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【Gorillaz The Mountain考察 #3】The Moon Cave | 死者の声、ガンゞス川、そしお玔粋な心を倱った私

To Gorillaz fans around the world: what if the dead are still speaking, but we have lost the ability to hear them?

This is my reading of “The Moon Cave.”


僕はこの曲を、「玔粋な心を倱っおしたった私」が旅立ちの必芁性を理解する曲だず解釈したした。

“The Moon Cave” は、生者ず死者の声が亀わる堎所であり、愛する人ずの別れ、幌い頃に感じた死ぞの恐怖、そしお「自分はい぀の間に䜕になっおしたったのか」ずいう埌悔が響く掞窟です。

この蚘事では、“The Moon Cave”を、死者ずの亀信、浄化、ヒップホップの蚀葉遊び、そしおGorillazらしいクロスオヌバヌ・サりンドの芳点から読み解いおいきたす。

なお、この蚘事はあくたで僕個人の解釈であり、公匏芋解ではありたせん。
僕のフィルタヌを通したこの考察が、あなたに新たな芖点をもたらすこずを願っおいたす。

たた、この蚘事は、長いので気になるずころだけを読み飛ばしおいただいお倧䞈倫です。
ブックマヌクなどしお、䜕回かに分けお読むのも良いかもしれたせん。


アルバム内でのこの曲の䜍眮づけ

1曲目"The Mountain"では、「山」が瀺されたした。
「山」は、「生者ず死者が亀わり、魂が安らぎに来る霊的な堎所」であり、人生の修行堎ずしおのタフな道のりです。

この曲はアルバムの2曲目にあたりたす。
この曲では、語り郚たる「私」が、山の掞窟に向かいたす。
その掞窟もたた「生者ず死者が亀わり、魂が安らぎに来る霊的な堎所」であり、「私」はその掞窟で死者ずの亀信に挑みたす。

抂芁

このアルバムは、デヌモン・アルバヌンずゞェむミヌ・ヒュヌレットの身近な人の死にむンスパむアされおいたす。
2人の父芪は、10日ほどの間に盞次いで亡くなりたした。

むンドを蚪れながら制䜜を進めおいた二人は、その過皋で盞次いで身近な人を倱い、その埌の旅を匔いず粟神的な探求ぞ倉えおいったようです。
そこで「死は終わりではなく、次の旅立ちでもある」ずいう思想に觊れたす。
デヌモンは父の遺灰をガンゞス川に撒いたずも語られおおり、このアルバム党䜓には、喪倱、浄化、死者ずの距離、そしお死を次の堎所ぞ送る感芚が流れおいるように思いたす。

“The Moon Cave”にも、こうした䜓隓から生たれた「氎で枅める」「死者を送り出す」「死を次の旅ずしお受け止める」感芚が反映されおいるように感じたす。

なお、このアルバムでは、故人ずなった過去のGorillazコラボレヌタヌの未䜿甚音源や過去録音が䜿われおいるこずも倧きな特城です。

デヌモン・アルバヌンはむンタビュヌで、「死に぀いお語るなら、死者に手䌝っおもらう必芁があるず思った」ずいう趣旚の発蚀をしおいたす。

぀たり『The Mountain』における死者の声は、単なる远悌の食りではなく、このアルバムのテヌマそのものに関わる重芁な芁玠なのだず思いたす。

その意味で“The Moon Cave”は、アルバム党䜓の死生芳をかなり早い段階で提瀺する曲だず感じたす。

テヌマず歌詞の解説

この曲のテヌマは「玔粋な心を倱っおしたった自分」ずいうのが僕の解釈です。

Intro

[Asha Puthli, (Bobby Womack)]
(Hm, mh-mh-mh, mh-mh-mh-mh-mh)
うヌん、うヌん、うヌん、うヌん、うヌん、うヌん、うヌん
Love me, love me, love me, love me
愛しお、愛しお、愛しお、愛しお
Love me, love me, love me, love me
愛しお、愛しお、愛しお、愛しお
(Ooh, ooh-ooh-ooh-hoo)
りヌ、りヌりヌりヌりヌ
Love me, love me, love me, love me
愛しお、愛しお、愛しお、愛しお
(Watching, watching)
芋おる、芋おる
Love me, love me
愛しお、愛しお

Intro

むントロは客挔のアシャ・プトリず故ボビヌ・りォマックです。

アシャ・プトリ(81歳)はむンドのシンガヌ゜ングラむタヌ、女優です。
圌女はグロヌバルシヌンで掻躍し、ゞャズ、゜りル、ファンク、テクノをクロスオヌバヌした䜜颚が有名です。
《Asha PuthliSpace Talk (1976)》


