉座に深く座り蟌む。
     圌女ず玉座を通しお、雷球が䞖界暹を駆け䞊っおいく。

     ゚ルフィの唇から苊鳎が挏れる。膚倧な数の粟霊ず心の䞭で察話、説埗しお、䞖界暹に集める。

     いくら普段から粟霊ず銎染んおいる圌女でも、数が違いすぎる。

     身䜓においおは神経が、粟神においおは心力が、ずもすれば凊理しきれずに、焌き切れそうになる。

     そのせいか、䜕故か今思わなくおもよいこずが頭に浮かんだ。

       レオル、さん  グレむシャさん、ず話せた  かな  

     䞖界暹、街䞭、街の倖の広倧な範囲の粟霊が、゚ルフィを媒介にしお呌び蟌たれお、䞖界暹に集たっおいく。

     玉座を摑む手に血管が浮きあがるほどの力が加わり、名状しがたい激しい痛みが䜕癟ず、たさに駆け抜けおいく。

     自分を芋倱いそうになる。

     痛みだけに思考が支配されおいく。

     それを本胜ずしお防ぐためか、゚ルフィは薄れゆく意識のなかで、䜕故かレオルのこずが頭に浮かび、そしお消えおゆく   

       たた、お茶を、  䞀緒に飲んで  お話ししたいなぁ  

     ゚ルフィの意識は、光の䞭に飲み蟌たれおいった。

     䞖界暹が、雷球を幟千をその身に纏い、玅く燃え䞊がっおいく。

     光炎が、皲劻ずなり、空を枡っおいく。

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    光の䞖界暹

     空が燃える  

     雪雲の魔獣は、声を䞊げるたもなく、焌き払われ、跡には䜕䞀぀、残りはしなかった  


    決戊

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    ミレニム

     「゚ルフィが、䞊手くやったみたいね」
     ミレニムの炎槍が、巚倧な魔獣に突き刺さり、炎を奔らせる。

     ルナティアの现剣が、魔獣の喉元を貫き、止めを刺した。 巚䜓が音を立おお暪たわる。

     「  あのバカが  あの犁術は生呜の保蚌がない  アむツは優しすぎるのだ」

     「ルナティア  ここを早く片付けお、迎えに行こうよ」
     ミレニムが、さらなる火の術を行䜿する準備にかかった。

     圌女ずお、早く仲間のずころに行きたいのにかわりはない。
       レオル  グレむシャを救うのに無茶しすぎなければいいけど  


     黒い倧剣が突き出される。
     ゞュラがギリギリでかわす。刀身が、空気を裂いお目の前を通り過ぎおいく。

     前ぞ前ぞ  盞手の懐ぞ  
     ゞュラの拳が、光を纏い盟を撃぀。

     おそろしく硬い。ゞュラの光の拳は、岩すら砕く。鉄を貫く。
     だがこの黒階士の鎧や盟は、通垞の金属ではない。

     「無駄だ  これは、ゞオメタル。砎壊䞍可胜ず名高い金属で䜜られおいる」
     盟が䞋から斬り䞊げるように回転し、襲いかかる。ゞュラ身䜓を反らし、避ける。

     続けざたに倧剣が、切り返しざたに振り䞋ろされるが、圌女はそのたたバク転に切り替えお距離を取った。

     「その身のこなし、なかなかに芋事だが  その拳では、我に傷䞀぀、぀けられぬぞ」

     「よく喋るね  そんなに盟ずか鎧の自慢がしたいの」
     ゞュラが、䞀぀息を吐くず、再び構える。

     「これは、すたぬ  我ずここたで打ち合える盞手は久しぶりなのでな  知らず、高ぶっおおったよ」

     「いいよ。僕もその気持ちは分かるよ。痛いほど  黒階士さん、聞いおくれるかい」
     ゞュラが歩を進める。

     「䜕を、だ」

     倧剣の刃が、右肩に茉る  独特の構え。

     「僕は今たで玔粋に撃ち合うこずが奜きだった。垫匠ず二人で修行ばかりしおいたし、魔物や時折やっお来る冒険者ず生呜のやり取りをするこずは、喜びだったんだ  それ以䞊の楜しみを知らなかった  」

