メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

むツマデむキテむタ他人ずは違うアむレベル●05話

    担圓・こば  AMG

    #創䜜倧賞2025 #ミステリヌ小説郚門

    【「●01話」は、こちらをクリックしたら飛べたす】




    ●05話 むツマデむキテむタ【High-RPM Shaman】

    玄4,800文字


     垆粗野(ほその)は、倪田(おおた)のこずが少し苊手だ。
     確かに仕事はできる。切れ者だず思う。だが回転数が高過ぎるのか、独断専行なのか。䜕を考えおいるのか分からない、ずいうこずが倚々ある。
     おそらく回転数が高過ぎる䞊で曎に、独断専行なのだ。堅くなりがちな組織に、必芁な人間だずは思う。ただ自分たちが所属しおいる組織は、できるだけ堅くあるべきだず垆粗野は考えおいる。
     䜕の意味があるのか分からないたた指瀺に埓っおいるず、い぀の間にか事件が解決しおいる。垆粗野は倪田に察しお、刑事ずいうよりも祈祷垫に近い印象を抱いおいた。

     死亡掚定時刻がい぀頃なのかなんお話、初察面の䞀般人に話しおもいいんスか ずいう気持ちを蟌めお倪田を目の端で芋やるが、もちろん倪田は反応しない。

    「ゞャムプの『六星探偵術』。奜きでしお。あれは名䜜でした」
     倪田の発蚀を受けお、髪ず革ゞャンが赀い挫画家の衚情が、気持ち、ほころんだ。
    「党二巻で終わった連茉なのに、よく知っおたすね」
     小銬鹿にしたような蚀い方で返すが、たんざらでもなさそうに芋える。
     突っ匵った倖芋だ。奜きでやっおいるずいうよりも、本圓の自分を芋せたくないのか、より倧きく芋せるために歊装しおいるのか。そんな印象を受ける。半分刈り䞊げた頭は赀く染めおあり、顔に化粧っ気はない。だがよく芋るず日本人圢のように非垞に敎っおいお、どちらかずいうず長い黒髪ず癜いブラりスのような組み合わせの方が䌌合いそうだ。垆粗野は䌌顔絵やモンタヌゞュ䜜成に立ち合うこずが倚いので、顔のパヌツの印象に匕きずられるこずなく党䜓のニュアンスを掎める。『可愛く芋られたくない』ずいう意思を、コヌディネヌトから感じおいた。
    「あれはね。名䜜ですよ。ただちょっず早過ぎた。なんなら小説珟代ずか、ノベル系で展開した方が良いんじゃないかず思っおたした」
    「確かに。少幎誌でやるこずじゃないですよね。キャラも立おようず思っお頑匵ったんですけど、空回りでした」
    「掚理もの。お奜きなんですか」
     倪田が埌ろに䞋がっお、オフィスチェアの背もたれに寄りかかった。圌が䜕かを切り出す時の、リズムを倉える時の癖だ。倉速機をむメヌゞする。四速トップからいきなり二速セカンドぞ。そしお急ハンドル。螏ん匵らないず助手垭の垆粗野は暪で偎面に抌し付けられおしたうだろう。
    「奜きっおほどではないんですけど。あれは掚理トリックを監修しおくれた先生が良かった気がしたす」
     謙遜するタむプには芋えないので、本心だろうか。
    「いや、あれは凄い䜜品でした。䜜者さんの頭の良さ、みたいなのが垣間芋える気がしたしたよ。『六星探偵術』の䜜者さんに、折り入っお盞談ず蚀いたすか。お願いがございたしお」
     挫画家の職堎にお邪魔しおいるので、゜ファのような接客甚アむテムはない。スタップが䜿っおいるのであろう怅子に座らせおもらっおいる。倪田がたた前に出るのにあわせお怅子がギヌず鳎る。

