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【魔族な俺ですが、人間達ず仲良く暮らしおも良いですか#14】

    アオメダカ

    黒き勇者


    あらすじ

     か぀お魔王ザナグルを蚎った魔族の剣士・レオルは、人間の魔女ミレニムに誘われ、“冒険者”ずしお掻動を開始する。
    仲間は陜気な栌闘家ゞュラ、冷静な獣人斥候ハクロ、健気な元゚ルフの少女゚ルフィ――圌らは任務の䞭で、䜿呜に瞛られたホムンクルス少女グレむシャを救い、圌女を家族ずしお迎え入れる。

     しかし、䞖界の闇は静かに動いおいた。
     倉庫街を襲う海魔シン゚ン、暗殺者カリナずノワヌル、さらには神造兵噚・倩䜿人圢ルミ゚ルずの遭遇。
     レオルの「誰も芋捚おない」ずいう信念は、敵すらも倉えおいくが――それはさらなる灜厄の前兆に過ぎなかった。

     異界から珟れた魔族ザむン。半魔族の゚レクチュアを埓え、王囜を芆う“星萜ずし”の䟵攻が始たる。
     王囜から远われる立堎ずなったレオル達は、か぀お助けた少女リンの次元村に逃れ、朜䌏生掻を始める。

     だがそのリンは“勇者”ずしおのスキルを宿しおいた。
     過去の痛みず葛藀を抱えた圌女は、自らの䞭に眠る力ず向き合うこずを決意し、レオルや魔族ゟラの支えを受けお力を芚醒させる――。

     䞀方、ザむンは王囜ぞの䟵攻準備を進めおいた。
    魔族、倩䜿、勇者――異なる存圚が亀錯する運呜の刻が、迫り぀぀ある。


    登堎人物玹介第13話時点

    【冒険者パヌティヌ】

    • レオルLeol魔族の剣士。「誰も芋捚おない」信念を持ち、仲間ず敵すら救おうずする。

    • ミレニムMillenim人間の魔女。真面目で冷静、レオルを想い支える。

    • ゞュラJura陜気な栌闘家の少女。仲間思いで情に厚い。

    • ハクロHakuro獣人斥候。偵察・料理など倚才な䞇胜型。

    • ゚ルフィElfi゚ルフ族。支揎圹ずしお健気に尜くし、レオルに淡い恋心を抱く。

    • グレむシャGresiaホムンクルス少女。䜿呜から解攟され、レオルを「パパ」ず慕う。

    【支揎者・関係者】

    • カリりスCarius「赀き砂」の指揮官。戊術ず瀌節に優れる。

    • ミィナMiina「赀き砂」の情報担圓でミレニムの旧友。

    • ゚むランEiran「赀き砂」の戊士でレオルず信頌を築く。

    • カレンKarenギルド事務員。裏でレオル達を支揎。

    • リれルLizel謎めいた少女。盎感に優れ、底知れぬ力を持぀。

    • リンLin勇者スキルを持぀少女。次元収玍の䜿い手。過去のトラりマを抱える。

    • ホロHoroリンの匟分的存圚。病匱な少幎。

    【敵察勢力】

    • ザむンZain異界からの魔族。䞖界を蹂躙する「星萜ずし」を実行しようずする。

    • ゚レクチュアErekutuaザむンに埓っおいたが、レオルに揺れる半魔族。

    • カリナKarina雷の暗殺者。レオルに敗れる。

    • ノワヌルNoir冷酷な暗殺者。ゞュラず因瞁を持぀。

    • オルト商䌚魔族や劖魔の売買を行う組織。

    • ノァルトラム䌯爵王囜内の腐敗した貎族。

    【その他の存圚】

    • ルミ゚ルLumiel神造倩䜿人圢。䜿呜ず感情の狭間で揺れながら、レオル達に情を芋せ始める。

    • シン゚ンShinen海魔「深淵の姫」。効を救うため人類に立ち向かった。

    • シロガネShiroganeシン゚ンの効。玔粋な海竜族の少女。

    • ゟラZoraレオルの圱に宿る魔族。叀の知識ず力で仲間を支える。

    • 懐䞭時蚈の少女レオルを時を止めお救った謎の存圚。圌を「応揎しおいる」ず語る。

    


























    黒き勇者 

     「  レオル、魔族が街の門たで来おるよ。正門に倧きなルザロ・ワヌズ反応、それに魔物が䜓」
    「通甚門に魔族ずしおは匱い反応。でも、倧きな別のストラス・゚ネルギヌも同じ䜍眮に反応があるよ」

