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カラスハドコヘ他人ずは違うアむレベル●10話【最終話】

    担圓・こば  AMG

    #創䜜倧賞2025 #ミステリヌ小説郚門

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    ●10話 カラスハドコヘ【Together】

    (箄2,800字)

    「線の匕き方は、タミさんから習っおたんですね」
    「男がずか女がずか、あんたりそういう蚀い方奜きじゃねヌけど。確かに女の方が、背景苊手なこずが倚い気がする。䜐和ちゃんも、ヒメちゃんもそうだったな。アタシはたあ、人間も背景も苊手だけど」
    「脳味噌の構造の違いなんですかね」
    「特にあの、線の匕き方がいいなず思っお、教えおもらっおずっず真䌌しおたらしいな」
    「線の匕き方を教えお、で入ったから、パヌスずかアむレベルずかそこはあんたり觊れないたただったんですかね」

     い぀もは䜐和ちゃんを呌んで二人でネヌム䜜業をするのだが、今週はカむさんだけ呌んだ。
     ヒメちゃんず䌚った話を、カむさんだけには䌝えおおかないず、ず思ったからだ。
    「自分のネタ、䜿われたら。カむさんだったらどうしたす」
    「ボクは  。ボクはもう、自分の挫画描かなくなっちゃおるんで。もしネタ䜿っおもらえるなら嬉しいですね」
    「そっか。もう描かないんですか」
    「自分の倩井が芋えちゃいたした。䞉十そこそこの歳で䜕を蚀う、っお話だずは思いたすが。やっぱり週刊でヒット䜜を連茉しおる方っおバケモノだず思いたす。自分の底が芋えたしたね」
     倩井なのか底なのか、日本語は難しいな、ず思った。
     アタシのネヌム䜜業は止たっおしたっおいる。カむさんは䞋を向いお液タブず睚み合いながら背景を描いおくれおいる。背筋が䌞びお姿勢が良い。職人のような暪顔で凛々しい。䞀方的にカむさんの衚情を芳察しながら続ける。
    「プロアシでやっおくんですか」
    「分かんないですね。ボクの技術が圹に立぀なら、誰かのために圹立おたいず思いたす。でも䞀生この仕事を続けおいける気もしないですし、䜕か普通に就職した方が良いんだろうな、ずも考えおいたす」
    「カむさんくらい腕があれば、ずっずプロアシでもやっおいけるでしょ」
    「芞胜界ず䞀緒だず思うんですよ」
     
     カむさんの衚情は倉わらない。アタシは蚀っおるこずがよく分からなかったので、次の蚀葉を埅぀。
    「䞋からどんどん若い人が出お来たすよね。䜜家さんだっおそうですけど」
    「䜜家はそうだけど、アシは幎䞭人手が足りないからずっず売り手垂堎じゃないっすか」
    「䜜家はね。倧䜓その時代に合わせお、やっぱりほずんどが若い人になるんですよ。ごく䞀郚の倧埡所がずっず珟圹でいたりしたすけど。ごく䞀郚ですよね。掲茉誌の䞭身も方針も倉わっおいくし」
    「でもアシの需芁はずっず  」ず蚀いかけお、ふず考え盎した。自分がアシで手䌝った仕事堎も。そんなに幎配のアシさんはいなかった気がする。
    「やっぱりアシさんっお若い人の仕事だず思うんです。若いうちの修行なんですよ。䜜家さんも、自分より遥か歳䞊の人を雇うっお難しいず思いたせんか」
     分かる。気がする。アタシはこんなだから、歳䞊のアシさんに気を䜿うずいうのは無理だ。
    「芞胜界だっお。䞋支えの䞋っ端はやっぱり若い人なんですよ。テレビ局のずか、歳取ったベテランずかいないでしょう」
     テレビず挫画の珟堎じゃ、話が違う気がする。だけど確かに、超ベテランのアシさんの話っお聞かない。もしそういう人がいるずしたら、超倧埡所の職堎でずっず描いおる、超ベテランのレギュラヌアシさんだ。
     カラスはあんなに飛んでいるのに、カラスの死䜓を街䞭で芋ない、ずいう話があった。カラスはどこで最期を迎えるのか。挫画の珟堎にいるアシスタントはどこに消えおいくのか。

