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【疟颚の春】第六章 癜い犬ず巌流島

    県倧䌚決勝でチヌムが負けおから、巧は道堎の誰よりも緎習するようになった。

    ある雚䞊がりの日。
    神瀟で玠振りをしおいるず拝殿の䞋で䜕かが動いた。

    ふず目をやるず、良く芋かけるあの癜い犬だった。
    足を少し匕きずっおいお、䜓は泥でよごれおいる。

    巧「お前も足をケガしたのか 。倧䞈倫か」

    意倖にも倧人しくおさわるこずができた。
    巧は頭をなでおやり、たたたた持っおいたおや぀を少し分けおやった。
    犬はお腹が枛っおいたのか、あっずいう間におや぀を食べた。

    そんな犬を芋ながら、巧は぀い本音をこがした。

    巧「この前の詊合、決勝で負けたんだ。くやしかった。もっず匷くなりたい。でも、ただ䜕か足りない気がする 。」

    犬は䜕も蚀わない。
    でも、じっず芋぀めお聞いおいた。

    それから数日、巧はおや぀を持っお神瀟ぞ通った。
    犬の足は少しず぀良くなっおいった。



    ある日、犬は「もう足は倧䞈倫」ず蚀わんばかりに巧の呚りをくるりず䞀呚回るず、顔をチラッず芋おから尻尟を振っお森の奥ぞゆっくり消えおいった。

    巧「たたなヌ」

    その埌ろ姿を芋ながら、

    巧たたどこかで逢えるよな 。

    別れの雰囲気を感じたのか、巧は少しさみしい気持ちになった。

    巧が剣道を始めおから幎以䞊経ずうずしおいた。
    黒鉄通ずの詊合も重ねたが、あず䞀歩及ばずチヌムの負けは続いおいた。



    そんな六幎生の倏䌑み。
    巧は家族で父の故郷、山口県䞋関垂ぞ垰省した。
    暫くはカモンワヌフ、しものせき氎族通、海峡ゆめタワヌや火の山公園ぞ行き、䜓隓したこずを絵日蚘に曞いたり、倏䌑みの宿題を進めおいた。
    だが、数日経぀ずだんだんず時間を持お䜙すようになっおいた。

    巧「ねぇねぇ父さん、この蟺りっお他に䜕かないの」
    父「うん  。おっ、そうだせっかくだから巌流島に行っおみるか」
    巧「ガンリュりゞマ」
    父「お前、剣道やっおるのに宮本歊蔵ず䜐々朚小次郎を知らないのか」
    巧「うん、聞いたこずがあるような 。」
    父「ハッハッハッハヌッ䞡方ずも剣の達人っお蚀われおるんだぞっ」
    巧「ぞヌっ。で、その巌流島ず䜕の関係があるの」
    父「巌流島はな、二人が最埌に戊った堎所だ。宮本歊蔵が決闘の時間にワザず遅れおだな うんぬんかんぬん。」

    父がスマホを芋せながら、い぀にもなく真剣に語っおいた。
    巧は宮本歊蔵の二刀流の画像を芋ながら、やや興奮しお聞いおいた。

    巧「行っおみたいっ」
    父「よしっそうず決たれば出発だヌ」

    父が唐戞タヌミナルたで車を走らせ、船に乗っお分ほどで巌流島に着いた。

    巧「ぞヌ、ここが巌流島かヌ。」
    父「元々は船島っおいう名前だったが、負けた䜐々朚小次郎を惜しんで小次郎の流掟『岩流巌流』から巌流島になったずいう話もある。」
    巧「そうなんだ。」

    巌流島に着いおからしばらく歩いおいるず巧の靎ひもがほどけおいた。
    しゃがんで結び盎しおいた時、ふず物陰から芋芚えのある癜い犬が芗いおいた。

    巧「あっ」

    あの神瀟にいた癜い犬のようだった。

    犬は巧ず目が合うず、立ち入り犁止の林の方ぞ歩いおいく。
    巧は思わず远いかけた。

    その先には、叀びたほこらがあった。
    あたりはい぀の間にか癜い霧が立ち蟌めおいた。
    そしお、巧は犬の埌を远いかけおほこらに入っおいった。
    埌ろから芋るず犬のしっぜがやけにフサフサしお芋える。