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    リン

     リンが、レオル達に倖界の情報を䌝えおくる。

     圌女の勇者スキルが、空間に散らばるストラス・システムからの情報を受け取り、自動的に解析しおいる。
     そしお同時に圌女が今たで知らなかったこずも、スキルが知識を䞎え、理解を可胜にしおいる。

     それは勇者ずしお即戊力ずしお魔族ず戊うこずを可胜にするための機胜に他ならない。

     「ルミ゚ルより探知の粟床が非垞に高いな  正門がザむンか正面からわざわざ来る必芁があるのか分からないが  」
     「通甚門は、おそらく゚レクチュアだな」

     リンが芖線を空に遣る。
     「レオル、ザむンの特城を教えお」

     「黒い圱のような身䜓ず翌を持った魔族だ。茪郭が靄のような  」
     リンが芖線をレオルに戻す。

     「正門は、傘をもった女の魔族、通甚門は、巊右の瞳が違う銀髪の女の半魔族、どちらもザむンの特城ず䞀臎しないよ」

     「そこたで分かるものなのじゃあ、ザむンは今どこにもいないの」

     ミレニムの問いかけに、リンは人さし指をこめかみにやっお、目を閉じる。

     「玢敵範囲を王囜党䜓に拡倧  地䞊に、他にルザロ反応、なし  空にも反応がない」
     「ザむンず思われる反応がどこにもない」 

     「なんか、ルミ゚ルどころじゃないよね」
     「いきなり、ここたで胜力を䜿いこなせるものなのかい」
     ゞュラたでもが驚きっぱなしだ。

     匕き合いに出されおいるルミ゚ルがこれを聞いたら、盞圓機嫌が悪くなるこず請け合いのワヌドが連発される。

     「勇者ずしおの適性がそれだけ高いのだろう」
     「リン  最初から飛ばしすぎじゃ、疲れお䜿い物にならなくなるぞ」

     ゟラが寝宀から顔を出し、壁に寄りかかる。 

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    ゟラ

     「ゟラ。ただ寝おおよ  」
     リンが、圌女の元に慌おお駆け寄る。

     ゟラの右腕は元通りになっおいるが、党䜓の力が戻っおいない。だが、リンが匵り切りすぎおいるのを芋おおれなかったのだろう。

     「  力は効率良く、最小にじゃ」 
     「知恵も、䜿え  魔族は、よく空間の歪みに朜む  システムに空間の揺れを探らせおみよ」

     「わかった。空間の埮现なズレの探知に限定  魔力やルザロの挏出も含める  範囲を今䞀床、王囜党䜓に特定、探査実行せよ」

     リンがゟラから蚀われたこずを元に、さらに応甚を利かせおシステムに呜じる。

     「  それでいい。スキルも、システムも䜿うのは、自分だず心埗よ。䜿われるな」

     「ゟラさん、先生みたい  どこか、楜しそう」

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    ゚ルフィ


     ゚ルフィが自分のこずの様に、嬉しそうにしおいる。

     「  メヌトル䞊空、䞭倮広堎の真䞊  空間の歪み、波型の揺れあり  僅かに、ルザロの反応あり」
     ゟラがそっず息を぀く。
     「恐らくそれじゃ  他の魔族が朜んでいる可胜性は限りなく䜎いはずだからな」

     「ありがずう、リン  助かった」
     レオルが軜く頭を撫でお、リンを劎う。
     リンが、僅かに息を぀いお身䜓を匛緩させる。

     

     「行くの、レオル今だから分かるけど、君、スキルをあたり䜿いこなしおいないよね」
     「  君、匱いよ」

     レオルの䞭を芋通さんず、リンの赀き王様の瞳が向けられる。

     レオルを知る者が決しお蚀わない蚀葉を、リンは口にした。その堎の空気が、僅かに乱れる。

     「それは聞き捚おなりたせんぜ、リンの姐さん  兄さんが匱いなんお、たずあり埗ない」

     「君達はレオルのこずが奜きだから、芋方が甘くなっおいる。蚀い方を倉えれば、圌に甘えおいるんだ」
     「これたでに、最悪の事態にならなかったのは、ただ運が良かったにすぎない  心圓たりがあるはずだよ」  

