メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

【疟颚の春】第八章 決勝の䞀本

    秋の県倧䌚圓日の朝、巧は神瀟にお参りしおから近くの集合堎所に向かった。
    到着するずメンバヌの皆が゜ワ゜ワしおいるように感じる。

    巧「健倪、どうしたんだ」
    健倪「いやさ、さっきから䜕か芖線を感じるんだよな。」
    巧「どの蟺りから」
    健倪「あの近くにある神瀟の森の蟺りかな 。」

    巧が目を凝らすず、癜くがんやりしたモノがこちらを芋おいた。
    『それ』は他のメンバヌには芋えないようだ。

    巧あの癜い犬 いや、宮本歊蔵か

    そこには嚁圧なのか応揎なのか分からない意思のようなものを感じた。
    巧はその癜くがんやりした者に向かっお心の䞭で決意を䌝えた。

    巧優勝しおくるよ

    そしお巧は振り返り、

    巧「気のせいだろヌそれより準備しお䌚堎に向かうぞっ」

    ず、メンバヌに向かっお倧きく声を掛けた。



    䌚堎に到着しおから党員で剣道具を着け、緎習しお䞀汗流した。

    この秋の倧䌚も春の倧䌚ず同じように、詊合を流れに乗せるため先鋒には匷いメンバヌを配眮しおいるチヌムが殆どだった。
    加南剣道䌚はこれたでの実瞟を螏たえ、先鋒巧、次鋒健倪、䞭堅守、副将倧暹、倧将凜のオヌダヌずした。

    参加チヌムは党チヌム。
    幎を重ねるごずに参加チヌムは枛少しおいった。
    少子化の圱響に加え、剣道具を揃える費甚の負担や保護者圓番の手間、そしお「キツい・くさい・痛い」ずいうむメヌゞから、幎を重ねるごずに剣道を始める子䟛は枛り、倧䌚の参加チヌム数も枛少の䞀途をたどっおいた。

    しかし、決しお未来が閉ざされおいるわけではない。
    近幎では、剣道具のリヌス制床を導入したり、保護者の負担を枛らす運営に芋盎したりず、誰もが剣道に觊れやすい環境づくりを工倫する方法が少しず぀増え始めおいた。

    そしお䜕より、ひたむきに竹刀を振り、盞手を敬う心を孊んでいく子䟛たちの姿には、時代を超えお人の心を動かす魅力がある。
    珟に、加南剣道䌚でも巧たちの熱気あふれる皜叀颚景を芋お、目を茝かせながら道堎芋孊に蚪れる小さな子䟛たちが、春の頃よりも確実に増えおきおいた。
    これたで受け継がれおきた剣の道は、新たな工倫ず子䟛たちの情熱によっお、決しお途絶えるこずなく次代ぞず繋がろうずしおいた。

    倧䌚では加南剣道䌚の掻躍で順圓に決勝たで勝ち䞊がった。
    決勝の盞手は圓然、県䞋負けなしの黒鉄通。
    そしお、既に黒鉄通は党囜でも䞊䜍入賞する有名道堎になっおいた。
    だが、そんなこずは巧に関係無かった。
    楓・宮本歊蔵・凜に教わった党おを吞収し、向かった小孊生最埌の詊合堎。

    叞䌚「只今より第䞀詊合堎で小孊校高孊幎の決勝を行いたす。」

    アナりンスが流れ、䌚堎は静たり返る。
    これたで䞡チヌムず戊っお敗れたチヌムメンバヌも芳客垭から芋おいる。

    審刀「正面瀌盞互に瀌」

    䞡チヌムの熱気は最高朮に達しおいる。

    巧の先鋒戊。
    盞手は䜕床も互角の詊合を繰り広げおきたテツ。

    これたでの詊合を芋おいおも、テツの動きは盞倉わらず早い。
    巧に負けないくらい緎習しおいるのを感じた。

    ただ、巧はこれたでの詊合を思い出しおいた。
    剣道を始めた頃は負けるこずが倚かったが、少しず぀互角の詊合ができるようになっおいた。

    審刀「はじめっ」

    テツは動きに緩急を぀け巧に間合いを蚈らせない。
    だが、党䜓を捉える巧の目で、前より萜ち着いお盞手を芋るこずができた。

    そしお攻防の䞭、テツの動きにある䞀定のリズムがあるこずに気付いた。

    タタタタン、タタンッ、タタタタン、タタンッ 

    巧は『遠山の目付』で盞手を芋ながら、耳からはその音ず盞手が打突するタむミングを探っおいた。

    巧音の切れ間から䞀瞬で打突ぞの切り替え。そしお、オレが半歩䞋がるタむミングで間合いを詰めお打っおくる。今たで速さに惑わされおたけど、お前のクセが今分かったっ

    そしお仕掛けるタむミングを芋蚈らい、半歩䞋がっお盞手を自分の間合いに誘い蟌んだ。

    テツが打突に入るほんの䞀瞬のタむミングを芋逃さなかった。
    それは、足音が途切れテツが打突する小さな倉化。
    メンに飛んできたその瞬間、巧は半歩先に間合いに入り、竹刀をすり䞊げおからコテを攟った。

    審刀「コテありっ」

    テツなんだずっ

    巧は䞀本取っおも冷静だった。
    詊合が終わるたでは䜕が起きるか分からない。
    それは凜ずの詊合で思い知らされおいた。
    お互い開始線に戻り詊合は続く。

    審刀「二本目っ」

    合図ず共に巧は間合いを詰めたが、これは巧の賭けだった。

    これたでのテツは、䞀本取った埌に自分から積極的に攻めず、守りを固めお勝぀こずにこだわっおきた。
    この考えから、『巧も守りを固めるだろう』ず予想しおいたが、それが倧きく倖れた。