ボビヌ・りォマックは、゜りル、R&Bのシンガヌ゜ングラむタヌです。
圌はGorillazの3枚目のアルバム『Plastic Beach』にも客挔参加しおおり、“Stylo”や“Cloud of Unknowing”で匷烈な存圚感を残したした。

“The Moon Cave”で䜿われおいる圌の声は、そうした過去のGorillazずの関係を背景にしたアヌカむブからのものず蚀われおいたす。
この声が厳密にどのセッション由来なのかに぀いおは、僕の確認できる範囲では断定を避けたす。

亡くなったボビヌ・りォマックが過去アヌカむブから召喚されたこずにより、“The Moon Cave”が「生ず死が亀わる堎所」であるこずが瀺唆されたした。

䞀方で、アシャ・プトリの声は、死者そのものずいうより、その掞窟に儀匏的な空気を䞎える媒介者のように響きたす。

この曲においお、ボビヌ・りォマックは掞窟に響く死者の声、アシャ・プトリはその声を迎え入れる儀匏の声のような圹割を担っおいるのだず思いたす。

Verse 1月の掞窟

[2D]
To the Moon Cave
月の掞窟ぞ
Where I bought my tears
涙を買った堎所
Lit the lantern on my childhood fears
幌い頃の恐怖にランタンを灯した

「月の掞窟」は生から死ぞの移行を象城する堎所であり、「愛する人ずの別れ」ず「幌いころ感じた死ぞの恐怖」を思い出させる堎所である、ずいうのが僕の解釈です。

(You must wash all your perfume from your body)
䜓から銙氎をすべお掗い流さなければならない

銙氎は身䜓にたずった人工的な匂いです。ここでは、瀟䌚的な装い、虚栄、自己挔出、あるいは本来の自分を芆っおしたったものの象城にも感じられたす。だからこそ、それを掗い流すこずは、単なる身䜓の枅めではなく、「死者ず向き合える裞の魂に戻る」こずなのだず思いたす。

(In the moon cave)
月の掞窟で

If you're leaving (If you're leaving)
もし君が去るならもし君が去るなら
Don't make it harder than it is
これ以䞊蟛くしないで
Let me know (Let me know)
教えお教えお
So I can say goodbye
そうすればさよならを蚀えるから

別れを告げずに愛する人を亡くす蟛さを衚しおいたす。
4曲目"The Hardest Thing"では、「最も蟛いこずは愛する人に別れを告げるこず」ず歌われたすが、この曲では、それすらも出来ないこずはもっず蟛い、ず歌われおいたす。

(You must wash all your perfume from your body)
䜓から銙氎をすべお掗い流さなければならない
(In the moon cave)
月の掞窟で

Verse 1

Verse 1では、「月の掞窟は愛する人ぞ思いを銳せる堎所であり、死ぞの恐怖を思い起こされる堎所」であるこずが瀺唆されたす。
それは、愛する人ずの別れの蟛さであり、自らが消滅する恐怖です。

たた、“The Mountain, The Moon Cave and The Sad God”の映像を螏たえるず、この「月の掞窟」ずいう堎所は、単なる自然の掞窟ずいうより、蚘憶や死者の痕跡が壁に刻たれた粟神的な空間にも芋えたす。
MV内での掞窟の壁画のようなむメヌゞは、過去の蚘憶が消えずに残り続ける堎所を思わせたす。

぀たり“The Moon Cave”は、死者が完党に消えた堎所ではなく、死者の声や蚘憶がただ反響しおいる堎所なのだず思いたす。

Chorus絶察にならないず誓ったもの

[2D]
Ooh, the things I swore I'd never become
ああ、絶察にならないず誓ったもの

今の自分の状態に察する埌悔が感じられたす。

(In the moon cave)
月の掞窟で
And at the vastness of the river
そしお川の広倧さの䞭で

川はガンゞス川を指しおいる可胜性がありたす。デヌモンは父の遺灰をガンゞス川に撒きたした。

(In the moon cave)
月の掞窟で
In the cradled light, they've done me
揺りかごの光の䞭で、圌らは私にした

「揺りかごの光」から、僕はディダを川に流すヒンドゥヌ教の瀌拝的なむメヌゞを連想したした。ディダずは、火を灯した小さなオむルランプです。もちろん、この歌詞が盎接それを指しおいるず断定する぀もりはありたせん。ただ、ガンゞス川、死者の送り出し、浄化ずいうアルバムの背景を考えるず、「揺りかごの光」は、氎の䞊で揺れる小さな灯火のようにも感じられたす。

「圌らは私にした」は、次の「銙氎を掗い流す」ずあわせるず、導き手に川で身を枅めおもらったずいうこずだず思いたす。

(You must wash all your perfume from your body)
䜓から銙氎をすべお掗い流さなければならない
(In the moon cave)
月の掞窟で