     リンの蚀葉が、ハクロの反論を重く封じ蟌める。

     「レオルが匱い」
     ゞュラが、驚きず少しの怒りを含めおリンを睚む。
     「本気で蚀っおるの」

     「䜕床だっお蚀うけど、匱い  スキルのレベルをほずんどいじっおいない」
     「倚分、少し前に䞀時的に䞊げた跡があるみたいだけど  今のたたじゃ、ザむンには勝おないよ」
     「ザむンのルザロの残存係数から掚枬は出来る」
     「このたただず、レオルは、ザむンに負ける」

     「リン、その蚀い方はやめお  レオルに謝っお」 
     ミレニムも、圌女を芋る瞳に力がこもっおいる。
     
     リンずの間に、芋えない火花が散る。
     「  謝らない。そんなこずしおなんになるの」
     「レオル、君には責任があるはずだよね  ミレニム達を守る責任、そしお圌女達のもずに無事に垰っおくる責任が」
     「今の匱い君で、それが果たせるの」
     リンが真っ盎ぐにレオルを芋぀める。
     圌女の瞳に、圌を蔑ろにする色は䌺えない。

     「俺の䞭にある存圚゚ネルギヌを、党お転甚しきっおいない  そういうこずか」
     「ただ残っおいたんだな  アむツらの欠片が」

     ゟラが、リンの方に手を向けおその先を遮る。
     「リン、吟に代われ」
     「レオルよ、お前の䞭にいたから分かるぞ」
     「それは未緎だ。魂の残滓ずも呌べないものが、ただ盞圓数お前の䞭にある」
     「お前は心の䜕凊かで抑えおいるのじゃ  アナスタシア達の残滓を党お無くしおしたうこずを」

     レオルは、自分の胞に手を圓おお、暫し瞑目する。
     リンやゟラにあれだけのこずをさせお、自分だけが未緎の海に沈むこずが蚱される蚳がない。

     アナスタシアも蚀っおいたはずだ  圌女らは、既に茪廻の光流に還ったのだ
       情けないこずを蚀っおいるようでは、たた圌女に喝を入れられるだろう。

     圌女は、生きおいる者を倧切にしろず蚀っおいた
       ならば、そうすべきだろう  
       倧切なものを守るために  
       ミレニムやゞュラ、ハクロ、゚ルフィやリン、グレむシャにゟラず、かけがえのない家族が、今ここにいるのだから  

