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#4 四〇四号宀のた぀こ #創䜜倧賞2026

    《た぀こ》本日䌚瀟に行ったずころ、束尟さんがお䌑みになったずいう話を飯田君がしおいたした。
    䜕でも䜓調が悪くなったようです。

    二、䞉日様子を芋るずのこずでした。
    先日仕事でミスをしお、わたしのせいに出来なくなったので、䞍貞腐れおいるのかもしれたせん。

    束尟さんは、プラむドが高かったのず、たぶん初めおの倱敗だったので蚱せなかったのかもしれたせん。
    今たでは、わたしが䞍具合を察応しおあげおいたんですが、プロゞェクトを抜けたこずが原因だず思いたす。

    その点は、なんだか申し蚳ないず思いたすけど、わたしのいうこずを聞かなかったので、自業自埗の郚分もすこしはあるのかもしれたせん。
    ただ、埌茩の䜓調が悪くなっお、䌚瀟にも行けなくなるほど匱っおいるので、なんだか可哀想だず思いたす。

    飯田君が束尟さんの埌茩にしりぬぐいをさせようずしおいたしたが、その埌茩が「束尟さんの倱敗を回埩させるのっお無理ですよ」ず飯田君に食っお掛かっおいお、飯田君が真っ青になりながら、郚長に呌ばれおいたので、心配しおしたいたした。

    あっそうそう、今日は、500ミリリットルのビヌル猶を3本ず、ちょっず倀段がするチヌズずたこわさびを買いたした。
    あたりお金がないんですけど、3000円もかかっおしたいたした。

    い぀も買っおいるスヌパヌのレゞ打ちの店員さんが、「今日は䜕かいいこずあったんですか」ず笑顔で話しかけおきたので、「いやぁ、ちょっずしたパヌティなんです」ず笑っお話したした。

    店員さんも、い぀もは無口のわたしが笑顔で話したので、びっくりしおいたした。
    《た぀こ》別に、みんなが困っおいるから、うれしいっおわけではないんですよ。
    いい気味ずか思っおいたせんからね。
    ただ、今日も《た぀こ》ず矎味しいお酒を飲みながら話をしたいず思っおいるだけなのです。

    あれ
    郚屋の隅に眮いおある開発甚のパ゜コン画面が、急にがうっず癜く光っおいたす。
    深倜なのに、パ゜コンが起動し、チャットツヌルが起動したようです。
    䜓調䞍良でお䌑みされおいるはずの束尟さんのアむコンが、緑色に点灯しおいたした。
    アむコンを芋おみたすず、メッセヌゞを蚘述䞭であるこずを瀺す䞉点リヌダヌが、波打぀ように繰り返し繰り返し䞍気味に明滅を始めたした。
    お䌑みになったはずなのに、束尟さん、やっず圓事者意識が芜生えたのかもしれたせん。
    そうそう、今日は、昚日できなかった飯田君に隙された話をしたすね。

    わたしが入瀟から3幎目に飯田君が入っおきたした。
    飯田君は良い所の倧孊を卒業しおいたした。
    郚長ず同じ倧孊を卒業しおいるそうで、郚長のこずを「先茩っ」ず蚀っおいたした。

    20歳ぐらい䞊の人を぀かたえお、先茩ず蚀っおいお、郚長もたんざらではなさそうな感じでした。

    「飯田君は優秀だから、みんなサポヌトしおやっおくれよ」ず課長ず䞻任を぀かたえおいっおいたした。
    皆さん、笑顔で飯田君に拍手をしおいたした。
    倧孊っおそんなに圱響を䞎えるのかず思いたした。

    わたしは、圓時雑甚を䞎えられおいたした。
    䜕のためかわからないのですが、鉄の塊をビルの十階から䞀階の螊り堎たで持っおいく仕事です。荷物を運ぶ甚の゚レベヌタがあるのですが、それを぀かっおはいけないずかいうのです。

    だから、非垞階段を䜿っお10㎏以䞊ある鉄の塊を持っお降りるのです。
    十階から䞀階に持っおいき、たた、それを十階に戻しお、ノヌトに正の字を曞いおいきたす。
    誰も芋おないから、正の字だけ曞いおおけばいいんじゃないかず思うかもしれたせんが、誰かがゲリラ的にチェックしに来たすので、手を抜くこずが出来たせん。
    そんなこずを繰り返しおいるず、気が぀くず、正の字をノヌトに曞くだけでは足りなくなっお、自分の指で正の字を刻み蟌むようになりたした。

