
④選択的別姓婚をしてた私が思い描く 内からも外からもCOOL JAPANな未来予想図/ナカにクール編
「選択的夫婦別姓婚」を考える第4回め。とはいえ前記事を読んでいなくても大丈夫。ただ時々その内容に言及するので、最後に貼るリンクから後で読んでくれると嬉しい。
いよいよタイトル回収の最終回(前編)である(終わらせようと思ったが終わらなかった!)。
まずはCOOLの意味を確認だ。
1. 涼しい、冷たい
2. 冷淡な、さめた、無愛想な、無関心な
3. 涼しい顔の、いけしゃあしゃあとした、ずうずうしい
4.〈話〉素晴らしい、すごい、格好いい、いけてる、りりしい
5. 冷静な、落ち着いた、平気な etc.
この様々なCOOLを使って、現在過去未来の日本を語っていこう。
先日4月30日、立憲民主党から選択的夫婦別姓導入のための民法改正案が提出された。賛成派さんも反対派さんもどっちでもない人も是非お付き合いいただきたい。「日本を愛し良い国にしたい」という一点においては同志なんだから、ね?
それでは、Vámonos!(全4100字)
6.ウチにCOOL JAPAN
1)今は国民に対してCOOL(冷たい)!
①「選択的」なのだから、同姓を選びたい人は選べるし現法で事実婚を余儀なくされている人たちは別姓を選べる。どちらも法のもとに平等になる。もうこのことだけで反対派さんは自分以外の意見に冷たすぎる!と思うのだ。
そもそも名前とは非常にパーソナルなもので、それへの思い入れも人によって千差万別(第2回3-1参照)。それを一つの価値観で強制し押さえ込まないでほしい。
②たかだか100年ちょっとの同姓婚の歴史(第3回5-1参照)を日本の伝統や文化だと言ってそれを強制するのは、
オムライスは日本発祥!(まあ正しい)。
これこそ伝統的な日本食!(え、伝統?言い切る?)
だからこれしか食べちゃダメ!(いやいや他の食べ物だって日本に昔からあるし、人には好みがあるんだから一方的に押し付けられても……)
という話と構造は一緒だと思う。そう考えるといかに暴論かわかってもらえるかなあ。
③「通称」の使用を拡大する案も根強くあるが、≒(ニアリーイコール)は=(イコール)にはならないのだから根本的な解決にはならない。
第2回3-2で、姓ではないが名前で私は長年「通称」を使っていたが卒業証書はそれが認められなかったことを述べた。証書を受け取り、ほとんど馴染みのない正式名称を眺めたとき、私のその学校での生活全部が霧の向こうへ消えていき、現実世界では存在しなかったと言われているような錯覚に囚われた。こんな自分の存在が曖昧になるような気持ちは他の誰にも味わってほしくない。
このように名前に自分のアイデンティティーを強く感じる人間がいることを、「弱さ」や「ワガママ」だと一つの価値観で冷たく一刀両断にしない、優しい国であってほしい。
そもそも「通称」というのは差別に繋がりやすい側面がある。多くの在日外国人は自分の名を堂々と名乗れるのに、なぜ特定の国がルーツの人たちは「通称」を使わざるを得なかったのか考えてほしい。誰もがひとしく自分の名を後ろめたさも但し書きもなく名乗れる世の中であれ、と強く思う。
2)家の中もCOOL(冷えきっている)?
私が日々出会うメキシコの家族はなぜ皆あんなに仲がいいのか。もちろん国民性や環境もあるが、家庭内で個人を尊重する姿勢が大きいと私は思う。
スリッパを振り回し家庭で君臨するメキシコのお母さんの姿はしばしばSNSのミームで面白おかしく描かれるが、基本的には大人も子供も対等に、一個人としてそれぞれが尊重されている。
では日本の家庭はどうだろうか。
「主人」や「奥さん」の呼称が象徴するように家父長制で確かにあった夫婦間の序列が無意識下で残り、「お兄さん」と兄を呼ぶことはあっても「弟さん」とはまず呼ばないように兄弟姉妹でも上下関係がある。親子でもかつての「子どもは父親の所有物で絶対服従」ほど極端ではないがある。いい例が「反抗期」という言葉だ。反抗とは年長者や権威、権力に逆らうこと(出典:Wiktionary)だから、言外に「年長者には従うべき」という意識がある。こうした序列や上下関係が家庭内での個人の尊重や平等を阻害しているのが日本の家庭ではないだろうか。
だから平等でない不満がたまって妻(や子ども)が夫を濡れ落ち葉扱いするような逆転現象だって現れるし、本来なら心や身体を休めるべき家で争うのは疲れるだけなので極力関わらなくなっていく。そんな冷え切った家を生み出す家制度の名残こそメスで完全に切り取るべきではないだろうか。
別姓婚を認めるだけでこの家庭問題がすべて解決する、とは私も思わない。しかし現在95%の女性が夫の姓になっているこの圧倒的不平等に最初のメスを入れることは、個人を尊重する家庭への第一歩になることは間違いない。
逆に家制度とは女性や子供の「我慢」の上で成り立つもので、個人の自由と多様性を尊重する世の中の流れに完全に逆行する制度であると私は声を大にして言いたい。
3)未来へCOOLに(落ち着いて)行動!