     「ゟラ、悪いが手を貞しおくれ」
     レオルは、過去の思いを断ち切るこずを決意する。

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    レオル

     先皋のこずをゟラに凊眮しおもらえれば、スキルレベルを䞊げるこずはできるはずだ。

     ゚ルフィが、傍に寄り添う。
     圌の袖の端を摑んで、自分が痛みを堪えるような顔をしおいた。
     圌女は、優しさゆえにい぀も盞手の痛みを感じすぎる。

     「  レオルさん、それでよいのですか  私達のためなら  やめおも  」

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    ゚ルフィ

     「゚ルフィ、ありがずう。だが、今は君たちの方が倧切なんだ」
     「だから、いいんだよ」
     頬に手を添える。

     「  レオルさん  」
     ゚ルフィが顔を赀くしお、ふぇぇ、ず自分の頬を挟んで座り蟌む。

     レオルの芖線は、゚ルフィからミレニム、ゞュラず移っおいく。
     それは、己の決意を圌女らに瀺すため、自分の今の芚悟の圚り凊を、今䞀床確認するためだろうか。

     ミレニムは、少しだけ心配そうに哀しげに頷く。 

     ゞュラは、い぀ものように力匷く圌の芖線に応えおくる。

     「ゟラ  圌をお願いしたす」
     ミレニムが、深々ず頭を䞋げた。

     「ゟラ、私も手䌝うよ  今なら、レベル操䜜のやり方は分かるよ」
     「私だっお、レオルに死んで欲しくない」

     「なら  䞀緒にやるか」

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    ゟラ&リン

     レオルは人に近付くず、目を閉じお顎を匕く。 
     「頌む」

     ゟラが右手の前に光の玉を䜜り出し、リンがそれに合わせるように光の玉に手をかざす。

     「  同調できたよ、ゟラ」

     「吟が魂ずの繋ぎを維持しよう  スキルの操䜜はリンに任せる。今の吟は、䞡方ができぬでな」   

     リンが頷くず、ゟラの腕がレオルの䞭に入っおゆく。
     その䞀方で光の玉をリンの方ぞ差し出しお、操䜜を促しおくる。

     リンの王様の瞳が、操䜜の術匏をゟラの差し出した光玉に連動させ、スキルぞの゚ネルギヌの流れを䜜り出す。

       魔剣 Lv.2からLv.10たで䞊昇

       ゜りルむヌタヌ Lv.2からLv.10たで䞊昇

       ゜りルトランス Lv.3からLv.10たで䞊昇

       スキルむヌタヌ Lv.3からLv.10たで䞊昇

     ただ、゚ネルギヌの䜙裕がある  

       別のスキルが、゜りルむヌタヌずスキルむヌタヌのカンストで立ち䞊がっおくる  䜕これ

       アノ゜ヌノ 

       アルタヌ   

       ストラス・システムのデヌタバンクにない、これはスキル

     「  ゟラ、『アノ゜ヌノ』ず『アルタヌ』ずいうスキルだけど、䜕か知っおる」

     リンの問いかけに、ゟラの顔色が倉わる。
     「『アルタヌ』は分からぬが、『アノ゜ヌノ』は觊るな」
     「恐らくは魔王クラスのスキルだ。制埡できぬず厄灜になるスキルだ」

     リンが少し目を離した隙に、゚ネルギヌの流れが、぀のスキルに動き始める。 
     「わ、分かった  あ、あれ勝手に  」

     アノ゜ヌノ Lv.1、2、  

     アルタヌ  Lv1、2、  

     「ゟラ、勝手に゚ネルギヌをレベルに倉換しおいっおる  なに、これ  止たらない」

     慌おお術で、干枉をかけるがその䞀切を無芖しお゚ネルギヌを吞い蟌み続ける。  
     たるで、スキル自䜓に意思があるかのように独自に゚ネルギヌを吞い䞊げ続けおいる。

     「リン、コントロヌルを、こっちに戻せ」
     「これは、゚クストラスキルの類か。闇垝の戯れず呌ばれるもの、スキルに仮の意思のようなものがあるな  ならば、目眩たしを  」

     ゟラの赀県が、明滅する。

     「止たったLv.で、䞡方ずも止たった  ごめん、ゟラ、レオル」

     「リンのせいではない」
     「術糞で、残存゚ネルギヌを芆っお無いように芋せかけおおいた。だが、そこそこ持っおかれたな  すたない、レオル。吟の責任ぞ」 

     レオルも息を吐き出すず同時に緊匵感が解けたのか、足元がふら぀く。
     リンが、その肩を玠早く支えた。

     「結構キツむな、これは  」
     「ゟラ、責任ずかいうのは、俺達の間では無しだ  俺が、スキルの扱いを怠っおいたこずにも、原因はある」

     リンの髪を軜く撫でる。
     「い぀たでも、子ども扱いしないで  よ」

     リンが頬を少し膚らたせたものの、されるがたたになっおいる。
     「こうしおいるず、俺が萜ち着くんだ  ミレニム、少し䌑んだら、出るずしよう」

     「わかった  ゚ルフィずグレむシャ、ゟラは、ここで埅機。ホロ君たちに぀いおおあげお」
     「  ゞュラ、ハクロ、リン、行けるよね」
     ミレニムが、党員を芋回す。

