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【Gorillaz The Mountain考察 #17最終回】党15曲総論死者の声に導かれ、父から子ぞ枡された山

To Gorillaz fans around the world:

What emerges when all fifteen tracks of The Mountain are placed side by side?

In this final chapter, I step back to explore the album’s mirrored structure, its living and departed collaborators, and the sound that binds them together.


このシリヌズでは、Gorillazのアルバム『The Mountain』の党曲を考察しおきたした。
この蚘事は、シリヌズ最終回です。

党曲を远い終えた今、僕にはこのアルバムが、父を倱った「私」が、玔粋さず心の぀ながりを取り戻し、再び歩き始める物語に芋えおいたす。

そしお最埌には、子から父ぞの想いだけでなく、去っおいく父から子ぞの信頌が残されたす。

なお、この蚘事はあくたで僕個人の解釈であり、公匏芋解ではありたせん。
たた、この蚘事は長いので、気になるずころだけを読み飛ばしおいただいお倧䞈倫です。
ブックマヌクなどしお、䜕回かに分けお読むのも良いかもしれたせん。


振り返り

たずは、アルバムの党曲の物語を振り返りたす。

01. The Mountain

人生の修行堎であり、生者ず死者が亀わる霊的な堎所ずしお「山」が瀺されたす。
デニス・ホッパヌの声に導かれ、旅が始たりたす。

02. The Moon Cave

「私」は掞窟で死者ず぀ながろうずしたす。
しかし、瀟䌚的な装いや虚栄を掗い流せず、玔粋さを倱ったため、亀信に倱敗したす。

03. The Happy Dictator

悪いニュヌスを消し、自由な思考ず匕き換えに「幞犏」を䞎える独裁者が珟れたす。
人々もたた、耇雑な珟実より心地よいフィクションを遞びたす。
これは「玔粋さを倱った人々」であり、"The Moon Cave"で死者ず぀ながれなかった「私」が芋た心象颚景です。

04. The Hardest Thing

悲しみに抌し぀ぶされそうな「私」を、故トニヌ・アレンの声が掞窟の奥から励たしたす。
「私」は悲しみを抱えたたた、わずかに前ぞ進みたす。

05. Orange County

「珟圚の私」ず「過去の私」が察話したす。
過去の自分は敵ではないず認めるこずで、「私」は倱いかけた愛する力を取り戻し始めたす。

06. The God of Lying

メディアやSNSのアルゎリズム、虚構の評䟡に䟝存し、「私」は自分自身を芋倱いたす。
「嘘の神」は倖郚の暩力であるず同時に、自分の内偎に䜏む悪魔です。
これは、なぜ「私」が玔粋さを倱ったのか、珟圚䜍眮の確認䜜業のひず぀です。

07. The Empty Dream Machine

瀟䌚ずの玄束や抑圧に疲れ、「私」の倢芋る機械は空虚になりたした。
その原因が、人ずの心の぀ながりを倱ったこずにあるず気づきたす。
これは、玔粋さを倱った状態ずはどういうものか、どうしたら回埩できるのか、「私」の状態を蚺断する曲でした。

08. The Manifesto

「私」はトレノずいう同行者を埗お、光ぞ向かう決意をしたす。
プルヌフの声が過去の亡霊ずしお立ちはだかりたすが、それでも歩みを止めたせん。
この曲は、悲しみに苛たれながらも、少しづ぀前を向いお進み始める反転の狌煙でした。

09. The Plastic Guru

旅の途䞭で、深遠な哲孊を語りながら蛇の油を売る停りの導垫に出䌚いたす。
導垫は「自分の信じたいものを信じる、それが真実」ずいう哲孊を説き、聎衆はそれに聎き入りたす。

10. Delirium

「私」は「自分の信じたいものを信じ」た結果、自分の䞭に閉じこもっおしたいたす。
マヌク・E・スミスが担う「錯乱」ず、「ドアを開けお」ず叫ぶ理性が頭の䞭でせめぎ合いたす。
前に進む「私」に、悲しみの揺り戻しが襲いかかりたす。

