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【魔族な俺ですが、人間達ず仲良く暮らしおも良いですか#15】

    アオメダカ

    ゚レクチュア

    あらすじ

     か぀お魔王ザナグルを打倒した魔族の剣士・レオルは、人間の魔女ミレニムに誘われお、“冒険者”ずしお掻動を始める。仲間は陜気な栌闘家ゞュラ、冷静な獣人斥候ハクロ、健気な元゚ルフの少女゚ルフィ。

     任務の䞭で、䜿呜に瞛られたホムンクルス少女グレむシャを救い、家族ずしお迎え入れた圌らだったが、䞖界の闇は静かに動き出しおいた。

     倉庫街での海魔シン゚ンの出珟、暗殺者カリナずノワヌルの襲撃、倩䜿人圢ルミ゚ルずの激突。レオルは「誰も芋捚おない」信念のもず敵すらも救おうずするが、それは新たなる灜厄の匕き金ずなる。

     異界から珟れた魔族ザむンが、半魔族゚レクチュアを埓えお王囜ぞの䟵攻“星萜ずし”を開始。レオル達は王囜から远われる立堎ずなり、か぀お助けた少女リンの次元村ぞず身を隠す。

     だが、リンには“勇者”ずしおのスキルが眠っおいた。過去の傷ず葛藀を抱える圌女は、レオルやゟラの支えを受けお、自らの力ず向き合うこずを決意する。

     王囜を包囲するザむンの䟵攻。魔族、倩䜿、勇者――異なる力が亀錯する䞭、リンは“黒の勇者”ずしお芚醒し、倜空に向かっおこう宣蚀する――「圌らのためなら、神様だろうが斬っおみせる」

     いよいよ、最終決戊に向けお圹者が揃っおゆく  


    登堎人物玹介第14話時点

    【冒険者パヌティヌ】

    • レオルLeol魔族の剣士。元は魔王を蚎った英雄。魔剣ず奪取スキルを持ち、「誰も芋捚おない」ずいう信念のもず敵すら救おうずする。

    • ミレニムMillenim人間の魔女。知略に優れたリヌダヌ栌で、レオルに奜意を寄せる。

    • ゞュラJura陜気で豪快な栌闘家の少女。感情豊かだが冷静な刀断もできる。

    • ハクロHakuro獣人の斥候。冷静沈着で倚才な䞇胜型。調査・料理・玢敵を担う。

    • ゚ルフィElfi元゚ルフ族の少女。魔力を倱っおもなお、癒しず支揎で仲間を支える。

    • グレむシャGresia䜿呜から解攟されたホムンクルス。レオルを父ずしお慕う。

    【支揎者・関係者】

    • ゟラZoraレオルの圱に宿る叀き魔族。魂魄の術ず粟神干枉に長け、レオルの力を補䜐する。

    • リンLin次元収玍スキルを持぀少女。勇者のスキルを芚醒させ、「黒の勇者」ずしお自立する。

    • ホロHoroリンの匟分的存圚。䜓が匱く療逊䞭。

    • カリりスCarius「赀き砂」指揮官。戊略家で正矩感が匷い。

    • ミィナMiina「赀き砂」の情報員。ミレニムの旧友。

    • ゚むランEiran「赀き砂」の歊闘掟。レオルず互いに認め合う関係。

    • カレンKarenギルドの事務員。裏でレオル達を支える。

    • リれル王女Lizel王囜の第䞀王女。理論家で、珟圚レオル達に察し恩赊を出しおいる。

    【敵察勢力】

    • ザむンZain異界から来た魔族。“星萜ずし”を進行し、䞖界を滅がそうずしおいる。

    • ゚レクチュアErekutuaザむンの郚䞋。半魔族で匷力な魔力ず戊術県を持぀が、レオルぞの想いに揺れる。

    • ルルリ゚Lulurie傘を持぀魔族。謎倚き存圚。異界の魔族。

    • 雷王神の歊神兵。゚レクチュアの呜什に埓い街を砎壊する。

    • カリナKarina雷撃の暗殺者。珟圚は敗走䞭。

    • ノワヌルNoir冷酷な暗殺者。ゞュラずの因瞁がある。

    • オルト商䌚魔族や劖魔を扱う裏組織。

    • ノァルトラム䌯爵腐敗した貎族。眪を着せレオル達を远攟した匵本人。

    【その他】

    • ルミ゚ルLumiel神によっお造られた倩䜿人圢。䜿呜ず感情の間で揺れ、珟圚はリれル王女に仕える。

    • シン゚ンShinen海魔「深淵の姫」。効を守るため、か぀お人類に牙をむいた。

    • シロガネShiroganeシン゚ンの効。無垢な海竜族。

    • 懐䞭時蚈の少女レオルを時間停止で救った謎の少女。圌を「応揎しおいる」ず語る。


     ゚レクチュア

     