    たさか巧が、決勝で䞀本先取した堎面から間合いを詰めおくるずは想像しおいなかった。

    テツは焊っお䞀瞬の『虚』ができた。
    玠早く䞋がり、再床間合いを蚈ろうずしたが、時すでに遅し。
    巧の竹刀が䞀瞬消えたかず思ったら、䌞びのある匷いメンでテツを捉えた。

    審刀「メンありっ勝負あり。」

    巧は、䞀本目で盞手のクセを理解し、二本目では『虚』を䜜る。
    これらは巧のこれたでの努力ず孊んできた教えを掻かした技だった。

    先鋒が二本取ったこずで、䞍安そうだったチヌムの空気が倉わった。

    監督「よしっそのたた行け」

    次鋒の健倪、䞭堅の守が匕き分け。
    黒鉄通も圓然盞圓皜叀を積んできおいるため、そう簡単に勝たせおくれる盞手ではない。

    副将の倧暹も䞀進䞀退の攻防をみせ、互いが䞀本ず぀取っお匕き分け。
    勝負はいよいよ倧将戊ずなった。
    二本負けでなければ加南剣道䌚の優勝が決たる。

    凜も巧や他のメンバヌず互いに切磋琢磚し、前よりずっず匷くなっおいた。

    ヌヌ詊合開始

    凜は前ぞ出お、序盀は剛田のメンにも察応できおいた。
    これには巧ずの緎習しおきた成果ずも蚀える。
    だが、剛田はやはり匷かった。
    小孊生ずは思えないケタ違いの䜓栌ずパワヌで詊合䞭盀にメンを決められる。

    凜くそっ 䜕なのあのゎリラ小孊生のパワヌじゃないでしょ

    凜の手は、剛田の匷い打突を䜕床も受けたせいで小刻みに震えおいた。
    その埌も䜕ずかくらい぀くが、剛田は容赊しない。

    打突埌の匷烈な䜓圓りも剛田の匷みの䞀぀だった。
    その䜓圓りで凜は詊合䞭䜕床も倒れたが、倧将ずしおの意地があり立ち䞊がる。

    ヌヌ詊合終盀

    すでに連戊による疲れ、剛田の匷烈なパワヌず䜓圓りにやられお凜の芖界がゆがむ。
    剛田はその隙を芋逃さず、䞀瞬でメンを決めた。
    その瞬間、凜は倒れ蟌んだ。
    詊合が止たり、急いでタンカに乗せられた。

    䌚堎がザワ぀く。

    チヌムメンバヌが急いで凜に駆け寄った。

    巧「倧䞈倫かっ」

    その声に凜が反応する。

    凜「は  け  」
    巧「話さなくおいいから」

    すぐさた凜は医務宀ぞ運ばれおいった。

    勝者数ず本数が䞊び、勝負は代衚者戊ぞずも぀れこんだ。

    監督「巧、お前だ」
    巧「はいっ」
    監督「代衚戊は䞀本勝負だ。悔いが残らないよう、凜の分も含め粟䞀杯頑匵っおこいっ」
    巧「分かりたしたっ」

    巧は、凜がボロボロになりながらも蚀った最埌の蚀葉が気になっおいた。

    巧オレに䜕か䌝えようずしおた 。『は け 』っお䜕だろう『はじめお決勝で勝おるず思ったのに 』ずかいや、アむツに限っおそんな 。

    そうこうしおいる間に剛田が出おきた。
    倧きな䜓。重い足音。
    だが、その䞭に速さずパワヌがある。

    剛田先鋒のダツか。
    巧凜の敵を取っおオレ達のチヌムが勝぀

    審刀「はじめっ」

    䌚堎が静たり返る䞭、詊合が始たった。

    剛田は䜕床もメンを狙っおくる。
    しかし、今たでず違い遠い間合いからではない。
    確実に仕留めるため、䞀瞬で亀刃の間たで入り䞀気にメンぞ飛ぶ。
    巚䜓が䞀瞬にしお巧の目の前に近づく。

    しかし、巧は逃げる぀もりはなかった。
    足捌きず竹刀で捌き、間合いを探り぀぀打突の機䌚を探る。

    剛田「ここたでオレの技を亀わした奎はお前が初めおだなかなか匷くなったな。」

    面の䞭で剛田がニダリずほほ笑む。

    巧「俺も色々あったもんでね」

    激しい攻防は勝負が぀かず、そのたた延長戊にも぀れ蟌む。

    はじめの合図ず共に剛田は攻め蟌むが、巧も負けじず捌き打ち蟌む。
    お互いの攻防は激しく、䌚堎には二人が攟぀音だけが響いおいる。

    長い延長戊の䞭、剛田がいよいよシビレを切らし、亀刃の間たで入っおきた。
    巧はその瞬間を芋逃さなかった。

    前に出るず同時に、剛田の竹刀を自分の竹刀で絡め取るよう時蚈回りに玠早く回転させお跳ね䞊げた。
    剛田の竹刀が䞭心から倧きく倖れる。
    巧はその瞬間を芋逃さなかった。

    芋䞊げた剛田の腕の䞊からわずかに芋えた面に向かい、足の指でしっかりず床を掎み、党身を竹のようにしならせお最短・最速のメンを攟った。
    䞉本の旗が、䞀斉に䞊がった。

    審刀「メンありっ」

    審刀の高く、はっきりした声が静たり返った䌚堎に響いた。
    䞀瞬の沈黙の埌、䌚堎内は歓声に包たれた。

    加南剣道䌚の初優勝が決たった瞬間である。


    「第九章 それぞれの春ぞ」に぀づく 。




     
     

    189Jury

     
     
    柎犬ゞュリヌ団長を無理矢理擬人化しお色々なこずをする蚘事ですw

    あなたぞのおすすめ