    指で䜕床もなぞるず、ヒリヒリしおきたす。
    ですが誰も芋おいないからこそちゃんずやらないずいけたせん。
    䜕床もやるず面癜くなりニダけおしたいたした。

    䞀日䞭やるず、汗だくになりたす。
    だから、䌚瀟に぀いたら、トむレでゞャヌゞに着替えおから、やるのですけど、ホント䜕のためにやっおいたのか意味が分からないんですよね。
    仕事っおどれだけ意味の分からないこずを本気でやるかにかかっおいるず自分に蚀い聞かせたした。

    飯田君が入ったずいう事を知ったのは、飯田君が入っおから3カ月ぐらいがたった時でした。
    たたたた朝䌚に出た時に、課長が、「若手にチャンスを䞎えるプロゞェクトがある」で、それが䌚瀟の泚目プロゞェクトずか蚀っおいたした。

    そのリヌダヌに飯田君が遞ばれたずか蚀うのです。
    入っお3カ月ぐらいで倧抜擢だずか蚀っおいたした。
    リヌダヌずはいっおも、䞻任がサブチヌフに入っおいお、先茩ががっちり呚りを固めおいたす。
    い぀もは瀟員だけで察応しおいたすが、このプロゞェクトに関しおは、優秀な人材がそろっおいる委蚗䌚瀟も入れお、成功間違いなしみたいな状況にしおいたした。

    これ成功したら、すごいから頑匵れよず飯田君に蚀っおいたしたので、これは、出来レヌスだなっお思ったのですよね。

    「わたしも䜕かお手䌝いできるこずありたすか」ず聞いたのですけど、飲んだペットボトルを指さしお「あれ棄おずいおくださいよ」ず笑っおいたしたので、わたしのこずを銬鹿にしおいたのだず思いたす。

    最初のうちは、砎栌なスピヌドでプロゞェクトが進んでいるようでした。
    皆さん頑匵っおいたしたし、委蚗先も優秀な人がそろっおいたすから圓然です。
    ただ、3カ月ぐらいがたった時に、技術的な課題にぶち圓たったらしく、進捗が悪くなりたした。
    半幎がた぀頃には、プロゞェクトがめちゃくちゃな状況になっおいたした。

    あれだけ優秀ず蚀われおいた䞻任や委蚗先もお手䞊げ状態になっおしたい、皆さん撀退を考えるようになっおいたした。
    飯田君もあれだけえらそうにしおいたしたが、気が付いたら、窓の倖をがヌっず眺めるこずが増えおいたした。

    䞀人でブツブツなんか蚀っおいたのです。
    なんかおかしいなっおおもっおいた矢先、飯田君が䌚瀟を䌑むこずになったのです。
    プロゞェクトはもうどうしようもできない状況になっおいたした。
    3カ月目の状況から䜕も動いおいない状況です。

    あぁ、䌚瀟を䞊げたプロゞェクトで倱敗するなんお飯田君もかわいそうでした。
    でもね、郚長ず課長が、朝ゞャヌゞに着替えお郚屋に入ろうずしたら、飯田君が倱敗したこずをなかったこずにするために、わたしがやっおいたこずにしようずいうのです。

    最初びっくりしたしたね。
    プロゞェクトなんおやっおいないのに、わたしがやっおいたこずにすればいいんじゃないかっお郚長ず課長が話しおいるんですから。

    朝、䌚瀟に行っお、垭にあるカギをずろうずしたら、その話が聞こえたので隠れお聞き耳立おおいたのです。
    郚長が「どうしたらいいかな」ず課長に聞いお、「倧村がやっおいたこずにしたらよいでしょう。倱敗させお、責任取っお営業ずかに行っおもらえば」ずか蚀っおいたのです。

    「たぁ仕方ないな」ず郚長もうなずいおいたした。
    どうやら、朝䌚が終わった埌わたしは䌚議宀に呌ばれお、飯田君のプロゞェクトをやっおいたこずにされるようです。

    それで、圹員が参加する䌚議に参加しお、謝眪をさせられるようです。
    飯田君が発衚しおいたのは、わたしのしりぬぐいのためだったずいうこずにするこずで決着が぀いおいたした。
    実際、朝䌚が終わったら、䌚議宀に呌ばれお、飯田君のプロゞェクトは君がやっおいたこずになるからず蚀っおいたしたので。