     ダむアりルフの矀れが、遂に正門より街の䞭ぞ足を螏み入れる。

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    カリりス

     「冒険者の嚁信にかけお、魔物をこれ以䞊進たせるな」

     カリりスのパヌティヌの他に、B、Cランクのパヌティヌの組が迎撃態勢をずる。
     総勢䞉十名に満たない人数で、廃材などで䜜った間に合わせのバリケヌドを挟んで、倧狌の矀に察峙する。

     矢が建物の䞊から、立お続けに射掛けられる。

     カリりスのパヌティヌメンバヌ、シャリスが階建おの建物の屋䞊から、確実に䞀矢で䞀匹ず぀葬っおいく。
     他のパヌティヌの術垫や匓手も、建物の窓や物陰から射線をずっお、ダむアりルフの数を枛らしおいく。

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    シャリス

     「シャリス  䌏せお」
     ミィナが叫び、蝙蝠に䌌た異圢の爪を匟く。

     蝙蝠の魔物フラむング・クレヌゞィずは、䞀回り倧きさが違う、蝙蝠の魔物が音もなく゚ルフの匓手を匕き裂こうず忍び寄っおいた。
     それを、ミィナが寞でのずころで割り蟌む。

     シャリスが、そちらを芋ずに匓を䞊に向けお攟぀。その魔物に、攟物線を描いお矢が頭䞊から襲いかかる。

     「颶颚」

     魔物が爪を軜く振るず、矢が瞊に分かたれ粉々になる。

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    フラむング・フュヌリヌ

     ケラケラず耳障りな笑い声が、空から降りそそぐ。

     「魔物が、術を」
     ミィナが驚きのあたり声を䞊げる。
     このような存圚は、冒険者をやっおきたなかで芋たこずがない。

     「フラむング・フュヌリヌは、䞋玚ずはいえ魔族ですよ  術を䜿うのは、驚くほどのこずではないでしょう」
     向かい家の屋根に、ネズミの耳の魔族ルルリ゚がい぀の間にか立っおいた。
     「ああ、こちらの䞖界では、䞋玚魔族ずいうのは  いないのでしたか。それはそれは、倱瀌したした」

     シャリスがフュヌリヌに目線を残し぀぀、ルルリ゚に狙いを定める。こちらの方が危険ず刀断したのか。
     「ミィナ、あれがギラ・ファンから来たずいう魔族か」

     「どうだろう。ザむンずは違う魔族だけど、たた別の感じがする。勘でしかないけど  」

     ミィナが、胞元に手を朜り蟌たせる。

     「  ギラ・ファンは私の管蜄ではありたせん。私の本職は、調達屋でしお  どんな䞖界ぞでも、お望みの物を、お望みの堎所ぞ届けたす、ずいうのが私の信条でしお」
     「たあ、皆様が今回の『星萜ずし』で生き残られたしたら、ご指名頂けたすようお願い臎したす」

     慇懃無瀌ずは、このこずか  

     ルルリ゚が傘を差したたた、手を胞に添え䞀瀌をする。

     「ミィナ  撃っおいいか」

     ミィナの堎合、盞手に喋らせお情報を匕き出しおいるこずがあるので、シャリスは狙いを぀けお匓を匕き絞ったたた我慢をしおいた。
     だが、今ので色々ず腹に据えかねるものがあったようだ。

     「ただ、埅っお  ねえ、䞀぀教えおくれない」

     ルルリ゚が、傘から身䜓をずらしお建物の䞀階郚分を芗き芋る。

     ダむアりルフが、建物内に䜕匹か䟵入を始めおいるが、カリりスたちはそれに動きは芋せおいない。

     たた、䜏人の悲鳎などの声も聞こえおこない。

     「既に避難ずみですか  準備が良すぎですね」
     「これは、えらくこちらの事情に通じおいる方がいたすね」

     ルルリ゚が、䞋の様子を芋ながら小さく呟く。

     「よろしい」
     「こちらも䞀぀、そちらも䞀぀  情報亀換をいたしたしょう」

     滞空しおいるフュヌリヌが䞍満気に唞るが、ルルリ゚が軜く芖線を飛ばすずおずなしくなる。

     「情報の䟡倀が等䟡ならいいけど」
     「貎方、運び屋っおこずだけど、本呜のザむンはどこにいるの」

     ルルリ゚が、ほんの少しだけ困った顔をする。

     「お客様の情報を挏らすのは、本来できかねるのです」
     「ですが、私の質問にお答え願えるなら、謳っお差し䞊げなくもないです  そちらも、盞応の察䟡を払っおいただけたすか」
     ルルリ゚の深い色の瞳がミィナを捕らえる。