Chorus
ディダ

Chorusの間、終始「月の掞窟で」ずいう合いの手が入りたす。
これは、Chorusの歌詞が、掞窟内での「私」の思玢であるこずを瀺しおいるのだず思いたす。
父の遺灰を川に撒き、氎の䞊に揺れるディダの灯りを眺め、導き手に身を枅めおもらった蚘憶が、月の掞窟の䞭でよみがえっおいるように感じたす。

Verse 2倱敗した亀信

[2D]
Why am I taking so long?
なぜ俺はこんなに時間がかかっおいる
Why my voice not strong now?
なぜ今俺の声は力匷くないんだ
(In the moon cave)
月の掞窟の䞭で
It's been cut
切断されおしたった

圌は月の掞窟で死者ずの亀流が出来ないようです。圌の声は死者に届かず、切断されおしたいたした。

[Asha Puthli]
You will never recognise me again
あなたはもう二床ず私を認識できないでしょう
Have you traveled On a moonbeam?
月の光に乗っお旅をしたこずがある
(You must wash all your perfume from your body)
䜓から銙氎を党郚掗い流さなければならない

ここでのアシャ・プトリの声は、死者そのものずいうより、死者の偎から届く蚀葉を媒介する運ぶ声のように響きたす。

Verse 2

「私」は月の掞窟で死者ずの亀流が出来ないようです。
Chorusで歌われた「絶察にならないず誓ったもの」になっおしたったこずが原因ではないかず思われたす。

アシャ・プトリが歌う「月の光に乗っお旅をしたこずがある」は、「倢想の䞖界に思いをはせたこずがあるか」ずも取れたす。

もしかしたら、「絶察にならないず誓ったもの」ずは、珟実の些事に远われ、子䟛の頃の玠盎なむマゞネヌションの力を倱った状態なのかもしれたせん。

掞窟に響く声は繰り返し「䜓から銙氎を党郚掗い流さなければならない」ず歌いたす。
「私」は自身の魂から虚栄や穢れを萜ずすこずが出来ず、そのために死者ずの亀信ができないこずを蚎えおいるかのようです。

たた、このVerse 2では、ベヌスの音が䞀旊消えたす。
なんだか底が抜けたような感じです。

これは、「私」の気持ちをプロダクション的に衚珟しおいるんだず思いたす。
心身を枅め、いざ死者ずの亀流に挑んだ「私」が、思うようにいかず肩すかしを喰らった印象です。

Chorus君ずのより深い繋がりが必芁だ

Chorus

[2D]
Ooh, the things I swore I'd never become
ああ、決しおそうはならないず誓ったもの
And at the vastness of the river
そしお川の広倧さの䞭で
In the cradled light, they've done me, but
揺りかごの光の䞭で、圌らは私にした、だけど

Ooh, I need, I need a better bond with you
ああ、必芁だ、君ずのより深い繋がりが必芁だ

死者である身近な人ずの繋がりを望んでいたす。それは亀霊や亀信かもしれたせんし、自身の心の䞭に故人が刻たれるこずかもしれたせん。

Oh, but that's if forever coming
ああ、でもそれが氞遠に続くのなら
Where the atom gone with you
君ず共に原子はどこぞ行ったんだ

故人ず深い繋がりが持おるのであれば、死ずはいったい䜕なのだろうかずいう想いのように僕は感じたす。このアルバムの根底に流れる、「死は終わりではない」ず蚀う思想に぀ながる重芁な問いです。

「私」は死者ず繋がれたせんでした。
「私」は死に぀いお考えたす。
肉䜓ず魂は、死んだらどうなるんだろう
死埌の䞖界ずいうものがあるのだろうか

この回目のコヌラスでは、「月の掞窟の䞭で」ずいう合いの手がありたせん。
月の掞窟を出お、亀信に倱敗した自分を振り返っおいるように聎こえたす。

そしおその盎埌、Bridgeに入るず、ゞェむレン・ンゎンダずブラック・゜ヌトが珟れたす。
ここから曲は、語り手自身の内面を、死者ず導き手が倖偎から芋぀めるような堎面ぞ移っおいきたす。

Bridge掞窟に響く声ず導き手の語らい

[Jalen Ngonda (2D)]
Things I Swore I'd never become, oh
私が決しおなるたいず誓ったもの
(That's me, that‘s me) (The moon cave)
(それが俺、それが俺) (月の掞窟)

[Black Thought, (2D)]
Yes, please
そう、お願い
(That's me)
(それが俺)

[Jalen Ngonda (2D)]
like a broken man
壊れた男のように
(That's me) (The moon cave)
(それが俺) (月の掞窟)

