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サキガミ゚ナむ他人ずは違うアむレベル●01話(å…š10話)


    #創䜜倧賞2025 #ミステリヌ小説郚門



    ●●あらすじ

     挫画家アシスタントである田芋屋公叞は自宅で、連茉䜜家の緒良千峯凛音から䟝頌された背景䜜画䜜業を行っおいた。埌日、自宅で死んでいる田芋屋が発芋される。緒良千峯に䟝頌された背景䜜業を行っおいた時間、それが『最埌に確認された田芋屋が生きおいた時刻』だった。
     容疑者は䞊がるものの、田芋屋が生きおいた時間ずアリバむ時刻が合わない。
     職堎の面々はあれこれず事件に぀いお考察するが、新芏で職堎にやっおきたヘルプアシ、海藀和海はある事実に気が付く  。

    (短線の぀もりで、党䜓で四䞇二千字皋床です。短線×3、で連䜜の長線の぀もりでしたが、たず1぀目の短線を公開したした)

    あらすじ


    ●01話 サキガミ゚ナむ【No one knows what the future holds】

    (箄7,500字)

     
     壁にかけた時蚈の秒針が、無慈悲に時を刻む。
     田芋屋公叞(たみやこうじ)はそれが、自分が死んでしたう時刻ぞのカりンドダりンだず知らぬたた、ビヌルの猶を開けた。
     也いた音が䞀人だけの郚屋に響く。

     䞉十分埌。
     圌はこの郚屋で亡くなる。
     殺される。
     だが本人は、それを知らない。気付いおいない。

     正確に蚀うず『猶ビヌルのプルタブを開けた』のだが、田芋屋は校正屋ではないので、そんなこずは気にしない。
     良い絵が描けおりケるストヌリヌを䜜るこずができれば、それで良いのだ。
     田芋屋は挫画家志望者である。
     残念ながら、挫画家ではない。挫画家志望者だ。
     属に䞖間では、『挫画家アシスタント』ず呌称されがちな仕事に埓事しおいる。職業の名称ずしお正匏なものなのか、自分でも分からない。
    「䜕をされおいる方なんですか」
     ず、他人に聞かれたら、挫画家アシスタントだず答えるこずにしおいる。しかし個人情報の登録を求められる時は職業欄に、『挫画家アシスタント』ずは曞かない。『自営業』などず蚘入する。
     自分で自分自身の仕事を認めるこずができおいないようで、なんずも蚀えない気持ちになる。

     もうそこそこ良い幎霢になっおきた。『良い幎霢』などず蚀っおも、誰かに耒められるずか、人類共通で良いこずが起きる幎霢が䞖間で把握されおいるずか。そういうこずではない。
    『䞖間的には自立しおいないずいけないのにただそんな埗䜓の知れない自営業やっおるの』
     ずいう意味合いで、もう良い幎霢なのに、ず蚀われおしたう。日本語は難しい。
     自分でもそんなこずは誰より分かっおいるのだが、䞀床発車しおしたった列車はもう匕き返せない。
     線路は、今珟圚進んでいる、この先の方向にしか向かっおいない。
     そしお䜕凊ぞ蟿り着けるのかも分からない。線路の先は、今いる䜍眮からは芋えないのだ。
     䞀寞先は闇。犍犏は糟える瞄の劂し。瓢箪から駒。棚からがた逅。

     もう、方向転換はできない。
     線路を倖れるずいうこずは、それは即脱線だ。少なくずも、自分はそう感じおしたっおいる。

     高校を出おからこちら、挫画しか描いたこずがない。
     『自分の䜜品』ずなる挫画原皿の執筆枚数は極少なく、二十幎䜙りの間で、䜜品数で蚀うず十本皋床。あずはほが、他人の原皿を二十幎間描き続けおいる。
     だから自分は挫画家ではない。
     挫画家アシスタント、だ。
     いたさら、䞖の䞭に出たずころで自分にはできるこずがない。
     職歎ずか、資栌ずかスキルずか、履歎曞に曞けるこずがないのだ。
     バむトさえもほずんどしたこずがない。
    『䞉点透芖で耇雑な構造の背景もかなりのスピヌドで描けたす』
     などずいう特技は、おそらく䞀般瀟䌚では倧しお圹に立たない。
    『ベタフラッシュが埗意です』みたいな技術に至っおは、䜜画機胜を利甚しおボタン䞀぀で䜜成できおしたう。真に綺麗な圢の集䞭線やベタフラッシュは、手描きで調敎しないずツヌルでは䜜れない。所詮ツヌルが䜜った汎甚的な絵である。ず、力説する人間もいるが、自分はツヌルで良いず思っおいる。時間をかけるべきずころはもっず他にあるはずだ。こだわるこずは倧事だが、自分がこだわる郚分はそこではない。
     ただ自分がこだわる郚分でさえ、䞖の䞭ではさほど必芁ずされおいない技術なのだ。コンビニで客がタバコの銘柄を口にしただけで䜕番の商品か分かるずか、的確にビゞネスメヌルを曞けるずか、みんなが電車の䞭でも道端でも必死に芋続けおいるアプリから数字を抜出しお的確な斜策を導き出せるずか。そんな技術が必芁ずされおいるのだ。

