
⑤終・選択的別姓婚をしてた私が思い描く 内からも外からもCOOL JAPANな未来予想図/ソトにクール編
「選択的夫婦別姓婚」を考える第5回め。
いきなり迷い込んでしまった初めての方へ。単独でも読めるので大丈夫。あとタイトルを見て別姓婚の実例を見に来た方は第2回へどうぞ(一番軽くてオススメ)。
今回はタイトル完全回収、そしてついに最終回である。いや、分量的には分けたほうがいい6000字越えなんだけど、これを言うためにここまで書いてきたので一気に言わせてほしい(流石にもう自分がいい加減終わりたいし……)。
ぜひ最後までお付き合いよろしくです!
それでは、Vámonos!
* * *
6.ウチにCOOL JAPAN (補足)
3')賛成派も反対派もLet's COOL down (落ち着こう)!
「……内部で争っている場合ではない。冷静に、落ち着いて、COOLに未来を見つめ、一緒に進んでいこう!」
前回の記事はこう言って終わったんだけど。
「選択的夫婦別姓婚」の論争はヒートアップする一方である。法案を通したら「負け」だ!とか「他国の陰謀」だから国が滅びるとかの論調も反対派さんから見かけるのだが。いやいや待て待て。ちょっと落ち着こうよ。
内政がうまくいっていない時、外に仮想敵を作って国民の目をそらす。古今東西よく見られる常套手段だ。だけど今の状態ってこの逆。国内に敵を作って争い消耗して、何も進まず自滅の道。これ、それこそ他の国からしたら願ったり叶ったり。ほくそ笑む顔が見えるようだ。
ねえ、そっちの方がヤバくない?
あ、あとね。反対派さんがいう「この法案を通そうとしている奴が本当に望んでいるのは家制度の破壊、戸籍制度の廃止、同性婚の法制化だ!」については、他の人は知らんけど、私は確かにそうですが何か? だって断然その方が多くの人が幸せになるし、国にとっても得だもん(これについては後述)。
でも結局何も進まないってことになるくらいなら戸籍だっていっそ別姓婚だって諦めてもいいですよ、その代わり……というのは前回に話した通り。
ともかくね。なかで争ってる場合じゃない。反対派さんの意見を聞いてると行動経済学で有名なこの実験を思い出す。
プレーヤーAが10ドル渡される。Aはそこから任意の額をプレーヤーBに渡す(例えば自分は7ドルで相手には3ドル)。その額をBが納得したら双方がその額を手に入れられるが、Bが拒否したら双方とも取り分はゼロになる。
スパイト行動とまでは言いたくないけど、相手に得をさせたくないから阻止してやれ!みたいな意図を感じちゃうんだけど、これが結局自分の不利益にもなるし、どっちも、つまり日本の不利益になってしまうことに思いを馳せてほしいのだ。
でね。どうせ戦うんならウチでなくソトと戦おうよ。
と言うことで、次はソトに対してCOOL JAPANの現状と打開策を考える。
政治・経済にズブの素人が語るので間違っていたらどんどん叩いてくれていい(Mじゃないのでお手柔らかに)。でもそれを叩き台にして日本がまた国として元気を取り戻し、国民がみんな幸せになれる施策につながるなら大きな喜びである(だからMじゃないってば!)。
7.ソトにCOOL JAPAN
1)今は世界情勢にCOOL(無関心)
これ、詳しくは第一回で既に語った。
日本は一人当たりGDP、世界競争力、労働生産性、デジタル人材、ジェンダーギャップ……などなど、いろいろな国際ランキングで年々下がり続けている。
このことを取り上げると何故か次のような反応がくる。
何故そんなに自国の負の面ばかり取り上げて不安をさらに煽るんですか。そういうあなたたちみたいなのが「自虐史観」を……(以下略)。
日本だって色々改善の施策を打っています!そうした面をちゃんと見て!