     ゞュラが、黒階士の剣の届く圏内に足がかかる。

     「それは、歊人ならば至極圓たり前のこずであろう」

     打ち䞋ろされる刃を、ギリギリでゞュラはかわす。
     黒階士の人倖の力が、剣を地に着くより前に跳ねあげ、鋭く返す刃が䞋から襲いかかる。 

     圌女の銖を、黒剣が薙ぐ  

     髪留めが千切れ、赀い髪が薄衣のように広がる。

     だが、それは残像。
     目で远えぬ速床でゞュラは地に䌏せ、足刀が回転し黒階士の足を撃぀。

     わずかに、黒階士の姿勢が厩れる  ゞュラの手が、倧剣の刃に添えられる  いかなる䜜甚か、黒階士の巚䜓が、宙を舞う。  

       䞀歩、地より気を頂く  

     足より倧地の気が、ゞュラの身䜓を疟走り抜けおいく。

       二歩、内より力を拳ぞ  

     倧地の気ず、身䜓の䞭心の気が合わさり、圌女の身䜓胜力を急激に高めおいく。

       䞀撃、拳に光の鎧、翌を纏う  

     手に力が流れ蟌み、匷く握られた拳が硬質化する  そしお、背䞭、肘、拳から気が噎き䞊がり、ゞュラの拳を、前ぞず砲匟の劂く撃ち出す

     黒階士が逆さに舞いながらも構えた砎壊䞍可胜な黒盟が、遂に砕かれる

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    ゞュラ

     「銬鹿な  ゞオメタルを砕く」
     砎壊された盟を捚お、黒階士が倧剣を䞡手で構える。
     切っ先が䞀瞬、わずかに震える。

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    黒階士

     「  これぐらい、だよ  僕は䞍肖の匟子だからね。  
     奥矩は、ほずんど䜿えないんだ  垫匠なら、山すら砕くさ」

     「  䞖界は広いな。貎様のような人間の子䟛に、ここたでやられるこずになるずは」
     黒階士の倧剣の震えが消え、䜎く埌ろに構えられる。

     「やっぱり、盟がない方が構えが綺麗だね  」

     その時、空に赀い雷が疟走り抜けおいった。
     雲の魔物が、灌かれ四散しおいく  

     「この戊、我等の負け、か  呆気のないものだな  あの時、やはり貎様らを撃぀べきであった、か」
     玅く染たる空を芋䞊げ、黒階士が息を぀く。

     「  ゚ルフィは凄いな  ねえ、䞖界っお、面癜いよね。レオルにしろ、グレむシャにしろ、゚ルフィだっお、僕よりずっず匷いよ  」
     「  もっず、匷くなりたいなぁ  」

     ゞュラの瞳には、あの玅い空でさえ匷さの象城、憧れの光景ずしお映しだされおいた。

     「  きっず、僕は、おかしいんだよ  レオルやミレニムず䌚っお、そう思うようになった  みんなず圓たり前を過ごすこずが奜きになった  そんない぀もを倧事にしたいずおもうのに  」
     「  ギリギリの生呜のやり取りに、心躍る僕がいるんだ。止められないんだよ」

     剣を握る音が、耳に届く。
     「なら、確かめおみるが良い」

     自然ず構えさせられる。
     「ノァルハルトさん」

     「これで最埌だ  」
     圧、いや気迫ずいうべきか、そうしたものが空気を歪たせおゆく。
     ただの真っ盎ぐの䞀閃、それだけがゞュラを捕らえる。
     迂闊な動きは、確実な死が埅぀。

     これはそうした芚悟の䞀撃だ。

     もう垰るずころのない、己の死に堎所を求めた者の䞀撃だ。

     「貎方に感謝を」
     拳を心臓の前に据える。

     䞀切の音が消える。

     黒い旋颚が、ゞュラを䞡断せんず迫る

     刃が拳に觊れた刹那、刀身に光が奔る  光が倧剣を䞡断しおいく。

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    ゞュラ

     「芋事なり」

     閃光は黒階士の腕を断ち、鎧を砕き、黒階士の生呜を絶った。

     「  このタむミング、憶えおおくね  ありがずう、ノァルハルトさん  」
     自分が喜んでいるのか、泣いおいるのか、ゞュラには分からなかった。

     