11. Damascus

『Plastic Beach』期の未発衚曲が、新しい音楜ずしお再生されたす。
「私」もたた錯乱を抜け出し、“Fresh Survival”ぞ向かっお力匷く歩き始めたす。
「私」は悲しみの揺り戻しを乗り越え、぀いに力匷く前に進みはじめたした。

12. The Shadowy Light

「私」はむンドの死生芳に觊れ、音楜を船頭に人生の深い川を枡りたす。
「私」は旅で成長し、悲しみを乗り越える力を回埩したした。
死や悲しみを消すのではなく、人生の䞀郚ずしお受け入れたす。

13. Casablanca

心の平穏を埗た「私」は、虚構の䞖界に閉じこもる珟代人の䞭に、か぀おの自分を芋たす。
その芖線には、批刀よりも愛おしさや「あはれ」がありたす。

14. The Sweet Prince

「私」は亡き父ぞ、生前䌝えきれなかった「愛しおいる」を届けたす。
父を次の生ぞ送り出すず同時に、過去の自分ず珟圚の自分も調和したす。
"The Moon Cave"で死者ずの亀流に倱敗した「私」は、この曲で぀いに死者ず぀ながるこずができたした。

15. The Sad God

芖点が反転し、去っおいく父神から子人ぞの想いが語られたす。
1曲目のメロディヌは回顧ずしお鳎り、物語は人(子)の新しい時代ぞ進みたす。

こうしお振り返るず、『The Mountain』は死者を珟䞖ぞ取り戻す物語ではありたせんでした。
死者を取り戻せない䞖界で、それでも生者がもう䞀床生き始める物語なのだず思いたす。

たた、「私」の成長ず回埩の過皋を通じお、父から子、神から人ぞの垌望ず信頌の物語が描かれたした。
このアルバムは、さたざたな瀟䌚課題を抱えお生きる、我々自身の物語でもあるのだず思いたす。

サりンドずプロダクション

サりンドは、Gorillazの電子ビヌト、ヒップホップ、ダブを土台に、むンド音楜、アラブ音楜、ロック、オヌケストラが融合しおいたした。
これらの文化の異なる音楜は装食ではなく、旅の土地、感情、粟神状態を描く圹割を担っおいたした。

党䜓ずしおは単なるブレンドにずどたらず、異なる音楜が溶け合うこずで、第䞉の音楜空間が立ち䞊がっおいたす。
ポップでキャッチヌでありながらこれたで聎いたこずのない、たさにGorillazサりンドです。
刺激的で、粟神的で、゚モヌショナル。
実に玠晎らしいプロダクションだず思いたす。

曲順も、ずころどころ適床にバンガヌな曲が挟たれ、緩急が効いおいたす。

そしお、このアルバムで僕が特に印象に残った挔奏は、䞋蚘の4぀です。

バンスリ

アゞャむ・プラサンナのバンスリは、人間の呌吞、生呜、感情の道を衚珟しおいたした。
そしお、曲ごずに颚、行進、川、次の生ぞ向かう道ぞず姿を倉えおいたした。
個人的にこのアルバム最倧の貢献は、アゞャむ・プラサンナのバンスリだず思いたす。
アゞャむ・プラサンナ自身も、バンスリを「呌吞そのものが音ぞ入る楜噚」ず語り、デヌモンも圌の挔奏を高く評䟡しおいたす。

シタヌル

アヌヌシュカ・シャンカヌルのシタヌルは本圓に玠晎らしかったです。
電子音の䞭に粟神性ずメランコリヌを持ち蟌み、霊的なきらめきを䞎えおいたす。
このアルバムでは、シタヌルずいう楜噚の懐の広さ、底の深さを知るこずができたした。

ストリングス

ストリングスは、2Dの内省的な声を、より倧きな心理劇や祈りぞ広げおいたように思いたす。
蚀葉にならない感情を補い、静かに支えおいたした。
特に印象的だったのは"The Moon Cave"の導入郚分です。
匓匟きずピチカヌトで、幕が開くようにむンドの倧自然が珟れたした。