    巧「あの犬 だよな」

    その時、埌ろから怒鳎り声が飛んだ。

    歊蔵「そこのわっぱ、受け取れっ」

    ふり返るず、そこには二本の刀を腰に差した男が立っおいた。

    巧「あれっ 宮本歊蔵」
    歊蔵「そうだ」
    巧「いや、なんで」
    歊蔵「うるさいっ朚刀を受け取れぃ」

    ポンず投げられた朚刀を、巧はあわおお受け取った。

    歊蔵「構えろったずは足だ。剣は足で生きる。」
    巧足っお 楓ず同じだ。

    歊蔵「ほう たあたあだな。」

    歊蔵は巧の構えを芋おすぐに理解したようだった。

    歊蔵「巊足のかかずは少しだけ䞊げる。䞊げすぎるな埌ろ足のひかがみを䌞ばすようにしお立お。」
    巧「こう」
    歊蔵「ただ巊足のかかずが高い。もっず䜎くだ。あず、足の間隔が狭い。もう少し広げろ。 違う右足に重心を掛け過ぎるなっ うむ。ではそこから足さばき。 䞹田たんでんを意識しお肚はらを据えろ。 䞊虚䞋実だ。
    巧「ゞョりキョカゞツ」
    歊蔵「竹を芋よ。末は颚に埓うおも根元は動かぬ。人もたた、䞊は軜く䞋は据わっおおるのが良い。」

    それから始たったのは、ひたすら足捌きの緎習だった。
    䞀歩、たた䞀歩。
    前ぞ出る、戻る。
    すり足、送り足。

    歊蔵「肩の力を抜け。足裏を地にべったり぀けるな。しっかり掎め。」
    巧「぀かむ」
    歊蔵「䜓・足の圢は良くなった。だが、足の指の䜿い方がなっおおらんっ。指の先で地を掎み、前ぞ出るための準備しろ。」
    巧「足の指それは楓も蚀っおなかった 」
    歊蔵「移動する時に頭を䞊䞋に動かすなっ足の指で掎むだけではなく、䜓を滑らせるように動かし、頭の䜍眮を氎平に移動させるのだ。芖界が振れるず倪刀筋を芋誀る堎合がある。」
    巧頭を氎平っお キツむ

    䜕回やったか分からない。
    足の裏は靎の䞭で擊れ、皮が剥がれはじめた。
    それでも歊蔵は止めさせなかった。

    歊蔵「 ほう、だいぶ様になっおきたな。だが、盞手を芋るずきは剣先だけを芋るな。遠山の目付えんざんのめ぀けで盞手の党䜓を捉えろ。心が動く起こりを芋぀けるのだ。」
    巧「それ、楓も蚀っおた」
    歊蔵「うむ、よい教えを受けおいるな。盞手によっおは心より先に䜓が動くこずがある。だが、どこが動くかは分からん。だから党䜓を芋るのだ。そしお、盞手の動きに察しお無意識に有利な状態を䜜り出し、倪刀を繰り出せるようにせねばならん。無意識にそれが出来るようになればそうそう負けるこずはないだろう。」



    歊蔵の指導を䜕日も受けたように感じた。
    お腹が枛るず、歊蔵の奜物ずいう『干飯ほしいい』を枡され奥歯で噛みしめた。

    そんな䞭、巧はずうずう疲劎で倒れおしたった。
    薄れる意識の䞭、歊蔵ず犬の顔が重なった。

    巧お前は あの  

    そこで巧の意識は途絶えた。



    ふず目が芚めるず、巧は島のベンチの䞊に寝おいた。
    時蚈はほずんど進んでいなかった。

    巧「 倢」

    だが、立ち䞊がるず足の裏が痛い。
    靎を脱いでみるず、擊れた痕ず黒くなった血マメがあった。

    巧むテテテテッ、䜕だよコレ 。

    物思いにふけっおいるず、垰りの船の時間が迫っおいた。
    足の裏に痛みを感じながらも、巧は巌流島にある宮本歊蔵ず䜐々朚小次郎の像に向かっおいた。

    しばらく歩くず、北九州の門叞を背景に二人の像が建っおいるのが芋えた。

    巧「これかヌヌヌっ」

    呜を懞けた最埌の䞀倪刀を攟ずうずするその像に、巧はしばらく芋入っおいた。
    そんな時、遠くから母芪の声が聞こえた。

    母芪「巧ヌっそろそろ垰るわよヌ」

    そこに癜い犬の姿はもう無かった。
    船に揺られお枯に着き、父の実家に戻っおからも巌流島での出来事が巧の頭から離れない。

    巧こんな話、誰も信じおくれないよな 。

    それ以降、巧は『宮本歊蔵の教え』を無意識のうちにくり返すようになっおいた 。


    「第䞃章 秋の最終戊」に぀づく 。






     
     

    189Jury

     
     
    柎犬ゞュリヌ団長を無理矢理擬人化しお色々なこずをする蚘事ですw

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