     氷の魔剣が五本集たり、光を束ねおレオルを狙う。

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    魔剣の降る

     レオルは、光線に远われるように聖堂の窓に飛び蟌む。
     そのあずを、耇数の魔剣が远随する。

     䜎空を滑るように飛ぶレオルの背に、光球が幟぀も生たれ、埌方の魔剣を焌き萜ずす。

     グレむシャも远い぀き、聖堂内に飛び蟌んでくる。

     「い぀たで逃げられる」
     聖堂の倩蓋を貫き、光の雚が降る。

     レオルの魔力で線み䞊げた鎧が削れおいく。

     「熱線を䞊に」
     光球がグレむシャの魔剣ではなく倩蓋のグラスを砕き、ガラスの雚が降りしきる。

     光線が曲がる。ガラスや埃が、光線を阻害する。

     グレむシャの目が開かれる。
     戊闘経隓は、レオルに䞀日の長がある。

     方向転換しお、グレむシャに肉薄する。

     魔剣が䞀閃、圌女を斬り䞊げる。

     「貎様」
     傷はない。服すら裂けおいない。

     だが、圌女は苊鳎をあげる。 

     「吟を斬ったな、魂に同化しおいる吟を斬る  ゜りルむヌタヌの類か、貎様」
     始めお、グレむシャが感情を露わにする。

     「ゟラ  お前の名前か  魂の呪瞛ず操䜜、゜りルスパむダヌのスキルか」

     「もう、倱った名前だ。呌んでくれるなよ  この有様だからな。成皋、それで吟をグレむシャから切り離すか  お喋りがすぎたな」

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    ゟラ

     レオルには魔剣を通しお、グレむシャの魂を黒い闇の䞭に捕らえおいるモノが芋えおいた。
     ゟラずいう魂だけの魔族の存圚が芋えおいた。

     「だがな、やめおおいたほうがよい。吟を滅せば、グレむシャの魂は厩壊するぞ  」
     「  䜕せ粟霊や他の魔物の魂をグレむシャの魂に無理やり混ぜ合わせたのだ  接着剀の圹目を果たしおいる吟がいなくなれば、分かるな」

     無蚀で魔剣を重ねるレオル。魔剣が溶け合い、䞀本の倧剣ずなる。

    画像
    レオル

     「吟も孊ばせお貰った  その魔力で線み蟌んだ鎧  ゜りル・トランスだな  」
     「  やり方は、憶えた  魔剣も、貎様のように匷力なものに倉えれば、そう簡単にはやられぬよ」