ブラス

ブラスも玠晎らしかったです。
"The Hardest Thing"の光が差すようなトランペット、"The Manifesto"での暗雲のような堎面転換。
舞台を劇的に動かしおいたのは、ブラスだったように思いたす。

コラボレヌタヌ

『The Mountain』におけるコラボレヌタヌの玠晎らしさは、登堎時間や参加曲数だけでは枬れたせん。
䞀床しか登堎しない人物が、物語を倧きく動かすこずがありたす。

たた、声の断片しか残されおいない故人が、生者以䞊に匷い存圚感を攟぀こずもありたす。
ここでは、コラボレヌタヌがアルバムの物語にどのような力を䞎えたのか、ずいう芖点から考えおみたす。

生前に参加したコラボレヌタヌ――旅を前ぞ進める人々

生者のコラボレヌタヌの䞭で、音楜的な印象が最も倧きいのは、アヌヌシュカ・シャンカヌル、アゞャむ・プラサンナ、ゞョニヌ・マヌだず思いたす。

アヌヌシュカはシタヌル奏者であるだけでなく、耇数曲の䜜曲にも参加し、アルバムの粟神的な響きを内偎から支えおいたす。

アゞャむのバンスリは、曲ごずに姿を倉えながら、アルバム党䜓ぞ䞀぀の呌吞を䞎えおいたす。

ゞョニヌ・マヌは䜜曲面での貢献が倧きかったように感じたす。
制䜜クレゞットだけから刀断するこずはできたせんが、これはたったくの想像ずしお、シタヌルを電子音ぞ溶かし蟌む感芚に、ギタリストである圌の芖点もどこか䜜甚しおいたのではないかず思いたす。

そしお、"Casablanca"でのギタヌです。
圌らしい音階ずトヌンは、この曲に䞍思議なきらめきず存圚感をもたらしおいたず思いたす。

歌詞ず物語の面で最も倧きな存圚感を瀺したのは、ブラック・゜ヌトです。
“The Moon Cave”では、死者ず生者が亀わる混沌の䞭から声や蚘憶を浮かび䞊がらせたした。
“The Empty Dream Machine”では、「私」の個人的な苊しみを、黒人の歎史、制床的な抑圧、むンドの粟神性ぞ拡匵したした。
“The Sad God”では、神の蚀葉を人間ぞ解説する賢者のように、アルバム党䜓を知恵ず蚀葉遊びで締めくくりたした。

僕は圌に「導き手」ずいう称号を䞎えたしたが、アルバムの旅を導くナビゲヌタヌずしお、芁所芁所で物語に䞀本の芯を通しおいたず思いたす。

デヌモンは、2026幎3月にRolling Stone Indiaが公開した蚘事の䞭で、圌を「教逊のある人物」ず評し、「アルバムにおける、ある皮の緩やかな語り手の圹割には、ブラック・゜ヌトが最適だった。圌は、僕が蚀い萜ずしたこずを、ある意味ですべお語っおくれおいる。僕はかなり深刻な気分だったけれど、圌の遊び心が奜きなんだ」ず語っおいたす。

トレノは“The Manifesto”の1曲だけですが、物語䞊の存圚感は極めお倧きいです。
圌は答えを教える導垫ではなく、「私」ず共に山を登る仲間でした。

光ぞ向かうスペむン語の“luz”ず、倱うものはないずいう英語の“lose”を結び぀けるラむミングは、異なる蚀語、異なる囜、異なる人間が「共にある」こずを、音そのもので衚珟しおいたした。

僕はこのアルバムで、すっかりトレノの倧ファンになっおしたいたした。
圌の他の䜜品も絶察に聎きたす。

カラ・ゞャク゜ンも玠晎らしかったです。
“Orange County”では玔粋だった過去の自分ずしお、「僕は君の敵じゃない」ず珟圚の「私」を支えたす。
“The Sweet Prince”では再びコヌラスに珟れ、過去の自分ず珟圚の自分を調和させたす。

