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  • ジェリーフィッシュは凍らない (創元推理文庫)

ジェリーフィッシュは凍らない (創元推理文庫)

5つ星のうち4.1 (598)

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『そして誰もいなくなった』への挑戦でもあると同時に
『十角館の殺人』への挑戦でもあるという。
読んでみて、この手があったか、と唸った。
目が離せない才能だと思う。―綾辻行人
小型飛行船で起こる、連続殺人の驚愕の真相!
第26回鮎川哲也賞受賞作

特殊技術で開発され、航空機の歴史を変えた小型飛行船〈ジェリーフィッシュ〉。その発明者であるファイファー教授を中心とした技術開発メンバー6人は、新型ジェリーフィッシュの長距離航行性能の最終確認試験に臨んでいた。ところが航行試験中に、閉鎖状況の艇内でメンバーの一人が死体となって発見される。さらに、自動航行システムが暴走し、彼らは試験機ごと雪山に閉じ込められてしまう。脱出する術もない中、次々と犠牲者が……。21世紀の『そして誰もいなくなった』登場! 精緻に描かれた本格ミステリにして第26回鮎川哲也賞受賞作、待望の文庫化。
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出版社より

ジェリーフィッシュは凍らない

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 東京創元社
  • 発売日 ‏ : ‎ 2019/6/28
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 本の長さ ‏ : ‎ 382ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4488406211
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4488406219
  • 商品の重量 ‏ : ‎ 1 g
  • 寸法 ‏ : ‎ 10.7 x 1.5 x 15 cm
  • Amazon 売れ筋ランキング: 本 - 18,798位 (本の売れ筋ランキングを見る)
  • カスタマーレビュー:
    5つ星のうち4.1 (598)