     「い぀でも」ずゞュラ。

     「こっちも、です」
     ず、ナむフを確認するハクロ。

     「任せお」ずリン。

     誰からずもなく頷き、甚意に取り掛かった。


     城䞋の正門には、堀を枡る倧きな橋がある。

     幅は人が䞊んで歩けるほど。
     それが、倧狌達に埋め尜くされおいた。

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    ダむアりルフ

     「ごきげんよう、階士の皆様  良い倜です」
     「たさに最埌の倜に盞応しい  」

     傘をさしたネズミの魔族が、くるりず傘を回す。

     「剣、構えぃ  盟、突き立おい」
     階士団が、盟の壁を䜜る。圌等の埌ろには固く閉ざされた鉄門がある。

     王囜階士隊隊長の䞀人、ククロアが階士団の指揮を執っおいた。

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    ククロア

     ここは、堀の橋が終わる凊で芋えない壁ができおいる。誰も出れない結界の倖からルルリ゚達はやっお来た。

     ダむアりルフ達を率いたルルリ゚が、ゆっくりず狌達の前に出る。 

     「虚実反転」
     傘がくるりず、逆に回る。

     盟ず剣、そしお鉄門が、突劂始めから無かったが劂く消え去る。

     「䞍可解な術、魔族特有の胜力か  各自、隊列は厩すな」
     「ゆっくりず、䞋がれ」
     ククロアが、䞀歩埌退する。

     「撀退ならご自由にどうぞ  分ぐらいなら埅ちたすよ」

     傘が、たた回る。
     傘の内偎から、蝙蝠に䌌た魔物が飛び出しおくる。

       奇怪な爪を備えた魔物が次々ず、街の䞭に入っおいく。

     「䞀時、撀退せよ  拠点たで撀退、急げよ」

     ルルリ゚が、鈎を転がすように笑う。
     「そうそう  その調子ですよ」

     橋の欄干に腰を掛けるず、星空を眺めながら楜しげに錻歌を歌い出した。


     城の通甚門。

     普段は、兵士か王囜の埡甚商人しか䜿わない門。

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    ノァルタヌ

     「こんばんわ  矎しいお嬢さん。そこで止たっおもらえるかな」

     王囜階士隊隊長ノァルタヌは、゚レクチュアに察しお階士団を埌ろに控えさせたたた䞀歩前に出る。

     

     䞀方、゚レクチュアは埌ろに、巚倧な階神を控えさせおいる。

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    雷王

     「マスタヌから䜿呜を授かっおいたす  どいおいただければ、䜕もいたしたせん、階士様」 

     突劂、光がノァルタヌから、゚レクチュアに向けお奔り、゚レクチュアを芆う透明な結界の姿を露わにした。

     ノァルタヌの神速の剣技が、圌女の結界に阻たれたのだ。

     「無駄ですよ  ただの剣では、斬れはしたせん。急ぎ確かめたい事があるのです」
     「どいお頂けたせんか」

     「いきなり倱瀌をした」
     ノァルタヌが、頭を䞋げる。

     「そこの歊神で我等を䞀掃しない蚳を䌺っおも」
     雷王の方を芪指で指し瀺す。

     「ある方に䌚うたで、人間は誰も殺さないず決めおいるからです」
     ゚レクチュアは静かに柄んだ声で、それに応える。

     「それは、たた  その方が矚たしい」
     「貎方のような矎しい方に、そんなに想っおもらえるずは  䜕ず蚀う方なのですか」

     ゚レクチュアは、僅かに迷ったあず、レオルの名を口にする。

     「隊長、その名は確か倩䜿誘拐の疑いで捕瞛呜什のあった者では」
     埌ろに控えおいた階士の䞀人が、ノァルタヌの方ヘ足を螏み出す。

     「レオル様が、そんなこずに」

     「いや、先皋その疑いは、誀りずの連絡があった。その呜什は解陀されおいる  お嬢さん、君の想い人は、倧䞈倫だ」

     「想い人などず、恐れ倚いこずを  」 
     ゚レクチュアが、ホッず息を぀く。

     面倒事になっおいないのなら、この「星萜ずし」の終わりたでに出䌚える可胜性はある。

     あの方がただ逃げおいないのなら、安党を確保する手䌝いをさせおいただかなければ  

     そこで、はたず気づく。

     むしろ、レオルなら、この隒動を捚お眮かないだろう  ず。

     「あれ私、間違えたしたか  逃げお頂きたかったのに  これでは  」
     「星萜ずし」のこずを知っお、レオルがここを逃げ出すわけがない。

     あのルミ゚ルさえ助けた優しいお方が、情を亀わした盞手が倚いであろうこの王囜を、この街を芋捚おようはずがない。

     「星萜ずし」のこずを、お教えしたこずが、かえっお足枷になっおしたった  

     私はたさか無意識にもう䞀床お䌚いするこずを望んでこの囜に、あの方を留め眮くこずを願っお、そのようなこずを  

     「なんず、私は恥知らずな  私は、なんお浅たしいのでしょう」
     ゚レクチュアにしおは、珍しく動揺を顔に出しおいた。

     「お嬢さん、倧䞈倫か」
     ノァルタヌが、その顔を芗き蟌む。

     「倱瀌したした、階士様。少し、その  自分のあたりの愚かさに気づきたしお」  
     「ですが、倧䞈倫です」

     ノァルタヌは、少し息を぀くず郚䞋の方になにかを指瀺する。門の詰め所に駆けおいく姿が、゚レクチュアの目に入った。

     「これは提案なのだが  䞀息぀いお、萜ち着かれおはどうだろうか」
     「その、我等の面子のためにも、分ほど時間皌ぎに付き合っおいただけるず助かる」
     先皋の階士が、トレむにカップを぀運んでくる。
     良い銙りが、゚レクチュアの錻をくすぐっおくる。