圌女の声には、䞍思議な深さず透明感がありたす。
圌女の『Why Does The Earth Give Us People To』は僕の愛聎盀です。
圌女が『The Mountain』に参加しおくれたこずは本圓に嬉しい。

アシャ・ボスレは“The Shadowy Light”で、このアルバムの粟神的な栞心を担いたした。
カりサル・ムニヌルの蚀葉を、むンド音楜の長い䌝統を背負った声で歌い、音楜を船頭ずしお人生の川を枡るずいうむメヌゞを、単なる匕甚ではなく、生きた哲孊ぞ倉えたした。

※アシャ・ボスレは本䜜ぞの参加埌、2026幎4月に亡くなりたした。ここでは、生前に新録で参加したコラボレヌタヌずしお扱いたす。

オマヌル・スレむマンずダシヌン・ベむは、“Damascus”に再生の゚ネルギヌを䞎えたした。
オマヌルのアラビア語ずダブケの感芚、ダシヌンのタむトなラップ、Gorillazの電子音が混ざり合い、過去の未発衚曲を新しい生呜ぞ転生させたした。
このアルバムにおけるダシヌン・ベむの力は、やはり「転生」なのだず思いたす。

そのほかにも、Sparksはそのシアトリカルな狂気で明るい独裁囜家を描き、ゞョヌ・タルボットは嘘ず䟝存に傷぀いた珟代人を挔じ、ビザラップは“Orange County”に珟代的な電子音の茪郭を䞎えたした。

アシャ・プトリは“The Moon Cave”で死者の声を迎える儀匏の媒介者ずなり、グリフ・リヌスは“The Shadowy Light”に別の芖点ず揺らぎを加え、ポヌル・シムノンは“Casablanca”に柔らかく儚いコヌラスを残したした。

圌らの貢献があるからこそ、『The Mountain』はデヌモン・アルバヌン䞀人の悲嘆日蚘ではなく、異なる文化、䞖代、蚀語が同じ山を登る゚モヌショナルな物語になったのだず思いたす。

故人コラボレヌタヌ――過去から珟圚ぞ働きかける声

故人のコラボレヌタヌは、このアルバムで単なる远悌察象ずしお扱われおいたせん。
圌らは過去のアヌカむブから珟れ、珟圚を生きる人々ぞ働きかけおいたした。

最初に登堎するデニス・ホッパヌは、アルバムの門番です。
圌の声は『Demon Days』の山ず『The Mountain』の山を぀なぎ、か぀お砎壊の物語を語った死者が、今床は魂の安息地ぞリスナヌを導きたす。

ボビヌ・りォマックは“The Moon Cave”で、掞窟の奥に響く死者の声ずなりたす。
アシャ・プトリの生きた声ず重なるこずで、生者ず死者が同じ音楜の䞭に存圚する空間が生たれたす。

トゥルヌゎむ・ザ・ダノこずデむノ・ゞョリクヌルの声も、ブラック・゜ヌトのラップに断片的に応答したす。
死者の声は孀立しお保存されるのではなく、生者のフロヌの䞭ぞ組み蟌たれ、新しい生呜を持ちたした。

トニヌ・アレンは“The Hardest Thing”で、ドラマヌずしおではなく声ずしお垰っおきたした。
か぀お身䜓を動かしたグルヌノの巚人が、今床は掞窟の奥から「私」の魂を動かしたす。
僕には、圌の声が亡き父の叱咀激励ず重なっお聎こえたす。

プルヌフは“The Manifesto”で、光ぞ向かおうずする「私」の前に珟れる過去の亡霊です。
しかし、圌の声は単玔な悪圹ではありたせん。
それは、忘れた぀もりでも珟圚の自分を構成しおいる過去であり、回埩の途䞭で䜕床も向き合わなければならない蚘憶です。
トレノずプルヌフの間に生たれる、時代ず生死を越えたラップバトルは、このアルバムにおける生者ず死者のコラボレヌションを最も劇的に衚珟しおいたす。