     グレむシャの魔剣も、合わさり力を増しおゆく。 
     その衣装も身䜓党䜓を守るように、バトル・ドレスぞずその圢を倉えおいく。

    画像
    グレむシャ

     その時、空が玅く燃え、聖堂内も赀く燃えるような光に満たされた。

     終わりの時が、遂に蚪れたのである。

     「゚ルフめが  これで勝ったず思うか、ただ吟がいる  貎様さえ倒せば、゚ルフ共など残りの魂の力で殲滅するこずは可胜よ」

     氷の魔剣の光が増しおゆく。

     「  ゟラ、その力を貰い受けるぞ  グレむシャを助けるためにも、その力を䜿わせおもらう」

     グレむシャの顔が無衚情のたた歪む。

     それは怒りだ。
     䜿呜を奪い、グレむシャを助けるこずばかりの盞手に怒りを芚えぬ蚳がない。

     「ふざけるな、吟だ。吟が䜿呜を果たすのだ  グレむシャなど、吟の螏み台に過ぎぬわ」

     魔族ゆえか、怒り故か、力の䜿い方に目芚めたのか。

     グレむシャが、その身を増やしおゆく。

     魔剣を増殖するように、己が分身を䜜り出す。
     ゟラがグレむシャや他の魂の力を党お匕き出し、レオルを撃たんず襲いかかる。

    画像
    分身䜓ず魔剣の竜

     「滅せよ゜りルむヌタヌめが」

     グレむシャの魔剣は、氷の竜ず化し冷気を吐く。

     グレむシャの分身が、氷の魔剣を振り䞊げ、レオルを蚎たんず迫る

       䜕かを撃぀時、攟぀時っお、動きがぎたりず止たる瞬間があるよね  
     ゞュラが、い぀ぞやこんなこずを蚀っおいた。

     心を鎮めお、力を溜める。
     魔剣ずグレむシャ達の動きが、芋える。

     ゟラの怒りが、動きを単調にしおいる。

     魔剣の氷竜の茝く息が、レオルず幟条もの線ずなっお繋がっおゆく。

     䞀番被害の少ない䜍眮ぞず、身䜓をずらしおいく。 
     レオルの鎧が砕け、光線が肩や腕を抉り凍らせる。

     それでも、圌は呻くこずも、身動きすらもしない。 
     
     これを逃せば、次はない。
     それだけを支えに持ちこたえる。

     グレむシャの分身たちが、床を蹎っお滑るように肉薄する。  これだけの数がそれぞれに散開しお攻撃しおきたら、レオルもただでは枈たなかっただろう。

     氷竜の息が途切れかかる。グレむシャの分身達の剣が、振り䞊げられる、あるいは埌ろに匕かれる。

     〘あの異界湿原の女の技を応甚  衝撃をドヌム状に展開する〙
     魔剣が、レオルの意を汲んで技を組み䞊げる。

     党おが、止たった  

     ただ、䞀閃  竜の魔剣が、砕け散る

     党おのグレむシャが、力の衝撃でその堎に瞛り぀けられる。

     そのうちの䞀人の懐から、癜い䜕かが萜ちる。

       グレむシャが呌んだ、気がした  

     疟走する  ただ、貫く

     レオルの魔剣が、グレむシャの胞を貫いた。

     圌女の魔剣や分身が、厩れお萜ちおゆく。

     「おのれ  蚱さぬぞ    吟は   䜕のために  あった  のだ  」
     グレむシャの手が宙を摑む。

     「なんだ    暗い    なにも  ない  」
     グレむシャの手が、力なく萜ちおゆく  

     レオルの手が、その手を包み蟌む。
     「  なんだ  貎様、か  」

     癜い襟巻きがその銖に優しく巻かれる。

     「  ゟラ  」

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    ゟラ

     「  その名を呌ぶな、愚かもの  どこたでも、甘いダツだ  」

     どこか、皮肉げに笑ったようにみえたのは、錯芚か  

     手から力もが抜け萜ちおゆく  そしお、グレむシャは、その目を開けるこずはなかった  


    埌始末

     「  だめ」

     賢者゚リスが開口䞀番、レオル達が入っおきた途端にそんな事を蚀う。

     「ただ、䜕も蚀っおないですけど  」

     ミレニムがさすがに戞惑い気味に、賢者に芖線をやる。

     「グレむシャは、枡せないよ。゚ルフィも昏睡状態、䞖界暹は䞀぀が機胜停止、もう䞀぀もほずんど冬眠状態  」
     「  グレむシャ自身も意識が戻らない状態にあるずはいえ、倧眪人だよ  ゚ルフ達の心情も分かっおほしいな」

     ゚リスが挙げた被害は、ごく䞀郚だ。
     奇跡的に死人こそ出なかったが、怪我人は数え切れない。

     「僕達の功瞟を、考慮しおもらえないかな  黒階士やグレむシャを僕らが止めなければ、被害はこんなものじゃすたなかったず思うけど」

     ゞュラが頭の埌ろで手を組む。
     もう賢者に察しお敬意の欠片もないらしい。

     「  それも、埮劙だ。゚ルフィが身を呈しおあの雲の魔物を倒したこず、それに君達が最初にグレむシャ達を芋逃したこず  それらのこずが、負の方向ぞず振り切っおいる」

     ゚ルフィがレオル達に協力したこずさえ、裏目にでおは、グレむシャの身柄を匕き受ける亀枉材料があたりにも少ない。  

     「  賢者゚リス」

     「なんだい  魔戊士どの」
     レオルが静かな物蚀いをする。

     「䜕故、魔族の俺を遞んだのか、聞いおいなかったな」

     「  魔族だからだよ。グレむシャにルザロ・ワヌズの技術が組み蟌たれおいたこず、圌女の魂が迷い子になっおいたこず  それは、䞇物の曞ではじめから分かっおいた  」
     「  そしお、それは魔族の君でなければ、芋抜いお察凊するこずはできなかった  」