    「今からお話するこずは、倖では蚀わんずっお欲しいんです。結構厳重に、スタッフの方にもお願いしたい。ただ我々が今からお話するこずを聞いお䜕か気付いたこずがあれば、小さなこずでもええんで教えおください」
     垆粗野は諊めた。倚分これは、倪田の『勘』ずいうや぀だ。
     パンキッシュに停装した日本人圢のような挫画家に意芋を求めた方が、捜査が進展するず倪田は考えおいる。いや、感じおいる。
    「田芋屋氏ず最埌にやり取りしたのは、緒良千峯(おらちね)さん、おそらくあなただ」
    「やりずりっ぀っおも、文字ですよ。スラむム。」
    「ほう ずか、ずか、ずか、そういうものじゃないんですか」
    「が良いっおいう人もいたすけど、タミさんは業務連絡をでっおのは奜きじゃなかったみたいで。過去ログも怜玢しにくいですしね。業務系はかっお人は、倚い気がしたすね。お絵描きやゲヌム系のコミュニケヌションだずの人も倚いですけど。は無料アカりントのたた党機胜䜿わせおもらえるので、アタシは今はがメむンです」
    「はあ  、最近よく聞く名前ですな。若い人の間で特に䜿われ始めずる印象です。割ず新しいアプリですよね」
    「そうですね。メッセヌゞも送れお通話もできるし、各ルヌムを䜜ったり過去ログ怜玢が匷力で、でもラむト局も䜿いやすい。ずの合いの子で、やや寄りの気軜に䜿える感じでしょうか」
     ふんふんず倪田は頷きながら、手垳に䜕かメモを続けおいる。そしお、ゆっくり顔を䞊げた。
    「これは非垞に倧事なこずなので、よく思い出しおいただきたいのですが。田芋屋氏ず最埌にやりずりしたのは䜕時でしょうか」
    「぀たり、タミさんが䜕時たで生きおいたのか、アタシの蚌蚀で確定される蚳ですね」
     倪田は背もたれに䞋がった。怅子が再び鳎る。
     
    「そうなる可胜性は高いず思われたす」
     
     驚いたように顔を䞊げ、吉芋ずいう嚘確か䜐和ず呌ばれおいたが二人を亀互に芋る。
    「分かりたした。を確認したすね  。あれ」
     おらちね、ず呌ばれる赀い髪の挫画家は、スマホを確認しお声を䞊げる。
    「ないな   最埌のメッセヌゞはこっちから背景䟝頌した時に返っおきた、『了解です』っお返事だ。それが最埌」
    「先生、田芋屋さんから背景届いた時、確認しお声䞊げおたしたよね」
     吉芋ずいう女性が隣で䞊の空間を芋぀めながら、考えるように呟く。
    「あ、そうだ。ドラむブ確認しおたら、ちょうど栌玍されたんだ。で、ビックリした」
    「ず、いうこずは 正確に田芋屋氏が生きおいるず確認できた最埌の時間は、『了解です』のメッセヌゞをもらった時間ですか」
     倪田がい぀もよりも汗を流しながら、慌おお聞く。死亡掚定時刻が倧きく倉わっおしたうので、慌おるのは圓然だ。
    「いや、仕事完了の連絡は来おないんですけど。頌んでいた原皿は完成させおドラむブに入れおくれたので。メッセヌゞはないけど、最埌にタミさんが『䜕かをした』痕跡は、アタシたちが把握できる範囲では二十二時半だず思いたす」
    「それは確かですか 確実に田芋屋氏が生きおおられた時間が、十九時だったのか、二十時だったのか、二十二時半だったのか。それで倧分話が倉わっおしたいたす」
     垆粗野は䜕も蚀わず、ずっず倪田の暪で聞き圹になっおいる。
    「これ。田芋屋さんが亡くなっお。こうやっおアタシたちに話を聞きにきお。容疑者ずしお、アタシたちの知っおる人が誰か疑われおる可胜性もありたすよね」吉芋ずいう女性が、ゆっくりず蚀った。
     ここは自分が割っお入った方が良さそうな気がしお、口を開く。
    「その通りです。可胜性、で蚀うならあるず思いたす」
     挫画家の隣でその女性は、う぀むき気味に䞋だけ芋ながら蚀う。
    「わ、わたしたちの蚌蚀のせいで  。誰か知り合いの、アリバむ  、っお蚀うんですか それがおかしくなっちゃう、みたいなこずも起きたりしたすよね」
     敎ったボブカットの髪が、䞋を向くこずで目元を隠しおしたい、衚情が分かりにくい。
     垆粗野はなんず返しお良いか分からず、口を開くこずができなかった。
     芖界の端の倪田が、開けおいなかった垆粗野のおしがりを手に取りながら、小さく頷く。
    「そうですな。そういうこずもあるかず思いたす。ただその堎合は、その方が眪を償うきっかけずしお。できれば、事実だけをお䌝え願えんでしょうか」
     吉芋ずいう女性が顔を䞊げた。涙ぐんでいる気がする。
     知人が亡くなった。
     殺されたらしい。
     前埌の情報を確認したい。
     急すぎる話だ、無理もない。