マヌク・E・スミスは“Delirium”で、「私」の頭の䞭を暎れ回る錯乱の声になりたす。
重芁なのは、圌の個性がきれいに敎えられおいないこずです。
難解な蚀葉、荒々しい発声、狂気を垯びた笑い声。
マヌク・E・スミスらしさがそのたた残されおいるからこそ、死者は過去の展瀺物ではなく、生きた声ずしお垰っおきたす。

そしお、ルヌ・リヌドに぀いおは区別しお考える必芁がありたす。
“The Plastic Guru”で聎こえるのは、本人の未発衚ボヌカルではなく、合成された「プラスチック・ルヌ」です。

しかし、その停物の声をあえお䜿うこずで、本物、停物、商品化、自己欺瞞ずいう曲のテヌマが完成したす。
䞍圚のルヌ・リヌドは、「本物の声」ずしおではなく、「本物ずは䜕か」を問いかける巚倧な空癜ずしお、地䞋からベルベットの様な怪しい支配力を攟っおいたす。

䞍圚なのにこの存圚感、死しおなおルヌ・リヌドです。

『The Mountain』では、死者は生者のための装食ではありたせん。
生者を導き、励たし、詊し、混乱させ、過去ず向き合わせたす。

䞀方、生者もたた、死者のアヌカむブをそのたた展瀺するのではなく、新しいビヌト、蚀語、解釈を䞎えたす。
死者の声によっお生者が倉わり、生者の音楜によっお死者の声も新しい意味を埗る。
この盞互䜜甚こそが、『The Mountain』に霊的な力を䞎えおいるのだず思いたす。

ちょっず脱線ラッパヌたちの霊力

あくたでも僕の個人的な印象ですが、このアルバムに生者ずしお参加しおいるラッパヌ陣からは、なにか霊力のようなものを感じたす。

ブラック・゜ヌトは、その確信的なフロヌで死者を浮かび䞊がらせ、深遠な知恵で「私」を導きたす。

トレノは、矎しい比喩衚珟で空(侖界)を癒し、過去の亡霊を力匷く远い払いたす。

そしおダシヌン・ベむは、モス・デフずしお録音したものがダシヌン・ベむずしおクレゞットされるずいう「転生」を芋せたした。

僕は、このアルバムではラップスキルが霊的な䜜甚を持぀のだず、勝手に考えおいたす。

もうひず぀の構造――前半の問いに、埌半が応答する

党曲を解説しおみお、僕にはこのアルバムが、第8曲“The Manifesto”を旅の峠ずした、鏡像的な回埩構造を持っおいるように芋えたした。

ただし、これは完党な数孊的察称ではありたせん。
前半で生じた問い、傷、倱敗が、埌半では少し圢を倉えお再び珟れたす。そしお、旅を経お倉化した「私」が、前半ずは異なる答えを返しおいきたす。

01. The Mountain15. The Sad God
――神に導かれる䞖界から、人が自分で歩く䞖界ぞ

“The Mountain”では、山に神や死者が存圚し、生者ぞ働きかけたす。

“The Sad God”では芖点が反転し、去っおいく神父から、残される人子ぞ蚀葉が枡されたす。
1曲目のメロディヌは最埌にもう䞀床珟れたす。
しかし、同じ音が戻っおも、䞖界は元ぞ戻りたせん。

冒頭では死者が生者を導いおいたした。
最埌には神父が去り、人子が自分自身で歩く時代が始たりたす。
この再珟は埪環ずしおも聎けるず思いたす。
ただ僕には、か぀お神ず人が山で぀ながっおいた時代を振り返りながら、神父が山を次の䞖代ぞ手枡す堎面のように感じたす。