意識高い系乙www そんなこと言ったってどうせ何も変わらないんだからラクして楽しく生きるオレ、かしこカッコいい。
残念だが、どれも自国しか見ていないガラパゴス思考だ。
の反論)ただ現状を客観的に捉え多面的に分析しようとしているだけである。今、日本の経済がうまくいっていないのは自明なのだから改善のためにまず現状を正しく理解するため負の側面を洗い出すことは必然。良薬は口に苦し。No pain, no gain. つまりMじゃないし自虐でもない。
の反論)確かに日本もしてる。でも日本が1の施策をしている間に他国は10も20もしている。その質と量の差が相対的に日本を後退させている。
の反論)自分で自分をカッコいいって言うのが一番イケてないんですけどね。
そうそう、最後のこれ!
2010年あたりに政府主導で始まったCOOL JAPAN戦略はつまんないハコモノを海外に作るなど色々失敗だったけど、何が一番失敗ってそのネーミング。海外からすれば「自分で自分をCOOLってプププ。COOLじゃないよね」なのである。
同じように、財布を拾ったら交番に届け電車は整列乗車しゴミは捨てずに持ち帰る。こうしたことを当たり前にするから日本って超COOLと外国人は感心しているわけで、「海外の反応」とかタグをつけて自分から「見て聞いて!世界でこんなに称賛されてる私たちスゴい!」と言っちゃったら全てパーである。
元気がない日本を応援するためわからなくもないが、ネットは世界中の人が瞬時に見られることをちょっと冷静に考えてほしい。けっこうこっちで見ていて恥ずか死ぬ。カワイイを追求しすぎて国全体が未熟になっちゃった?的な残念さが滲み出ているのだ。
こうして日本の負の部分は無関心(COOL)を貫き、正の部分は過剰なほど反応して逆にCOOLじゃなくなっているのが今のソトに対しての日本の現状である。
2)真のCOOL(イケてる)JAPANへ!
では日本浮上・成熟化プロジェクト始動。
第4回でも触れたように日本は古来から世界に倣いその知識を魔改造して発展してきたのだから、今回も世界の成功例からチャッカリ学んでガッツリ打開策を見つけよう。
①ドイツに学ぶ中小企業の国際化
日本の包丁や文房具は世界一だと思うのにドイツのヘンケルスやステットラーほど世界的ブランドとしての知名度がないのは世界の損失であり、もっと言えば国の怠慢である。
そこでヒントになるのがこの記事。
①ドイツは中小企業が99.7%、少子高齢化社会、製造業が主力産業と日本と似た環境だが生産性は日本の1.5倍、時間当たり賃金が1.5倍(ちなみに人口は日本の2/3、企業数も2/3)。
②国内の全輸出額に占める中小企業の割合は日本はわずか約3%だがドイツは約19%と中小企業が強い。
理由1)中小企業がイノベーションにこだわり、「高くても買いたいと思われる商品を開発」し、「海外市場で売る」基本をドイツ人の真面目で愚直な性格で、忠実に実行しているから。
理由2)マイスター制度と呼ばれる高等職業能力資格認定制度が存在し、職人の社会的地位は日本に比べて高く、また地方で創業した企業が大企業になっても本社を移転せず産業クラスターを形成できているから。
バブル崩壊以降の日本の低迷の一つにイノベーションが進まずIT化の波に乗れなかったことが大きいが、大企業より中小企業の方がトライアンドエラーの規模も小さいのだから、政府は既得権益の保護にばかり目を向けていないで中小企業にこそ資金援助を国策として行ってほしい。
資金力のバックアップがもらえたら、すでに産業クラスター化している岐阜県関市(刃物)や新潟県燕市(調理器具)、岡山県倉敷市(ジーンズ)などからはもちろん、日本の津々浦々から世界で勝負できるブランド・商品が現れることは間違いない。そこまでするか、という細やかな消費者目線で考案され妥協しない高い品質管理で作られた日本製品は、インバウンドでの国内販売頼みだけでなく、どんどん世界の市場に出ていくべきである。
かつて世界の店でSONYやSHARP、Panasonicの商品が溢れていたように、MONO消しゴムが世界の小さなコンビニでも買える日。たくさんの今は無名の日本の企業の商品が、ここメキシコで当たり前のように売られる日を私は見たい。

②韓国に学ぶエンタメコンテンツの世界戦略
日本のコンテンツもアニメはもちろん最近は映画・音楽の分野でも大健闘しているが、肌感覚で言うとやはり韓国ドラマやK POPほどの影響力はないように思う。その理由を色々探していたらこのような統計を見つけた。

新型コロナウイルス感染症の 影響に伴う 諸外国の文化政策の 構造変化に関する研究(文化庁・獨協大学)より
日本の文化支出額はドイツの半分、韓国の1/3
国家予算に占める割合は日本0.11%で韓国1.23%
日本低っ!予想はしてたがここまで国のやる気に違いがあるとは正直ビックリである。
さらに悪いことに2024年度には当初予算で1,062億円で国家予算の0.09%とさらに比率が下がっている(ちなみに防衛費は7%の7.9兆円ですと!)。
そのポッチリの文化予算の中身はこちら。
約半分の額が「文化財保護の緊急強化」。
いや、もちろんそれも大事ですよ。でも「グローバル展開やデジタル化などによる文化芸術活動の充実」(219億円)の内訳を見ても日本のメディアコンテンツを新たなCOOL JAPAN戦略として推しまくろう!という気概は全く見えてこない。
日本語教師をしている人ならほぼ100%同意してくれると思うのだが、外国人が日本に興味を持つきっかけダントツの一位はラーメンでも着物でもなくアニメである。こんな美味しい儲け話が目の前に転がっているのになぜテコ入れしない、日本政府!目を覚ませ!!
