エドワード・ゴーリー大人向けおすすめ絵本15選|不気味で美しく、心を惹きつける名作絵本
不気味で美しく、どこか可笑しくもある――そんな独特な世界観で知られる絵本作家エドワード・ゴーリーさん。
その魅力に触れたいけれど、どの作品から読めばいいのか迷っていませんか?今回はエドワード・ゴーリーさんのおすすめ絵本を15冊厳選してご紹介!
読後にざらついた余韻が残るの彼の作品。まずは、気になる作品からじっくり覗いてみてください。

『ギャシュリークラムのちびっ子たち』
大人のための絵本作家として世界的なカルト・アーティストであるエドワード・ゴーリー。子どもたちが恐ろしい運命に出会うさまを、アルファベットの走馬灯にのせて描いた代表作。
アルファベット順に並んだ26人の子どもたちが、1ページごとに理不尽な死を迎えるという内容。軽やかな短い文章と、精緻なモノクロ線画が組み合わさり、不条理でブラックな世界観を形づくる。死を恐ろしくもユーモラスに描くこの形式は、ゴーリーさんの作風の象徴とされる。
『うろんな客』
カギ鼻あたまのヘンな生き物がやってきたのは、ヴィクトリア朝の館。とある一家の生活の中に、突然入り込んできて、そして、それから――。ゴーリー独自の文章が稀代の翻訳家によって短歌に!
日本国内で刊行された2冊目の作品。突然あらわれた奇妙な生き物「うろんちゃん」はゴーリーさんが生み出したキャラクターの中で最も有名なキャラクターのひとつ。子ども、猫、死、あるいは「異物」の象徴とも言われ、さまざまな解釈ができるとされています。
『不幸な子供』
おぞましい小動物があちこちで蠢く、掛け値なしの悲劇。圧倒的な背景を描き込み一人の少女の不幸を悪趣味すれすれまでに描いた傑作!
ゴーリーさん8冊目の絵本。フランス映画『パリの子供 (L'enfant de Paris)』がもとになったと言われ、「ゴーリー版小公女」と呼ばれている作品。裕福な家に生まれた少女が、父の事故死と母の失踪により一転して不幸に転落し、哀れな最期を迎えるまでを描かれています。
『おぞましい二人』
実話を元にした、子供を誘拐しては殺してしまう「忌まわしいカップル」の物語。原書発売当時は非難続出で、返本の山が築かれたという
日本で長らく仮訳題『おぞましい夫婦』として紹介されていましたが、2004年、柴田元幸さんの日本語訳により『おぞましい二人』の題で発行された作品です。1960年代にイギリスで現実に起きた事件「ムーアズ殺人事件」をもとに描かれています。読者の心に重くのしかかる内容なので、心身ともに元気な時に読む方がいいかもしれません。
『題のない本』
定点観測のようなカメラワークでとらえた画面の中に、次々と登場する不思議な生き物たち。激しくシュールなゴーリーの魅惑の世界が展開する大傑作! シリーズ第13冊目。
どこかのおうちの庭に入れ替わりでやってくる不思議なキャラクターたちが意味不明な行動を繰り返すという作品。状況説明やきちんとしたセリフがないため、読者は絵から内容を想像するしかありません。文章は意味を成さない擬音ばかりで、そこもまた味わいがあります。
『蒼い時』
「生きることじゃなくて、生きてもらうことが大事なんだ」旅嫌いのゴーリーが唯一遠出したときの思い出を、2匹の犬(もどき?)に託して語る摩訶不思議な物語。珍しく可愛いお話です。
原題はフランス語で『L’Heure bleue』。日の出前と日の入り後に発生する空が濃い青色に染まる時間帯のこと。不思議な2匹の生き物の会話が心に残る作品。ゴーリーさんの作品の中ではおぞましさがなく、安心して読める一冊です。
『敬虔な幼子』
優しい善良なヘンリー・クランプ坊やが、神の御許に昇ってしまうまでをゴーリー独特のタッチで描いた崇高で謎めいた物語。
河出書房新社公式サイトから引用