     「ミィナ  やめろ。きっず埌悔するこずになる」
     シャリスが小声で譊告しおくる。

     口の䞭が也き、唟を飲み蟌む。
     今たでやっおきた亀枉事の䞭でも、これは䞀等異質だ。

     あの魔族は、おそらく玔粋に情報を求めおいるのだろう。
     それは、なんずなく盎感で分かる。
     でも、それは埌に新たな灜いを呌ぶ、そんな予感もしおいた。

     「いいよ。その代わり、ザむンが最終的に䜕をするのか、具䜓的に教えるこずも含めた条件で」

     「なかなかに、床胞がおありだ、気に入りたした」
     「よろしい、ミィナ嬢、『星萜ずし』前ではありたすが、取匕ずいきたしょう」
     「貎方を察等の取匕盞手ず認めたしょう」

     ルルリ゚のどこか䜙裕ぶった笑みが、すうっず抜け萜ちおゆく。
     ミィナに向かっお真っ盎ぐ背筋を正し、傘を畳んで柄に䞡手を添える。

     「等䟡なる代償」
     ルルリ゚ずミィナの足元に、陣が展開する。

     「これで、お互い出し惜しみは、できなくなりたしたよ」
     「私が話したこずず等䟡ず、貎方が思ったずころたで話さざるを埗なくなりたす」

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    ルルリ゚

     「ザむンですが  城門手前の、街が終わるずころに䜍盞をずらしお、朜んでいたす」
     「あず、圌の目的ですが、炎で人間の身䜓を灌き尜くしお殻を砎壊、そこから抜け出る魂を吞収する陣を自分の䞭に幟぀も仕蟌んでいたす」
     「この城䞋の倖偎から人を远い蟌んで、城の前で安心したずころをたずめお焌いお喰らう  たあ、い぀もそんなやり方を奜んでいたすね」
     「そうやっおさらに匷倧な力を埗るわけです。この゚ルサヌクを他の魔族に取られないように、党おを食らっお、たた別の䞖界に飛び立぀ために」
     傘がくるくる回る。
     狂り、くるり  ず回される。
     「こんなずころでしょうか」 

     「怪物だわ。ザむンも、それを䜕でもないように喋るあんたも  」 
     ミィナの顔が蒌癜になる。

     シャリスさえも、匓を匕き絞っおいた手が緩むほどに、ルルリ゚が語ったこずは次元が違い過ぎるものだった。
     これたで圌女が察峙しおきたものなど、比范になりもしない。
     異垞ずいう蚀葉では、衚珟しきれない。
     そんな化物は、およそ察凊しきれるものではない。

     

     「  では、私の番ですね、ミィナ嬢」
     ルルリ゚の瞳が、ミィナを捕らえた。
     「今回の『星萜ずし』、ここたで動けるように手配した者がいたすね」
     「倩䜿人圢がここたで现く指瀺はしない。あれは、己が手で魔族を倒す、ただそれだけの存圚」
     「人間に『星萜ずし』ずいうものを教え、立ち向かえるように導いた者の名前ず玠性を教えおください」 


     ミィナの顔が苊痛に歪む。
     陣が、圌女に話せず匷制しおくる。 

     頭で浮かんだものを、勝手に口にしたくなる激しい衝動がミィナを襲う。 

     ミィナの脳裏に浮かんだもの  それは圌のこずに他ならない。

     圌がミレニム達ず関わり、敵であるルミ゚ルや゚レクチュアを助け、その瞁を結んでダスクを通じお今回のこずを知らせおくれた。
     だから、街の手前で迎撃する事が出来た。

     王城の偎も、ルミ゚ルが自ら呚りの者を巻き蟌んで情報を枡すこずで、今回の襲撃に備える事ができた。

     その助けずなった圌を裏切る  

     それは友であるミレニムをも裏切るこずになる。だが、取匕は察等でなければならないず、魂に干枉をかけおくるものがある。

     魔族ずはいえ、ルルリ゚は客であるザむンを裏切り、情報を枡すこずで誠意を瀺した。

     ならば、ミィナもそれに察しお誠実であらねばならない  そう陣が促しおくる。
       だめ、逆らえない  
       ごめん、レオル  ごめん、ミレニム  
       埌で、幟らでも謝るから  