著者について

市川 憂人
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カスタマーレビュー

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598グローバルレーティング

お客様のご意見

お客様はこの作品について、以下のように評価しています: 本格的で完成度が高いと高く評価されています。世界観が素晴らしく、世界観を活かしたトリックなども楽しめる秀作だと感じています。また、密室空間や過去でありながら近未来を思わせる美しい舞台も魅力的だと述べています。 一方で、一部のお客様は読後感については不満を感じており、全体的に疲れるだけの作品だったという意見もあります。 ストーリー展開に関しては、読者に飽きさせるような内容ではないようです。 一方で、犯人のトリックやメイントリックの巧妙さを高く評価しており、スリリングな展開に惹きつけられるとの声があります。 著者にとってデビュー作として好評ですが、ストーリー展開に関して意見が分かれているようです。
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15人のお客様が満足度に言及し、12人が肯定的、3人が否定的です
お客様はこの作品について、本格的で完成度のたかい新人賞作品だと評価しています。本格好きには堪能できる作品であり、本に没頭したい方におすすめだと感じています。また、緩急としては悪くなかったとの声もあります。ラストの犯人逃走は古き良き怪人風で良かったという意見もあります。
...一方で犯行の動機や人間関係はもっと練られるべきと感じた。 パラレルワールドならではの不思議な空気感があり満足出来る一冊だった。もっと読む
...を成立させるために無理をしている所は多々あるし、個人的に引っかかる箇所もありますが、それらを差し引いたとしても、作品をトータルで見るとやはり満足度の高い作品でした。読後には余韻が広がり、また再読したくなります。...もっと読む
...殺人事件の謎が主題だし、飛行船は舞台装置で脇役だけれどもね。 刑事の二人も対称的で面白かったし、ラストの犯人逃走は古き良き怪人風で良かった。もっと読む
しかし、期待していたほどではございませんでした。 その理由を探していますが、多分本の推薦言葉として、アガサクリスティの「そして誰も居なくなった」とか「島田荘司の占星術殺人事件」級とか書かれていたことが原因だと思います。 それほどではございません。もっと読む
12人のお客様が世界観に言及し、9人が肯定的、3人が否定的です
お客様はこの小説について、世界観を作り上げている作品だと評価しています。物凄く世界観を作りあげており、トリックや展開が楽しめる秀作だと感じています。また、SFチックなミステリーで、探偵役の刑事コンビのキャラも楽しかったと述べています。本格ミステリが好きな方にとってお勧めの作品であり、市川先生をハマるきっかけとなった作品だと感じているようです。
...更に合間に犯人の短い独白が挿入される構成である。 著者にとってデビュー作であるが読み易く展開や世界観を活かしたトリックなども楽しめる秀作と思う。一方で犯行の動機や人間関係はもっと練られるべきと感じた。 パラレルワールドならではの不思議な空気感があり満足出来る一冊だった。もっと読む
...本格ものにしては珍しく国際政治やら軍事やら学会やらが絡んだ壮大なスケールの話なのだが、犯人に都合が良い部分だけが細かく作られていて、それ以外はカラッポな舞台のセットのような世界に思えた。トリックの都合とはいえ、謎解きミステリとは食い合わせの悪い題材を選んだものだと思う。...もっと読む
...発明した空気より軽い新素材がどうして出来るのか理論武装していた。 こちらの真空気嚢はいまいち感が有ってモヤモヤ。 設定年代的にGPSは無いし、パソコンはIBM-PCでMS-DOSの世界かな? ピンポイントの自動航行ってどうやって実現しているのか引っ掛かった。...もっと読む
個人的な好みではど真ん中のストライクです 久しぶりに好きな本格ミステリを読む事ができました そして誰もいなくなったを読んで読書が好きになり、十角館の殺人に出会い衝撃を受けた人間にとっては帯の言葉の「21世紀のそして誰もいなくなった」からして歓喜ものでした...もっと読む
6人のお客様がトリックに言及し、5人が肯定的、1人が否定的です
お客様はこの小説のトリックについて高く評価しています。犯人が用いたトリックが秀逸で、不可能性と意外性の両翼をたくみに演出し、スリリングに読者の興味をあおってゆく見せ方の手際に秀逸だと感じています。また、メイントリックと犯人象を巧妙に隠す手法もうまいと感じているようです。
...ミステリとしても、とりわけ目新しい発想のトリックなどはないにも拘わらず、不可能性と意外性の両翼をたくみに演出し、スリリングに読者の興味をあおってゆく見せ方の手際に秀逸なものがあった。終章の謎解きで、少し動機が弱いかなと思ったが、それも欣快であざやかなラストに吹き飛ばされた。「また会おう、明智クン!」...もっと読む
...アンフェアに感じる部分はあるものの、メイントリックと犯人象を巧妙に隠す手法はうまいと感じました。化学・科学のことはチンプンカンプンなので、結構な比重の解説があるのはなかなか厄介でしたが、このプロットとトリックを成立させるためには不可欠な要素なのでこればっかりは仕方がありません。...もっと読む
...ジェリーフィッシュという架空の飛行船を舞台に繰り広げられるクローズドサークル系の本格ミステリー。 犯人が用いたトリックが秀逸です。 綾辻行人さんの「十角館の殺人」や米澤穂信さんの「インシテミル」などが好きな人は楽しめるのでは。もっと読む
...急に世界が一転して鳥肌が立つあの瞬間です。極端な話、そこが見事でさえあれば、ある程度の事には目をつむります。そういった意味で本書のトリックは合格点でした。...もっと読む
22人のお客様が面白さに言及し、15人が肯定的、7人が否定的です
お客様はこの小説の面白さについて意見が分かれています。一気読みで至福の時であり、読後感も余韻を残すほどだったと評価しています。スリリングに読者の興味をあおってゆく見せ方の手際が秀逸なものだと感じています。また、小型飛行船(ジェリーフィッシュ)の存在や我々の住むこの世界ではないパラレルワールドの設定にも感銘を受けたようです。一方で、一部のお客様は途中でやめようかと思うくらい退屈な作品だと指摘しています。全体的に疲れる内容で、ライトノベルを読んでいるような気持ちになるという声もあります。