ゴーリーさんが、「レジーラ・ダウディ(Regera Dowdy)」名義で描いた作品。「レジーラ・ダウディ(Regera Dowdy)」はエドワード・ゴーリー(Edward Gorey)のアナグラムです。アナグラム好きなゴーリーさんはほかにもいくつものペンネームを持っていたことでも有名。盲目的な善行に考えさせられるところも……。訳者の柴田元幸さんの解説までしっかり読むと新たな発見があるかもしれません。
『華々しき鼻血』
はてしなく編まれるマフラーや、だらしなく供されたプディングを絶妙の副詞で捉えたアルファベット・ブック。副詞にかつてない最大級の栄光を与えたゴーリーらしい言語感覚が光る大傑作。
河出書房新社公式サイトより引用
副詞にフォーカスしたユニークな構成の一冊。悪意と皮肉がたっぷりと含まれた、センスを感じる作品です。軽くゴーリーさんの世界観に浸りたいときにおすすめの一冊です。
『むしのほん』
カラフルなむしたちの せいかつを だいなしにした くろいむし…… 生きていく哀しさと美しさを描いた傑作。オールカラー。
ゴーリーさんの作品にしては珍しいカラーの作品です。キュートな印象の表紙から子供の絵本かと思いきや、ラストはゴーリーさんらしい結末の大人のための絵本。ゆるい雰囲気の中、考えさせられることも多い作品です。
『蟲の神』
おお 恐怖、憤怒、哀れみの思い。物事はどうしてこうも 上手く行かぬのか――。蟲の神の生け贄に 捧げられた少女のゆくえを描く、ゴーリー初期の大傑作、ついに邦訳!
さらわれてしまった女の子が蟲の神に捧げられてしまうというダークなストーリー。ゴーリーさんの作品の中でもトップクラスの救いようのなさが印象的な作品です。メンタルが整っているときでないと受け止めきれないかもしれません。
『優雅に叱責する自転車』
一台の自転車が通りかかりエンブリーとユーバートは旅に出た。みょうちくりんな冒険の後に見たものは――?
シュール&ナンセンスな不条理絵本。まず、『優雅に叱責する自転車』という題名からして意味不明。プロローグの「火曜日の翌日、水曜日の前日」という物語が起きている日もファンタジー感満載で、ゴーリーさんの世界に引きずりこまれます。
『キャッテゴーリー』
とぼけた猫がなんとも愛らしい、ゴーリーならではの不思議な猫たちが、1から50まで、さまざまな数字とともに登場する、奇妙な絵本
文字のない絵本です。猫には悪いことをしない猫好きゴーリーさんのかわいい作品です。50までの数字と猫のイラストを楽しめます。ゴーリー作品で、ほっと一息つきたいときにおすすめ。
『ずぶぬれの木曜日』
傘泥棒、傘で目を突かれた男、傘に乗り流される子ども。鬱陶しくもめくるめく傘をめぐる物語。ゴーリー・ワールド全開!
ゴーリーさんの作品の中ではダークさが控えめの作品。白さが光るイラストの中で繊細な雨のラインが心に残ります。雨の日に読みたくなる一冊です。
『まったき動物園』
「エピトウィー事あるごとに痙攣し挙句の果てに哀ればらばら」A~Zまで26の不思議な生き物たちが集まったゴーリー版「幻獣事典」
ゴーリーさんの作品では頻繁にあらわれる、アルファベットをテーマにした作品です。柴田元幸さんの訳がゴーリーさんの世界観にぴったり!英語もよく読んでみると、さらに味わい深く感じる作品です。
『オズビック鳥』
ある日ヘンテコな鳥が男の家に住み着く。一緒に楽器を演奏し、沈む太陽を眺める日々。奇妙な愛と友情が優しく胸を打つ美しい絵本。
ゴーリーさんにしては珍しいカラーの絵本。オズビック鳥とある男性の交流、そして別れを描いた作品です。ゴーリーさんのさんの作品の中では非常に穏やかな温かさを感じる一冊。
まとめ|エドワード・ゴーリー大人向けおすすめ絵本15選|不気味で美しく、心を惹きつける名作絵本
エドワード・ゴーリーさんの絵本は、不条理、ユーモア、恐怖、そして哀しさが織り交ぜられた、唯一無二の世界です。
言葉少なく、冷ややかな筆致で描かれる物語たちは、読み手の想像力を刺激し、解釈を委ねる余白に満ちています。気になる作品から手に取って、その不思議な魅力に浸ってみてくださいね。