    「申し蚳ありたせん、急にこんな圢で抌し掛けたしお。そもそも、本来は個別にお話を聞くべきなのです。だがお二人はおそらく、時間ず距離的に今回の事件ずは無関係だず、私は感じおいたす」
     喋った埌、今床はチラリず倪田がこちらを芋た。本来はこれだけ関係者に近く重芁な蚌蚀が可胜な人間に察しお、こういう話は個別にすべきである。しかし二人同時に第䞀報を䌝えお話を聞いたのは、二人で圓時のこずを思い出しながら事実を擊り合わせお欲しい、ずいうこずなのだろう。情報の鮮床を第䞀に考えたわけだが、これは片方が「こうだったず思う」ず蚀うこずによっお自分も「そういえばそうだったかな」ず思っおしたうような、蚘憶の䞊曞きが発生する恐れもある。なのでこういう堎合は、たず個別で話を聞くこずが普通である。ずいうより、そうしなければいけない。それでも今回、同時に話を聞いた方が良い、ず、『祈祷垫』の祈祷によっお埡神蚗が授けられたのだろう。倪田がこちらを芋たのは、「すたんな」なのか、「分かっおるよな」なのか、「党郚ワシが被るから」なのか、「腹が枛ったな」だったのか、どれが正解なのかは分からない。垆粗野は、きっずコレだ、ず思ったものに賭けるしかない。意思疎通できおいるようでその実は䌝わっおいるのか分からない、ずいうのが人間同士のコミュニケヌションで、倪田ずコンビを組む時の心構えだ。
     
    「タミさん  。田芋屋さんですけど。描き䞊がった絵を二十二時半に栌玍しおくれおいるので。それたでは、生きおおられたはずです」
     赀い髪のおらちね氏が真っ盎ぐ倪田を芋据えお答える。
    「確かですかな」
     汗を拭きながら倪田が念を抌す。
    「ドラむブのタむムスタンプが二十二時䞉十二分になっおいたす。この時間に、栌玍した、ずいうこずです」
    「他の人間がその絵を入れる、ずいうこずは可胜ですか」
    「可胜ですが、タミさん以倖には描けないず思いたす」
    「ず、蚀いたすず  」
    「ええず  。あの、お恥ずかしい話なんですが。アタシはあんたり締め切りが守れない䜜家で  」
    「ああ、あれだけ緻密な絵で週刊連茉されおいたら倧倉でしょう」
     この现く背の高い男が挫画に詳しいなんお、党く知らなかった。だが倪田に関しお知らないこずは、ただただ山のように出おくる気がする。週末だけどこかの宗教団䜓で雇われ教祖をやっおいる、そんな話が出おきおもそこたで驚かないだろう。
    「䞃時  、倚分十九時くらいに。背景を描いおもらいたくお連絡したんです。時間ギリギリから匕き受けおもらえる人っお、タミさんしかいなくお。䞀コマなんですけど結構面倒くさいコマで、倚分、あの人でないず二十二時半たでには描き䞊げられたせん」
    「それは、絵の難床で、ですか 描き䞊げるスピヌド的な問題ですか」
    「䞡方ですけど。特にスピヌドですね。難しいずいうより、面倒な絵で速く描き䞊げるのが難しい」
    「そうですか。腕の良い方だったんですな。仕事柄、人が亡くなる珟堎に沢山觊れおきたしたし、い぀もいたたたれん気持になるもんですが。挫画の業界にずっおも、惜しい方を亡くされたわけですな」
     
    「  そうですね。田芋屋さん。次の本誌の連茉䌚議にも出すはずだったので」

     吉芋は䞋を芋たたただが、ハッキリず喋った。
    「ほう  。倩䞋のゞャムプで、連茉にチャレンゞ。それは本圓に惜しいこずを  」

     田芋屋氏から最埌のテキストメッセヌゞがなるチャットツヌルに送られおきたのは、十八時五十五分だった。ずスマホアプリず、䞡方で確認させおもう。
     そしお描き䞊げた絵をむンタヌネット䞊にアップしお共有したのが、二十二時䞉十二分。
     死亡掚定時刻は、二十二時半から翌日の䞀時たでの間ずいうこずになる。
     思ったよりも範囲が狭く絞れたずいう捜査の進展ず、考えおいたのずは逆偎ぞ範囲が狭たったが故の掚論の埌退感が。あわせお垆粗野に疲劎を思い出させる。
     
    「二十二時半たでは生きおおられた  」
     思わず呟いただけだったのだが、郚屋の䞭の党員の芖線を垆粗野は集めた。



    「●06話」ぞ続きたす


    【各話ぞのリンクです】


     
     
     
    「仁藀ず田塚の日垞」のコメントを考えおいた人。LINEマンガ→AMG出版。 週刊挫画アシ→専門孊校挫画教員→web挫画線集→珟職。誀字が酷いのはご愛嬌。猫が奜き。発信内容は個人の所感です。

    あなたぞのおすすめ