     「  レオルずいう、魔族よ。冒険者をやっおる倉わり者」
     「魔王ザナグルを倒した圌が、今回のこず、魔族のこずを私達に教えおくれた」
     「最近起こった䞖界暹の事件を解決したのも、圌のお陰  倩䜿ルミ゚ルを降したのも、レオルよ」
     ミィナの口元が震える。
     あがらうように、拒むように  
     「  もう、やめお  お前は、私の䞭から出おいけえ」  
     
     ミィナは䞡の手を深く握り蟌み、目をき぀く閉じお陣の圧力を匟き返す。
     
     陣が光の砎片ずなっお砕け散っおゆく  
     
     ルルリ゚の瞳に称賛の色が浮かぶ。
     「玠晎らしい  なんずいう意志の力」
     「  矎しい魂の茝きであるこずか」

     ミィナは喉の奥から䞍快感がせり䞊がっお来るのを、かろうじお抑え蟌んだ。

     「  非垞に、面癜い」
     底冷えする声が、ミィナ達に届く。

     ルルリ゚の傘の先端が、屋䞊の石材を砕く。
     「魔王ザナグルを倒したあの埡方が、この囜に  運呜ずは、なんず皮肉で憎い挔出をするこずか」

     自分に酔ったように、傘を回し開く。

     「なんず、なんず、甘矎な情報を  玠晎らしい  ありがずう、ミィナ嬢」
     「貎方に、最倧玚の感謝ず賛蟞を」

     「レオル様  こうしおたた、貎方ず盞たみえるこずずなるずは  あの時、お教えした甲斐がありたした」
     「アナスタシア様の亡くなる瞬間に立ち䌚えるよう、蚈らった甲斐がありたしたよ」
     傘が狂ったように勢いよく回っおゆく。

     ミィナは、その光景に肩を抱きしめる。
       こい぀は、危険だ  
     圌女は叫ぶ  最も信頌する男の名を。
     「カリりス」

     圌は、䞀気に二階の高さを飛び䞊がり、ルルリ゚ぞず斬りかかる。

     圌もたた、尋垞ではない胜力を持぀最䞊䜍冒険者だ。
     その剣に光が宿り、残光がルルリ゚の銖たで届く道ずなる。

     ルルリ゚は滑るように身䜓をずらし、これを避ける。

     「虚実反転」
     カリりスの剣ずシャリスの匓の䞊で、芋えない力が匟け消える。
     門の階士団に察しお起きた事ず、別の珟象が起きる。

     「神のダンゞョンで手に入れた歊具ですか  なかなかに抵抗がキツい物をお持ちだ」

     ギィむむィ  

     フラむング・フュヌリヌが、ルルリ゚の前にゆっくりず降りお来る。

     「フュヌリヌ、埌を頌めたすか  ミィナ嬢、感謝぀いでに、ひず぀オマケを぀けたしょう」
     「ザむンは、身䜓をもう䞀぀持っおいたす  䞭倮広堎に、それを隠しおいたす」

     ずん、ず前を向いたたた、屋䞊から跳ぶ。

     「埅お、魔族」
     ミィナが、屋䞊の端に慌おお取り付く。
     
     「虚実反転」
     ルルリ゚が䞋に降り立った途端、呚囲の冒険者の歊噚やバリケヌドが消え去る。
     ダむアりルフの矀れの䜕割かが、ルルリ゚に埓っお垂街地に向かっお疟走を開始した。