王道ミステリーなのかな、とても面白かったです。 設定が非常にしっかりとしていて架空の世界の違和感を感じませんでした。 捜査官二人のキャラは私は嫌いです。設定と組み立てが面白いのに変なキャラを付けなくても良かったのでは。...もっと読む
プロットは十角館の殺人の同様ですね。ネタバレになるので深くは語れませんが楽しく読み進めました。読後感も余韻が残り、記憶に残る作品となりました。もっと読む
途中までは正直そこまで面白いとは思えませんでした。捜査している刑事の女性と男性の掛け合いが少しオタクっぽくて好みではないし、化学的な用語の羅列は難しいし、会話文の改行の多さも結構気になって、なかなか読み進めることができませんでした。しかも犯人も予想通りの人でしたし…。...もっと読む
...否定的なことも書いたが、多数の謎が提出され、その解答が少しずつ明らかにされていくプロセスはスリリングで、飽きずに読めた。逆に言えば、そういう部分に興味を持てない人には悪い部分ばかりが目立つ作品かもしれない。謎とその解決に焦点を当てたアイデア重視の本格ものが読みたい人に読んで欲しい作品。もっと読む
10人のお客様がストーリー展開に言及し、6人が肯定的、4人が否定的です
お客様はこのミステリ作品について、ストーリー展開に意見が分かれています。どよめくトリックや謎を解き明かせない叙述トリックと、美しさと哀しみに包まれた大型トリックを高く評価しています。また、展開に起伏をもたせたり、展開に起伏をもたせたりする手法も上手いという声もあります。一方で、結末が少し物足りないと感じるお客様もいます。トッピングを変えただけの物語だと指摘する声もありますが、世界観を作り上げるという点では高く評価されています。
...探偵役の刑事コンビのキャラも楽しかった 本格ミステリが好きな人は読んで損はしませんよ 早くも次作が待ち遠しいですねもっと読む
...が物語に大きな意味をもたらすのだが、これはあくまでミステリなので、その似非科学もあくまで舞台設定に用いられるだけの小道具でしかなく、物語に重要な意味はほとんどない。それでいて本作の三分の一ぐらい、その似非科学にまつわる説明がなされるので正直だるい。...もっと読む
...役コンビのふたりがやや戯画的にすぎる気がしますが、それでも私はトリックだけでなく、このストーリー自体に強く惹かれます。 そしてラストシーン、本格ミステリですのでネタバレになりますから詳しくは書けませんが、このストーリーを象徴する映像のような幕切れで哀しみに溢れています。...もっと読む
...幾重にも重なったクローズド・サークルが織り成す緻密な作品なので、再読しないと真価はわかりません。特に、そっけない上にとっつきにくい第一章ですが、記述の「巧みさ」は脱帽ものです。...もっと読む
6人のお客様がキャラクターに言及し、2人が肯定的、4人が否定的です
お客様はこの作品のキャラクターについて意見が分かれています。探偵役の刑事コンビのキャラも楽しく、対称的で面白かったと評価しています。また、捜査官二人のキャラは嫌いだという声もあります。女性キャラクターのみ執拗な容姿解説がなされていることや、会話文の改行が多いことも指摘されています。一方で、人物にはあまり特徴がなく心理描写が少ないという指摘もあります。特に殺されていく乗員たちの印象に残らない点や、会話文の改行が多く、会話文の改行の多さも気になるようです。
...人物にはあまり特徴がなく心理描写も少なめ。とくに殺されていく乗員たちは印象に残らない。誰が犯人で誰が次の被害者なのかという緊張感が味わえるのは最終盤になってからで、「そして誰もいなくなった」のような作風を期待していると肩透かしかもしれない。 文章については嫌う人も多いだろう。...もっと読む
...読んでいる間は至福の時でした 色々な欠点もありますが、真相には「ああ、こうきたか」と感嘆しました 再読必至ですね 探偵役の刑事コンビのキャラも楽しかった 本格ミステリが好きな人は読んで損はしませんよ 早くも次作が待ち遠しいですねもっと読む
...設定が非常にしっかりとしていて架空の世界の違和感を感じませんでした。 捜査官二人のキャラは私は嫌いです。設定と組み立てが面白いのに変なキャラを付けなくても良かったのでは。 最初の無線交信が既にヒントだったんですね。 ラストの舞い上がっていった後はどうしたのでしょう。...もっと読む
途中までは正直そこまで面白いとは思えませんでした。捜査している刑事の女性と男性の掛け合いが少しオタクっぽくて好みではないし、化学的な用語の羅列は難しいし、会話文の改行の多さも結構気になって、なかなか読み進めることができませんでした。しかも犯人も予想通りの人でしたし…。...もっと読む
5人のお客様が解説に言及し、2人が肯定的、3人が否定的です
お客様は、この作品の記述の巧みさを高く評価しています。記述の「巧みさ」と「緻密さ」を称賛し、しっかりとディテールまで配慮されている点を高く評価しています。また、化学的な用語が多く出てくることや、会話文の改行の多さも気になるという意見もあります。一方で、いくつかの指摘があり、特に第一章の描写がやや難解で読み進めるのに苦労したという声があります。
途中までは正直そこまで面白いとは思えませんでした。捜査している刑事の女性と男性の掛け合いが少しオタクっぽくて好みではないし、化学的な用語の羅列は難しいし、会話文の改行の多さも結構気になって、なかなか読み進めることができませんでした。しかも犯人も予想通りの人でしたし…。...もっと読む
...幾重にも重なったクローズド・サークルが織り成す緻密な作品なので、再読しないと真価はわかりません。特に、そっけない上にとっつきにくい第一章ですが、記述の「巧みさ」は脱帽ものです。...もっと読む
...化学・科学のことはチンプンカンプンなので、結構な比重の解説があるのはなかなか厄介でしたが、このプロットとトリックを成立させるためには不可欠な要素なのでこればっかりは仕方がありません。...もっと読む
...SF的な世界と、カタカナの外国人ネームばかりという設定に、最初やや読みにくさを感じたが、徐々に作品世界に感情移入ができてくると、しっかりとディテールまで配慮し、架空の世界を説得力をもって描出している新人らしからぬ力量に、むしろ感嘆。...もっと読む

