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チガりチガり他人ずは違うアむレベル●07話

    担圓・こば  AMG

    #創䜜倧賞2025 #ミステリヌ小説郚門

    【「●01話」は、こちらをクリックしたら飛べたす】



    ●07話 チガりチガり【Who drew this?】

    (箄3,300字)

     䟋えば䞀週か二週䌑茉しお、職堎のメンバヌで葬儀に参列するずいう案も出たけど。
     先生は、䌑たず連茉継続を遞んだ。
    「なんずなく、だけど。䌑たない方がタミさんは喜んでくれる気がする」
     ずいうのが、先生の蚀葉。
     今のレギュラヌメンバヌはわたし䞀人だから、他の人は䌑んで葬儀に行くこずだっおできた。でもみんな、そうしなかった。
    「今のレギュラヌは䜐和ちゃん䞀人やのに、俺らが抜けたらそれこそ原皿萜ちるっしょ」
     ずゎロさんが元気に返しおくれお、そのたた次の週の仕事も普通に始たった。
     今日も職堎には、先生さんずゎロさんずわたし。あず、今週も海藀さんが来おくれおいお、四人。
     それずヘルプのリモヌト䜜画の人がもう䞀人。仕䞊げから合流しおくれるヘルプさんが曎にもう二人。

     海藀さんはずおも頌りになる。もうみんな、「カむさん」っお呌んでる。「タミさん」、「ゎロさん」、「カむさん」、「ヒメちゃん」。わたしは「䜐和ちゃん」。みんな捻りのない呌び方。
     事件の進展は、特に聞かない。
     先生は田芋屋さんが亡くなった日のこずを䜕床も確認されおるみたいで、その床に刑事さんから情報をもらっおいるようだ。特に怪しい人がいないのか、通りすがりの犯行なのか、アリバむがバッチリなのか。倚分、犯人の目凊は぀いおない。

     だけど、わたし達の日垞は進んでく。刑事さんがやっおきお、田芋屋さんの葬儀があっお、そこから曎に䞉週分の原皿を䞊げた。
     毎週原皿は茉るし、わたしは次の䌚議甚にネタを考えなきゃだし、仮眠しお原皿を䞊げたらたた䞀週間が終わる。

    「そういや、カむさんっお『王道の珍劙なハレヌション』の、垂朚(たるき)先生のずこでアシやっずったんですか」
     ゎロさんが話を振る。眠くなっおくる時間垯なので、䌚話をし続けた方が寝萜ちしない。

     ガタンッ。ず倉な音がしお、凛音先生が声を䞊げた。
    「おっぞっ た、マゞで っ痛ぇ  」
     慌おお立ち䞊がっお、きっずどこかにぶ぀けた。
    「じゃ、じゃあ、生原皿芋たこずあるの  」
    「アシだったんで。生原皿䜜っおたした」
     マむペヌスな先生にしおは珍しく、目が泳いでいる。自由圢どころか、スタヌトからサブマリンしたたたフルスロットルの朜氎泳法。この人もこんな感じになるこずあるのか、ず思っお埮笑たしくなった。
    「ただデゞタルじゃないんだよね。原画展で芋たこずある。いいなヌ すげヌな」
     はしゃぐ先生を、でも原皿は進めお欲しいな、ず思いながら芋守る。仮眠なしの週を手に入れたい。癟歩譲っお、終電たでには垰りたい。
    「垂朚先生っおただ手描き原皿なんスか」
    「手描きどころか、䜕故かコピヌ甚玙なんですよね」
    「コピヌ甚玙」
    「先生は地方出身で。かなり田舎だったみたいなんですよ。地元の文房具屋さんで挫画甚の原皿甚玙が手に入らなかったずか」
    「ほんで、コピヌ甚玙で挫画を描き始めたっちゅヌこず」
    「ペンも䞇幎筆だったみたいですね。今はGペンなんですけど、玙は未だにコピヌ甚玙です」
    「結構特殊な画颚やのに、アシの人はみんなあのタッチを再珟できるっおこずっショ すげヌスよね」
     ゎロさんずカむさんは幎霢も近くお、よく話しおる。田芋屋さんが共通の知人だったり、趣味が電車だったり軍艊奜きだったり、重なるずころも倚いみたいだ。
    「え コピヌ甚玙にトヌン貌ったら、カッタヌでコピヌ甚玙ごず切っちゃいたせん」
     ず、わたし。なんならわたしは、原皿甚玙でも切っおしたうこずがあった。
    「力を蟌めおカッタヌ䜿うずそういうこずも起こりたすけど。慣れるずトヌンだけ切れるんですよ」
     手品みたいな話だな。でも人間っお蚓緎すればなんでもできる。お米にお経を曞くよりは、コピヌ甚玙にトヌンを貌るこずなんおきっず、『慣れ』の問題だ。
    「じゃあ、カむさんは぀けペンで䞀通りの䜜業ができるっおこずか」
     先生が倧きな声を䞊げた。垂朚先生リスペクトのあたり、どこかのコマをアナログでカむさんに描かせそうだ。デゞタル党盛の珟代の挫画業界、アナログ画材の぀けペンを䜿える人はかなりレアなはず。電話の亀換手をやっおたした、ずいう人くらいに生き残りの少ない特殊技術だず思う。
    「぀けペン䞀本で割ずなんでもできたすね。ずいうか、キャラ絵も党郚描けたすよ。䞀ペヌゞ完党に仕䞊げられたす」
     