妻や子どもだけでなく夫も、皆それぞれ大切にされお互いを尊重し心安らかに落ち着いて過ごしている家庭は今でもたくさんあるだろう。でももっともっと増えてほしい。子供部屋やトイレだけが息をつける場所だなんて悲しすぎるじゃないか。
この「落ち着いた居心地のいい家100%計画(ネーミングセンス……)」は現状での事実婚家庭や母子家庭、父子家庭、LGBTQ家庭に単身家庭など、すべての家庭が対象となるべきである。
こうしたすべての家庭のカップルや子供の権利がきちんと法的かつ社会的に保障されるなら、別に「結婚」という形にこだわる必要はないとも私は思っている。ここまでさんざ選択的夫婦別姓制度の導入を訴えてきたのに「裏切り者!」と言われそうだが、あくまでも「形」ではなく「中身」が大事だからだ。
そう思ったきっかけはこちらの記事。
この記事によると未婚率の上昇は何も日本だけの現象ではなくヨーロッパ各国でも同様だが、これらの国では事実婚が増えているため結婚率は低くても出生率は日本より高いとか。それを支えているのがこちら。
この背景には、フランスの「パックス(連帯市民協約)」やスウェーデンの「サムボ」と呼ばれる、同棲中の事実婚のカップルや子どもの権利を法的に保護する制度が整備されていることが挙げられます。
何を一番守らなければならないのか。
家のあり方や戸籍制度?出生率? いやいや
すべての人の平等と平穏な生活だろう。
だから結婚という法的制度でも平等であるために、別姓婚は認められるべきという気持ちは変わらない。
しかし30年進まなかった選択的夫婦別姓制度がここに来ても双方の主張が平行線をたどり一向に進展せずズブズブと沈んでいくくらいなら私は名よりも実を取る。選択的夫婦別姓婚制度の導入は諦めよう。しかしそれはスウェーデンのサムボ法のようにリアリーイコールではない、完全に結婚とイコールな法的な保障を約束してもらうことが条件だ。
この「日本版サムボ法」が施行されるなら、例え世界で唯一同姓を強要する国が続いたとしても、対外的に自信を持って「言い訳」ができると言うもんである。
どちらにせよ、日本は根本的に社会構造を改革しなくてはならない。
まさに改革なくして成長なし、である。
そう謳って突き進んだ小泉内閣の構造改革の負の側面を考えると、この言葉をスローガンに動き出すのは若干の抵抗があるが、大事なのは名でなく実。中身と速度だ。
ただでさえ責任を取ることを恐れるあまり変化を嫌う日本人ではあるが、私はこの点結構楽観的に考えている。
本当に変化を嫌う国民だったら明治維新は起きなかったはずだから。
鎖国下で太平の世を謳歌していた江戸時代から、黒船襲来で初めは攘夷を叫んでいた人々が、圧倒的な国力の差を見せつけられ開国へと舵を切り、西洋に積極的に教えを乞いアジアで一番に近代化に成功したのは紛れもなく私たちの祖先である。
これ以外でも。
中国から漢字を輸入するも、魔改造してひらがなやカタカナを生み出し。
遣隋使や遣唐使で積極的に海外に学び、廃止した後に平安文化が花開き。
敗戦後も昨日まで敵国だったアメリカを手本に脅威の復興を見せたり。
日本という国の歴史は内向き思考と外向き思考の繰り返しでできていると言っていい。そのどっちのフェーズでも全力で取り組む頑張り屋さんな姿は愛おしいし尊敬しかない(時々行き過ぎてしまうのは困ったちゃんだが)。
ということで。この失われた30年。日本は内向き思考だった。
いよいよ次は外向き思考の時代である。
殻を破って海外に積極的に教えを乞い、その教えを魔改造してまた世界をあっと言わせてやろうではないか。
たくさんの先達の例が後押ししてくれる。大丈夫。我らは「できる子」である。
そのためには内部で争っている場合ではない。冷静に、落ち着いて、COOLに未来を見つめ、一緒に進んでいこう!
次回予告
今回はウチにCOOLがテーマだったので、次回は
7.ソトにCOOL JAPAN
これでホントの最終回である(……たぶん)。
本シリーズ・インデックス
第1回
1. 私は別姓婚に積極的に賛成だ
2. 別姓婚反対派の方へ
1) 現在の日本の世界におけるポジション
2) 日本が今できる失地回復・起死回生案
第2回(今回)
3.たかが名前? されど名前!
1) こだわり① 姓名の並び順
2) こだわり② 裁判での名前変更
4. 実録・夫婦別姓が選ばれるとき
第3回
5. ここがヘンだよ反対派の意見
1) 伝統・文化への影響
2) 夫婦の結束の弱体化
3) 親子関係の曖昧化
4) 社会的な混乱
5) 戸籍制度の混乱
第4回
6.ウチにCOOL JAPAN
1)今は国民に対してCOOL(冷たい)!
2)家の中もCOOL(冷えきっている)?
3)未来へCOOLに(落ち着いて)行動!
第5回
3')賛成派も反対派もLet's COOL down (落ち着こう)!
7.ソトにCOOL JAPAN
1)今は世界情勢にCOOL(無関心)
2)真のCOOL(イケてる)JAPANへ!
8.YES, we can!
お読みくださりありがとうございました。
Hasta pronto! またお会いできますように
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