日本からのトップレビュー

  • 星5つ中5つ
    他の作品を読み、最初の作品を読みたいと思った。
    2026年1月24日に日本でレビュー済み
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    圧倒的に面白かった。とりあえず、この全シリーズを買うことにしました。おそらく、ハズレることはなさそう。

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  • 星5つ中4つ
    美しさと哀しみに包まれた大型トリック(ネタバレなし)
    2024年1月19日に日本でレビュー済み
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    私が本格ミステリで最も注目しているのはトリックであり驚きです。急に世界が一転して鳥肌が立つあの瞬間です。極端な話、そこが見事でさえあれば、ある程度の事には目をつむります。そういった意味で本書のトリックは合格点でした。

    トリックを成立させるために無理をしている所は多々あるし、個人的に引っかかる箇所もありますが、それらを差し引いたとしても、作品をトータルで見るとやはり満足度の高い作品でした。読後には余韻が広がり、また再読したくなります。

    小型飛行船(ジェリーフィッシュ)の存在や、我々の住むこの世界ではないパラレルな舞台によって、どことなく幻想的な雰囲気が漂うのも本作の魅力でしょう。それぞれの視点によってかなりノリが違うのも緩急としては悪くなかったです。

    尚、物語の設定上どうしても専門用語が多く出てくるのですが、はっきり言ってその辺は流し読みで問題ありません。私自身も「ふーんなるほどね?」くらいの感じで読み進めていましたが、それでマイナスが生じた箇所はないと思います。

    「そして誰もいなくなった」というよりも……と、ミステリ好きな方なら誰しもがとある作品を思い浮かべるのではないでしょうか(そして本書の解説を読むとその辺りも腑に落ちます)。本格ミステリが好きな方にお薦めしたい一冊です。

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  • 星5つ中3つ
    怪人20面相のような結末はいただけない
    2025年9月24日に日本でレビュー済み
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    クローズドサークルで次々と殺人が起こり、結果登場人物全員が謎の死を遂げるというシチュエーションの作品は、やはりどうしても『そして誰もいなくなった』や『十角館の殺人』の衝撃度を超えることはできないと思いますが、それでも手を変え品を変え挑もうとする著者の気概が窺えます。アンフェアに感じる部分はあるものの、メイントリックと犯人象を巧妙に隠す手法はうまいと感じました。化学・科学のことはチンプンカンプンなので、結構な比重の解説があるのはなかなか厄介でしたが、このプロットとトリックを成立させるためには不可欠な要素なのでこればっかりは仕方がありません。あと、「U国」「C国」とか「A州」とか「J国人」という伏字表現が、昔から使われてきたものではありますが、やたら多いだけに結構面倒くさいです。唐突なラストはあれでいいのか?と思いました。

    4人のユーザーが役に立ったと感じています
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  • 星5つ中5つ
    『十角館の殺人』を越えた傑作
    2025年8月17日に日本でレビュー済み
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    意外なことに言及している方が少ないのですが、亡き〖レベッカ〗という名の女性を軸に動く物語であること、主要人物なのに最後まで本当の名前がわからないキャラがいること、邸宅が大炎上すること、「大団円」とまでは言い切れない微妙な結末など、D・デュ・モーリアの代表作『レベッカ』を彷彿させるオマージュ作品です。

