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日本語にまだ名前のない感情 ― 日本語にない気持ちを30個、集めて名付けてみた

    日本語にまだ名前のない感情を30個集めて、ひとつずつ名付けていく全10回の連載です。

    #創作大賞2026 #オールカテゴリ部門

    私たちは毎日、数えきれないほどの感情を経験している。けれど言葉にできる感情は、ほんの一握りだ。名前がないから見えないだけで、言葉を与えた瞬間、輪郭が現れる——この連載では、日常のすれ違いから存在と不在のあわいまで、10のテーマで30の「まだ名前のない感情」に名前を付けてみた。

    このページは全10回の総目次です。気になる感情名から、各回を読んでみてください。

    連載総目次(全10回・30の感情)

    ① 日常のすれ違い

    電車で席を譲ろうとして先を越された時のあの気持ち

    • 譲空振り(ゆずりからぶり) ― 席を譲ろうとした瞬間、隣の人に先を越された時の複雑な安堵。

    • 未踏喪失(みとうそうしつ) ― 一度も行ったことのない店が閉店した時に感じる、架空の思い出への喪失感。

    • 沈黙臨界(ちんもくりんかい) ― タクシーの中で運転手との沈黙が限界を超えた瞬間の、話しかけるべきか否かの圧力。

    → 01_日常のすれ違い

    ② 時間の手触り

    古いコートのポケットから去年のレシートが出てきた時の時間旅行感

    • 時差邂逅(じさかいこう) ― 古いコートのポケットからレシートが出てきた時の、過去の自分との偶然の再会感。

    • 曜日迷子(ようびまいご) ― 長期休暇の中日に、今日が何曜日かわからなくなった時の、自由と不安が同居する浮遊感。

    • 締切覚醒(しめきりかくせい) ― 締め切り前夜に突然やる気が溢れ出す、あの説明不能なエネルギー。

    → 02_時間の手触り


    ③ 画面越しの感情

    SNSで「おめでとう」と打ちながら指が重くなるあの瞬間

    • 祝指重(しゅくしじゅう) ― SNSで知人の成功を見て「おめでとう」と打ちながら感じる、指先の微かな重さ。

    • 既読浮遊(きどくふゆう) ― メッセージを既読にしてから返信するまでの間に漂う、相手の感情を想像する宙ぶらりんの時間。

    • 通知幻聴(つうちげんちょう) ― スマホが鳴っていないのに通知音が聞こえた気がする現象に伴う、繋がりへの渇望と気恥ずかしさ。

    → 03_画面越しの感情

    ④ 食卓の哲学

    美味しい料理の最後の一口を終わらせたくない、あの切なさ

    • 終味惜(しゅうみせき) ― 美味しい料理の最後の一口を食べ終えたくない時の、味覚と感情が溶け合った切なさ。

    • 再訪負債(さいほうふさい) ― 「またお越しください」と言われた店に二度と行かないことへの、じわじわと積み重なる罪悪感。

    • 冷蔵庫の忘却(れいぞうこのぼうきゃく) ― 冷蔵庫の奥で賞味期限が切れた食材を見つけた時の、買った日の自分への申し訳なさ。

    → 04_食卓の哲学

    ⑤ 雨と傘の感情学

    突然の雨で見知らぬ人と軒下に集まった時の奇妙な連帯感

    • 傘縁(かさえん) ― 何年も使っていないのに捨てられない傘への、理由のわからない執着。

    • 相傘窮(あいがさきゅう) ― 傘を差し出されて断れない時の、濡れる自由を奪われた微かな窮屈さ。

    • 雨宿同盟(あまやどどうめい) ― 突然の豪雨で見知らぬ人と同じ軒下に避難した時に生まれる、一時的で無言の連帯感。

    → 05_雨と傘の感情学

    ⑥ 夜の感情

    深夜2時に突然「何でもできる」と思える、あの根拠のない万能感

    • 深夜万能(しんやばんのう) ― 深夜2時に突然やってくる、「何でもできる」という根拠のない全能感。

    • 布団引力(ふとんいんりょく) ― 朝、目覚ましを止めてから布団を出るまでの間に身体にかかる、物理法則を超えた引力。

    • 夜悔再生(やかいさいせい) ― 寝ようとした瞬間、数年前の恥ずかしい記憶がランダムに再生される、あの不意打ちの羞恥。

    → 06_夜の感情

    ⑦ 人間関係の隙間

    「じゃあね」と言った後に同じ方向に歩き出す、あの気まずさ

    • 名忘恐(なぼうきょう) ― 何度も会っている人の名前を忘れ、もう聞き直せない段階に達した時の綱渡りの恐怖。

    • 別同歩(べつどうほ) ― 「じゃあね」と別れた直後に、同じ方向に歩き出してしまった時の気まずさ。

    • 返礼螺旋(へんれいらせん) ― お土産やお礼の応酬がエスカレートし、終わらせ方がわからなくなった時の焦り。

    → 07_人間関係の隙間

    ⑧ 買い物と所有の感情

    ずっと欲しかったものを買った瞬間に興味が薄れる、あの急速な冷め

    • 購後冷(こうごれい) ― ずっと欲しかったものを買った瞬間に、興味が急速に冷めていくあの現象。

    • 列中悔(れつちゅうかい) ― レジに並んでいる最中に「やっぱりいらない」と気づいたが、棚に戻せない時の葛藤。

    • 空箱逡巡(あきばこしゅんじゅん) ― ネットで注文した荷物を開封した後、空の段ボールを捨てるか取っておくかの逡巡。

    → 08_買い物と所有の感情

    ⑨ 季節と身体の感情

    終電を逃した瞬間の、絶望と同時に訪れる奇妙な自由

    • 衣替再会(ころもがえさいかい) ― 季節の変わり目に去年の服を出した時の、一年ぶりの再会のような懐かしさ。

    • 花粉背信(かふんはいしん) ― 春の陽気を楽しみたいのに花粉症が邪魔をする、自然への愛憎入り混じる感情。

    • 終電解放(しゅうでんかいほう) ― 終電を逃した瞬間の、絶望と同時に押し寄せる奇妙な解放感。

    → 09_季節と身体の感情

    ⑩ 存在と不在のあわい

    誰にも会わなかった日の終わりに、コンビニで「袋いりません」と声を出したくなる気持ち

    • 留守電残温(るすでんざんおん) ― 亡くなった人の留守番電話のメッセージを消せないでいる時の、声だけが生きている不思議な感覚。

    • 旧居残像(きゅうきょざんぞう) ― 引っ越した後、前の家の電気のスイッチの位置に手が伸びてしまう、身体に刻まれた記憶。

    • 存在確認衝動(そんざいかくにんしょうどう) ― 誰にも会わず一日が終わりそうな時、コンビニに行って「袋いりません」と声を出したくなる気持ち。

    → 10_存在と不在のあわい


     
     
    18年間の経験を持つバス運転士です。 日々の運行で安全に目的地に到着することを使命としています。 しかし、バス業界は運転士不足、地域路線の減便や廃止など、多くの課題に直面してます。 バスは地域にとっては欠かせない交通手段です。バスの魅力や今後の課題を考えていきたいと思います。

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