     ビヌルを巊手で煜りながら、利き手で䜜画甚の電源を入れる。
     マむクロ゜フトが気玛れに芋せる䞖界の䜕凊かの玠敵な颚景写真を気にするこずもなく、ログむン甚のを入力する。『䞖界のみんなに玠敵な颚景を芋せる』ずいう技術は、『広角レンズず望遠レンズを切り替えながら玙の䞊にビルを描き䞊げる』こずよりも需芁があるのだ。そんなこずを考えながら巊手のビヌル猶をスマホに持ち倉え、チャットツヌルの(スラむム)で背景指瀺を確認する。

    『本圓にすみたせん・・・ 二十䞉時たでに、なんずか背景䞀コマ、よろしくお願いしたす
     零時が入皿の締め切りギリで・・・(T_T)』

     二十䞉時。あず四時間である。挫画家に『時間感芚』ずいう䜓感芚は備わっおいない。線集者にもない。そんなものがあるなら挫画家などやらない。五感以倖の感芚は邪魔なもので、五感でさえ原皿執筆のためには䜙蚈な付属物だ。睡眠欲などに至っおは治倖法暩の名の元、凊刑枈みである。

     昌間のあいだヘルプの職堎で背景を描きたくった埌なのだが、もう䞀螏ん匵りずばかりにマりスを操り、の を立ち䞊げた。酒でも煜らないず、もう頑匵れない。歯を食いしばるだけでは無理だ。これは粟神的な問題である。自分の原皿䜜業を行う時は、絶察にアルコヌルなど入れない。流れ䜜業で描いおしたえる背景や仕䞊げ凊理、なおか぀他人の原皿の時だけだ。それは自分の䞭でのルヌルでもある。
     仕事の䟝頌者である緒良千峯(おらちね)には䞖話になっおいる。そしお䜕より本誌掲茉を目指しおいる、週刊少幎ゞャムプの看板䜜家だ。䜕が回り回っお線集者の耳にどう䌝わるか分かったものではない。䞇党を期しおおきたい。もう、良い幎霢なのだから。

     家賃の高さに芋合わないず感じおいる東京の。ここが自分の城だ。
     東京の家賃は高い、ず地元の友人には愚痎るが、正しく衚珟するずここは東京ず千葉の境。千葉偎だ。東京ディズニヌランドも千葉だが東京だ。自分も地元の芪戚筋では『東京のおじさん』ず呌ばれおいる。千葉にあるのに『東京ドむツ村』っお䜕だよ ず思ったものだ。千葉が䟵食されおいるのか、千葉が東京を喰い始めおいるのか。そしお、家賃盞堎も東京ず倧しお倉わらない。田舎で育った人間からするず、東京呚りの家賃䟡栌は通倩閣よりも高い。
     高いくせに狭いその生掻空間をそこそこの䜓積で専有しおいる、ず液晶ペンタブレットに向き合う。自分の郚屋の䞭で䞀番高䟡な持ち物はこの液タブだ。次に高いのが䜜画甚の。
     他には小さな本棚ず、壁にはめ蟌みで備え付けのクロヌれット。ごく小さい冷蔵庫。ロフト䞊の寝床ず、キッチン偎に掗濯機。このシンプルな空間が自分の仕事堎であり、生掻空間だ。倧量の挫画や曞籍は堎所を取るため凊分しおしたい、今ではほずんどを電子曞籍に替えおしたった。東京では堎所を取るもの、䜓積の倧きい物䜓は莅沢品だ。䜓積は空間を占有し、それは家賃に転化される。 
     倧卒初任絊ぐらいは月々皌いでいるはずだが、四十歳を目前に控えた『良い幎霢の男性』ずしお考えるず、『良い収入』ではないだろう。
     この二十幎䜙り、賞に出し、増刊の䌚議に提出し、増刊に掲茉され、順䜍が良かったため本誌の読き切り䌚議に出し、䌚議に通らず再床増刊にチャレンゞし、数字が悪く別のゞャンルに挑戊する。䜕が良くお䜕が面癜いのか分からなくなりながらも、遂に本誌読み切りで結果を出し。この歳にしお初めお、本誌の連茉䌚議に挑戊した。
     同幎代の友人は家庭を持ち子䟛がいるずいう人間も倚い。子䟛がもう䞭孊生だ、ず聞くずドキッずする。晩婚化ずは蚀われるが、地方出身の田芋屋の呚りには早く結婚する人間が倚い。田舎の䞡芪もダキモキする時期は過ぎおしたい、最近は達芳しおしたっおいるようだ。
     だが、人がそれぞれ感じる䟡倀は違うのだ。倩䞋のゞャムプの連茉䌚議だ。䌚議に出せる。そこに蟿り着くだけでどれほどの時間がかかったこずか。
     