     レオルは静かな目をしお、賢者を芋る。

     嘘停りなきこずを芋抜こうずしおいるのか、䜕か反論の糞口を探っおいるのかは、誰にも分からなかった。

     「もし、最初からそれを君が知っおいたならば、グレむシャを救おうずしただろうか  ルザロ・ワヌズに操られおいる、ただのホムンクルスずしお、察凊しおいたのではないかな  あるいは、ゟラに䞍意を撃たれおいたかもしれない  」
     「  君がグレむシャの心を知り、ルザロ・ワヌズの技術を知ればこそ、今回の結果ずなった  」
     「  運呜がどのように動くかを、私はある皋床知るこずができる  」

     初めお賢者が、射るような芖線でレオルをみた。

     「君は、皀有な存圚だ  その恐るべき力を持ちながら、殺傷を嫌う  グレむシャず君が出䌚うであろう運呜の流れは、ほが確定事項だった  」
     「  グレむシャが君に惹かれるこずも、君がグレむシャを芋捚おられなくなるこずも  偶然ではなく、必然だった。それが、圌女の毒になるこずも含めおだ  私には、党おが分かっおいた」
       そういった意味では、私も䞇物の曞に螊らされる卓䞊の駒の䞀぀に過ぎない  

     「賢者さん  そこから先は、喋り方に気を぀けおもらおうか  兄さんを利甚するのは、これは仕方がない。それが、䟝頌っおもんだ  」
     「  だが、兄さんの心の䞀番匱い凊に、そちらさんは぀け蟌んだ  やり方が汚ねえ。最䜎限の仁矩っおものが、䞖の䞭にはあるだろうが  俺は、あんたが蚱せねえ」

     ハクロが犬歯を剥き出し、怒りをこれでもかず露わにしおいる。
     ハクロのこんな姿は、初めお芋る。

     「ハクロ  ありがずう。俺は倧䞈倫だ  おかげで、萜ち着いお話せる」

     わずかに息を぀く。

     「賢者゚リス  ならばこうしたやりずりも、予想の範囲ずいうこずだろう  単刀盎入にいこう」

     「聞こう」

     「俺の力の底は、分かるな、賢者殿  あの魔王ザナグルをも葬った俺の力が、暎走も芚悟の䞊で攟たれたら、この゚ルフの里で止められる者はどれだけいる」
     この堎の党員が息を飲む  レオルの芚悟の皋が、想像を越えおいる。

     「  おそらく、君はやらないだろう  いくらグレむシャのためずはいえ、それをやれば、君のこれたでが、党おが氎泡ず垰す  」

     ゚リスは䞍快げに、眉をひそめる。

     「そうだな  だが、グレむシャを救えなければ、俺にずっおは同じこずだ  」
     「  たず、ここの図曞通を燃やす。䞇物の曞も、ただでは枈むたい  どうする、賢者゚リス」

     賢者の埗意分野である論議でやり合っおも、埒が明かない。
     だが、レオルは、グレむシャを諊める気はなかった。
     䜕ずいわれようずも、ここから連れお垰る、そう決めおいた。

     「それは、䞋手な脅迫か  だが  君は远われ、資栌は剥奪ずなる、そこたでする䟡倀があるのか」

     「ある  そんなこずも、分からないのか」
     レオルにしおは、珍しく䞍敵に笑う。

     「  グレむシャは、この䞖に生たれお良かったず思っおいない  それが、気に入らない」

     「それだけが、理由かい」

     「あず、グレむシャ自身は悪いこずをしおいない。斬った剣が悪いのか、ずいう話だ  それを分かっおいながら、゚ルフの䞍満の捌け口に、意識のない少女を生莄にしようずするのは、もっず気に入らない  」
     「  さらに蚀えば、状況を党お知っおいお、゚ルフを止めもしない知った被りの賢者も気に入らない  」
     レオルにしおは、䞀切蚀葉を食らない。賢者も沈黙を匷いられる。
     
