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芋出し画像

#5遺圱に䜿える写真が、䞀枚もなかった話。──40代のあなたぞ

    「遺圱向けの写真、䜕かありたすか」——担圓者のその䞀蚀で、家族党員が固たりたした。

    「最近の芪の写真を党然残しおいなかった」ずいう珟実。
    この10幎の「忙しさ」が、こんな圢で埌悔になるずは。

    40代・50代が陥りがちな地味に重い埌悔の正䜓ず、今すぐできる備えの蚘録です。 

    ■このnoteは、
    今はもう50代の私や劻が、
    40代から先で実際に盎面した「想定倖」に぀いお、
    誰かにずっおの「あずで困らないための予習」ずなるよう、
    この10幎の蚘憶を掘り返しお綎った、珟実の蚘録です。

    「終掻本に曞いおある䞀般論」ず、
    いざその堎に盎面した「遺族のリアルな感情」には、地味に倧きなズレがありたす。
    今回のテヌマである『遺圱写真の準備』も、たさにその䞀぀でした。 

    「倧阪のおかんが遺しおくれた宿題」シリヌズ。
    前回の蚘事#4では、
    病院から遺䜓を搬送するたでの「数時間のタむムリミット」ず、

    そのタむムリミットが故に
    矩母がただ間違いなく息を匕き取る前の病宀の倖で、
    スマホで葬儀瀟を探すこずになった眪悪感ず焊りに぀いお曞きたした。

    慌ただしかったけど、なんずか葬儀瀟を決めた。
    なんずか、そこの安眮宀ぞず
    矩母を搬送しおもらうずころたで挕ぎ着けた。

    次に私たちを埅ち構えおいたのが・・
     

    「写真、䜕かありたすか」ずいう、最初の䞀蚀

    嵐のような数時間が過ぎ、ようやく少しだけ息を吐いたのも束の間のこず。

    打ち合わせ宀で葬儀瀟の担圓者から、早速、次の「想定倖」を突き぀けられたした。
    もちろん䞁寧に、しかし圓然のように。

    「それでは具䜓的な準備に入りたす。
    お母さたの、遺圱向けの写真を甚意いただけたすか。
    できるだけ新しく、お顔がはっきり分かるものが望たしいです。」

    ・・・。

    家族が固たったのは、この時です。
    劻も矩匟も、
    昔のパ゜コンの凊理萜ちのように数秒間動かなくなっおいたした。

    矩匟が最初に再起動を果たしたす。
    「え、ちょっず埅っお、姉さんっお最近の母さんの写真、ある
    おれ、党然ないねんけど」

    続けお劻も。
    「うわ、あんたも
    私だっお、もう䜕幎も垰省しおないし・・」

    二人ずも、
    「䞀応、芋おみるけど」ず蚀いながら、
    どこか普段より重そうにスマホを取り出しお芋始めたした。

    画面に映し出されるのは、
    矎味しいご飯、旅行先の颚景、近所の公園に咲いた桜などのスナップ。

    そこには、
    矩母に送っお芋せた写真はあっおも、
    矩母の姿がたるでありたせん。

    スクロヌルしおも、スクロヌルしおも、出おきたせん。

    劻のスマホにも、
    矩匟のスマホにも、
    芋事なたでに矩母の写真がありたせんでした。

    私たちは、
    この10幎どころか、思っおいた以䞊に
    芪の写真を撮っおいたせんでした。
     

    なぜ写真がなかったのか。蚀い蚳なら、幟぀もできる。

    たず、私たち倫婊偎の事情。
    日々の仕事が、ずにかく忙しく、重かった。

    経隓倀が増すずずもに段階的に圹垭が進み、
    事業責任者だの執行圹員だの取締圹だのず、
    責任は重くなり、
    垰省するだけでも䜓力を蚈算しなければいけなくなっおいたした。

    埌玉から倧阪ぞ垰り、
    さらに翌日から普通に働く。

    40代の身䜓には、
    それが思った以䞊に堪えるようになっおいたのです。

    たた、
    矩母や矩父の偎の事情もありたした。

    「ガラケヌの䜿い手」だった矩母。
    最近耳にした「倉性血統」は無くずも、時々繰り出しおくる秘技「おかんメヌル」の砎壊力たるや、凄たじいものがありたした。が、写真は望むべくもありたせん。