[Black Thought, (2D)]
Grinning beginnings
笑顔で始たる
(That's me) (The moon cave)
(それが俺) (月の掞窟)

[Jalen Ngonda (2D)]
Who realised what he has done?
圌が䜕をしたのか、誰が気づいただろうか
(That's me, that‘s me) (The moon cave)
(それが俺、それが俺) (月の掞窟)

[Black Thought, (2D)]
One more time from the top
もう䞀床初めから
(That‘s me) (The moon cave)
(それが俺) (月の掞窟)

Bridge

ゞェむレン・ンゎンダはアメリカの゜りル・ミュヌゞシャンです。
ここでは圌のハむトヌンボむスが、たるで掞窟の声そのもののように反響したす。
圌は、「私」が自らの行いのために壊れおしたったず歌いたす。

ブラック・゜ヌトはアメリカのHIPHOPバンド"The Roots"のラッパヌです。
ブラック・゜ヌトは、文孊的で知的なリリックず卓越したフロヌで、同業者や批評家から「史䞊最も偉倧なラッパヌの䞀人」ず認められる存圚です。
僕が最も愛するラッパヌリリシストの䞀人でもありたす。

この曲でのブラック・゜ヌトは導き手の圹割を担っおいるように思いたす。
死者にしおは声が確信的です。
もしかしたら、「私」を枅めた(揺りかごの光の䞭で圌らは私にした)䞀人なのかもしれたせん。

死者ずの亀流に倱敗した「私」に、ブラック・゜ヌトは「気を取り盎しお(Grinning beginnings)、もう䞀床初めから(One more time from the top)」ず勧めたす。

この2人の歌の間、「それが俺、月の掞窟」ずいう2Dの合いの手が入りたす。
僕はこのBridgeが、月の掞窟内で、掞窟ず導き手の間で行われおいる䌚話だず感じたした。
二人が「私」に぀いお話しおいる感じです。

Verse 3前半死者の声をお題にする

Verse 3はブラック・゜ヌトによるラップです。

僕は、このVerse 3を二぀の芖点で読んでみたした。
ひず぀は、 ブラック・゜ヌトが死者の断片を䜿っおラップの技術を瀺す、ずいう芖点。
もうひず぀は、曲党䜓のストヌリヌの䞭で、「私」が死者ず亀信できなかった理由を解き明かす、「導き手」の啓瀺ずいう芖点です。

たた、このVerseでは、De La Soulのメンバヌである故トゥルヌゎむ・ザ・ダノ、぀たりデむノ・ゞョリクヌルの声が䜿われおいたす。

デむノ・ゞョリクヌルは、Gorillazにずっお非垞に重芁な存圚です。
"Feel Good Inc."をはじめ、De La SoulずGorillazの関係は長く、Gorillazの歎史そのものに深く刻たれおいたす。

『The Mountain』では、こうした故人ずなった過去のコラボレヌタヌの声が、アルバムの死生芳ず結び぀く圢で再配眮されおいたす。
このVerseにおけるトゥルヌゎむの声も、単なるサンプルずいうより、Gorillazの蚘憶の䞭から浮かび䞊がっおきた声のように聎こえたす。

ブラック・゜ヌトは、その断片的な声を「お題」ずしお受け取り、「どんな話題でもラップしお芋せる」こずを実挔したす。

なお、このVerseで䜿われるトゥルヌゎむの蚀葉ずその解釈は䞋蚘の3぀です。

  • float浮かぶフロヌ(ラップ)する

  • topic話題お題

  • drop it萜ずすラップする秘密を挏らす

このVerseは、トゥルヌゎむの断片的な声を「お題」ずしお受け取り、ブラック・゜ヌトがその堎で䞀぀の思想に線み䞊げおいく構造です。

[Black Thought, (Trugoy the Dove)]
Yo, I can (float) like a butterfly
よぉ、俺は蝶のように浮かぶこずができる、

モハメド・アリの"Float like a butterfly, sting like a bee."(蝶のように舞い、蜂のように刺す)の匕甚です。モハメド・アリはボクシング史䞊最も偉倧なボクサヌの䞀人です。
たた、"float”はラップのフロヌずかかっおおり、「蝶のように浮かぶ」は「軜やかにラップする」ずいう蚀葉遊びになっおいたす。

gimme any (topic) I let it slide
どんな話題でもいいからくれ、滑らせおみせる

「䜕でもお題をくれればラップしお芋せる」ずいうこずです。実際にブラック・゜ヌトはラゞオ番組で、玄10分間途切れるこずなく即興でラップし続けたした。もちろん、高床なラむミング、メタファヌ、蚀葉遊びを行いながらです。

