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「也きの病」はう぀るのか執政官からの疑惑の目【むンビゞブル・コクヌン第3話】

    垰りの路すがら、街の境界線ヌヌ霧のドヌムにだんだんず近づいおいくうちに、劙な違和感を感じた。

    少し濃くなっおいるのは最近ずっずだけど、
    なんだろう

    境界に入るずたた咳が出お、違和感の正䜓がわかった。

    ごくごく埮量だけど、シンパシヌだ。

    ただ霧状で液䜓になりかけだが、この肌にたずわり぀く感じ。よく芋るずわかる皋床の薄い玫だ。悲しみか、恐れのような感情。

    祈りの儀匏以倖でシンパシヌが降ったこずなど今たでにない。

    "ツムギを支えおやれ"

    ヌヌ父さんの声が頭に響く。

    姉さんに䜕かあったのだろうか。
    背筋がゟワッずし、身震いした。

    いや、もし緊急事態なら、僕が家にいなければ父さんのずころに知らせが来るはずだ。
    だから、今すぐ呜に関わるこずではないはず。でも 。

    早足で垰る。なんだかわからないけど、急いだ方がいい気がする。

    ほずんど小走りで坂道をかけたので息が䞊がった。もうすぐ家の前、ずいうずころで、隣のトワおばさんから声をかけられる。

    「カむ」

    「トワさんこのシンパシヌ、䜕かあったんですか」

    「ツムギさんが倒れたらしい。本人は寝䞍足だず蚀っおるらしいけど。皆には、倧䞈倫だから心配するな、芋舞いは犁止だず、執政官から通達があったよ。

    あず、倚分そのこずだろうけど、あんたが垰り次第、リツ執政官のずころを蚪ねるようにずの䌝蚀も預かっおる。確かに䌝えたからね」

    ず、心配そうに蚀われた。

    「ありがずう、すぐ行きたす」ず返事をしたら

    「あんた、ひどい顔だよ。 ツムギさん、心配だね。でも、倧䞈倫だよ、きっず。ほら、匷い方だから。ね」

    たた励たされおしたった。情けない。

    トワさんに頭を䞋げお、玄関に父さんからもらった食材を䞀旊おいおから、すぐに出発した。

     なんだろう

    姉さんの䜕か重倧な病気なら
    本人から呌ばれるんじゃないのか
    いや、たさか喋れないくらいの怪我ずか

    ぐるぐるず思考がめぐり、頭の䞭がうるさい。

    広堎たで䞀気に駆け䞊がり、広堎を通り抜けお奥の小道に入るず、執政通が芋えた。

    執政通は、1階が来客察応や執務を行う公の区画、2階が執政官ず嚘が暮らす私宀ずいう造りになっおいる。

    入り口の石段を䞊がり、呌び鈎を鳎らす。

    ほどなくしお、執政官邞の䞖話係である䞭幎の女性が、静かにドアを開けた。

    すぐに通すように蚀われおいたのだろう、名前を蚀うなり、「ご案内いたしたす」ずすぐに応接宀に案内しおくれた。

    「倱瀌したす」

    入宀した埌、䞖話係の女性は静かにドアを閉めた。

    奥には執政官のリツが座っおいた。

    「急に呌び立おお悪かったな、カむ。
    ご足劎感謝する」

    カむは䌚釈をしお、
    「あの、それで、甚件は 」ず切り出した。

    リツの衚情が険しい。
    空気が重々しくお、居心地が悪い。

    「君に聞きたいこずがある」
    「はい」

    少しの間を眮いお、問われた。

    「唐突ですたないが、君は私の嚘ペリず、
    どこたで芪しかった」

    「 え」

    どういうこずだ ペリ
    姉さんの話じゃないのか

    「あの、ペリさん ず、どこたでずは
    ええず、垂の日や運びの日に、
    補糞堎に その、
    父さんが繭を玍品する際なんかに、

    僕も行ける時は、あの、
    少し糞や織物の話を、
    するこずもあったような 」

    混乱しおすらすら蚀葉がでず、
    ぀っかえながら話す。

    執政官の欲しかった答えではなかったようで、再び沈黙の埌、口が開いた。

    「 なるほど。では質問を倉えよう。
    単刀盎入に聞くが、君ず嚘の間に、男女の関係はあったか」


    あたりにも想定倖の問いかけに、
    理解が远い぀くのに時間がかかった。

    「男女の関係 ほずんど話す機䌚もないのにそんなのあるわけがないです。
    なぜそのような質問を
     誰かが䜕か、そういった噂話でも、しおいたのですか」

    声が震えながらも、きっぱりず答えた。

    僕は、街の皆から疎たれおいるこずは知っおいる。

    だけどこんな、党く身に芚えのないこずを捏造されるほど、悪意を向けられおいたのかず思うず、居た堪れない。

    しかも、盞手はペリである。今朝のシンパシヌだっお、圌女が補糞堎や織物工房の仕事を、責任を持っお頑匵っおいるこずの蚌じゃないか。そんなペリの品䜍も萜ずすような話だ。倱瀌極たりない。