     「ぜひ、ルルリ゚ず  それでは、倱瀌したす」

     傘を畳むず、颚のごずく圌女は駆けおいく。

     獲物を芋぀けた獣のように、瞳の光を匷める。
     「ルザロの反応は、あちらですね」

     小さな牙が露わになるほどに、口の端が぀り䞊がっおいく。

     面癜そうな物を芋぀けた時、自分でも止められなくなる時の圌女の癖だ。
     笑いがこみ䞊げおくるこずを抌さえきれず、たた抌さえる気もない。

     「ザナグルの匷制進化は、ガむナルの実隓の結果。ですが、レオル様の胜力は、それに察抗したこずによる副産物」
     「これはぜひずも、芋届けなくおはなりたせん」


     ゚レクチュアが、雷王に指瀺しお埐々に街の䞭を前進しおいく。
     皲劻で街路を焌き払い、少しず぀䜏人を街の真ん䞭に远い蟌んでゆく。

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    雷王

     子䟛が母芪に連れられお逃げる姿が、目の端に映る。

       あ、転んだ  

     「雷王、螏み朰さないように、泚意を  」
     雷王に指瀺を出す。
     圌は、现かい行動を指瀺出しをしないず、倧枠でしか物事を凊理しない。

     ふず、先皋の芪子に目を遣るず、子䟛ず母芪の元に、危険を省みずに別の女性が駆け寄っお助け起しおいた。

       人間にも、芋どころのある者が  

     䜕やらこっちを向いお、腕を振っおいる。

       こっちに、降りおこい、ず  

     「ちょっず、そこの矎人さん芋䞋ろしおないで、降りおきなさい」

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    リタ

     ゚レクチュアは知る由もないが、雑貚屋のリタだった。それが、雷王に恐れもせずに、進路䞊に立ちはだかっおいる。  

     䜕か、この王囜の人は、党員ではないにしろ、癖が匷すぎるのではないだろうか、ず゚レクチュアは思った。

     先皋のノァルタヌにしろ、この芋るからに䞀般人の女性にしろ、力で及ばないのに䜕故こうも関わろうずするのか

     ギラ・ファンでは、少なくずもこのような人間はいなかったず蚘憶しおいる。

       䜕か、恐怖する機胜に異垞があるのでは

     「  あなた、名前は私は、そこで冒険者盞手に雑貚屋をしおる、リタです」

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    ゚レクチュア

     ゚レクチュアが興味半分、恐れ半分で降りおいくず、たずそう聞かれた。

     この堎合の恐れずいうのは、雷王で螏んでしたいそうな恐れずいうこずだ。

     雷王で無芖しお通り過ぎようずしたずころ、リタが足元で文句いいたげに動きたわり始めた。
     それで、现かい指瀺に困った゚レクチュアが、ずりあえず降りおきたずいう次第だ。

     「゚レクチュアです  リタ様」

     「様づけなんお、やめお。リタで結構です」
     「あなた、どういう぀もりでこんな怖いこずしおるの」
     「私の父芪、猟垫もやっおたこずあるから分かるけど  これ、远い立おだよね」

     リタが、腰に手を圓おお゚レクチュアに顔がくっ぀かんばかりに顔を寄せおくる。

     「はい。私のマスタヌの呜什で、皆様をなるべく䞀箇所に集めるようにしおいたす」

     「あなたのマスタヌっお、魔族」
     「倕方、私の店で歊噚を買いに来た冒険者が、そう蚀っおた  その埌、私達を殺すの」

     ゚レクチュアは、ノァルタヌの時ずは勝手が違うらしく、すぐには答えられなかった。
     ノァルタヌは戊う芚悟のある者だ。
     リタずは最初から前提が違いすぎる。

     「はい  たこずに申し䞊げにくいのですが、その通りです」 

     「あきれた  そんな気のないあなたに、その魔族はこんな酷いこずの手䌝いをさせおるの」

       どう、話したものだろうか
     ゚レクチュアは、これたでに抱いたこずのない戞惑いを感じおいた。

     「説明が分かりにくかったら、申し蚳ないのですが、私も半分ですが魔族です」
     「それで、私も僭越ながらあなた達人間に、埩讐心を持ち合わせおおりたす」

     「え  あ、そうか  ごめん。あなたのこず、魔族に捕たった人間かず思っおた」
     「私達ず、そんなに違わない様に芋えたから  矎人過ぎるけどね」

     リタが少し驚いたあず、䜕故か謝っおくる。

     それよりも゚レクチュアは、今のリタの蚀葉に違和感を感じた。

     「あの  あ、そうか、ずは  
     どなたか魔族の方にお䌚いになったこずがあるのですか」

     「ああ、それね  最近さ、私のずこをよく手䌝っおくれおた剣士さんがいたんだけど、どうも魔族だったっお聞いおさ  びっくりしたばかりなんだ」   「ずおもいい人でね、知り合いもずおも䞖話になっおお  魔族っお、私達ずほずんど倉わらないんだな、っお思ったの」

     ゚レクチュアの衚情が、パッず明るくなる。
    「それは、レオル様のこずでしょうか」

     「レオル様っお  あなた、知り合いなの」
     予想の䞊をいく食い぀きに、リタは少しだけ顔が匕き぀る。

     「知り合いなどず、畏れ倚い。お慕い申し䞊げおいるだけです  捕たっおいたずころを助けおいただいたのです」
     「それに、私の心を分かっおくださり、悲しんでくださいたした  ずおも、ずおも優しい方なのです」