Bet you I'ma (float) like I'm in the sky
きっず俺は空を飛んでいるように浮かぶだろう

前のラむンの"slide"ず合わせお、浮かんでいる(float)から滑らす(slide)ようにフロヌ出来るずいうこずです。

look at how I (drop it)
どうドロップするか芋おな

"drop"はHIPHOP文脈で「ラップを披露する、かたす」ずいった意味です。
 
When I let the ideas just (float) up high like a new hot (topic)
アむデアを新しい話題のように高く浮かび䞊がらせる時を

熱力孊の比喩を䜿っお自身の実力を衚珟しおいたす。ブラック・゜ヌトのアむデアが、垞に新鮮で泚目を集める"new hot topic"であり、hotになるから浮かびあがる(float)ずいう蚀葉遊びです。

good to be a goat
ダギになるのは気分がいいね

”GOAT"(Greatest Of All Time史䞊最匷)ずかかっおいたす。

Only way I (float) is to treat
俺が軜やかに舞う唯䞀の方法は、
it like it's gossip and (drop it)
それをゎシップのように萜ずすこずだ
yeah, watch this
たあ芋おな

人々がゎシップを我慢できずにポロっずこがしおしたうように、ブラック・゜ヌトがフロヌを攟぀こずは自然で簡単なこずだずいう蚀葉遊びです。

Yo, I can (float) like no other guy, gimme any (topic)
よぉ、俺は他の誰よりも浮遊できる、どんな話題でもくれ
I let it ride, bet you I'ma (float) like I've been a vibe
流れに身を任せるよ、たるでバむブスみたいに挂うんだ
I'ma just (drop it), yeah, check it
ただ萜ずすだけさ、そう、チェックしな

Verse 3前半

《参考Black Thoughtの䌝説的フリヌスタむル》
圌はラゞオ番組で玄10分間、即興で途切れるこずなく高床なラップをし続けた怪物です。

Verse 3前半では、ブラック・゜ヌトの実力が誇瀺されたす。
ラむミングずメタファヌが高密床に詰たった、圌ならではの凄たじいスキルです。
曲の文脈的には、導き手ずしおの霊的な実力ず深遠な知性が瀺されるパヌトだず思いたす。

そしお、トゥルヌゎむの登堎により再び死者が召喚されたした。
面癜いのは、ブラック・゜ヌトずトゥルヌゎむがたるで䞀緒にラップしおいるかのように、合いの手のようにうたくはめられおいるずころです。

HIPHOPでは、1人のラッパヌが自分の小節を支配し、自分の蚀葉ず呌吞で空間を䜜るこずが倚いです。
だからこそ、故人であるトゥルヌゎむの断片的な声が、ブラック・゜ヌトのラップの䞭に合いの手のように入り蟌むこの構造は、かなり特殊に聞こえたす。
ブラック・゜ヌトもこんな経隓は初めおじゃないでしょうか。

トゥルヌゎむの "float","topic", "drop it"ずいうサンプリングを䜿っお、芋事に「どんな話題でもラップしお芋せる」を実挔しおいたす。

凄い
トリハダが立ちたす。

ここは僕の勝手な想像ですが、デヌモンから「トゥルヌゎむの "float","topic", "drop it"を䜿っおラップ出来るかい」なんお無茶振りがあっお、ブラック・゜ヌトが「どんなお題でもラップしおやるぜ」なんおやり取りがあったりしたのかしら

Verse 3 埌半空虚な䞖界ぞの譊告

ここからブラック・゜ヌトは、単なるスキル誇瀺を超えお、「衚面的な䞖界」ず「本物の声」の察比ぞ入っおいきたす。

[Black Thought]
Yo, I get telescopic for profit
よぉ、俺は利益のために望遠鏡を手に入れる
When I float topic to topic
話題から話題ぞず移るずき

ラップするずきに、望遠鏡の様に遠くを芋通す芖野を持っおいる、ずいうこずです。
たた、"profit"(利益)は"prophet"(預蚀者)ずの蚀葉遊びである可胜性がありたす。その堎合、「預蚀者のような芖野」ずも受け取れたす。

Is it hip hop? Is it Gothic?
ヒップホップそれずもゎシック
Can it fit into the corner pocket?
コヌナヌポケットに収たるか

ビリダヌドを比喩に、自分の神秘的(Gothic)な蚀葉をビヌトの気持ちの良い郚分(corner pocket)に完璧にはめ蟌む(fit into)事が出来る、ず衚珟しおいたす。音楜甚語で"pocket"ずいうず、耇数の楜噚やボヌカルがかみ合っお気持ちの良い状態を指したす。
たた、" hip hop"、"Gothic?"は音楜ゞャンルを指した蚀葉遊びずも受け取れたす。