    矩父母が運転免蚱を返玍しおからは足回りが䞀気に䜎䞋し、出かける機䌚も枛少。

    さらに、
    矩父が斜蚭暮らしずなっおからは、
    「実家にはお矩母さん䞀人だから、私たちが急に行っおも気を遣わせるかな」などずいう劙な遠慮が働いお、䜙蚈に足が遠のいおいたした。

     蚀い出せば、理由はいくらでも出おきたす。

    もしかしたら、皆さんも同じかもしれたせんね。

    でも、
    「もう劻は母芪ず䞀緒に過ごすこずが二床ず出来なくなった」ずいう珟実の重さを前にすれば、党おただの蚀い蚳にしか思えたせんでした。
    少なくずも、私たち倫婊の偎の事情に぀いおは、そうです。

    亡くなった悲しみや寂しさずはたた違う、
    地味で、じわじわず胞の奥を圧迫しおくるような「埌悔」が、静かに打ち合わせ宀に満ちおいきたした。
     

    矩母のドダ顔を思い出した瞬間

    凊理萜ちしたたたの姉匟を芋かねた担圓者さんが、助け舟を出しおくれたした。

    「昔の写真でも、今のデゞタル技術遺圱マゞックで匕き䌞ばしお綺麗に修正できたすから、倧䞈倫ですよ。」

    WebやECの䞖界に関わっおきた身ずしおは、
    「なるほど、最新の画像凊理技術がこんなずころで圹に立぀のか」
    ず劙に玍埗。

    姉匟の顔に「垌望」の明かりが灯っおいたした。

    同時に私の頭にも、
    枊䞭の姉匟ずは異なる「垌望」ず䞀緒に、矩母のある衚情が浮かんでいたした。 

    無理ず分かっおいながら、
    私の頭の䞭にふず浮かんだ、1぀の「垌望」。

    もし、
    なんがでも遞択肢があっお、
    自由に写真を遞べるのなら・・

    颚呂䞊がりのビヌルの䞀杯、
    その䞀口目を喉にグッず流し蟌んだ盎埌に矩母が芋せおいた、

    誰に向けるでもない、
    ドダ顔味のある嬉しそうな顔。

    「あれを遺圱にできたら最高やな」ず。
     

    ■実は、矩母ず私は、倧切な「ビアBeer友」でした。

    矩父は昔から糖尿病で、お酒は飲めたせん。
    劻も、ほずんど飲みたせん。

    必然的に、
    劻ず私が倧阪の実家に垰省したずき、矩母ただ䞀人が私の貎重な「飲み友達」でした。

    ずにかくお颚呂䞊がりのビヌルをこよなく愛しおいた矩母には、忘れられない゚ピ゜ヌドがありたす。

    矩父母ず私たち倫婊の四人で、奈良県の枩泉に出かけた時のこずです。

    枩泉の埌、
    車で移動しおレストランぞ向かう途䞭、埌郚座垭で矩母が
    「あヌ喉かわいた」
    ずか
    「到着ただかのど也いたわ」
    ず、しきりに繰り返しおいたした。

    劻が、手持ちのペットボトルのお茶を差し出しお「これ飲み」ず蚀うも、矩母は「いらん」ずのたたいたす。

    その埌に続いた母嚘の䌚話――

    嚘「え、なんでのど也いたんやろ」
    母「かわいた」
    嚘「え、ほな、なんでなん」
    母「えヌ、なんでも蚀いにくそうな、でもニダリず」
    嚘「意味わからぞん、なんでやねん」
    母「 そのほうがビヌルが矎味しいから」

    画像

    嚘「は もしかしお枩泉出おから䜕も飲んでぞんのかいな」
    母、うなずきながら再床ニダっず。

    嚘「えヌ、倧䞈倫かいな、信じられぞんな。脱氎症状なったら、どないすんねん」
    母「倧䞈倫や」
    嚘「もう知らんで」
    母「倧䞈倫」
    車内䞀同「・・・。」※のど也いた本人を陀く。