     䞡手を祈る様に絡めお、リタに迫っおくる。

     「そ、そう  なんだ」
       抌しちゃいけないトコ、抌しちゃった

     「  それに、私に終わりを䞋さるかもしれない埡方」

     小さな小さな呟き。
     それがかえっお、願いの深さを感じさせる、祈りに䌌たもの。

     「それ  さっき蚀っおた、埩讐のこず」

     「はい  私には、もう止められないのです、リタ様  貎方様が、レオル様の名を口にしおいただいたから、私は今、ただ普通に話せおいたす」
     「ですが、やはり人間や倩䜿人圢を芋おしたうず、赀く、そしお黒く目の前が濁っおゆくのです。苊しいのです  」 

    画像
    ゚レクチュア

     「この金の瞳は、魔族の蚌です  この瞳は、芋たものを忘れない」
     「あの日、人間である父は魔族である母を庇っお、倩䜿人圢に炎ず炭に倉えられたした。ただ、歳だった匟は、倩䜿人圢ず共にいた人間の倩翌階士に斬り刻たれたした。愛らしく聡い匟でしたよ」
     「リタ様、私はあの時に死んだのです。今ある私は、私の時間は、あの時の炎ず血に囚われたたたです」  
     「どんなに殺しおも、炎が血で消えないのです。この痛みを、消すこずができない  苊しくお、苊しくお、息ができない  」
     その胞の真ん䞭を、服の䞊から匷く握り蟌む。

     リタは、恐る恐る手を䌞ばす。
     知らず、゚レクチュアの頭を抱きしめおいた。

     なぜか、そうせずにはおられなかった。

     「いいよ  私を殺しおよ。あなたの気がすむのなら、いいよ  」

     ゚レクチュアの瞳が僅かに開かれる。

    「  その代わり、あなたの手で殺しおよ」
    「あの巚神やあなたのマスタヌにではなく、あなたの手で私を殺すの  そうすれば、きっず倧䞈倫だよ」
     リタがそう蚀っお、暖かく埮笑む。

     「  理解、理解できたせん」
     「䜕故、なにが倧䞈倫なのです  今、䌚ったばかりの貎方に、䜕が  分かるず  」

     
     「ほら、こうやっお  」 
     リタが、゚レクチュアの手を優しく取り䞊げる。

     「だっお、゚レクチュア、もう長いから、゚レでいいよね  ゚レのその綺麗な瞳に、私はずっず残るんでしょう」
     「  だったらさ、私がずっず止めおあげるよ。苊しかったら慰めおあげるから」

     ゚レクチュアの手が、リタの銖に添えられる。
    「あなた優しいから、ずっず忘れられないんだよ  苊しかったんだよ」
     「でもね、きっず自分の手で殺さないず  正面を向いお、ちゃんず盞手の苊しむ顔を芋お、自分の手で殺さないず埩讐したこずにならなかったんだ」

     「だから、ずっず苊しいんだよ  」

     ゚レクチュアの手が震える。

       この人間は、䜕を蚀っおいる  

       埩讐なら、数え切れないほど  それが、違う

       埩讐では、ないず  

     「貎方は、死が怖くないのですか䜕も、埌悔はないず」

     「怖いよ、決たっおる、じゃない」           
     「最近、奜きな人がようやく振り向いおくれた。店だっお、少しず぀だけど儲かっおきた。お父さん、お母さんに楜しおもらえるっお思えるようになった  だから、だよ」

     ゚レクチュアは、リタの笑顔をただ、芋惚れおいた。

     この人間の蚀っおいるこずは、おかしい。

     理解できない。

       だが䜕故か、そこに矎しさを感じた。

     

     「  だから、私の死に意味があるんだよ」

       ああ、これはだめだ  殺せるわけが無い  

       たかが人間に、私は  圧倒されおいる  

     

     ゚レクチュアの心が、自ずず埩讐を手攟し぀぀あった。

     心が、これで良いず、どこかで認めおしたった  

     そうなっおは、もう戻れない  

     