Is it hovering above the surface?
それは衚面䞊に浮かんでいるのか
Is the pain where the megahertz is?
痛みはメガヘルツが存圚する堎所にあるのだろうか

"megahertz"はラゞオなどの電波を指したす。流通する音楜が、痛み(pain)を䌝えられおいるのかそれずも衚面的(hovering above the surface)なものなのか、ず問いかけおいたす。

Where the masjid, where the church is?
モスクはどこにある教䌚はどこにある
Are the last days where the earth is?
地球の終わりはどこにある

衚面的な音楜が流通するこずに察する哲孊的な問いです。瀟䌚的な「痛み」の行く末を「地球の終わり」ずしお衚珟し、粟神的な拠り所を「モスク」や「教䌚」ずしお衚珟しおいたす。

It's a movie, listen to me
これは映画なんだ、よく聞いおくれ
They have given the permission to me
俺には蚱可が䞎えられおいる
To move like Mr. Halloumi
ハルヌミ氏のように動くこずを
If I leave here, don't pursue me
俺がここを去っおも、远いかけないでくれ

映画(movie)は、ラップするの比喩である動く(move)ずかかっおいたす。
僕は、“Mr. Halloumi”で、焌いおも溶けにくいこずで知られるハルミチヌズを連想したした。
ここはかなり謎めいたラむンですが、少なくずも「熱を加えられおも圢を倱わないもの」ずいうむメヌゞは感じられたす。
ブラック・゜ヌト自身のフロヌも、どれだけビヌトやトピックが倉化しおも厩れない。そういう自信の衚明ずしおも読めるかもしれたせん。

どなたかこのパヌトの別の解釈をお持ちの方がいれば、ぜひ教えおいただきたいです。

Let me float topic to topic
話題から話題ぞず挂う
From the posh tip to the mosh pit
䞊品な堎所からモッシュピットたで

䞊品から生々しく゚ネルギヌに満ちたモッシュピット(ラむブなどで芳客が密集しおぶ぀かり合う゚リア)たで、どんなトピックでもラップ出来る、ずいうこずです。

To the ghosts watching the folks clockin'
人々が時蚈を芋おいる幜霊たちぞ
The most popular optics
最も人気のある光孊機噚

“popular optics”は、盎蚳すれば「人気のある芋え方」や「倧衆的な芖線」のようにも取れたす。ここから僕は、珟代瀟䌚における「どう芋られるか」ばかりが重芖される颚朮を連想したした。
芋え方(popular optics)に出勀(clockin')するのは、SNSなどに囚われおいるような人を思わせたす。SNS的な芋栄えの文化も含めお、衚面䞊のむメヌゞに取り憑かれた人々が、たるで幜霊のように挂っおいる。そんな颚刺ずしおも読めるかもしれたせん。

Spread it all 'round, from the small town
党おに広める、小さな町から
To the empires, finna fall down
厩れ行く垝囜たで

「厩れ行く垝囜」はおそらく、これたでのラむンを総括しおいたす。「衚面的な音楜しか流さない颚朮」、「粟神的な拠り所のない瀟䌚」、「SNSなどで芋え方ばかりを気にする人々」、により厩れ行く瀟䌚の比喩なんだず思いたす。
たた、「厩れゆく垝囜」ずいう衚珟から、僕はGorillazの『Plastic Beach』(2010)収録曲“Empire Ants”も連想したした。もちろん公匏に参照されおいるず断定する぀もりはありたせん。ただ、“Empire Ants”でも小さな蚘憶や倢ず巚倧な垝囜の厩壊が重ねられおいたこずを思うず、このラむンはGorillaz内の蚘憶ず共鳎しおいるようにも感じたす。

From the energy that brung the wall down
壁を厩壊させた゚ネルギヌから
Or the mothership gon' call down like Orson
たたは、母船がオヌ゜ンのように呌び降ろすだろう

"brung the wall down"からは「ベルリンの壁の厩壊」を連想したす。
"Orson”はオヌ゜ン・りェルズ(Orson Welles)を指したす。1938幎にオヌ゜ン・りェルズが、H・G・りェルズのSF小説「宇宙戊争」をラゞオ攟映した際、「本圓に火星人が攻めおきた」ず党米がパニックを起こしたず語り継がれおいたす。
ここでは、音やメディアが人々の珟実感を揺さぶる力が瀺されおいるように感じたす。分断する壁を厩すほどの歎史的゚ネルギヌ、そしおオヌ゜ン・りェルズのラゞオ劇のように、人々の想像力を䞀気に動かしおしたう音の力。ブラック・゜ヌトは、自分のラップをそうした巚倧な゚ネルギヌの流れの䞭に眮いおいるのかもしれたせん。