    アガサ・クリスティ『そして誰もいなくなった』とか綾辻行人『十角館の殺人』へのオマージュであることは文庫本の「帯」や千街晶之の解説などに書かれていますが、個人的にはF・W・クロフツ『樽』の影響が大きい気がしています。わけがわからない複雑怪奇な現象が複数を想定して捉え直した途端にごく単純な動きで説明できてしまうあたり、欠陥が残されたままの『樽』以上かもしれません。幾重にも重なったクローズド・サークルが織り成す緻密な作品なので、再読しないと真価はわかりません。特に、そっけない上にとっつきにくい第一章ですが、記述の「巧みさ」は脱帽ものです。

    ただ、気になったのは「A州」とか「H山系」といった表記で、フェニックスとかフラッグスタッフとか何度も実在する都市名を出しているのですから、「アリゾナ州」「ハンフリーズ・ピーク」でなぜいけないのでしょう? 匿名が必要とされる差しさわりがある件とも思えませんし「詩的効果」と言うほどの効果もない気がします。「アリゾナ州」から厳しい雪山を連想できる日本人は少ないかもしれませんが、フラッグスタッフ市の標高とかスキー場関連の記述を数行加えれば何の問題もない話ではないかと。

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  • 星5つ中4つ
    クローズド・サークルの傑作
    2025年2月25日に日本でレビュー済み
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    プロットは十角館の殺人の同様ですね。ネタバレになるので深くは語れませんが楽しく読み進めました。読後感も余韻が残り、記憶に残る作品となりました。

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  • 星5つ中5つ
    ノスタルジーな美しい光景が浮かびました。本格好きには堪能できます。
    2021年2月12日に日本でレビュー済み
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    前半は途中でやめようかと思うくらい退屈でしたが、後半、見事本格らしくなり、堪能させていただきました。

    口数の多い探偵、突っ込み役のワトソン、死体のトリック、軸となるトリック、もうおいしくおいしくいただきました。ごちそうさまです。

    図面もあったし、最&高。

    探偵役が巨乳美女のツンデレとか、動機が薄いとか、本格ならトリックさえよければどうでもいい派なのでOKです。

    中心のジェリーフィッシュのトリックは、「なにこれ、ありなの? 都合よすぎない?」と思いましたが、理由付けが良い。ありよりのありです、と一発で納得。

    やっぱり本格は良き良き。鮎川賞は裏切りませんな。

    ジェリーフィッシュが空を行く美しい光景が所々にちりばめられているのも良きかな。

    飛行船やら気球などが浮かんでいる世界に行ってみたくなりました。

    ジェリーフィッシュっていう名前も良い。凍らない、っていうのはヒロインなのか、ヒロインへの主人公の思いなのか。などと読後もロマンチックにいろいろと考えていましたが、なるほど!

    タイトルの妙が過ぎます。いやあ、深い深い。

    ラスト、墓所にジェリーフィッシュが浮かんで消え去っていく場面、主人公のヒロインへの思い、など、美しい情景が浮かんできました。

    凄く好きな作品です。

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  • 星5つ中5つ
    雪山に墜落炎上した飛行船という単純で不可解な密室殺人
    2020年5月5日に日本でレビュー済み
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     これは面白かったです。

     それほど推理小説は読み漁ってないけど、自分の知る限りではたしかに「そして、誰もいなくなった」(以下「誰も」と略)を意識してるんだなと思えました。「誰も」に比べると、推理パートが充実しているのが大きな違いですが、後書きによると、当初は推理パートがなくてより「誰も」に近い構成だったようです。

     まずは本筋にもネタバレにも関係ない部分から。

    ・時代は80年代。自動操縦装置のRAMが「大容量256キロバイト」(!)だとか、修正ソフトのインストールに「フロッピーディスク」が使われているのも時代に合わせたためでしょう。8801が81年だから、当時としては256KBは間違いなく大容量だ。5インチフロッピーもビジネス用途限定の高級品。

    ・携帯電話やインターネットはない。アマチュア無線はあるだろうけど、普及率は低い。今のように「ネット経由でPCにハッキング」や「携帯電話で911に電話する」のような手段は議論の対象にさえなりません。ジェリーフィッシュの自動操縦装置も、今のドローンより遙かに原始的なものだし、もちろんGPSなどはない。

    ・架空のU国とかA州とか出てくるけれど、ほぼUSAのArizona州フラグスタッフ周辺を想像すれば良いでしょう。人口密度が低い砂漠地帯。J(apan),C(anada)、R(ussia)の各国家も同様。