さてこの今や日本の代名詞とも言えるアニメ。その業界だけは他の産業を尻目にウッハウハの左うちわかと思ったら、実情は全く恩恵を被っていないブラック状態。その理由はたくさんあるが、主なものはこんな感じ。
製作委員会方式を採用した場合アニメ制作側は「製作費」だけを受け取り、リスクを受けない代わりに興行が当たった時の利益も受けられない。
フリーランスや契約社員が多く安定した雇用を得ることが難しく、低賃金で長時間労働を強いられている。その結果ベテランはその技術力から報酬も高く生き残るが若者は技術を上げる前にその待遇の悪さから離職してしまうことが多い。
そうした人材不足やコスト削減を理由に海外に作業を外注することも多い。
ってこの流れ、バブル崩壊後にコスト削減を優先してガンガン生産拠点を海外に移し国内雇用もドンドン非正規にしていった結果、日本国内がジワジワ元気を無くしていったのと同じじゃん!
STOP! 二の舞い。死の舞い。
日本がやるべきことは待ったなしでコレ!
ドイツに学んで国内生産を死守!
こんなブラック状態だがアニメーター希望の若者は依然多い。そこで最初はドイツのマイスター制度のように国が熟練技術者を育成するシステムを作って金銭面でもサポート。長期的には雇用も安定し、細部も手を抜かない日本クオリティで世界唯一の競争力を身につける。
韓国に学んで作品やクリエーターに直接支援!
この分野への国の予算を大幅に増やし、企業の代わりに「作品」や「アーティスト」単位でどんどん支援(でも金は出すけど口は出さない。ツマンないもの=売れないものにしたくないからね!)。
③つまり日本が元気になるには……
アニメ制作会社も中小企業と考えると、ともかくこうした零細企業の優秀な「作り手」たちを始めは守って育ててこそ、自分と仕事に自信と誇りを持ち、生活が安定することによって消費も活発になり、結果GDPの増加という国が求める最終成果が見えてくる。
「We are the 99%!」
ウォール街に遅れること10年以上ではあるが、1%の富裕層・大企業に対して残りの99%の一般市民が団結するときである。
そしてこの一般市民99%の半分は女性である。これをどれだけ私たちは本当に分かっているだろうか。その労働的価値は男子になんら劣らない。
こちらの記事によると男女比は54対44(他2)と大差がないが、ここで問題なのがこちら。
30代までは男女比に大きな違いがないのに対して、40代以上になると、女性のアニメーターの数が急激に減少します。このデータから、育児のために仕事を辞めていることが容易に推測できます。
せっかく技術を上げ、ベテランになったのに辞めざるを得ない。これは大いなる損失である。雇用をフリーランスから正規にすることで育休の制度を作ったり家での作業を認めたりと、いくらでもこうした熟練女性職人の離職にストップをかける施策ができるはずである。
ここで確認しておきたいのは私は専業主婦を否定しているわけではない。
それが可能で、本人が希望するなら大いに専業主婦でいるべきだし、ほんのちょっとのパート勤務という働き方もあると思う。
問題なのは、働きたいのに働けない社会の仕組みや雰囲気である。
あーーーやっと戻ってきた。
これが、選択的夫婦別姓制度と構造が全く同じなのだ。
同姓を選ぶなら選べばいい。だけどそうじゃない選択肢も用意すべきで、それを許さない社会の仕組みや雰囲気が問題である、と。
国連女性差別撤廃委員会が30年同姓強制の改善を要求してきているのも、この二つの問題が切っても切れない関係でリンクしているからなのだ。
ジェンダーギャップ指数の向上に留まらず、日本の競争力の向上、最終的なGDPの引き上げまで。全てのランキングの日本の順位の復活には、この「嫁」という字の通り家に縛り付けられた「女」を「家」から開放することが明らかな第一歩となる。言い換えるなら高齢化が進み人口減少に歯止めが効かないなか、他国に比べ日本はまだ「女性」という豊かな労働力が「家」という地下鉱脈に埋まっているのだ。
それなのにソレを活かさず海外に利をむざむざ渡す? それとも足りない労働力を海外から連れて来る?