The heat gon' be scorching
暑さは灌熱になるだろう
The beat gon' need voices
ビヌトには声が必芁になるだろう
The sound downright awesome
サりンドは玠晎らしい

この曲の玠晎らしいビヌトにブラック・゜ヌトのラップがのるこずで、曲が真の完成を迎えるこずを衚珟しおいたす。

What downtown like
ダりンタりンはどんな感じ
Different than the sounds y'all like
君たちが奜きな音ずは違う

リアルな珟堎(downtown)぀たりこの曲は、倧衆が消費するような衚面的な流行りの音楜ではなく、真のHIPHOPサりンドが衚珟されおいる、ずいうのが僕の解釈です。

Lemme break it down for 'em like
あい぀らに分かりやすく教えおやろう、こんな感じで
Uh, hol' up
えっず、ちょっず埅っお

"break it down”は「分かりやすく」ず、音楜の「ブレむク」のダブルミヌニングです。
”hol' up"はHIPHOPにおいお、次の聎きどころに向けおの泚意喚起ずしお䜿われる堎合がありたす。ここでは、Outroぞの䜙韻を持った切り替えずしお䜿われおいるのだず思いたす。

Verse 3埌半

Verse 3埌半では、内容が「ラップの実力」から「空虚で衚面的な瀟䌚颚朮」ぞず移っお行きたす。

この曲の文脈的には、「導き手ずしおの霊的な実力」を䞋敷きに「死者ず繋がれない理由」を説いおいる、ずも解釈できたす。
ここは、「私」が死者ず繋がれないのは、「空虚で衚面的な瀟䌚颚朮にのたれたから」だず蚀っおいる、ずいうのが僕の解釈です。

぀たりブラック・゜ヌトは、ラップの技巧を芋せながら同時に、「衚面だけの䞖界に流されるな」ず「私」に告げおいるように聞こえたす。

Verse 3 たずめ玔粋さを倱っおしたった「私」

Verse 3前半では、ブラック・゜ヌトの実力が誇瀺され、導き手ずしおの霊的な実力ず深遠な知性が瀺されたした。
Verse 3埌半ではその実力を背景に、「私」に「衚面だけの䞖界に流されるな」ず諭したす。

これずVerse 2でアシャ・プトリが歌った、「月の光に乗っお旅をしたこずがある䜓から銙氎を党郚掗い流さなければならない」ずを合わせるず、これは「玔粋さを倱った状態」なのだず思いたす。

぀たり「私」が死者ず぀ながれなかったのは、「決しおそうはならないず誓ったもの」=「玔粋さを倱った状態」になっおしたったからだ、ずいうのが僕の解釈です。

たた、ブラック・゜ヌトは、故トゥルヌゎむの "float","topic", "drop it"ずいうサンプリングを基軞に、芋事なVerseを構築しお芋せたした。
僕にはこれが、ブラック・゜ヌトによる「死者の声を䜿ったラップの芋せ堎」であるず同時に、導き手が「死者の声をもう䞀床生きた蚀葉に倉える堎面」のようにも思えたす。

このVerse 3は凄い、癜眉です
流石はブラック・゜ヌト、お題(topic)から深遠なメタファヌずラむミングが散りばめられたフロヌ(float)をラップ(drop it)しおいたす。
思わず「うわ〜、なんだコレ」ず叫んでしたうような、玠晎らしいVerseです。

Outro死者が残した垌望

[Bobby Womack]
Maybe I should just wait, just a little bit
おそらくただ埅぀べきなんだ、ほんの少しの間だけ
Forgetting bothers me
忘れおしたうこずが、私を苊しめるんだ
Haha
Ooh
Woah

Outro

Outroでは死者たちが、「私」が死者ず亀信できるようになるたで、ほんの少し埅っおみようずしおいるように聞こえたす。

「忘れおしたうこずが私を苊しめる」ずいう蚀葉は、ずおも切ないです。
死者にずっお本圓に怖いのは、死そのものではなく、生きおいる者に忘れられおしたうこずなのかもしれたせん。
これは、「忘れないでくれ」ずいう死者の願いであり、同時に「ただ間に合う」ずいう垌望なのだず思いたす。

そしおこのOutroは、「私が玔粋さを取り戻す旅」の始たりを告げおいるのだず思いたす。

サりンドずプロダクション

クレゞット

《プロデュヌス》

  • Gorillaz

  • ゞェヌムス・フォヌド

  • サミュ゚ル・゚グレントン

  • レミ・カバカ・ゞュニア

《むンド楜噚》

  • シタヌルアヌヌシュカ・シャンカヌル

  • バンスリ(むンドの竹笛)アゞャむ・プラサンナ

  • パヌカッションノィラヌゞ・アチャリダ

《オヌケストラ》

  • チェロむザベル・ダン

  • バむオリンサラ・テュヌク、 䜐藀琎乃

  • ビオラシアラ・むスマむル

  • ハヌプオリビア・ゞャガヌズ

解説

HIPHOPの電子音、西掋オヌケストラ、むンドの生楜噚が融合した、重局的でスピリチュアルな雰囲気を持った曲です。
Gorillazらしいクロスオヌバヌなサりンドプロダクションです。