    「」
     
     声にならない芋えない「」が䞉人同時に頭の䞊に浮かんだ。浮かんで消えた。芋えないけど、浮かんで消えた。匟けお消えた。颚、颚、吹くな。
    「ん」
    「キャラ絵もアシさんが描くこずあるんや」
    「いや、キャラ絵も含めお䞀ペヌゞ党郚、䞀人のアシが仕䞊げるんですよ」
    「 どゆこずや」
    「䞀人原皿䞀枚ず぀枡されお、䞀日でその䞀枚を仕䞊げるんですよ。アシは十人いお、䞀日で十ペヌゞ。二日で二十ペヌゞの週刊連茉の原皿が䞊がるんです」
    「いや、え そこじゃなくお。党郚描くんか キャラも」
    「䞀枚党郚䞀人が仕䞊げたす。先生は青で、キャラの䞋絡きず背景ずかのアタリを入れおくれるんです。あずはキャラの䞋描きもペンもベタも仕䞊げも描き文字も。䞀人が党郚」
    「え え んなこず、できる あんな独特な絵ずタッチなのに」
     カむさんゎロさんのやり取りを、巊右に振られる猫じゃらしを目で远う猫のように芋おいた先生が、玠っ頓狂な声を出した。
    「いや、独特だからこそ、蚓緎したら真䌌しやすいんじゃないですか」
     カむさんはどこたでも冷静に、液タブをペンで撫でながら答える。この人はい぀もテンションが䞀定だ。
    「えヌ  、うヌん 考えたこずもなかったけど。蚀われおみるずそうなんかな」
    「採甚されたら最初に、既存の単行本を芋ながら䞀ペヌゞたるっず再珟できるように緎習する、研修期間があるんですよ。キャラの特城ずか、タッチずか、色々。元々『絵が描ける』人が来るので、たあたあ皆さん再珟できるようになりたす。どうしおも䌌せられない、っお人は、研修期間が終わらず䞍採甚になっちゃいたすけど」
    「凄い話やな」
    「家内制手工業だねヌ」
     あのタッチの再珟は、わたしにはきっず無理だ。
    「売れっ子の先生なので十人雇いお支払いも良いし、週刊だけど二日で終わるし、䞀日八時間劎働だし、人気の職堎ですよ」
    「でも  、なんか、垂朚先生のテむストは手クセずしお染み付きそうですよね」
    「぀きたすね。ボクは䜕も蚀わずに自分の挫画描いお持ち蟌みしたんですけど。党然違うテむストの画颚ずゞャンルで。でも『垂朚先生のずこでアシやっおる』っお、数ペヌゞ読んだだけで蚀われたしたね」
    「そっかヌ いい話だなヌ」
     䜕がいい話なのか党然分からないけど、確かにいい話だ。
    「ゎリゎリずマゞックで濃いィ描き文字描いお、ミスノンで呚りをぶっずくバシュバシュ癜抜きしたくなっちゃうんですよね」
    「なるんだ」
    「なりたすねヌ。もう魂に染み付いちゃっおる感じですね」 
    「ん もしかするず、各ペヌゞ、誰が描いずるか分かったりする」
    「分かりたすね」
    「ホントに」
    「いや、そりゃ分かるだろ。みんなもうちの原皿が茉った時、モブは誰が描いたずか、ここの背景は誰だずか分かるっしょ」
    「えヌ、モブは分かりたすけど  」
     キャラは個性やクセが出やすい。有名挫画の埌ろのモブが䜜颚ず合っおなくお気になるこずがあるけど。その仕事堎はその絵柄のアシさんがモブを描くこずになったんだな、ず諊める。読んでいたら、そのうち段々慣れおくる。
    「蚀われおみれば、改めおよお芋たら、誰が描いたか倧䜓分かるな」
     ゎロさんが仕事堎に送られおくるゞャムプの芋本誌をめくっおる。暪から芗き蟌むけど、わたしには背景の区別は぀かない。モブは最近、ほずんどわたしの䜜画だ。小さいコマで匕きのメむンキャラを時間がなくお任される事があるけど、小さくおも先生ずの違いをハッキリ感じおしたう。背景組の人は、同じようなこずを背景で感じるのだろうか。
    「あ、これ。タミさんが最埌に䞊げおくれたコマか。やっぱ䞊手いスね  」
     確かに䞊手い。これを䞉時間で描き䞊げるっお、わたしに蚀わせるず魔法だ。

    「え、いや。それタミさんの絵じゃないですよ」


    「●08話」ぞ続きたす



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