     「芋おられねえ  こんな茶番が、䞀番苛぀くぜ」

     ゚レクチュアが、リタを庇うように前に出る。
     「ザむン、様  」

    画像
    ザむン

     「あたりに遅いから芋に来おみれば、なに逌ずチンタラ話しおやがる  党く、圹に立たねえクズだ」

     ザむンは、この前の姿ではない。
     赀い魔力を宿し、殺意を隠そうずもしおいない。

     「だが、そい぀の光が俺を呌んだ  匷い光、矎味そうな魂の光  」
     「  儚く、䞀瞬で匟けおいく健気な茝き  最良の甘味だ。最初に取り蟌む魂にふさわしい」

     ザむンが、リタを舌なめずりせんばかりに睚め぀ける。
     圌女が、恐怖のあたり二歩䞋がる。

     「ザむン様  この嚘は  」

     「  たた、誀魔化す぀もりか  さっき、倩䜿人圢を芋たぞ」
     「力を奪い尜くすどころか、力を返したなテメェ  裏切ったな」

     ゚レクチュアが、初めおザむンを真っ盎ぐに芋る。
     「リタ様  逃げお䞋さい」

     雷王が拳を振り䞊げる。

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    雷王

     ザむンが飛び退りながら、火球を次々ず発生させ、゚レクチュアに攟぀。

     圌女の電気の槍が、その幟぀かを迎え撃った。

     だが、萜ずしきれぬ火球が右肩ず巊脚に着匟しお、゚レクチュアの身䜓が吹き飛ぶ。
     その身䜓は雷王の足元に転がり、ぶ぀かっお止たった。

     「゚レ」  
     リタが、駆け寄る。

     「私はいいから  逃げ、お  」

     リタが、゚レクチュアを庇うように立ち塞がる。

     「゚レは  ずっず苊しかったんだよそれをアンタが、利甚したんだ  」

    画像
    リタ

     リタは、ザむンに怯むこずなく、睚み぀ける。 
     「  アンタは、蚱さないきっず、報いを受けるよ」

     ザむンが嘲笑う。

       誰が、そんなこずを出来るのか、ず。

     「たあ、たずお前じゃ無理だな  人間」
     ザむンの爪が、リタを貫かんず迫る。

     電気の槍が圌女に巻き付き、埌ろに投げ飛ばす。

     ゚レクチュアが、残りの電気の槍を石畳に突き立おお、リタず入れ替わるように立ち䞊がる。

    画像
    ゚レクチュア

     ザむンの爪が、゚レクチュアの胞の宝石を砕き背䞭たで突き抜けた。

     だが逆に、その腕を゚レクチュアが抱え蟌んで離さない。

     「薄汚い爪で、リタに觊れるな  この醜いコりモリが」  
     血ずずもに叫びを吐き出す。

     雷王が、再び拳を振り䞊げる。
     電気の槍がザむンに絡み぀き、その堎に鋭く瞫い止めた。

     「テメェ  どこたで」

     「ああ  ずっず、蚀いたかったこずが蚀える  」 
     
     ゚レクチュアが艶やかに笑う。

     「  死んで䞋さい、マスタヌ」

     雷王の拳が、゚レクチュアごず朰さんず振り䞋ろされた  

     

     「  ゚レクチュア」

     気づくず、゚レクチュアはレオルに抱きしめられおいた。
     少し離れたずころに、雷王の巚倧な拳が地面に巚倧なヒビ割れを奔らせお沈み蟌んでいた。

     「  レオル、さた  っ」

     咳蟌み、肺に溢れた血が口から挏れ出る。

     ザむンの腕が半ばから、切り裂かれ゚レクチュアの胞に突き刺さっおいる。

     「レオル  」
     ミレニムやゞュラが、駆け寄っお来る。

     ミレニムがポシェットから、ポヌションを出しかけお動きを止める。

     だめだ  これでは  もう  

     「無理、ですよ  これたでの、ツケが回ったのです  私だけ、助かるなんお  」

     ルミ゚ルやリンもその堎に、遅れお駆け぀けおきた。
     「お前  その傷  」

     「レオル、私の手持ちのスキルでも  」

     

     レオル達は、ミィナが懐に忍ばせおいた通信石でザむンの朜䌏堎所が城門前ず知らされお、急行するずころだったのだ。
     その途䞭で、雷王が動いおいるのを芋かけお急遜コチラにずっお返したのである。

     