    そしお、母「ほんで、ただか」

    この䌚話がツボに入った私は、思わず吹き出しおしたいたした。

    矩母の䞭で「ビヌルの矎味しさ」は、脱氎症状の䞍安より優先される。
    党力で1口目のビヌルに向き合う、私にずっおは矩母のチャヌミングさを象城する思い出です。

    あの幞せそうな瞬間、油断したくりの矩母。

    あの衚情を写真に残しおおけたら、
    それが遺圱になっおいれば、
    ず今でも思いたす。
    本人は絶察に怒るでしょうけれど
     

    家捜しの末に芋぀かった、奇跡の䞀枚

    劻のスマホにも、矩匟のスマホにも写真がない。

    そこで、誰もいない実家に戻り、
    手分けしお、家捜し泚やさがし。≠家探しの勢いで家䞭をひっくり返したした。

    匕き出しを開ける。
    棚を探す。
    叀い封筒を芋る。

    昔のアルバムも開きたしたが、叀すぎおずおも䜿えない。

    「もうないかもしれない」ず思い始めたころ、矩母の寝宀を担圓しおいた矩匟が、少し声を䞊げたした。

    「これ、どうやろ」

    額瞁に入れお、倧事そうに食っおありたした。

    矩匟倫婊のお子さん――぀たり矩母にずっおの倧切な孫。
    その小孊校入孊の蚘念写真でした。

    家族で䞊んで撮った䞀枚の䞭に、矩母が写っおいたした。

    少し日光を眩しそうにしながら、でも嬉しそうに埮笑んでいる。
    しかも、着物姿。

    「あ  これなら」

    家族党員が、同じこずを思った気がしたす。

    画像

    業者さんに盞談したずころ、
    必芁な郚分だけ匕き䌞ばしお䜿甚するこずができるずのこずでした。

    「正装で埮笑む矩母」ずいう、
    今回のこの“写真ないない尜くし”のなかでは、奇跡みたいな䞀枚でした。

    家族みんなで、倧きく安堵したのは蚀うたでもありたせん。
     

    今40代のあなたぞ。「私たちずは逆の苊劎」をしおほしい。

    別に、
    「将来の遺圱のために、今から芪の写真を準備しおおきたしょう」などずいう、終掻本のような四角四面なこずが蚀いたいわけではありたせん。

    そんな぀もりでカメラを向けるのは、寂し過ぎたす。

    ただ、ご䞡芪ず䞀緒に、
    ずにかく思い出をたくさん写真に残しおほしいのです。

    もし、
    今、あなたが40代で、

    仕事が忙しくお、
    疲れおいお、
    気力が残らなくお、
    芪埡さんず䌚う頻床が枛っおいるなら。

    その感芚は、倚分、あなただけではありたせん。

    でも今は、
    離れお暮らしおいおも、 顔を芋ながら話せる時代です。

    芪埡さんが、
    画面の向こうで顔をクシャクシャにしお笑う。

    そんな瞬間を、
    スクショで残しおおくこずだっおできたす。

    遺圱に䜿うかどうかは、別の話。

    ただ、
    埌で思い返しお笑い合える写真は、
    倚ければ倚いほどいい。

    画像

    い぀か、
    芪埡さんが倩囜に旅立぀こずになった時、
    遺圱写真遞びで
    私たちずは「逆の苊劎」をしおくれたなら、嬉しいです。

    「あり過ぎお、遞べない」ずいう苊劎を。
     


    次は、「家族葬」ずいう遞択で考えさせられたお話です。

    ■倧阪のおかんが遺しおくれた宿題 ― シリヌズ蚘事䞀芧

    #1芪ず連絡が取れない倜、実家の鍵を持たなかった40代の倱敗
    #2芪の「延呜」どう決める元気なうちに本音を聞くこずが家族を救う
    #3芪の最期に「倧阪のおばちゃん」党開の服を遞んだ話病院での逆転劇
    #4芪が元気なうちに読んでほしい病院で初めお知った『数時間』のタむムリミット
    【本蚘事】#5遺圱に䜿える写真が、䞀枚もなかった話。──40代のあなたぞ
    #6家族葬はどこたで呌ぶ誰に連絡──芪の亀友関係を䜕も知らなかった我が家の盲点
    #7芪を倧切に思っおいるのに、お墓が決められない。──倧阪のおかんが遺しおくれた最埌の宿題

    40代以降で同じような堎面に向き合う方の、䜕かの予習になればず思っお曞いおいたす。

    もし読んでみお、
    ご自身のスマホのフォルダを振り返るきっかけになりたしたら、画面䞋の「スキ♡」や「フォロヌ」をいただけるず倧倉励みになりたす。

    次回は、葬儀の準備に関するの次の゚ピ゜ヌドを曞く぀もりです。
    たた、次の蚘事でお䌚いできれば幞いです。

    浮氎培凪


     
     
    40代のこれから10幎、知らないず地味に困る珟実を䜓隓ベヌスで蚘録。たずはこちらの固定蚘事から↓ https://note.com/rosy_macaw8007/n/na9cdfc2648ac

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