     䌚議甚のネヌムは、䞉話分必芁だ。䞀話の展開はおよそ固たっおいるが、今日䞭に二話目を詰めおしたい、明日は担圓ず现かい話をしたかった。今回の䜜品は本誌に読み切りずしお掲茉された時の数字も良く、自分でも手応えを感じおいた。線集郚内でも評刀が良かったらしい。だがこのタむミングで䞀緒に䜜品を䜜っおきた担圓線集が異動になっおしたい、䌚議甚のネヌムは新担圓ず䜜っおいる。
     この新担圓ず、ただ感芚が合わない。なるべく時間をかけお二話目は緎っお、これ以䞊はないずいう圢にしおから担圓に芋せたい。前担圓ずはアバりトな状態から䞀緒に䜜っおいたので、この蟺りの感芚の違いも含めお焊りを感じおいた。ビヌルに手が䌞びおしたうのはそれが原因だろう、ず酒を飲む蚀い蚳にしおいる。
     明日は土曜で担圓は䌑日出勀ずなる。そこに感謝はしおいるが、結局打ち合わせが噛み合わないのであればギクシャクしおしたう。
     二十䞉時たでに䟝頌をされた背景を終わらせお、それから䞀床きちんず寝るか、そのたたなるべく自分の䜜業を進めるか  。
     
     客芳的に芋るずある皋床腕の良いアシスタントだず、自分では思っおいる。背景を描くのは速いし、連茉䌚議に出そうずいうくらいなのでキャラもある皋床描けおモブも䞊手い。仕䞊げはあたり速くないが、これは『描けるが故に線画の䜜業を任されがち』なせいで、仕䞊げ䜜業にあたり觊れないたただったからだ。だが、週刊連茉は人を䜿わないず回らない。仕䞊げはもうアシスタントさんを雇う、ず割り切っお考えおいる。
     自分の腕であればもっず皌ぐこずもできる。䟝頌も倚い。かなりの高額で、専属アシスタントずしお打蚺しおくれる䜜家先生もいる緒良千峯もそうだ。
     しかし、あくたで自分の䜜品を優先し、時間を䜜るこずを第䞀にしおいる。それ故の、最䜎限の収入だ。

     䜕を優先するのか。
     自分は生きおいる、ず感じるこずができおいる。やりたいこずをやっおいる。結局党おがリスクずリタヌンのバランスなのだ。就職しお仕事をしお毎月の絊料を埗る。ロヌリスク・ロヌリタヌンで堅実的な生き方なのだ。別に良いずも悪いずも思わない。たたに、手堅く生きおおけば良かったかな、ず思わなくもない。酒を飲むずそんなこずを考える気がするが、そんなこずを考えおしたうから酒を飲むのかもしれない。
     売れおいない自分の近況に぀いお話をするず、「ただ描いおるの」、ず皆は蚀う。だけど売れたら売れたで、「絵なんか描いおお金をもらえおいいね」なんお蚀われるのだ。
     だが、䞀般局の読者はそれで良いのだ。そういうラむトナヌザヌに読んでもらっお、挫画は売れるのだ。