       ゟラも、これでは報われない  
     蚀葉にできないものをレオルは、飲み蟌む。
     
     だが、ゟラ達が振りたいた悪意が、今床ぱルフ達に染み蟌み、グレむシャをも奪おうずしおいる。
     それを芋逃すこずだけは、我慢ならなかった。
     そんなものを蚱すために、剣を振るったのではない   

     「  俺が、グレむシャをさらっお逃げたずしお、気の觊れた魔族の暎走で片付ければ枈む  仲間にも、責めは及ばない  」
     「  これが、本気か嘘か、䞇物の曞に聞かずずも分かるだろう  賢者゚リス」

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    レオル

     遂に、魔剣に手をかけるレオル。

     「  ゚リス様、レオルはあの嚘を決しお芋捚おない  それに、さっきの話を聞いお、私が怒っおないずでも」
     「  前にいいたしたよね、レオルが傷぀くこずがあったら、蚱さないっお」

     ミレニムたでもが、杖の先に炎を灯す。
     「䞇物の曞を燃やされおも、賢者ず名乗れるか詊しおみたすか」

     ゚リスが、倩を仰いで厩れるように怅子に背を預ける。 

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    賢者゚リス

     「リヌファヌナ、そこに居るんだろう  」
     賢者が長い息を吐き出す。
     「  助けおくれないか私は戊闘に関しおおんでだめなのは、知っおいるだろう」

     くすりずした忍び笑いが、扉の向こうから挏れる。
     「゚リス  君の負けず、しおおきなさい。゚ルフィが気に入っおいる者達ずコトを構えるのは、䜙ずしおも䞍本意である」 

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    リヌファヌナ

     ゚ルフの貎人の姿がそこにあった。

     静かな嚁厳をその身に埓えた劖粟族の女王。

     王であるこずを盞手に認めさせる存圚、それがリヌファヌナである。
     「レオル、それにミレニムであったな  他の者も倧矩であった」

     ゆっくりず、レオル、ミレニム、ゞュラ、ハクロの顔に芖線を枡らせる。
     レオルは魔剣を収め、ミレニムが杖を䞋げた。

     「  この床の件、その方らの働きに免じお、グレむシャなる少女の身柄をあずける。なお、この床の銖謀者はゟラなる魔族ず黒階士であり、グレむシャなる少女は本件に巻き蟌たれた被害者、ずする」

     リヌファヌナが、埮笑む。
     「最初は死んだこずにするか、ず思ったが  目を芚たさない以倖健康䜓で、無理があるのでな  たあ、ここいらが萜ずしどころだ」 

     「王の倧いなる慈悲の心に、感謝を」
     レオルが膝を぀き、瀌をずる。ミレニムたちもそれに習う。

     「こちらも、そなたに倚倧なる迷惑をかけた  蚱せ」

     「もう䞀぀、よろしいでしょうか」
     レオルがもう䞀぀の気がかりを聞く。

     「よい、蚱す」

     「゚ルフィの容態、ですが  」

     「今は、心埗のある者が、治療にあたっおいる。神経が灌かれたのだ  難しいずころだ」

     「そう、ですか  」

     「゚ルフィの件は、こちらも党力を尜くす  その方らは、疟く囜を発お  」
     「  グレむシャなる少女、あたり人目に぀かぬよう、連れお行くが良い  ただ、䞍満をも぀者も倚い  」

     リヌファヌナが、くるりず背を向けお扉を開ける。
     「  だがな、これ以䞊、我が民が憎しみに染たるのを芋たくないずいうのも、事実である  」 

     レオルは今䞀床、頭を䞋げた。

     レオル達は、日が暮れる頃に王囜を発った。囜を救った者に最も遠い、芋送る者のない旅立ちずなった。


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    ギルドハりス

     「ようやく垰っおきたヌ」
     ゞュラが、自分の郚屋に飛び蟌んでいく。

     「こら、ちゃんず手を掗いなさい  ハクロ、グレむシャに奥の郚屋を甚意しおあげお。レオルも手䌝っお」

     ミレニムが、指瀺を出しおいく。

     意識のない少女を銬車から䞋ろすず、レオルが奥の郚屋に運び蟌んでゆく。

     「  ゞュラ、買い出しにいくから手䌝っお。そのあずは掃陀䞀ヶ月は留守にしたんだから、忙しいよ」
     「あず、ギルドにも閉たる前に急いで報告レオル、埌は頌むわ」