それこそ反対派さんが本当にイヤなことのように私には思えるのだが。
8.YES, we can!
失敗を恐れてイノベーションが進まず30年の停滞を、そして後退を招いた日本が、この法案でも今、また変化を恐れてお茶を濁し、先送りにしようとしている。
また石橋を叩くだけで一歩も進まないの?
大丈夫だよ。未開の地に進むわけじゃない。
既に各国が進んでいる道に遅れて進むだけ。
今は一番最後だけど、大丈夫。
私たちはできる子。Yes, we can!
進むと決めたら瞬発力はお墨付き。
魔改造の実績もアイディアも抜群。
多様性に年寄り政府は慌てているけど、日本を代表する漫画・アニメコンテンツでは当たり前だし、いっそ世界をリードしている。
ブッダとキリストが同居。作者の中村光さんのセンスがもちろんスゴいんだけど。
これってクリスマスを祝って除夜の鐘をついてから初詣に行く日本人だから生まれる発想でもあって。そして日本人はこのどの宗教もきちんとリスペクトした上で魔改造している。これが本当の多様性だよね。
私たち別姓婚賛成派も反対派も争わないで、人が、国が、元気で幸せになる方法を、あきらめないで話し合って見つけていきたいなあ〜
ホントこのまま何にもしないでズブズブ沈んでいく前に。
最後に日本人が一番大好きな偉人、坂本龍馬の言葉でこの記事を〆よう。
「時勢に応じて自分を変革しろ。」
「偏見を持つな。相手が幕臣であろうと乞食であろうと、教えを受けるべき人間なら俺は受けるわい。」
「人の世に失敗ちゅうことは、ありゃせんぞ。」
「人として生まれたからには、太平洋のように、でっかい夢を持つべきだ。」
ここまでお読みくださり
本当にありがとうございました。
Hasta pronto! またお会いできますように
本シリーズ・インデックス
第1回
1. 私は別姓婚に積極的に賛成だ
2. 別姓婚反対派の方へ
1) 現在の日本の世界におけるポジション
2) 日本が今できる失地回復・起死回生案
第2回
3.たかが名前? されど名前!
1) こだわり① 姓名の並び順
2) こだわり② 裁判での名前変更
4. 実録・夫婦別姓が選ばれるとき
第3回
5. ここがヘンだよ反対派の意見
1) 伝統・文化への影響
2) 夫婦の結束の弱体化
3) 親子関係の曖昧化
4) 社会的な混乱
5) 戸籍制度の混乱
第4回
6.ウチにCOOL JAPAN
1)今は国民に対してCOOL(冷たい)!
2)家の中もCOOL(冷えきっている)?
3)未来へCOOLに(落ち着いて)行動!
第5回(今回)
3')賛成派も反対派もLet's COOL down (落ち着こう)!
7.ソトにCOOL JAPAN
1)今は世界情勢にCOOL(無関心)
2)真のCOOL(イケてる)JAPANへ!
8.YES, we can!
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©️2025 naveotoevan 0020 ⑤終・選択的別姓婚をしてた私が思い描く 内からも外からもCOOL JAPANな未来予想図/ソトにクール編