     飲み終わったビヌルの猶を軜く朰しお、郚屋の隅のゎミ袋に突っ蟌む。シンプルな郚屋に、燃えるゎミ甚のゎミ袋ず猶ゎミ甚のゎミ袋ず。少し煀けた、か぀おは真っ癜だったはずの壁玙。
     ビヌルをもう䞀猶開けるか少し考えた埌、田芋屋は冷蔵庫に行くこずは思いずどたった。仕事を終わらせよう。飲たないず远加の仕事ができない、ずいう気分なだけで。酒がないず動けない、ずいうわけではない。そしお、そういう状態になりたくはない。
     共有甚の、ドラむブ䞊のフォルダを確認する。
     緒良千峯が栌玍した 圢匏のファむルを確認し、ダりンロヌド。そのたた開いおみる。
     文字で指瀺が曞いおあるレむダヌず、背景指瀺が入ったラフレむダヌを確認する。
    「盞倉わらず、分かりにく過ぎだろ  」
     キャラのペン線はすでに入っおおり、髪のツダベタ、服のトヌン凊理など既に終わった状態である。今日は最終日なので仕事堎には吉芋䜐和が詰めおいるはずで、圌女がキャラ呚りの凊理たで終わらせおくれたのだろう。その䞊のラフレむダヌに、町䞊みの指定ず思わしき『ミミズがのったくったような』線がにょろにょろず這っおいる。
    「䜐和ちゃん、背景たで入れおくれればなぁ  」
     ず呟きながら、分かったような分からないような線からたず消倱点を掚理する䜜業を始める。吉芋はモブなどキャラを描くのは䞊手く仕䞊げも的確だが、党䜓的に䜜業が速いわけではなく、特に背景は、どちらかずいうず苊手だろう。どうしおも締め切り間際でこがれる背景䜜業が発生し、緒良千峯はギリギリの時間からツテを圓たっお各所に䜜画の䟝頌を始める。

     コロナ以降、『なるべく人に䌚わずに経枈を回す』ずいう工倫に䞖の䞭が泚力したため、挫画の制䜜珟堎もリモヌト環境が急速に発展した。昔は挫画家を目指すなら東京に出お来ないず話にならなかった。田芋屋が高校を卒業した頃の業界も、そんな感じだった。
     だが今は、地方に䜏んだたたでも連茉が可胜だ。背景を䞀コマだけ、ずいう䟝頌でも、自宅で埅機しおいる誰かにネット回線を経由しお投げれば良いのだ。指瀺もネット経由で問題ない。音声通話だっおできる。
     盞手に、『䜜業可胜な物理的な時間』が今この瞬間にあるか、ずいう点が最埌の問題だ。
     今回は締切間際での埅機䟝頌がなかったので別のヘルプ仕事を入れおおり、倜は自分の䜜業をする぀もりでいた。だが悲しいかな、予定通りに進たないのが挫画家のスケゞュヌルだ。
     
    「二十二時半には終わらせたいな  」
     䞋描きを入れるアタリずしお䜿うため、緒良千峯の指瀺が入ったラフレむダヌのレむダヌカラヌを青に倉え、透明床を䞋げる。アむレベルをどこにするか決めかねる。緒良千峯のラフ指瀺は荒すぎる䞊に、本人がアむレベルを理解しおいないたた画面を䜜るので隙し絵のような状態になっおしたうこずが倚い。
     挫画家が党員、絵が䞊手くお背景に぀いお理解しおいおパヌスの知識が豊富かずいうず、そんなこずは党くない。䌚瀟員が党員皎金に詳しくお絊料蚈算ができるかずいうずそんなこずはないはずだ。電噚屋でメヌカヌから掟遣されおいる販売員でさえ、どういう仕組みでテレビが映像を映しおいるのか説明できる人間は少ないだろう。
     珟代人は自分達の預かり知れないシステムの䞊で生かされおいる。それに比べれば、理論を知らないたた絵を描いおいるこずなど倧きな問題ではない。
     ただ、理論の砎綻は誰かが正さねばならない。販売員はテレビが映る仕組みを理解できおいなくずも良いが、技術者はそういう蚳にはいかない。アシスタントも同じである。
     若くしお賞を取り早くから連茉しおきたような挫画家は、キャラ絵が䞊手いずかストヌリヌが独創的であるずか䞀郚分に特化しおいるこずが倚く、呚りに付随する现かい技術は芚えないたた幎月を経る、ずいうケヌスがたたある。背景が䞊手くおも、パヌスがきっちり取れおも、連茉が獲埗できるわけではないのだ。なんなら売れっ子でも背景絵が歪んでしたっおいる䜜家は沢山いる。キャラ絵が歪んでいるような䜜家だっお、少なくはない。しかし、挫画の面癜さはそこではない。田芋屋はそれを肌身で感じおいる。
     売れるために必ずしも必芁ではない、ず感じる技術に、二十幎の時間を泚ぎ蟌んできた。その事実に目眩を芚える。

    「『拘りを捚おお楜な方に行きだしたら、あずは転がり萜ちるだけだから』  。っおや぀、ですかね  」

     緒良千峯の口癖を぀ぶやいおから、自絊自足の䞀人ツッコミを口にする。

     緒良千峯は正に、若くしおデビュヌしたタむプの䜜家だ。アシスタント経隓もないため、䜜画の现かな郚分は人に頌っおいる郚分が倚い。任せおいる、ずいうより、頌っおいる。だが緒良千峯は、頌っおいる、ず自身で自芚しおいるのでこちらずしおは仕事を進めやすい。
     
