
『そして誰もいなくなった』オマージュ小説おすすめ9選|傑作から生まれた名作を読もう
アガサ・クリスティの名作『そして誰もいなくなった』に影響を受けた作品は、時代やジャンルを超えて数多く存在しています。
今回は、『そして誰もいなくなった』のオマージュ作品の中でも特に読者の支持が厚く、完成度の高い9作品を厳選してご紹介!
孤島、クローズド・サークル、見立て殺人、そしてどんでん返し――。
原作の魅力を受け継ぎながらも、それぞれの作家が独自のアレンジを加えた小説は、ただの模倣にとどまらない深みと面白さがあります。まずは気になる一冊から読んでみてくださいね。

『十角館の殺人』綾辻行人
十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の7人が訪れた。館を建てた建築家・中村青司は、半年前に炎上した青屋敷で焼死したという。やがて学生たちを襲う連続殺人。ミステリ史上最大級の、驚愕の結末が読者を待ち受ける! 1987年の刊行以来、多くの読者に衝撃を与え続けた名作が新装改訂版で登場。
日本の新本格ミステリブームの火付け役となったといわれている本作。館シリーズの記念すべき第1作目です。シリーズ累計の発行部数はなんと750万部を突破している大人気ミステリーです。2023年には『タイム』誌が選ぶ「史上最高のミステリー&スリラー本」オールタイム・ベスト100にもランクインしています。映像化できないといわれた二度読み必須作品ですが、2024年にドラマ化されたことでも話題となりました。『そして誰もいなくなった』オマージュ作品といえば、本作を挙げる人が多い作品です。
『ジェリーフィッシュは凍らない』市川憂人
『そして誰もいなくなった』への挑戦でもあると同時に
『十角館の殺人』への挑戦でもあるという。
読んでみて、この手があったか、と唸った。
目が離せない才能だと思う。―綾辻行人
小型飛行船で起こる、連続殺人の驚愕の真相!
第26回鮎川哲也賞受賞作
特殊技術で開発され、航空機の歴史を変えた小型飛行船〈ジェリーフィッシュ〉。その発明者であるファイファー教授を中心とした技術開発メンバー6人は、新型ジェリーフィッシュの長距離航行性能の最終確認試験に臨んでいた。ところが航行試験中に、閉鎖状況の艇内でメンバーの一人が死体となって発見される。さらに、自動航行システムが暴走し、彼らは試験機ごと雪山に閉じ込められてしまう。脱出する術もない中、次々と犠牲者が……。21世紀の『そして誰もいなくなった』登場! 精緻に描かれた本格ミステリにして第26回鮎川哲也賞受賞作、待望の文庫化。
『グラスバードは還らない』、『ブルーローズは眠らない』の著者としても有名な市川憂人さんのデビュー作。2016年「週刊文春ミステリーベスト10」第5位、2017年「このミステリーがすごい!」第10位、2017年「本格ミステリ・ベスト10」第3位を獲得した作品です。ラストで全ての点が線になる構成は、まさに“21世紀版『そして誰もいなくなった』”と称されるのも納得の完成度。『そして誰もいなくなった』、『十角館の殺人』を読んでから読むとより楽しめます。
『殺しの双曲線』西村京太郎
差出人不詳の、東北の山荘への招待状が、六名の男女に届けられた。しかし、深い雪に囲まれた山荘は、彼らの到着後、交通も連絡手段も途絶した陸の孤島と化す。そして、そこで巻き起こる連続殺人。クリスティの『そして誰もいなくなった』に挑戦した、本格ミステリー。西村京太郎初期作品中、屈指の名作! (講談社文庫)
雪のために孤立した山荘で順番に殺されてゆく
アガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』に真っ向から挑んだ、本格ミステリーの傑作!
鮮やかなプロット 名著復活!
「十津川警部シリーズ」などの著者としても有名な西村京太郎さんの作品。いわゆる「双子トリック」の代表格として知られる一冊。「ノックスの探偵小説十戒」の10番目に「双生児を使った替玉トリックは、あらかじめ読者に知らせておかなければ、アンフェアである」と記されている点から、西村さんは物語冒頭で、「この推理小説のメイントリックは、双生児であることを利用したものです」と掲げ、メイントリックを明かしているところも特徴的。西村さんは、綾辻行人さんとの対談で本作を「ベスト5」として2番目に選出しているそう。
『そして誰もいなくなる』今邑彩
名門女子校演劇部によるクリスティー劇の上演中、連続殺人は幕を開けた。台本通りの順序と手段で殺される部員たち。真犯人はどこに? 戦慄の本格ミステリー。
『卍の殺人』、『ルームメイト』などの著者としても有名な今邑彩さんの作品。本作は、タイトルからも分かるようにクリスティ作品への明確なオマージュです。1994年に石黒賢さん主演でテレビドラマ化しています。
舞台は名門女子校の演劇部。『そして誰もいなくなった』を舞台で上演している最中に、本当に登場人物が劇の筋書き通りに命を落としていくという、メタ構造の物語になっています。「本歌取り」という言葉がぴったりの、上品で技巧的な一冊。
『こうして誰もいなくなった』有栖川有栖
ジャンルを超えた驚きがここにある!ファン必読の短編集。
仮想通貨で成功した若き大富豪に招待された10名の男女が、"海賊島"で巻き込まれる不気味な連続殺人事件――クリスティの名作を大胆に再解釈した表題作をはじめ、書店店長の名推理が痛快な「本と謎の日々」、肥大化した男の欲望と巨大生物の暴挙に恐怖する「怪獣の夢」、遊び心に満ちたタイポグラフィが楽しい「線路の国のアリス」など多彩な14篇を収録。ジャンルを超越した物語世界の魅力を堪能できる、唯一無二の作品集!