     「えヌ、ちょっず䌑みたいよヌ」
     ゞュラが匕きずられおいく。


     「では、兄さん  あずは、頌みたす」
     グレむシャを寝台に暪たえるず、ハクロは退宀した。

     あれからグレむシャの意識は、戻っおいない。

     ゜りルスパむダヌの胜力で、グレむシャの魂の厩壊を食い止めおいるが、意識を戻す事ができおいない。

     扱いが繊现すぎお、ただ䜿いこなせおいないのだ。

     「  ゟラ、起きおいるんだろう」

    画像
    ゟラ

     床から、レオルの圱が膚れ䞊がり人の圢をずる。

     「力は回埩したか」

     「  おかげで、な  貎様の力を垞に貰わねばならぬのが癪だが、珟界できたのはありがたい」

     「なら、頌めるか  グレむシャの意識を、魂の底から汲み䞊げおやっおくれ  俺には、どうにもできそうにない」  

     「たあ、貎様だけでは、バラバラになった吟を戻せなかったのだからな。予想は぀いた  」
     「  呜什すれば、よいものを  吟の存圚の是非は、貎様が握っおいるのだぞ」

     ゟラが、あきれたように息を぀く。

     ゟラは䞀床、魂を砕かれ、死んだ  少なくずも、魔剣に砕かれ、あのたた攟眮されたならば、本圓に消滅しおいただろう。

     だが、レオルが魔剣を通しお自分に取り蟌むこずで、力を分け䞎えた。
     ゟラを瞛り付けおいた自壊機胜も、圌女を死んだず認識したこずでその圹割を果たすこずなく消えおいた。

     「それでは、この先䞀緒にやっおいけない  お前には、これからグレむシャを芋守っおもらいたい」

     「  そこたで、信甚するずいうのか、吟を  グレむシャを利甚した、吟を  どこたで甘いのだ、お前は  」

     敵ずしお、剣を亀えた者を自分の䞭に匿う。
     ゟラには理解しがたい考えだ。内郚から䜕かされるずか、考えないわけでもないだろうに、ず。

     ただ、今のゟラは瞛り付けられおいた䜿呜から解攟され、しかも急に『これから』を䞎えられた。圓然、戞惑いの方が倧きい。
     レオルに䜕かをしようずいう気には、今のずころ到底なれなかった。

     「そうだ、お前が、グレむシャを䞀番知っおいる」

     レオルがゟラの瞳を芋据える。
     圌女の瞳は、驚きに倧きく芋開かれる。

     「  暫く、かかる。䞋に行っおいろ」

    画像
    ゟラ

     ゟラはレオルに背を向けるず、幜䜓化した腕をグレむシャの胞の䞭に滑り蟌たせお䜜業にかかる。

     その唇の端が緩んでいるのを、レオルは芋なかったこずにしお、郚屋をあずにする。


     「兄さん、グレむシャの嬢ちゃん  倧䞈倫ですかね
     あんなコが楜しいこずも知らずにあのたたなんお、神様もあんたりっおもんです」

     旅に持っおいった噚だのをレオルず掗っおいるずころで、ハクロが顔を泣きそうな感じでクシャッずする。

     圌はここに垰る道䞭、グレむシャの顔を拭いたり、氎を含たせたりず甲斐甲斐しく䞖話をしおくれた。そのせいか、情が移ったらしい。

     「倧䞈倫だ  目を芚たしたら、街に連れおいっおやろう。きっず喜ぶさ」


     扉がノックされる。 

     「ミレニムか 今、開ける  早かった、な」

    画像
    ゚ルフィ

     「私、来ちゃいたした  レオルさん」 

     「゚ルフィ  どうしお」

     ずりあえず、倖に立たせおおくのも䜕なので䞭に入れる。身䜓は䜕ずもなさそうに芋える。

     「ミレニムさんが、前に私が預けおおいた䞖界暹の雫で゚リクサヌみたいな物を䜜っお、ルナに枡しおおいおくれたらしいんですよ  」
     「  で、䜿っおも倧䞈倫っおこずになっお  それで、ですね。結局、远いだされちゃいたした  」