    ・主人公の女性警部は、有能だけど素行に問題があって僻地に飛ばされた感じ?パトレイバーでいう後藤隊長みたいな人だな。田舎警察にしてはかなりの切れ者。

    ・ジェリーフィッシュとは真空気嚢を使った、画期的に小型化された新型硬式飛行船。しかしこの真空気嚢に関しては …… 仮に中を真空にしても飛躍的に小型化するのは理論上不可能です。ここはスチームパンク的なガジェットとしてスルーしましょう。

     事件は新型ジェリーフィッシュがその実験中に開発者ともども山中に墜落炎上。現場にかけつけると、そこには6人全員の他殺死体が。雪の密室で殺したのは誰だ。一体なんのために、そしてどうやって。

     トリックとしては、「巧妙な不可能犯罪」というよりは「単純で不可解」。

     毒薬の入手、侵入方法、ジェリーフィッシュへの破壊工作、「密室」の構築など、一つ一つには十分に穴がある。ある意味ではその犯罪は誰にでも可能だった。だけど誰にもできない。一つ一つのピースは手に入るけれど、パズル全体として全てのピースをを一つに填めようとしても嵌まらない。

     例えば関係者全員が殺されるのは「誰も」と同じだけど、「島から出た者は一人もいないことが目的証言から明らか」だった「誰も」とは違い,ジェリーフィッシュに目撃証言はありません。極論すれば、十分な装備と経験と時間があれば、墜落現場からの脱出は徒歩ででも可能なのです。しかしそれは同時に非現実的でもある。ベテランの登山家でさえこの悪天候下では困難だし、そもそも周到に用意した犯人が、そんな不確実な手段に訴えるだろうか?まさか雪山に謎の七人目が隠れて待ち伏せしていたのか?(この気温でいつ来るかも分からない相手を?)ジェリーフィッシュの中に隠し部屋があって、そこにずっと隠れていた?(開発者にも秘密で水と食料も込みで?重量計もパスして?)空中で飛び移る?どれにしても不可能ではないにせよ、あまりに筋が通らない。真相はいったい?

     そもそも犯人はなぜ全員を明らかに他殺と分かる状況で殺す必用があったのか。目撃者のいない雪山なのだから、中の一人を機外に放置して凍死させたり、撲殺したうえで斜面を滑落させれば、ちょっとくらい不自然でも「仲間割れの末、犯人自信も事故死or自殺」でケリがつく話なのだ。なぜ犯人はわざわざ事故ではなく事件にしたがったのか?

     それだけに最期にパズルが嵌まる爽快感は良かった。一度読み終わってからもう一度読み返して、最初からはられていた多くの伏線がようやく理解できました。(まだ気づいてないのがあるかも。)

     にしても、あの質問に対してあの答は寂しいねえ。

     自動操縦装置回りの設定は少し不自然だった。

     8bitパソコンレベルのIT技術でも、飛行船用なら原始的な自動操縦装置は可能だろう。しかしおかしいのは、自動操縦装置が故障した際に「解除できなかった」という部分。このような装置を設計する時は、物理的に壊しても解除できないような設計にはしないだろう。ましてやこれは初飛行したばかりの試作品。しかも民間機用の後付けタイプなのだから、適当な工具があれば開発技術者である彼等に外せないわけがない。(あくまで試験飛行なのだから、必用なメンテナンス装備一式くらいは持参してるはず。)

     たとえソフトが書き換えられていても、なんらかの異常が認められた時点で持ってきた工具で装置を取り外し、手動操縦で雪山を脱出すれば良かったのだ。(むしろ技術者が同行する最大の理由がコレだろう。)自動操縦装置を壊してもいいなら、開発者に解除できないはずがない。

     これについては月並みだけど、「爆弾が仕掛けられていて、蓋をあけるとドカンだ」「設計図にはなかった分厚い鉄板で覆われていて、手持ちの道具では手が出せない」などの一言が欲しかった。

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  • 星5つ中4つ
    トリックが秀逸
    2023年3月5日に日本でレビュー済み
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    近未来的な世界観があるややSFチックなミステリー。

    ジェリーフィッシュという架空の飛行船を舞台に繰り広げられるクローズドサークル系の本格ミステリー。

    犯人が用いたトリックが秀逸です。

    綾辻行人さんの「十角館の殺人」や米澤穂信さんの「インシテミル」などが好きな人は楽しめるのでは。

    3人のユーザーが役に立ったと感じています
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    ありがとうございます。数日中に調査いたします。

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