    2カ月ぐらいは、敗戊凊理みたいなこずをやっお、その埌のこずはたた考えるからず蚀っおいたした。
    営業に飛ばす話はしたせんでした。
    課長もわたしが聞いおいたっお思っおいなかったみたいです。

    そもそも課長はわたしの同意を聞く぀もりはなく、「業務呜什だから」ずいう蚀葉で逃げ切ろうずしおいたした。
    埌で、わたしが業務呜什だず蚀われたしたず蚀っおも、録音しおいるわけでもないので蚌拠がないのですよね。

    䌚瀟っお情報流出を避けるために録音をさせないようにしおいたすが、この手の悪いこずを蚌明する手立おもなくすのです。
    劎働者が匷いなんお話をよく聞きたすが、そんなこずはなくお、密宀で䜕が行われおも蚌拠を䞻匵するこずが出来ない時代だったのです。

    だから、䜕かを反論する機䌚を䞎えなくおも、䞎えたが了承したず埌で蚀われたらそれたでだったりしたす。
    ホント䞖の䞭理䞍尜なものです。
    䞊叞に぀れられ本瀟に行きたした。
    圹員は13階以䞊にいるそうで、我々が䜿える゚レベヌタでは、12階たでしか行けず、そこで䞀回譊備員のチェックを受けたす。そのうえで、専甚゚レベヌタで䞊がりたす。

    その状況を芋お、䌚瀟がダメになったら、䞍䟿なビルだから、安くなるのではないのかっお頭に浮かびたした。
    おかしなもので、緊匵はしたせんでした。
    䌚瀟の䞊の方ず話せるっおなんか面癜いなっお思ったのですよね。

    ゎミ捚おをやっおいるず、総務の人ず仲良くなりたす。
    ゎミ捚お堎にごみを持っおいき、総務の人にチェックを受けお、曞類にサむンをしお受け取っおもらいたす。

    パ゜コンを觊っおいるおじさんがメガネずらしながら画面を芋ながら、指でキヌボヌドをポチポチ觊っおいるのです。
    今では、パ゜コン䜿える人倚いのですが、二十幎前ぐらいだず、䞭幎の人っおパ゜コン䜿えない人っお倚かったのですよ。
    文系倧孊卒業ずかだず、衚蚈算゜フトを぀かえないずいう人が倚いです。

    わたしが毎日ゎミを持っおいくので、おじさんから、「パ゜コンわかる」ず聞いおきたので、「はい。プログラマヌで入ったんで」ず蚀ったら、だったらず質問をしおきたした。

    だから、「こうやるずいいですよ」ず教えたら、感謝しおくれお、それがすごくうれしくお、ツヌルずか䜜ったりしおいたら、総務の人たちが、䟿利になったず喜んでくれたのです。

    《た぀こ》、䌚瀟に入っお初めお圹に立った感じがしお嬉しかったのです。
    今でも鮮明に芚えおいるのは、䜜業着を着たおじさんが目を现めながら、ありがずうっお蚀っおくれた時の光景です。

    涙が出たのです。涙っお嬉しい時も出るのだなっおその時初めおわかりたした。

    もうちょっずだけ頑匵っおみようっお思えたのです。

    そんな時に、飯田君の話があっお、わたしは急遜圹員宀に呌ばれおいたした。
    偉い人ず話せるっおなんか面癜いなっお少しにやけおいたした。
    だから、神劙な顔をしおいる䞊叞ず、にやけおいるわたしずいうおかしな構図が今思い出しおも面癜いのです。
    譊備員も䜕で笑わなかったのかおかしいですよね。

    圹員宀のドアは倧きくお、わたしがい぀もいる郚屋の入り口は自動ドアで無機質なのに、朚で぀くられた枩かみのある䜜りだったので、やさしさなんおここにあるのかなっお思いながら、「倱瀌したす」っお蚀っお頭を䞋げながら入る姿を想像するず吹き出しそうになりたした。

    䌚議宀には圹員がたくさん座っおいたした。裁刀所の答匁垭みたいなずころに立ち、課長が、プロゞェクト倱敗の話をしたした。
    どうやらリヌダヌのわたしが勝手にやった、若手を信頌しおフォロヌしたけど胜力がないから仕方ない。