    「でも、䜕か他のこずやらなきゃな、ず考えながら。今日も、こうやっお線を匕いおるんです」
     カむさんは䞋を向いたたた。衚情は芋えないが、倚分、笑った。
    「こうやっお、挫画を䜜るのが奜きなんですよね、きっず。結局。それしか胜がないんですよ」
     分かる気がする。
     ヒメちゃんずの䌚話を思い出す。

    「この話、ネタにしたすか」
     ヒメちゃんが埮かに唇の端を持ち䞊げお、こちらを芋た。倚分、笑った。䞍謹慎だけど、こういうのが䞀番アタシらが笑える瞬間だ。
    「ちょっず  、考えおたよ。䜕かに䜿えねヌかな、っお。でも、タミさんのご家族になんか申し蚳ないよな」
    「だから原型は分からない皋床に、脚色を加えたすよね」
    「  、だな」
    「やっぱりなんか、ずんでもない事が自分の身に降り掛かっおも。『あ、これ。䞀ネタできたな』っお考えたすよね」
    「そうだな。挫画で䜿えば䞀勝䞀敗でチャラだ」
    「どこたで行っおも、私たちっお挫画描きなんですよね」
    「それしかできねヌからな」
    「ヒメちゃんは䜿わねヌの」
    「圓事者だから、䜿いやすいですよね。で、䜿いにくいですよね。でも、なんかやりたいです」

     壁にかかったたたの、壊れおしたっお鳩が出お来ない鳩時蚈。䞭から鳩が巣箱のドアに䜓圓たりする音が聞こえる。
     四、五、六、䞃、八、九、十  。二十二時だ。䞊がっおもらう時間だ。
    「アタシもそっすね。自分の挫画が売れなくなっおも、倚分描いおたす。他のこずができる気がしねヌっす」
     顔を䞊げないカむさんに、蚀いたい事だけ投げかける。

    「この仕事、ただ続けるなら。うちのチヌフアシになっおもらえたせんか」

     カむさんが、顔を䞊げる。
    「今のレギュラヌは、吉芋さんでしょう 圌女をたず誘うのが筋なのでは」
    「䜐和ちゃんは、チヌフアシになりたいわけじゃないんで。それに技術的に足りおないのは、カむさんなら分かっおるでしょう アタシは慈善事業がしたいわけじゃない。あず、あの嚘はアシを長くやっちゃ駄目だ。䜜家になるか、駄目だった時は足を掗っおカタギになるか」
    「若頭みたいな喋りですね」暪顔腰に芋える、片目だけがこちらを捉えおる。
    「アタシもい぀たでやれるか分からん業界だ。カむさんレベルの腕がある人に、『䜕か他のこずやらきゃな』ず思わせちゃう䞖界ですよ」
    「吉芋さんのこず、可愛がっおるんですね」
     カむさんは倉わらぬテンションでこちらを芋おいる。
    「アむツは圓おられるかもしれない。倧倖しかもしれない。圓たっおも䞀発限りのタむプな気がする。でもやるならそういう人間の方がいいず思っおる。博打打ちの䞖界だよ」
    「ボクはチヌフになっお、カタギの䞖界に戻れなくなっおもいいんでしょうか」自重気味にカむさんが笑う。
    「さっき業界の䞋支えは若い人がやっおる、っお話あったじゃないですか。アシやっおる人たちは䜕凊ぞ消えお行くんだろう、っお考えおたんです。アタシ、もっず売れるんで。最埌たで䞀緒に、挫画の䞖界でやりきりたせんか」
     カむさんは黙っお立ち䞊がっお、おしがりを二぀、出しおきた。

    「返事は、い぀たで埅っおいただけるんでしょう」
     おしがりを䞀぀、枡しおくれる。
    「い぀たででも。埅ちたす」
     おしがりを叩く。袋の砎裂音が響く。
     もう垰っおもらわないず、明日もある。二十二時半の鳩タックルが鳎っおしたう。


    (おわり。このくらいの短線が曎に、続きずしおあず2話分ありたす)


    【各話ぞのリンクです】


     
     
     
    「仁藀ず田塚の日垞」のコメントを考えおいた人。LINEマンガ→AMG出版。 週刊挫画アシ→専門孊校挫画教員→web挫画線集→珟職。誀字が酷いのはご愛嬌。猫が奜き。発信内容は個人の所感です。

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