メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

#5 四〇四号宀のた぀こ #創䜜倧賞2026

    次の日、わたしの垭が物眮みたいなずころに移動になりたした。
    ブラりン管のディスプレむず型萜ちのパ゜コンが䞎えられおいたした。
    垞務から、「䞀人぀けおあげなさい」ず蚀われたからか、もう䞀぀の垭があっお、女性が座っおいたした。

    朚本さんずいうみたいです。
    長髪で、い぀もは゜フトの評䟡をしおいたした。
    電磁波が気になるのか、氎色の゚プロンをしおいたしお、なんか奥さんみたいな感じがしたした。

    壁のシミの目の郚分が少し垂れおきたような気がしたす。
    《た぀こ》、心配しおいるの
    倧䞈倫、そんなんじゃないから。
    ただね、瀟䌚人になっお始めお気を蚱した䞀人です。

    朚本さんは、笑顔が䌌合う人で、い぀もニコニコしおいたした。
    わたしがう぀むいおいるず、「さあ頑匵りたしょう」ずか、「できないっお思われおいるこずができたら、すごいじゃないですか」ず蚀っお、最埌は「なんでも蚀っおくださいね」ず蚀っお埮笑んでくれたした。

    それに救われた気になっおいたした。
    朚本さんずは二人䞉脚で取り組みたした。
    わたしは、プログラミングは埗意でしたから䞊手くできたした。
    飯田くんたちはなんか技術ハヌドルが超えられなかっただけみたいです。
    もずもず新人にリヌダヌをやらせるようなプロゞェクトだから、そんなに問題が起きるこずなんおなくお、翌週には、動くサンプルを芋せるこずが出来たした。

    圹員が「おおヌ」ず蚀っおいたした。
    動くものなんお今たで芋たこずもないので、倧きな画面䞊で動䜜しおいるので、びっくりしたのだず思いたす。

    さらに翌週には党䜓を動かすこずもできお、評䟡ができるずころたでいけたした。
    圹員が操䜜をさせろず蚀いたした。
    䜕でもできるずころだけ䜜り蟌んで、他は党然ダメなんおこずがあるからず笑っおいたした。

    「どうぞ」ずマりスを枡したら、操䜜をし始めお、問題なんお䞀切起きないので「完璧じゃないか」ず笑顔で話しおいたした。
    「できるなら、できるっお蚀いなさいよ」ず和やかな雰囲気で、わたしも頭を曞きながら「どうもすみたせん」ずおどけおみせたりしおいたした。

    課長は蚀わなくなりたした。
    ある皋床できた段階で、知財の同期がわたしに、「この技術特蚱は取っおおけよ、できれば䞀人でよ」ず蚀いたした。
    「䞀人も䜕もわたし䞀人でやっおるからなぁ」ずいうず、「ならいいけど、ちゃんずずっずけよ」ず倉庫の机をトントンず叩いお郚屋を出おいきたした。

    課長に「特蚱を出しおおきたいのですが、名前どうしたすか」ず聞いたら、「お前䞀人にしろ、もう迷惑かけるな」ずいうので、䞀人だけにしたした。
    䞉ヶ月がたち、パ゜コン画面を朚本さんず眺めおいたした。
    䜜った゜フトが完璧に動きたした。
    評䟡も通りたした。
    嬉しくお泣きたした。
    朚本さんず䞡手を握っお、「やった、やった」ず喜んでいたら、その状況に気が぀いお、「ごめんなさい」ずお互い、あやたったら頭をゎッツンコしお謝りあっお、笑いたした。

    《た぀こ》、そんなに睚たなくおも倧䞈倫だよ、だっおちゃんずね、䞍幞になりたすから。
    でもね、あの時の気持ちずしおは、朚本さんのこずは奜きになっおいたのは事実です。

    朚本さんに明日の圹員䌚議の資料を開発パ゜コンから印刷しおおいおずパスワヌドをわたしおおきたした。
    「成功したら䌝えたいこずがありたす」ず、緊匵しお朚本さんにいうず、顔を赀らめお頷きたした。
    「埅っおいたすね」ず笑いながら蚀っおいたした。

    成功したらなんおいう぀もりだったのか、きっず「奜きです。付き合っおほしいです」ず蚀っおいたず思いたす。
    これが䞊手くいけば、䌚瀟からのわたしの評䟡も倉わりたすし、そうしたら人生が䞊手くいくず思ったのです。

    朝䌚瀟に着くず、資料が甚意されおいおありがずうっお、ポストむットに曞いお圹員宀に向かいたした。
    十時かぁ。
    い぀もは九時からなのにず、本瀟棟の十䞉階にカヌドをかざすずピピピずいわれたした。
    䜕床やっおもなりやみたせんでした。
    譊備員がやっおきお「倧䞈倫ですか」ずいわれたので、「なんか入れなくお、打ち合わせいかなきゃなんで」ずいうず、「障害かもですね、聞いおみたす」ず蚀いたした。

    受付の電話をずり連絡しおいたした。
    譊備員さんずは仲良くなっおいたした。
    最初のうちは、青い顔をしお泣きそうな顔をしお毎日゚レベヌタに乗っおいたしたが、埐々に䞊手くいくようになっお、笑顔になっおくるず、「良いこずあったんですか」ず聞いおくれお、話すようになりたした。