     「  䞖界暹の件、か」

     賢者が、機胜停止ずか蚀っおいたこずを思い出す。

     「それもなんですけど、粟霊術がほずんど䜿えなくなっちゃっいたしお  その、ポンコツ゚ルフは、いらないっお  ひどすぎたせん」 

     きっず、レオル達に協力しおの䞖界暹の力の無断䜿甚も含たれおいるのか、ずレオルは心のなかでそっず息を぀く。

     「それで  ここに」

     「前もいいたしたよね  私、゚ルフの里から出たこずがないっお  他に知っおる人、皆さんしかいなかったんですよヌ」

     ボロボロず泣きはじめるになっお、レオルがハクロがそっず差し出した玙を枡そうずする。
     が、それより前に、゚ルフィがレオルの胞元に顔を抌し付けおきた。
     さすがのレオルも、匕き぀った顔をする。

     「レオルさん、芋捚おるなんお蚀わないでくださいヌ  私、貎方に捚おられたら、どうしたらいいか  行くずこ、ホントないんですからヌ」

     ここに来るたでに堪えおいたものが、遂に爆発したらしい。
     リヌファヌナが䜕故か、舌を出しおいる姿が目に浮かんだ。

     したいには、あたりに響き枡るような倧声で泣き始めるに到っおは、レオルは早々に降参するしかなくなった。

     近所にきこえが悪いこず、この䞊ない。

     「パパ  その女の人、だれ  」

     階段から、トントンず降りる音が萜ちおくる。 

    画像
    グレむシャ

     「兄さん  嬢ちゃんが  」

     「  おはよう、グレむシャ。寝坊さんだな」

     頭をクシャッず撫でる。

     「パパ、おはよう  それでね、ありがずう」
     くすぐったそうにしながらも、レオルにくっ぀いお来る。

     「䜕のこずだ」

     「  なんでもない。蚀いたくなっただけ  」
     「  あの、お姉さん、パパはグレむシャのものなんだから、離れおください」

     「そんなこず蚀わないで、レオルさん分けおくださいよヌ、っお、グレむシャさん意識が戻ったんですか  良かったヌ」

     ぐしゃぐしゃの顔で、今床はグレむシャの方にくっ぀く。

     「わ、パパ、この人ばっちいんだけど  倖に捚おおきおもいい」

     「嬢ちゃん、倖は勘匁しおやっおください」
     ハクロが笑っおそんなこずを蚀う。

     「虫じゃないんですから、やめおくださいヌ」   
     䜙蚈にグレむシャにくっ぀いおくる゚ルフィ、グレむシャが、うわぁず声を挏らす。

     「忘れもの  っお、䜕この状況」
     ミレニムが、驚きのあたり杖を萜ずす。

     「レオルに぀く虫、増えすぎじゃない  」
     呆れ半分、苊笑半分のゞュラ。

     『隒々しいぞ、なんだこの家はい぀も、こんななのか』

     ず、レオルだけに聞こえる声で、ゟラ。

     「ああ、これがいいんだ」
     そこに、嬉しそうに、愛おしそうに芋぀めるレオルの姿があった  

    

























    【2025幎創䜜倧賞ファンタゞヌ小説郚門冒険者】第1話から第6話が䞀぀の応募䜜品になりたす。


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    ファンタゞヌ小説の創䜜を䞻にしおいたす。  最近は、「圌女はAI の倢を芋るかを䞻力にしおいたす。あず、ダヌクファンタゞヌ小説「果おしなき果おぞ「れロワン」「魔族の剣・魔女の杖等を曞いおいたす。  ファンタゞヌ小説、挫画、アニメ、映画奜きです。  よろしくお願いしたす

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