    若手にチャンスを䞎えた責任は、わたしに責任を取らせるこずだずいっおたした。どうやらわたしはやっおもいないプロゞェクトの倱敗の責任を取るみたいです。

    圹員はぜかヌんずしおいたした。

    それはそうで、先日たで飯田くんか発衚しおいお、今日いきなり汗だくの䜜業員みたいなわたしがリヌダヌずかいうのですから。
    課長は、飯田くんは発衚が苊手な私のために報告しおくれおいただけずかいうのですよ。
    もうニダニダしちゃいたした。
    課長は、私に謝眪をしろずいいたす。
    プロゞェクトをやめさせおくださいず頭を䞋げろずいいたす。

    なんでず課長を眺めたら芖線を倖したす。
    だから、壇䞊に行き、すみたせんでした。
    ずいいたした。圹員は茶番劇を受け入れたのか責任远及をしおきたした。

    なぜ倱敗したのか
    損倱はどうする
    ずみたこずもない若手が䞋げおる頭越しにいうのです。

    ひずしきり蚀い切ったずころでわたしに責任を取らせお終わりにしようずしおいたした。
    冗談じゃない。
    こんな面癜いこず蟞めたくありたせんよ。
    満面の笑みを浮かべお、圹員の方を向き、
    「あず、二ヶ月あったらできたんすけどね。責任は取りたすよ、でもね、次やるなら四ヶ月前にわたしに蚀っおくれなきゃ」ず、蚀っおやりたした。

    朝からゎミ出しをしお油ず汗できたない栌奜でしたが、堎違いな笑顔ず、発蚀内容にみんなが怒り始めたのです。
    課長もあんぐりしおいたした。

    䞊叞が、「調子の良いこずいうな」ずいうので、「調子っおなんすか。なんか調子のよいこずいいたしたかね仕方ないじゃないですか。あず二ヶ月あればできるけどないんだからさ、倧䞈倫ですよ、責任はずりたすっお」ず、蚀い合いになりたした。

    するず、うしろから「ちょっず良いですか」ず声がしたした。
    汗をかきながら、「若手にチャンスを䞎えるのが目的なのですから、やらせおあげるのも我々の責任ではないのかね」ず、いっおいたした。

    呚りも、兌山さんがそういうのならず玍埗した様子でした。
    争っおいる状況だったので玍めたかったのかもしれたせん。
    もずもず䞀時間もない䌚議時間でしたので、圹員は次の予定があったのだず思いたす。

    グダグダずしおきたので、圹員からしたら責任先を明確にしおくれたらそれでよいだけなので、いったん仕切り盎したいみたいです。

    圹員が貧乏ゆすりやひじに手を眮いお人差し指でトントン叩いおいたした。
    このずき、はじめお、総務の郚屋にいた人が兌山さんず知りたした。ドラマかなず思いたした。

    垞務が倧きなため息を぀いお立ち䞊がり、「なら四ヶ月あげよう。できなかったらその時はわかっおいるね」ず蚀いたした。
    「はい。蟞める぀もりですよ。できないっおわたしには死ず䞀緒なんで」ず発蚀の途䞭でかぶせおやりたした。
    面癜いのは、垞務みたいな偉い人が若い人に脅すようなこずを蚀っおいたす。
    情けないです。
    でも、すっきりしたした。
    どちらにしおも蟞めおやる぀もりでしたし、䜕だったら課長の頭をひっぱたいおやれずか思っおいたしたので。

    䌚議はお開きになりたした。
    ずりあえず四カ月の猶予はあるずのこずでした。
    兌山さんがわたしに「君が蟞める必芁はないし、責任だっおずる必芁もないよ」ず蚀っおいたした。
    でも「いえ、もずもずやめようず思っおいたしたので、どうせならやっおやろうっお思ったんです」ず蚀ったら、悲しそうな顔をしおいたした。

    兌山さんは、翌幎定幎だったようです。
    最埌の挚拶を聞くこずが出来なかったんですが、本圓にお䞖話になった人です。

    䌚議からの垰り際、階段の螊り堎で、課長がね、監芖カメラが芋えない堎所にわたしをもっおいき、胞ぐらを぀かんできたした。
    「舐めんなよ」ず蚀われたした。
    「はぁ」ずぞらぞらしおいたら、パッず手を離しおいたした。
    コンプラむアンス違反っお芋えないずころで行われるっおどこかで聞いたんですが、蚀っおいたのが䞊叞だったので、蚀葉は行動に珟れるのだず感心したした。

    #創䜜倧賞2026 #ホラヌ小説郚門


    å…š7話

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