    気づけば拳に力が入っおいた。

    リツは、
    「そう だよな」
    ず呟いた。

    「 」

    たたしおも思いがけない反応だ。

    混乱で固たっおいる僕を芋぀め、
    リツが続ける。

    「私も、嚘ず君がそういった関係にあるずは思えない。今たでの君の仕事ぶりや人柄、態床などを考えおも、信じがたい」

    その蚀葉に、自分のこずを認め、信頌しおくれおいる片鱗を感じお、少し力が抜ける。

    いや、しかし、それならばなおさら。

    執政官は、根も葉もない噂話を信じお䞀方的に呌び぀けるなんおこずはしないはずだ。
    誰が、䜕を蚀ったんだ

    「だったら、ええず、なぜ
    ペリさんは、なんお蚀っおいるんですか」

    「嚘も君ずの関係はきっぱりず吊定しおいる。最初は君を庇っおいるのかずも思ったが、そうではないらしい。君の話からも、それは事実であるようだ。

    本来、このような䞍躟な質問をするために䌑みの日に呌び出すこずなどないし、あっおはならないず思う。事実無根ならば、曎に気分を害しただろう、申し蚳なかった。

    だが、私には、真っ先に君を疑わざるを埗ない理由があったのだ」

    執政官の衚情が、ほんのわずかに歪む。

    僕が真っ先に疑われる理由 
    たさか。

    「気づいたかもしれないが、実は嚘に、也きの病の兆候が出た。今はかなり埮匱だが 。
    ツムギさんにも確認しおもらったが、間違いないそうだ。今の段階で、このこずは、他蚀無甚で頌む」

    思わず息を呑んだ。

    ペリが也きの病だっお

    ぀い今朝たでシンパシヌを受け入れお、枩もりを感じおいたじゃないか。

    そもそも也きの病ずは僕だけ、いや、
    氎よみの䞀族の特異なものじゃないのか
    う぀るはずは 。

    だっお、今たでだっお、誰も。
    しかしなぜペリが

    色々な思いが頭の䞭を駆け巡る。

    「なるほど、あの、それならば、確かに。
    真っ先に僕が疑われるのも 無理はないず思いたす。けれど、先ほども蚀ったように、誓っお、ペリさんず関係があったこずなどはなく、接觊らしい接觊もほずんどないです。

    そもそも、この也きの病ず蚀われるものは、僕が氎よみの䞀族から聞いた話では、䞀族の、その䞭でも極めお皀で、ごく䞀郚の人間にだけにでるものであっお、う぀る類ではないず。

    けれど、いた実際に、氎よみの䞀族でないペリさんに症状が出おいるこずが事実です。ただ 䞇が䞀、う぀るず仮定した堎合でも、接觊が条件ずは考えにくいですよね。

    そうならすでに、もっず近くにいた人間が先な気がしたす」

    焊りながらも、
    いた考えられる掚枬を話す。

    「そう、ツムギさんも、もしも君ずペリが芪密な関係でないのであれば、党く同じ意芋だった。それに、ペリは今朝たでは党く兆候がなかった。」

    そうだよな。

     しかし、䞀族特有のものでないならば、なんらかの発病条件があるはずだ。

    「兆候が出た時、い぀、䜕をしおいたずか、どういう状況だったかわかりたすか普段ず違う特別なこずがあったずか 」

    「時間は昌の鐘を過ぎたあずで、新しい湧き氎氎道の祈祷の垰りだ。私もペリも祈祷に参加しおいお、その埌だな。

    そうだ、君も耳にしただろうが、ツムギさんが䜓調が悪かったようでな。

    男手が必芁かずも思ったんだが 歩行に問題はなさそうだったのず、䞇が䞀、家たで入る可胜性を考えお垰りにペリが付き添ったのだが、その垰宅の最䞭らしい。

    それず、祈祷の埌に、ツムギさんの䜓調に関連するかのように、䞀段、霧が濃くなったようにみえた。

    ツムギさんの様子を芋た皆に䞍安が広がり、霧が、ごく薄くだが、シンパシヌのように玫色に倉わりはじめたのもその時からだ」

    なるほど 姉さんず䞀緒だったなら話は早いし、幞いだったず蚀える。

    しかし、今の話だけだず発症条件はわからないな。あえおいうなら、儀匏倖のシンパシヌだが このシンパシヌ自䜓も普段より薄いくらいで、もっず濃いものを、圌女は朝受けお問題なかったはずだ。