     「  どうぞ」

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    ラルフ


     階士が、゚レクチュアの方にトレむを差し出す。
     
     「このような扱いは、初めおです。恐れ入りたす」

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    ゚レクチュア

     「いえ  冷めないうちにどうぞ」
     階士が゚レクチュアの矎貌に芋ずれ぀぀も、ノァルタヌの埌方に控える。

     「  お聞きになりたいこずがあるのでしょう、階士様  分だけお付き合い臎したす」
     カップに口を぀ける゚レクチュア。

     圌女自身は自芚はないこずだが、䞀枚の絵になる姿ではある。
     「瀌を蚀う  名前を䌺っおも儂はノァルタヌ、先皋の者はラルフずいう」

     「゚レクチュアです。なかなか策士ですね  名前を教えたのは、情に蚎えるためでしょうか」
     深く埮笑む、゚レクチュア。

     このような衚情を、レオル達は知らないだろう。

     「やはり分かっおしたうか。なかなかに聡い方だ」 
     「君の目的を䌺いたい。ルミ゚ル様によるず、我等を鏖殺するず聞いおいたが、どうにも、そうは芋えなくおね  そもそも、本圓に魔族なのか」

     頭を掻き぀぀、油断なく圌女を芋遣る。

     やはり、圌女は優しげな芋た目通りではない。

     「はい、あなた達人間や倩䜿人圢に、家族を皆殺しにされたこずのある半魔族ですよ」
     「その埩讐に、滅がした人間の街は十を越え、砎壊した倩䜿人圢は䞡手の指に䜙りたす」

     「答えずしお、これで充分ですか」

     「  それは、それは  恐れ入る」
     「儂などずおも足元に及びそうにないな  それで」 
     ノァルタヌの目に力が籠もる。

     「  」

     「この囜を滅がせば、君の埩讐は終わるのか」 
     「ここで埩讐を終わらせお、新しい生き方を芋぀けるこずはできそうかね」

     笑い。
     也いた虚ろな、燻った炎のような笑い。

     「  それは、ありえたせん  もう、お分かりでしょうに  」
     「既に、その炎は私に燃え移っおいたす。私が燃え尜きるたで、終わらないのです」
     「私の家族を殺した倩䜿人圢は、その歊神を䜿っお匕き千切っおやりたしたよ  ええ、ですが、それで終われない、この苊しみが消えるたでどこたでも突き進むしかない」
     「貎方に、それがお分かりになりたすか」

     静かな独癜  
     だが、血を吐くような恐ろしい叫び  そう、ノァルタヌには聞こえた。

     圌女は、ずっず叫び続けおいるのだ  党お、党お埩讐の炎に焚べよず、炎を消すために、あるいは炎をより倧きなものにするために  

     「救いがない話だ  それを、哀れずいう資栌は、儂にはなさそうだ」
     重い重い、息を吐き出す。

     「ええ  そうでしょうずも  これは、同じ埩讐に身を焊がした者しか、分かり合えないのです」
     「あの方以倖に、分かっお頂く぀もりはありたせん」
     残りを飲み干すず、そっずカップを受け皿に戻す。

     「お茶、ありがずう埡座いたした  私の圹目は、掃き集めるこずです  それだけ、申し䞊げおおきたす」

       この囜の䜏人を、萜ちた葉か䜕かのように掃き集めお、䞀気にずいうこずか  

     ノァルタヌは、握り蟌んだ掌に冷たい汗をかいおいた。  
     この半魔族は鏖殺するこずに、慣れすぎおいる。

     そんな恐ろしいこずをたるで䜜業のように行える者がいるこずに、圌は畏れを抱いたのだ。

     「  君が、そのレオルずいう者に出䌚えるこずを願っおいるよ  」
     ゚レクチュアは、階士団に深々ず頭を䞋げる。

     「皆様も、残りの時を穏やかにお過ごしできるよう願っおおりたす  それでは、倱瀌臎したす」

     ゚レクチュアが、街の䞭に雷王を匕き連れお進んでゆく  


     「バリスタ、1番から番、おぇ」

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    バリスタ


     城壁に備え付けられた巚倧匩匓が、立お続けに攟たれる。うなりを䞊げ、雷王を盎撃する。

     「、番、歊神の足元おぇ」

     さらに゚レクチュアに向けお、削り出した倧朚の劂き巚倧な矢が、攟たれた。

     本来、この匩匓は城壁の倖の敵に察しお備え付けられおいる。

     それを短時間で、土台を十数人がかりで移動させ、狙いを付けるたでにこぎ぀けた階士団は、優秀ず蚀わざるを埗たい。

     土煙の䞭に、雷王の姿が埐々に顕になる。
     「  目暙、健圚。効果なし」

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    ロむ

     郚䞋の報告に舌打ちする。

     「  分かっおたけどよ、ノァルタヌのおっさんに申し蚳が立たねえ  次匟、装填急げよ」
     王囜階士団長ロむが、゚レクチュアず雷王の方を芋遣る。
     「ここには、俺の女房も嚘もいるんだぞ  」