『双頭の悪魔』、『スイス時計の謎』などの著者としても有名な有栖川有栖さんの短編集。有栖川有栖さんのデビュー30周年作品として出版された作品です。表題作は、短編集の一篇で、現代的なアプローチで『そして誰もいなくなった』の構造を再解釈した物語。仮想通貨長者による招待、デジタル技術が入り混じった孤島――といったモチーフが、現代性とサスペンスを両立させています。
『そして誰も死ななかった』白井智之
五人全員が死んだとき――本当の「事件」が始まる。
覆面作家・天城菖蒲から、絶海の孤島に建つ天城館に招待された五人の推理作家。やがて作家たちは次々と奇怪を死を遂げ、そして誰もいなくなったとき、本当の「事件」の幕が開く。特殊設定ミステリの真骨頂!
『名探偵のいけにえ 人民教会殺人事件』、『エレファントヘッド』などの著者としても有名な白井智之さんの作品。2020年「本格ミステリ・ベスト10」第5位にランクインしています。白井さんらしい逆説的な特殊設定のオマージュ作品。ブラックユーモアとスリルが同居する、挑戦的な構成が非常に印象的な一冊。
『そして二人だけになった』森博嗣
とてつもなく大きな橋を支える巨大コンクリートの塊の中に、国家機密とされるシェルタがあった。現代の最高技術で造られたこの密室に滞在することになった六人が、一人ずつ、殺される。痺れるような緊張感の中、最後に残った二人。そして世界が反転する――。謎、恐怖、驚愕。すべてが圧倒的な傑作長編ミステリィ
『すべてがFになる』、『Ⅹの悲劇』などの著者としても有名な森博嗣さんのミステリーです。極秘の研究シェルターに集められた6人が一人ずつ命を落とし、最後に残された2人の心理戦。何が事実で、何が虚構なのか。大どんでん返しも楽しめます。
『獄門島』横溝正史
獄門島――江戸三百年を通じて流刑の地とされてきたこの島へ金田一耕助が渡ったのは、復員船の中で死んだ戦友、鬼頭千万太に遺言を託されたためであった。『三人の妹たちが殺される……おれの代わりに獄門島へ行ってくれ……』瀬戸内海に浮かぶ小島で網元として君臨する鬼頭家を訪れた金田一は、美しいが、どこか尋常でない三姉妹に会った。だが、その後、遺言通り悪夢のような連続殺人事件が! トリックを象徴する芭蕉の俳句。後世の推理作家に多大な影響を与え、今なお燦然と輝く、ミステリーの金字塔! !
『八つ墓村』、『犬神家の一族』などの著者で、日本を代表するミステリ作家・横溝正史さんの作品です。クローズド・サークルと俳句を用いた見立て殺人が絡むミステリー。戦後の混乱期という背景の中、因習に彩られた孤島での連続殺人が展開されます。映画化、テレビドラマ化、舞台化なども数多くされている名作です。横溝さんは、アガサ・クリスティーさんが『そして誰もいなくなった』で歌に基づく連続殺人事件をやっているので、自分もやってみようと思い立ったと述べているそう。
『インシテミル』米澤穂信
車を買う金欲しさにアルバイト探しをしていた学生・結城がコンビニにあった求人情報誌で見つけたのは、時給11万2000円という破格の好条件の仕事。
それは、1週間「ある人文科学的実験の被験者」になるだけという、短期のアルバイトだった。インターネットや雑誌を見て、山間にある施設に集まったのは12人の男女。
彼らは、実験の内容を知り驚愕する。
それは、より多くの報酬を巡って参加者同士が殺し合う犯人当てゲームだった――。
地下の実験用施設「暗鬼館」に閉じ込められた12人。最初の殺人が起こり、疑心暗鬼に駆り立てられる参加者たち。互いに推理を戦わせ始める彼らを待ち受ける衝撃の運命とは!?
映画化も大ヒットした、60万部突破の大人気ミステリー。
第8回本格ミステリ大賞の最終候補作に残ったほか、本格ミステリ・ベスト10で4位、週刊文春ミステリーベスト10で7位に、このミステリーがすごい! で10位になった作品です。2010年には藤原竜也さん主演で映画化されています。デスゲーム系ミステリで没入感があり、一気読みしてしまいます。
まとめ
『そして誰もいなくなった』は、世界中のミステリー作家に影響を与えた金字塔的作品です。ミステリ―小説好きなら誰でも一度は読みたくなる作品ですよね。
『そして誰もいなくなった』を読んだことのある方はもちろん、未読の方も、オマージュ小説群を通じて、より深いミステリーの世界に触れてみてくださいね♪