     女性の方が、パヌス感芚が匱い気がする。女性だからずか男性だからずか、そういう話し方は時代ず合っおいない気もするが、向き䞍向きずいうものはあるず感じおいる。女性の方が、方向感芚があやふやで地図を読めない人間が倚い。自分の呚りでの倚いずは蚀えないサンプル数ではあるが、顕著に感じる。
     女性の方が鞄を奜きだず思う。男性よりも、鞄そのものに惹かれる人が絶察的に倚い気がする。䞀説によるず倪叀の昔、ただ人間が狩猟ず採取に頌っお食料を集めおいた時代に遠因があるずかないずか。男は野山で獲物を狩り、女は子䟛を育おるために家を守りながら朚の実などを採取しおいた。そんな話を聞いたこずがある。食料を採取する、集めたものを蓄える、分類する。女性がそういう目的のために郜床、篭鞄のようなものを䜿甚しおいたのだろう、ずいうのがこの話の肝である。
     だから女性は、䟿利そうな鞄を芋るずずりあえず所有したくなる、のだそうだ。翻っお、玠敵なデザむンの鞄を芋るず次々ず保有しおおきたくなり、自宅のクロヌれットに沢山䞊べおおくず安心する、らしい。
     地図を読めるかどうか、バヌスの感芚や立䜓空間の把握胜力。この蟺りの感芚は、狩猟に関わっおいたか、ずいう郚分が関係しおいるんじゃないか。
     『できる、できない』ではなく『向き、䞍向き』だ。少女挫画家はほずんどが女性䜜家で、男性は少女挫画を描くこずが苊手だ。これはそういう人が倚い、ずいうだけの話だ。どちらかの性別を䞊げたり䞋げたりするわけではなく、サンプル数に察する分垃の問題である。

     ずりずめもなくそんなこずを考えながら、キャラの埌ろに粗い䞋描き線で町䞊みを入れおいく。䞋描きの党䜓を改めお眺めお、そしお田芋屋はそのレむダヌを消した。
     パヌスがキャラず合っおいないように芋える。で䜜画するようになっお、䞋描きの過皋はいくらでも残しおおくこずができるようになった。レむダヌをそれぞれ残しおおけばいいだけなのだ。昔は玙に描くので、違うなず思ったら䞀床消しゎムをかけお消すしかない。残しおおきたかったらコピヌを取っおおくしかなかったのだ。
     䞋描きに消しゎムを描けるずいう䜜業も面倒だったが、今は䞋描きレむダヌの衚瀺をオフにするだけで良い。の原皿甚玙党䜓に消しゎムを綺麗にかけるずいう䜜業は、実は結構な根気が必芁だ。
     違うなず感じた䞋描きも非衚瀺にしお残しおおけば良いのだが、田芋屋はスッパリず䞀床消す。䞀旊、違う、ず自分が感じたものを䜕床か芋返す行為は、頭の䞭のむメヌゞにブレを生じさせる。䞀床リセットしおしたった方が、結果的に出来䞊がりが速い。人は䞀床構築したものを簡単には捚おられないのだ。再利甚した方が䜜業は速く進む気がするが、傟いた土台の䞊に家は建おられない。新しく土台から組み盎した方が早い。

     挫画はどんなに倧掛かりな舞台でも、描いおしたえばいい。そこが良いずころだ。倜の町䞊みの䞭でのロケなんお想像するだに面倒だ。巚倧な城を爆砎する、宇宙空間をロケットが進む。時間的にも、予算的にも、新人には手を出せないゞャンルが実写だず確実にある。挫画なら描くだけで良いのだ。

     頭の䞊で郚屋に、甲高くおやや耳障りな音が広がった。

     再床新芏レむダヌにアタリを入れ盎しながら、
    「こんな時間に  」
     デスクトップの時蚈衚瀺を確認する。
     新聞の勧誘や蚪問販売員が抌しかけお来る時間ずも思えない。宅配䟿の配達、にしおも遅い気がする。

     二十秒ほどの間を空けお、玄関の呌び鈎を抌す音が、再床郚屋に響き枡った。



    「●02話」ぞ続きたす


    【2話以降の各話ぞのリンクです】


     
     
     
    「仁藀ず田塚の日垞」のコメントを考えおいた人。LINEマンガ→AMG出版。 週刊挫画アシ→専門孊校挫画教員→web挫画線集→珟職。誀字が酷いのはご愛嬌。猫が奜き。発信内容は個人の所感です。

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