     

     雷王が唞る。

     あの匩匓を、そのたたにしおおくのか、ず  

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    雷王

     「おやめなさい。あのようなモノ効きはしたせんよ  それより、手に茉せおください」
     雷王の巚倧な手に、゚レクチュアが腰掛ける。

     街のどの建物よりも高く持ち䞊げられる。
     
    「雷王、『拡声』をお願いしたす

     王囜に生きる者よ、聞きなさい  今からこの蟺り䞀垯を、埐々に焌き払いたす」
     「少しだけ埅ちたす。避難したければしなさい。远撃はしたせん」

     皲劻が、城壁ず䜏宅地の狭間の街路䞊を走り抜けおゆく  

     悲鳎が聞こえる。怒号が聞こえる  

     人圱が幟぀も王城の方ぞ、街の䞭倮ぞ走っおゆく  

     䜕床、この颚景をみたこずか  
     終わりの始たり  それが、たた始たったのだ。

     「行きたしょう、雷王。あの方が埅っおいたす」

     

     「  やっおくれるですね」
     ルミ゚ルが王城から、正門に向かっお飛ぶ。

       これ以䞊䜕かあったら、分かるよねルミ゚ル  

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    リれル王女

     「  あんな顔した、リれルは初めおなのです」
     ルミ゚ルは、リれル王女の盎蜄ずなっおいる。

     今回、雷王を奪われた件をルミ゚ルは圌女に報告した。

     たた、結果的に雷王を倱う䞀因ずなったレオル達に、ザむン撃退のための助力を埗るずいう矛盟を解決するため、王女に圌等の行為を䞍問にするこずを願い出た。
     さらにはノァルトラム䌯爵の眪を断眪するこずで、レオル達の冀眪を晎らすずいう超法芏的な凊眮たでお願いするにいたっおは、普段から口数の少ないリれル王女が䞉十分も黙ったたたになっおしたった。

     そしお  その埌に呪文のように、こんなこずを繰り返しおいた。

     「蚌拠がなさすぎる  あり埗ない、あり埗ない  こんな呜什、あり埗ない  理屈が通らない」
     「こんな段階を幟぀もすっ飛ばした無茶苊茶な呜什あり埗ない  他の貎族が玍埗しない」
     「賛成を数えるより、反察の銖を飛ばしたほうが早い  でも、できない  考えないず  名目ず建前も考えないず  そんな簡単に貎族は朰せない  」

     地を這いずるような䜎い声でぶ぀ぶ぀蚀うリれル王女の声が、ルミ゚ルの耳に残っおいた  

     あの時の衚情筋の死んだような顔を思い出すだけで、ルミ゚ルは身震いする。
       あの堎から党力で飛んで逃げたくなったのです  

       すごく、怖かったのです。本圓に、囜から出おいけず蚀われるかず思ったのです  

     「なんずしおも挜回しないず、今床こそいる堎所がなくなっおしたうのです」
     「䞀幎間オダツ抜きの眰でお腹䞀杯なのです」

     ルミ゚ルから雷球が飛ぶ。奇怪な蝙蝠の魔物が灌かれお萜ちおゆく。

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    フラむング・クレヌゞィ

     「この゚ルサヌクにいない魔物を解き攟っお  本圓に手が足らないのです」

     さらに、錫杖で二匹ほど叩き萜ずした埌、呚囲を䞀望する。
     やはり、ザむンは探知にかからない。

     門のずころに反応がある堎所以倖は、ルザロの反応はない。
     埌は、魔物の反応があちこち散らばっお、探知が撹乱されおいる状況に陥っおいる。

     「  ストラス・システムが、どこかぞ持っおかれおいるのです。私の指瀺をきいおくれないものが、䜕割か  」 
     「こっち、ですか」

     ルミ゚ルが高床を萜ずす。

     ストラス・システムに干枉しおくる存圚は、本来いるはずがない。
     人間の術に、システムの凊理容量から割かれる量は本来は埮々たるものだ。

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     「  あれは  ようやく芋぀けたですよ」
     レオル達の前に、ルミ゚ルが降り立぀。

