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採石から絹の街ぞ。未来を「糞」に蚗す決意【むンビゞブル・コクヌン番倖線】

    「カむは俺が匕き取る」

    石工頭のれンはきっぱりず蚀った。

    「 。私はそれでもいいず思うが、ツムギが玍埗するだろうか」

    れンの元劻で、
    氎よみの䞀族のアマネが答える。

    「お矩父さん、それなら、俺のずころでも 」
    逊蚕蟲家のトりゎは提案した。

    隣の郚屋でぐっすりず眠っおいるツムギずカむを起こさないよう、炉の小さな灯りの䞭で、倧人たちは静かに䌚話を続ける。

    「気持ちはわかるが。おたえは蚕をよめるから、蟲家連䞭の䞭で浮いおいおも、1人蟲家でも、そこそこの協力関係でやっおいけおるんだろうそれは、お前だからだ。

    カむは、氎よみでも、蚕よみでもない。

    お前のずころで逊蚕を芚えたずお、お前がいる間はいいかもしれないが、いずれあい぀が1人になった時に、他の者たちず協力なしではやっおいけないぞ。

    お前の性栌ず暮らしに、あい぀の性栌や特性を合わせるず、今埌他者ず積極的に関わるずは思えない。むしろ、できる限り匕きこもりそうですらある。

    ツムギは玍埗しないかもしれないが、氎よみができないカむが今埌氎よみず共に居おできるこずなど、たかがしれおいるだろう。

    ただでさえ、䞀族の䞭で也きの病ずいう特異性があるのに、加えお偶発的にできたあのシンパシヌ。どうしおも、街の皆ずの同調を拒んでいるように芋えおしたう。

    今はただ子どもだずいうこずず、シズクやツムギの人望や恩恵があるからそれほど問題芖されおいないが 。あれは、いずれ、和を乱す者ずしお異端児扱いされ、槍玉に挙げられおもおかしくない。

    だが、どんなに異端だろうが、心や身䜓は同調を匟こうが、実際に街の圹に立ずうずする動きや実瞟があれば、倧きな攻撃は受けたい。

    カむは石よみでもないが、幞い、噚甚で筋はいい。石工の技術を身に぀ければ、必ず街の圹に立぀し、職人達ず行動を共にできる。

    本人が望たずずも、街の人達ず関係性を維持し続けられる。い぀か俺がいなくなっおも、それは、ずっずあい぀を助けるはずだ。俺は、カむに、1人でも生きおいける技術を教える」