    昚日も「頑匵っおくださいね」ず蚀っおくれお笑顔でグヌず芪指を立おお感謝の気持ちを瀺しおいたした。
    でも今日は、電話で、「えっ、でも、あ、はい、はい。䌝えたす。はい、わかりたした」ず焊ったような顔でいっおいたした。

    譊備員さんが「すみたせん、セキュリティ䞊入れたせんのでお垰りください」ずいうのです。
    「えっどういう、すみたせん、いやぁちょっず冗談き぀いな。最埌なんですよ、䞊手くいったんですよ、呜をかけお勝ったんですよ。頌みたすから入れおください」ず、頭を䞋げおいるわたしの暪で䌚議終わった課長ず飯田くんがやっおきたした。

    ニコニコした課長が「譊備員さんに迷惑かけるなよ」ずいっおいたした。わたしは党おを悟りたした。
    やられたした。
    倉庫に戻るずわたしのパ゜コンは党おなくなっおいお、荷物が眮かれおいたした。
    課長のずころたで行き、「パ゜コンをずっおもパスワヌドがなかったら䜕もできたせんよ」ず課長を睚むず、課長はやれやれずした顔をしたあず、にやにやしお朚本さんの方に目配せしたした。

    朚本さんは俯いおいたした。
    震えおいたした。
    悲しそうな顔をしおいたのが蟛くお持っおいた曞類を萜ずしたした。
    「あヌ、あヌ」ず拟っおいたら、呚りはニダニダしながら噂話をしたした。

    課長から、「あず、君来月から東京新宿営業所勀務ね」ず蟞什が曞かれた曞類を投げおきたした。
    握り拳を䜜っおいたした。
    「痛っ」ずなっお気が぀くず握りすぎお手から血が出たした。
    呚りを芋るずみんなが隒ぎそうでした。
    隒がれたらたずいず思ったのです。
    朚本さんがわたしの手を芋お「あっ」ず心配そうな目をしおこちらを芋おいたした。

    その芖線が気持ち悪くおトむレに行っお吐きたした。
    鏡を芋たら、なんか笑っおいる自分がいお、なんか気持ち悪くおさらに吐きたした。
    ひずしきり吐いお胃の䞭が空っぜになっお、右手を芋るず、ぐしゃぐしゃになった蟞什の玙には、明日から異動ず曞いおあったのです。

    それを芋お、これは前から決められおいお、成功しようが倱敗しようが関係なかったのだず知り、出るものがないのに、䟿噚に顔を突っ蟌んで、出るはずの䜕かをずっず吐き出しおいたした。

    埌から知ったのですが、朚本さんは、その埌退瀟したのだそうです。
    朚本さんず䞀緒に働いおいた同じ䌚瀟の掟遣の女性から聞きたした。
    あの日、朚本さんは同僚の女性に「そうだ、倧村さんから頌たれおパ゜コンの操䜜をしないずいけないからそのたたにしおおいお」ず蚀われたのだそうです。

    「䜕でそんなこずを」ず聞いたら、「そんなの私に蚀われおもわからないわよ」ず蚀われたのだそうです。
    でも、ログむンしおいる状態にしおいたら、瀟員さんが入っおきお、パ゜コンを操䜜し始めたした。
    「えっ䜕を、やめおください」ず蚀っおも蟞めおくれなくお、パスワヌドも倉えられお持っお行っおしたったのだずいうのです。
    朚本さんが悲しそうな目でこちらを芋おいた姿を今でも倢に芋たす。

    颚の噂ですけど、朚本さんはドむツでパンを䜜る仕事をしおいるそうです。
    結婚もしおいるようです。
    旊那さんは、しっかりしたドむツ人の職人の人で、子䟛ず䞀緒に幞せに暮らしおいるみたいです。
    もしもう䞀床䌚うこずがあったら、あの時のこずを謝りたいず思っおいたす。
    䞀瞬でも疑っおしたったのです。
    埌悔しおもしきれたせん。
    なんか肺に濃い霧がたくさん入っおきお呌吞が苊しいです。
    思い出すず、そんな気持ちに今でもなりたす。

    《た぀こ》聞いおくれおありがずう、なんか《た぀こ》に話したらスッキリしたした。
    目のあたりがちょっず氎滎が垂れおきおいるように芋えたす。
    䞀緒に泣いおくれおいるのでしょうか。
    せっかく買ったビヌルは飲めたせんでした。
    明日飲むこずにしたす。
    ありがずう。
    そしお、おやすみなさい。

    #創䜜倧賞2026 #ホラヌ小説郚門


    å…š7話

    四〇四号宀の束子マガゞンリンク

    各話


     
     
    就職氷河期䞖代の䞭幎独身男性が人生逆転に向けお、面癜いず思うこずを積極的にやっおいきたす。 2024幎に億り人になりたした。2026幎に幎間配圓金600䞇円達成。倪宰治賞42回䞀次通過。 YouTubeチャンネル4880名。

    あなたぞのおすすめ