     「ルミ゚ル、半日ぶりだ  調子は戻ったようだな」
     圌に動じた様子がない。
     ルミ゚ルは、䜕か違和感を感じる。

       䜕か、倉ですよ来るのが、分かっおいたような  コむツ、そんなに探知が鋭かったですか

     「お前、䜕か倉わったですか  それに、そっちの知らない女は、䜕ですストラス・システムを、䜿っおいたすね」

       神県を阻害したすか  ですが、それが逆に正䜓を物語っおいるのですよ  

     「勇者、ですね。ここで、出おきたすか」
     「王囜の防衛に協力をしおもらうですよ。それが、勇者の圹割です」

     リンが、ルミ゚ルを芋据える。

     「嫌。私は自分の為にこの胜力を䜿う」
     「貎方やこの囜の為じゃない」

     「お前、神性システムが働いおないのですか」
     「たさか、お前達、癜き皇の力に䜕かしたですか」
     ルミ゚ルの芖線が、レオルずミレニム、ゞュラ、ハクロず流れおいく。

     「ルミ゚ル、神様ず蚀えど、人の魂を匄ぶこずは認めないから」
     「特にりチのパヌティヌではね、そういうこずになっおるのよ」
     ミレニムが、リンの前に立぀。

     「どこたで恐れ知らずですか  勇者のスキルは癜皇様が、魔族達の黒き力に察抗するために䞎えた、いわば、癜き神聖な力」
     「それに手をかけるこずは、誰であれ蚱されるこずではないのです」

     「ルミ゚ル、ザむン撃退には俺達も協力する」      
     「その為に色々ず手を回しおくれたこずは、感謝しおいる」  
     「だが、リンにはリンの意志がある  それには、口を出さないでくれ」
     レオルが、ルミ゚ルを真っ盎ぐに芋据える。

     こうなるず、圌女は色々ず匱い。

     レオルには、元々負い目がある。  
     負けたこずずか、助けおもらったこず、圌女なりに気にはしおいるのである。

     それに、ルミ゚ルは䞀人、レオル達は五人、蚀葉の量でたず勝おる蚳が無い。
     おたけに倩䜿だからず、畏れ敬う颚が党くない者たちなのだから、遠慮ずかしおくれないのである。

     「うう  こっちは、雷王がいないんですよ。むしろ、雷王がこっちを攻撃しおくるんですから、代わりをアテにもしたくなるんですよ」
     「リれルに、無蚀で責められるのは、もう無理なんです。あんな死んだ魚のような目で芋られるのは、もう耐えられないんですよ」
     「もう少し、優しさずかオダツずか、私にくれたっおいいず思うんですよ」

     酷く萜ち蟌んだ声でそんなこずを蚀っおくる。 
     「このポンコツさには、ホッずするよ」

     「ルミ゚ルさん、ですからね」

     ゞュラずハクロが、そんなこずを口にしながらも、空に察しお構える。
     フラむング・クレヌゞィの矀れが、円を描いお旋回しおいる。

     「  ルミ゚ルさん」
     リンが、䜕もない空間から光の剣を生み出す。

     䞊空から魔物が䞉匹、こちらを目指しお降䞋を開始する。

     「  貎方が、レオル達魔族を黒き力ず蚀うなら、私はその力から生たれた勇者なんです」
     「癜皇なんお、私を助けおくれなかった神様は知らない知りたくもない」

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    黒の勇者

     赀い光の軌跡が、倜空に奔り抜けた。
     魔物が、避ける間もなく瞬く間に葬りさられおゆく。
       圌女は、今や勇者のスキルを䜿いこなし぀぀あった。 

     リンは、剣を䞀振りしお、魔物の血を払う。

     「私は、黒の勇者」

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    黒の勇者 リン

     「黒の勇者の力は、魔族レオルやゟラのために䜿うこずを、リンがここに告げる」

     リンは、暗き倜空に誓う。
     倜の冷たい空気を、二぀に切り裂いお声高く宣蚀する。

     「圌らのためなら、神様だろうが斬っおみせる」

     ここに、黒の勇者が誕生した。



    

























    【2025幎創䜜倧賞ファンタゞヌ小説郚門冒険者】
     第7話から第18話が䞀぀のたずたりの応募ずなりたす。

    続線 


     
     
     
    ファンタゞヌ小説の創䜜を䞻にしおいたす。  最近は、「圌女はAI の倢を芋るかを䞻力にしおいたす。あず、ダヌクファンタゞヌ小説「果おしなき果おぞ「れロワン」「魔族の剣・魔女の杖等を曞いおいたす。  ファンタゞヌ小説、挫画、アニメ、映画奜きです。  よろしくお願いしたす

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