02. The Moon Cave14. The Sweet Prince
――䌝えられなかった愛から、送り出す愛ぞ

“The Moon Cave”で「私」は、掞窟の䞭で死者ず぀ながり、亡き父ぞ蚀葉を届けようずしたす。
しかし、瀟䌚的な装いや虚栄を掗い流すこずができず、亀信はうたくいきたせんでした。

“The Sweet Prince”では、぀いに亡き父ぞ、生前䌝えきれなかった「愛しおいる」を届けるこずができたした。

前半では、死者をこちら偎ぞ呌び戻そうずしお倱敗したした。
埌半では、死者を自分のもずぞ匕き留めるのではなく、次の生ぞ送り出したす。
同じ「父ぞ愛を䌝える」ずいう願いが、執着から手攟しぞず倉化しおいたす。

03. The Happy Dictator13. Casablanca
――自分が囚われる景色から、囚われた人々を芋぀める景色ぞ

“The Happy Dictator”では、人々が耇雑な珟実を手攟し、独裁者から䞎えられる心地よいフィクションを遞びたす。
「心の宮殿」に囚われた人々の景色は、この時点での「私」自身の心象颚景でもあったず思いたす。

“Casablanca”でも、人々は自らを「独房」に閉じ蟌め、虚構の䞖界を生きおいたす。
しかし、ここでの「私」は、もう独房の䞭にはいたせん。
か぀おの自分ず同じように閉じこもる人々を、倖偎から芋぀めおいたす。

前半では囚われた人々の䞀人だった「私」が、埌半では同じ景色を距離を眮いお芋られるようになりたす。
その芖線には、批刀だけでなく、か぀おの自分を芋るような愛おしさや「あはれ」がありたす。

04. The Hardest Thing12. The Shadowy Light
――悲しみに厩れるこずから、悲しみず共に川を枡るこずぞ

“The Hardest Thing”で「私」は、悲しみに向き合うこずができず、厩れ萜ちそうになりたす。
故トニヌ・アレンの声に励たされ、わずかに前ぞ進みたすが、悲しみはただ自分を抌し぀ぶす力ずしお存圚しおいたす。

“The Shadowy Light”では、「私」は死や悲しみず向き合いたす。
悲しみを自分の人生の䞀郚ずしお受け入れたす。

前半では、悲しみに動けなくなりたした。
埌半では、悲しみず向き合い受け入れるこずができたした。
悲しみがなくなったのではなく、悲しみずの関係が倉わったのだず思いたす。

05. Orange County11. Damascus
――過去に抌し぀ぶされるこずから、過去を新しい生呜ぞ倉えるこずぞ

“Orange County”では、「珟圚の私」ず「過去の私」が察話したす。
「私」は過去の自分を敵ずしお吊定するのではなく、珟圚の自分を構成しおいる䞀郚ずしお受け入れ始めたす。

“Damascus”では、『Plastic Beach』期の未発衚曲が、異なる時代、蚀語、挔奏者の力を埗お、新しい音楜ずしお再生されたす。

片方では、個人的な過去が珟圚の自分ぞ組み盎されたす。
もう片方では、Gorillaz自身の音楜的な過去が、珟圚の䜜品ぞ組み盎されたす。
どちらも、過去に新しい意味ず圢を䞎え、“Fresh Survival”ぞ倉えるこずで前進しおいたす。

06. The God of Lying10. Delirium
――倖から聞こえる嘘の声から、内偎で暎れる錯乱の声ぞ

“The God of Lying”では、「私」はメディア、SNSのアルゎリズム、他人の評䟡ずいった倖郚の声に翻匄され、自分自身を芋倱いたす。

“Delirium”では、その混乱が内偎ぞ移りたす。
マヌク・E・スミスが担う錯乱の声ず、「ドアを開けお」ず叫ぶ理性の声が、頭の䞭でせめぎ合いたす。

前半では、倖郚の「嘘の神」が自分を芋倱わせたした。
埌半では、内面の「新しい神」錯乱により自分を芋倱いたす。
倖のノむズず内のノむズは異なりたすが、どちらも「私」が自分自身を芋倱う状態です。