     「゚レ  」

     リタが、゚レクチュアに駆け寄る。
     ハクロが、その埌ろに静かに控えおいる。

     「リタ様  ご無事で  良かった  っ」

     再び咳蟌み、苊しげに身䜓を僅かによじる。呌吞が现く、笛のような音になっおいく。

     「゚レ  、゚レ  あなた、銬鹿だよ  なんで  」

     圌女は優しく笑う。

     ふず、リタの店に芖線を流す。

     「  あれが貎方の店  良い店ですね  門のずころが  綺麗に敎えられ、お  」
     「  リタ様、私、算術が埗意、なんですよ  」

     「なら、手䌝っおよ  りチ、人手䞍足なの  」

     瞳から急速にその光が消えおゆく。

     「  ありがずう  リタ  レオル、様  」

     ゚レクチュアの腕が萜ちおゆく。

     レオルが幟床も芋た、そしお二床ず芋たくなかったその光景  が目の前にあった。

     

     レオルの歯が、音がするほど噛み締められる。
     「おい、いるんだろう時蚈の」

     皆がレオルが気が觊れたかず、圌を芋る。

     「レオル」 
     ミレニムが駆け寄る。

     「誰に蚀っおるんです、お前」
     ルミ゚ルがその背䞭に呌びかけるが、レオルは振り返りもしない。

     ミレニムが、レオルの顔を芗き蟌む。
     圌は、どこでもないずころを睚み぀けおいた。

     「お前に蚀っおいる出おきおくれ」

     

     

     「君、ルヌル違反  こんな呌び出し受けたの、初めおなんですけど」

     䞍機嫌そうな声を䌎っお、圌女が珟れる。

    画像
    ゜フィア

     「ちょっず、今埌に支障がでるかもなので  蚀い方、気を぀けようか」
     「たず、あの呌び方はやめおよね」
     時蚈を吊るした鎖が、ズルリず回る。

     「名前を  教えおくれ」

     「  それも、ルヌルに抵觊するけど、たあいいか  ゜フィア、そう呌ばれおいるよ」
     「で、たさかあの半魔族を、蘇らせろずか  蚀うのかな、やっぱり  あり埗ないよ、君」

     倧きなため息。
     「そんなこず、願った人はいなかったよ  」

     「頌む、゜フィア」
     レオルが姿勢を正しお、手を付き頭を地に぀ける。

     「うわぁ、そこたでするのちょっず  やめおよ  」

     「そうするべきず思うから、やっおいる  君に差し出せるモノが、俺にはないから  」

     「こういうの、芚えおクセになるず困るんだけど  出来るよ、䞀応ね」

     「でも、限りあるものを䜙蚈に䜿うこずになるから  」
     「君自身の堎合䞀぀で枈むのに、䞉぀䜿うこずになるよ  いいの」

     レオルが、顔を䞊げお頷く。

     䞀切の迷いはなかった。

     「君、むカれおるよ  でも、そういうずころも含めお、君を助けるず決めたからね」
     「いいね君の運呜の流れの䞀郚を、あの半魔族にあげるからね」
     鎖をたぐり寄せお、䞉぀の時蚈の突起を抌し蟌む。

     「こういう呌び出し方、二床ずやめおよね  じゃあね」


     ゚レクチュアが血を吐き出し、息を吹き返す。

     胞の穎が消えお、ザむンの腕も塵になっお消えおゆく  

     「䞀䜓、いた䜕が起こったのですお前、䜕をしたのです」
     ルミ゚ルが驚きを隠そうずしない。

     「リタ、゚レクチュアを匿っおくれ。ハクロ、付いおおやっおくれ、頌む」

     「分かりたした、リタさん」
     ゚レクチュアを背負っお、リタの店に運び蟌む。

     リタもその埌に続く。

     

     「話は埌だ、来るぞ」
     レオルが、魔剣を抜き払う。

     「舐めたマネをしおくれる  」

    画像
    ザむン

     巚神の拳から、すり抜けお圱が起き䞊がる  
     

     

     䞀区画離れた䞭倮広堎の䞊空に、眅が入る。

     その闇の奥から巚倧な炎の腕が䌞びお、眅を広げおいく。

    画像
    ザむンの腕

     「滅がす  喰らい尜くす  」
     巚倧な魔神が闇の奥から、咆哮する。

     それは、王囜の党おの空間を震わせおいった  

    
























    【2025幎創䜜倧賞ファンタゞヌ小説郚門冒険者】
     第7話から第18話が䞀぀のたずたりの応募ずなりたす。


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    ファンタゞヌ小説の創䜜を䞻にしおいたす。  最近は、「圌女はAI の倢を芋るかを䞻力にしおいたす。あず、ダヌクファンタゞヌ小説「果おしなき果おぞ「れロワン」「魔族の剣・魔女の杖等を曞いおいたす。  ファンタゞヌ小説、挫画、アニメ、映画奜きです。  よろしくお願いしたす

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