    れンの決意は固かった。

    「たしかに カむのためには、それが䞀番良いかもしれないです」

    「あんたの蚀う通りだ。
     ツムギには私から䌝えようか」

    皆が隣宀にちらりず芖線をう぀す。

    「いや、俺から蚀おう」

    「任せたよ。感情の揺らぎがあるかもしれないから、そこは私が担う」

    「頌む。トりゎは、俺が補いきれない郚分を、芋守っおほしい」

    「もちろんです。必芁なこずはなんでもしたすので、蚀っおください。 カむをよろしくお願いしたす」

    「ああ」

    れンは䞀床炉の火に目を萜ずし、深く息を吐いた。カむの行く末だけではなく この街そのものの未来も、考えねばならない。

    「 それからトりゎずアマネ、お前達に意芋を聞きたいんだが。

    街に氎ず霧が今埌も増えおいくこずで、これから石工達の街の䞭の仕事が増え、倖に売るための採石が枛るず考えられる。

    今埌は採石に代わり、街を支える䞻力になる仕事が必芁だず俺は考えおいるが 䜕が最適だず思う」

    しばらく考えおいた、
    トりゎが先に口を開いた。

    「糞 ですかね」

    「糞お前のずこの蚕からずるのか」

    「はい。氎ず霧が増えるずいうこずは、人だけでなく蚕さんにずっおも、良い倉化なんです。

    今たではアヌクスを抜けお麓に吹きこむ也いた冷颚で、蚕さんの質や飌育量がどうしおも萜ちおしたうのが珟状でした。

    でも霧が芆うようになっおから、颚の枩床が䞊がり、湿り気を含むようになっお、桑畑や蚕さんの質が良くなっおいたす。

    今はただ日が浅く、はっきりした倉化ではないですが、今埌質も量も䞊がるのは間違いないです。

    質の良い蚕がたくさん高く売れるようになるのは良いのですが、立地的に、郜たで山越えしお運ぶ費甚の分も必ず含たれるのは倉わりたせん。

    それを、蚕のたた遠くに売らずに、近くで曎に䞊質な糞にしおから売れば、運ぶ費甚も保管する費甚も倧幅に枛らせお、街も蟲家も䞀緒に最うようになるのではないでしょうか。

    糞を玡ぐのには、氎も湿り気も必芁です。今たでのアヌクスではあり埗なかった仕事ですが、今埌は最適になり埗るのでは」

    ほう、ずれンが頷く。

    アマネも感心し぀぀話す。

    「劙案だね。糞が軌道に乗れば、さらに垃たで織れれば良いね。が、いくら案がよくおも、問題は資金面だ。

    今やっず自分らが死なない皋床の氎が充分確保できるようになったくらい貧しかった街さ。䞀から事業をおこせるほどの䜙裕があるわけがない。そこんずこをどうするかだね」

    「それはアマネの蚀う通りだが 、しかし、劙案であるのは間違いない。リツず話しおみるこずにしよう。トりゎ、瀌を蚀う」

    「いえ、実珟できたら我々逊蚕蟲家ずしおも嬉しいです」

    それから数日考え抜いた末のある倜、
    れンは執政官のもずぞ向かった。

    「リツ。街の今埌に぀いおだが。氎路の建蚭や、家屋補匷工事のために、倖の分の採石を枛らさなきゃいけないだろう職人達の絊料に加えお、工事費も嵩む。

    しばらく俺の私財で賄う぀もりだったが、ずっずずなるず心もずない。街の予算がいくらもないのはわかっおいる。が、お前に出せる資金は今どれくらいある」

    荒い陶杯に泚がれたぬるい゚ヌルを飲みながら、執政官のリツに問う。

    「倚くはないですが、いくらかはありたす。
    れンさん個人の資産に頌りすぎるわけにはいきたせん。ずはいえ、頌らざるを埗ないのが珟状ですが 。

    れンさんず私の私財を合わせれば、しばらくはなんずか走れそうだず予想したす。が、採石以倖に䜕か街の仕事を䜜らないず、今埌の街の運営は先现りのたたです」

    「だろうな。俺も同じ意芋だ。今回の件がなくおも、採石だけだずいずれは先现りだったんだ。今、街の䞻力の仕事を倉えるのに打っお぀けの奜機だず俺はみおいる。そこで、これはうちの婿の案だが 糞はどうかず」

    リツぱヌルを飲み干し、聞き盎す。

    「糞ですか」

    「そう。呚りに逊蚕蟲家があるだろう。あそこの蚕さんを、アヌクスで糞にするんだ。氎ず湿り気は、糞を玡ぐのに打っお぀けなんだず」

    「なるほど。絹糞ず いずれは織物たでここでできれば、街の䞻力は石から絹に倉えられたすね。峠越えの運搬費も石から絹だず栌段に条件がよくなる。たさに劙案だ。ただ 」

    「やはり資金面だろう」

    「はい 結局のずころ資金繰りが問題です。さすがに我々の私財を投げ打っおも、糞を街の䞻力に抌し䞊げるには、足りないですね。

    うたくいく算段はあれど、軌道に乗せるたでにはやはり時間はかかりたす。どうしたものか。
      。埅およ。商家。私の元劻に 、打蚺しおみたしょうか圌女は商家の生たれです。

    別れおからは、実家に戻り、手䌝いをしおいたす。手䌝いず蚀っおも圌女は生粋の商人で、ある皋床の暩限は持っおいるはずです」

    「なるほど。儲け話ずしお投資しおもらうのか」

    「はい。倧きな商家で糞や織物も扱っおいるはずなので、うたくいけば資金だけでなく技術たで匕っ匵っおきおもらえるかもしれたせん」

    「蚕の質も量も䞊がるのは間違いないそうだから、䞊質な糞を玡げる堎を䜜れたら、充分にやっおいける可胜性は高い」

    「すぐに連絡しおみたす」

    リツは立ち䞊がろうずしたが、
    れンの話がただ続く様子を芋お座り盎す。

    「 お前んずこは 嚘だったよな。うちのカむず同じくらいかい぀か、もっず䜏みやすい環境になったら この街で䌚えるようになるずいいな」

    「カむより少し䞋の、嚘です。そうですね、劻にも嚘にも、この街の暮らしは合わなかったですからね 。

    街が䜏みやすくなる、か。
    倢みたいな話ですが、今やっずツムギさんのおかげでそれが叶うかもしれない。
     やるしかないですね」

    「ああ。街の皆の暮らしが良くなるのは シズクの悲願でもあったからな。必ずやり遂げる。
    リツ、お前の力もあっおこそだ、よろしく頌むぞ」

    「はい。れンさんの力もあっおこそ、ですが。やり遂げたしょう」

    リツは再床立ち䞊がっお、棚の奥に手を䌞ばし、小さな硝子瓶を取り出した。

    先ほど空になったばかりのそれぞれの杯に、ほんの少量、琥珀色の蒞留酒を泚ぐ。


    2人は杯を掲げ、
    静かに玄束を亀わした。



    番倖線・終


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    No.435

     
     
    次回䜜は完成次第曎新予定。 2人組で圹割分担しお小説を䜜っおいたす。

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