07. The Empty Dream Machine09. The Plastic Guru
――機械に倢を預けるこずず、導垫に答えを預けるこず

“The Empty Dream Machine”では、「私」は瀟䌚ずの玄束や抑圧の䞭で、自分の倢を機械のように動かし続け、぀いには空虚になりたす。

“The Plastic Guru”では、その空虚を埋めるために、深遠な蚀葉ず簡単な答えを売る停りの導垫ぞ惹かれたす。

片方では、自分の倢を瀟䌚や機械ぞ預けたす。
もう片方では、自分の答えを導垫ぞ預けようずしたす。
どちらも、自分自身で感じ、考え、遞ぶこずを倖郚の䜕かぞ委ねた結果ずしお生たれる空虚です。

そしお、この二曲の間に“The Manifesto”がありたす。

08. The Manifesto
――機械でも導垫でもなく、共に歩く仲間

“The Manifesto”で「私」が埗るのは、すべおの答えを教える導垫ではありたせん。
トレノは「私」の代わりに山を登っおくれる人物ではなく、隣で同じ山を登る仲間です。

“The Empty Dream Machine”では、倢を機械ぞ預けたした。
“The Plastic Guru”では、答えを停りの導垫ぞ預けようずしたす。

その䞭倮にある“The Manifesto”だけが、人間同士の察等な぀ながりによっお、「私」が自分の足で前ぞ進む曲です。
僕には、この曲がアルバムの䞭心であり、空虚から回埩ぞ向かう反転点に芋えたす。

このように芋るず、前半で倱敗した問いがもう䞀床珟れ、旅を経た「私」が、以前ずは違う答えを遞び盎しおいたす。

同じ堎所ぞ戻ったように芋えおも、そこに立っおいる「私」は、もう以前ず同じ人間ではありたせん。

たずめ

このアルバムでは、父ず子の個人的な物語を通しお、神ず人の壮倧な物語が語られたした。
そしおそこには、デヌモンずゞェむミヌのさらに個人的な想いがメタ的に衚珟されるずずもに、我々リスナヌにも広く開かれた物語でもありたした。
䜕重にも重ねられたレむダヌが、このアルバムの粟神的な深みずなっおいたす。

音楜的にはゞャンル、文化がシヌムレスにブレンドし、第䞉の音楜空間ずなっおいたす。
やはりここでも倚重なレむダヌが玠晎らしい茝きを攟っおいたす。

挔者においおは、堎所、時間、生死を超越しお同時にそこに存圚し、これたで聎いたこずのないポップサりンドが展開されたした。

党曲良いです。
スキップできる曲なんおありたせん。
特に11曲目"Damascus" から15曲目"The Sad God"にかけおの終盀は、魂が浄化されるかのようなカタルシスがありたす。

このアルバムは宇宙です。
毎日聎いおいたすが、いただに新しい発芋があり、魂が揺さぶられお涙が流れたす。
僕個人ずしおは、Gorillazの最高傑䜜だず思いたす。

最埌に

Gorillazの『The Mountain』考察シリヌズはこの蚘事が最埌になりたす。
お付き合いいただいおありがずうございたす。
倧倉お疲れ様でした。

もし気になった蚘事があれば、䞋蚘の《マガゞン党䜓ぞのリンク》から飛んで、ぜひご芧になっおみおください。

このシリヌズは、あくたで僕の解釈です。
そしお音楜は開かれたナラティブです。
リスナヌの数だけ、それぞれの山、それぞれの愛する人、それぞれの旅があっお良いず思いたす。

それでは、たたい぀か別のシリヌズでお䌚いできるこずを、心より願っおおりたす。


To everyone who followed this series from outside Japan: thank you for crossing languages to explore this music with me.

Your time and curiosity have meant a great deal.

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根本繁 もしこの蚘事があなたの気持ちに觊れたなら、応揎いただけるず嬉しいです。 僕にずっお今埌のモチベヌションに繋がりたす。