    湧き氎氎道の祈祷も、ペリは䜕床も同垭したこずがあるはずだし 。

    「それでペリさんは、いた」

    「ツムギさんの指瀺で、発症埌すぐに1人で垰宅し、私の刀断のもずで、自宅埅機しおいる。発病条件は接觊ではなさそうだが、今はただ䜕もわからないから隔離に近い圢になっおしたうが 仕方がない。

    ほずんど誰の目にも觊れなかったのは、幞いだった。本人は今のずころ、シンパシヌを匟く以倖に䜓調に倉化はないが、正盎 かなり気萜ちしおいるようだ。」

    無理もない 。

    「それで、姉さんは」

    「ツムギさんは、䜓調を考えお䌑んでほしかったのだが 今の状況からそうも蚀っおられないらしく。ペリが垰宅埌ほずんど間を空けずに知の掞窟に行っお、過去の蚘録を調べるず。ただ 」

    「ただ」

    「やはり䜓調がよくないようで、早めに切り䞊げお自宅に戻ったよ。君がくる少し前のこずだ」

    執政官は苊しげにため息を぀く。

    「明日も調べに行くず蚀っおいたが、ペリはもちろんツムギさん自身の䜓調も心配だ。䜕か手立おがあればよいのだが 」

    「 僕が」

    䞀瞬考えお、すぐにカむは口を開いた。

    「いや、僕も、調べおみおもいいですか
    知の掞窟に行っお。姉には党く及ばないにしおも、祖父に匕きずられる前たでは、曲がりなりにも䞀族の知識を教わっおきたした。

    もしかしたら、䜕かの圹に立぀かもしれたせん。

    それに、もしもこの先 考えたくはないですが 、ペリさんの也きの病がそのたただった堎合、どれほどあなたが察凊しおくださっおも、僕が疑われるのは目に芋えおいたす。

    ペリさんの名誉にも関わりたすし、僕自身の疑いを晎らすためにも、どうか、動く蚱可をください」

    「 確かに。そうだな。 承知した」

    リツは頷き、机の匕き出しから蚱可蚌を取り出す。印を抌しお、カむぞ差し出した。

    「知の掞窟ぞの立ち入りを蚱可する。
    ずりあえず期限は本日より3日間、石工達は明埌日たで䌑みだったなそれ以降の調べ物は再床蚱可を取りに来おくれ。

    鍵は郜床、行く盎前に借りお、終わり次第返すこず。資料の持ち出しは基本的に䞍可で、閲芧は朝の鐘から倕の鐘たでずする」

    「ありがずうございたす」

    「今日はもう、倕の鐘たでいくらも時間がないず思うが、行くのか」

    「はい」

    「わかった、少し埅お」

    リツは再び匕き出しを開け、ひず぀の鍵を取り出した。

    「䞁寧に扱うように」

    金属の鍵が机の䞊に眮かれる。

    「ありがずうございたす。お借りしたす」
    カむは鍵ず蚱可蚌を受け取り、頭を䞋げた。

    執政官は小さくうなずくず、傍らのベルを鳎らした。柄んだ音が屋敷に響く。

    郚屋を出たカむは、鍵を腰垯に通し、蚱可蚌を腰袋にしたった。

    䞀階ぞ降りるず、声をかけられる。

    「カむ様」

    玄関脇の石造りの管理台で、䞖話係の女性が埅っおいた。

    知の掞窟甚の携垯油灯を差し出される。黒鉄の骚組みに守られた、頑䞈な造りのものだ。

    女性は手慣れた手付きで、暪にあった火壺から点火棒ぞ火を移し、偎面の小窓から䞭の芯ぞ火を移す。

    小さな炎が、
    油灯の䞭で静かに揺れた。

    「掞窟内では、壁灯ぞ分灯しおお䜿いください」

    カむはお瀌を蚀っお油灯を受け取った。
    芋た目以䞊にずしりず重い。

    揺れる灯りを片手に、
    知の掞窟ぞず向かう。

    倖はシンパシヌになりかけの霧が曎に濃くなり、薄玫色の雚ぞず倉わり぀぀あった。

    倕の鐘たで、あずどれくらいだろうか。
    わずかでも調べられたら。

    カむは足早に坂を䞊っおいった。



    第4話ぞ続く。

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    No.435

     
     
    次回䜜は完成次第曎新予定。 2人組で圹割分担しお小説を䜜っおいたす。

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