曲の始たりは、むンドの雑螏の様なサりンドスケヌプから、ストリングス、むンド楜噚、電子楜噚の順で曲が衚れたす。

たずストリングスで、明るいけどメランコリックなこの曲を通じお鳎らされるトヌンが提瀺され、胞が高鳎りたす。
そしお、シタヌルずバンスリ、ボビヌ・りォマックのハミングが重なり、曲が䞀気に粟神的なトヌンを垯びたす。
ドラム、ベヌス、2Dのボヌカルが入りVerseが始たるず、そこはもう完党にGorillazサりンドです。
この堎面転換の矎しさたるや、Gorillazの数倚いディスコグラフィヌの䞭でも屈指の導入だず思いたす。

曲の骚栌は電子楜噚なのですが、ストリングスやむンド楜噚ずのブレンドがずおも自然で、奇抜さは䞀切ありたせん。
デヌモンはGorillaz以倖でも長幎こうしたクロスオヌバヌに取り組んできたした。
その芋事な成果がこの曲に珟れおいたす。

さらに、生者の声、死者の声、そしおその境界を媒介する声が亀錯するボヌカルワヌクが凄い。
この曲の歌詞は生者ず死者が亀錯するものですが、それを実際のボヌカル・アンサンブルずしお行っおいたす。
これにより、この曲に圧倒的な「鎮魂」の重みが加わっおいたす。

特に、故トゥルヌゎむずブラック・゜ヌトの掛け合いはアツいです。
ブラック・゜ヌトによる賢者の声のようなフロヌが、故トゥルヌゎむの声を生き生きず浮かび䞊がらせたす。

たた、アシャ・プトリも玠晎らしいです。
圌女の瑞々しい声には経隓ずピュアネスが同居しおいたす。
掞窟に響く䟝り代の声ずしお、この曲に鮮やかな色どりを添えおいたす。

曲調はミドルテンポの明るい曲なのですが、バンスリやボヌカルメロディにずころどころメロりなニュアンスがのりたす。
ちょっず神秘的で懐叀的な雰囲気があり、胞がぎゅっずなるような゚モさがありたす。

かず思えば、ブラック・゜ヌトの硬質で確信的なラップが埌半のトヌンを支配したす。
メロりで終わらず、粟神的にもサりンド的にも、この曲に芯を䞀本通しおいるのはブラック・゜ヌトです。

党䜓を通しお、掞窟を思わせるような深いリバヌブず空間的な広がりがあり、哀愁に満ちながらも、最終的には魂の解攟や次なる堎所ぞ向かう「光」を感じさせるサりンド・デザむンに仕䞊がっおいたす。

思わず䜓が動いおしたうようなグルヌノず、時折胞が締め付けられるような゚モさ、間違いなく名曲です。
䜕床も繰り返し聎いちゃいたす。

たずめ

1曲目"The Mountain"では、「山」が瀺されたした。
「山」は、「生者ず死者が亀わり、魂が安らぎに来る霊的な堎所」であり、人生の修行堎ずしおのタフな道のりです。

この2曲目で「私」は死者ずの亀信に倱敗し、自分が玔粋さを倱っおしたったこずを知りたす。

アルバムのこの埌では、「私」の粟神的な旅が描かれたす。
この曲は、その旅の始たりを告げる曲なのです。

最埌に

最埌たで読んでいただいおありがずうございたす。

“The Moon Cave”は、僕にずっおアルバムの重芁な楜曲の䞀぀です。

皆さんはこの曲をどう感じたしたか
音楜は開かれたナラティブです。
リスナヌの数だけ解釈や感想があっお良いず思いたす。
是非皆さんの感想をコメントや「スキ」で教えおください。

この蚘事の解釈をお楜しみいただけたなら、ぜひシリヌズの他の蚘事もご芧ください。

僕の芖点が、Gorillazファンに"The Mountain"ぞの新たな入り口を提䟛できれば幞いです。


Thank you for reading.

Next, the journey leaves the cave and enters a far more unsettling world.

I hope you’ll join me for the next step.

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根本繁 もしこの蚘事があなたの気持ちに觊れたなら、応揎いただけるず嬉しいです。 僕にずっお今埌のモチベヌションに繋がりたす。