
日本の二次創作文化は偉大だし町田康「口訳 古事記」をオーディブルで聴いたら自分史上最高傑作だった。マジですかマジです。
もうほんとタイトル通り。ハチャメチャにキャラをいじっているけどオリジナルにはしっかり敬意を払ってる究極の二次創作もの。関西弁でボケ倒す神様たちが文句なくオモシロい。面白いのに神話の勉強にもなっちゃう。ズルくない? そんな欲張りな本を今日は全力で紹介したい。
それがこちら。(全約2500字)
作品情報「口訳 古事記」
単行本(講談社) – 2023/4/26
町田 康 (著)
オーディオブック(10時間33分)
岩崎 了 (ナレーション)
アナーキーな神々と英雄たちが繰り広げる、〈世界の始まり〉の物語。
前代未聞のおもしろさ!!日本神話が画期的な口語訳で生まれ変わる!町田康の新たな代表作。
オーディブル・レビュー
総合5 ナレーション5 ストーリー5
(2025/04/06 読了)
脳内で蠢く北斗の拳風バトルシーンw
私の中で町田康氏の最高傑作!
さらに私のオーディブル史上最高のストーリー&ナレーションとの完璧な親和性(神話なだけに?)。ナレーターさんに惜しみない拍手を!
古事記だけじゃなくってこのコンビで日本史全部やってもらいたい。
マジっすか。マジっす。
イヤヨーと叫ぶ町田氏が見えるw
以下思いつくままに。
・このヤマトタケルやばすぎる。サイコパス元祖?スサノオがかわいく思えてきた。
・紙本でも絶対持ちたい(やっぱり人名は漢字で見たいし自分の呼吸で読んでもみたい)
note追記
今も昔も・音で楽しむ「古事記」
版元・講談社さんのサイトで作者自らが朗読しているショート(30秒)動画。雰囲気を味わうならこちら。
試し読みくらいの分量(9分半)があるのがこちら。本書のエッセンスはほぼここに詰まっているので超オススメ。
ただねえ。
もちろんご本人のもいい。いいんだが……
オーディブルのナレーター岩崎さんバージョンがサイコーなんだよ。
飄々とした町田節を、出し過ぎず抑え過ぎずに絶妙のアシスト。ラジオドラマでなく、ちゃんと朗読の範囲での読みなのに、どうしてこんなに世界観を出せるんだ!? 町田氏との完全なコラボ芸術。ちょっと別モノな域。
こう思ったのは私だけではないようで、他の人のレビューでもナレーターさんはベタ褒めが多かった。もちろん受け取り方には個人差があるので、絶対なんていうものはない。
自分だけの体験で言うと。
「自分のオーディブル史上、一番オーディブルで聴いてよかった、と思った作品」
だった。
興味を持ったオーディブル・ユーザーさん。ぜひ聴いてみて!
ユーザーじゃない人は初めてなら30日無料チャレンジができるので、この機会に体験してみては?
てかほら。古事記に収められている話って、元々は中国から文字が渡ってくる前から人々が口から口へ伝えていってたものだし。「音」との相性がいいのはトーゼンだよね(←こじつけ)。
ただそんなオーディブルにも弱点はある。
やっぱり「目」でみたいなと思ったもの。
それが「神様たちの名前」だ。
冒頭、次から次へと神様たちの名前がドンブラコドンブラコと流れてくる。頭の中で必死に漢字変換するも追いつかないほどドコドコ流れてくる。漢字変換できないのもドコドコドコドコ・・・うわああああ!
いや、大丈夫。
この神様たち、そんな大事じゃないから。
壮大な交響曲の始まりでパーカッションがドコドコいわせてるくらいの脳内処理で流してしまおう。
なんて思ってまあ1回目は聞いたけど。
やっぱり次は紙本で「目」でも読みたい。
次に日本に帰ったら買おう。それか誰か友達がこっちくる時に買ってきてもらおう。いや、最近は円安だしメキシコペソで買ったら送料かかってもお得かも。
そう思って商品ページに戻ったら、こんな文字を見つけた。

やっぱり人に勧めたくなるよね。わかる。
今年高校に入学した甥っ子に贈ろうかな?
うーーーん。
姉が絶対好きだからもう持ってる可能性大。
とりあえず、まずは自分にギフトで(←さみしい)。
日本の二次創作文化、ばんざい!
そしてこの本を読んで、改めて。
日本人の魔改造力、すげえ。と思った。
この力。日本人は遺伝子レベルで待ってると思う。
インド人「これ、美味しいですね。なんて料理ですか」
日本人 「カレーです」
っていうのがドコまで本当かはさておき、カレーもラーメンも餃子もハンバーグもコロッケもパフェもシュークリームも!!! 今や日本食のド定番。そして円安が後押しして山のようにドンブラコと太平洋や日本海を渡ってくる海外の人たちの胃袋をガッチリつかんで離さない。
同じように漫画やアニメも今やトヨタやユニクロより世界で有名だ。そして、それらに対する二次創作も絵画、小説、音楽、ゲーム、コスプレなど、多岐にわたって発展し、世界中で愛されている。
二次創作は著作権の侵害という危険をはらみながらも日本では比較的寛容に受け止められている。なぜか。
原作への愛から生まれたものであることが感じられるから
原作の認知度、人気の上昇にも貢献するから
自由で多様な表現が活発になり、新たな作品が生まれる土壌を作っているから
現にこの「口訳古事記」だって、
表現はふざけているけれども内容はきちんとオリジナルを尊重している
とっつきにくかった古事記がグッと身近になったことで、古事記への関心・理解を高めることができる
神様たちを茶化し倒し、ルッキズムがダダ漏れな表現も多いが、それが許容されるのも日本の「多様性」ならでは
だから、こんなにアナーキーで面白いのだ。こういう作品は、まだまだ表現に厳しい規制のある某国、黒人やアジア人を一定数入れて「はい、多様性です!」と言っている某国では生まれないだろう。(←自主規制)
もちろんガハガハ笑いながらもモヤモヤする場面はあった。
そんな違和感を無視するのではなく、作品のスパイスとして「楽しむ」くらいの度量を持ちたい––––かな。
そんなことも思った。
ヒリヒリする部分を持ち、でも人間臭い。
万人には受けない。でも刺さる人には刺さる。
日本の百花繚乱・ガラパゴス文化、ばんざい。
まとめ
オーディブルで聞くのに最適な本。
フザケているけどまじめな歴史書(神話)。
どうする、読む? それとも聴く?
その二つしか選択肢はないほどオススメである。
おまけ
ちなみにマジメにふざけている歴史書は多分これ。
そしてマジメにマジな二次創作歴史書はこれ?
(実はまだ見てない。でもすんごく気になってる。メキシコではまだマイナー)
お読みくださりありがとうございました。
Hasta pronto! またお会いできますように
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