
三題噺ショートショートvol.69_助太刀
落語家もすなる三題噺といふものを、コジも、してみむとてするなり。
企画もの、大の苦手なのである。
どんな親しい人の企画ものでも、なかなか素直には乗れない。
私は、「ルール」とか「決まり事」とか「期限」とか「締め切り」とかという制限事項が世の中で一番嫌いなのだ。
いくつになろうが、聞かん坊の悪ガキ。それが、私、kojuroだからである。
え?落語?三題噺?ヤスシさん?

今週の三題
1.高校野球
2.アメリカ横断
3.鳥人間
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
コジ、別名、天の邪鬼志朗だろ。「もし書けなかったとしても、それはそれでOK。でも、やってみなきゃ、もったいない!」なんてこと言われたら、逆に書きたくなるんじゃないの?
なんのはなしですか。

わかったよ、書くよ。書く書く。書けば良いんでしょ、リトル。それで、いいんだろ?
ブラックホールよりも重い重い重い腰を上げて、半ば自暴自棄に筆を執る。
さて。では、三題噺ショートショート「助太刀」まいりましょうか。

天は二物を与えず。
そんな言葉、忘却の彼方に消え去っていたが。それほどまでに、ヤツの才能は凄かった。
文武両道?
そんな甘っちょろいものじゃない。何をやらせてもトップクラス。そのうえ途轍もない努力家で。人格も飛び抜けて良かった。
ヤツに出会ったのは、高専の入学式だった。
どうしてここを選んだのかと聞いたら、鳥人間コンテストに出場したいからだと笑った。
しかし、驚いたのはそれからだった。兼部した高校野球で名を成す傍ら、更にクイズ研究部を立ち上げてアメリカ横断高校生クイズに出場した。
ただ。
ヤツが出来なかったことが、ひとつだけあった。
卒業式当日、俺はヤツに頼まれて、代理で栞に手紙を渡したのだ。
この前、久し振りにヤツの家で飲んだ。
栞がお手製の絶品つまみを出してくれて。本棚をチラッと見たら、燦然と輝く金メダルが3つ、並んで飾ってあった。
こんなヤツの人生の、ほんの一部でも手伝ったことがあったなんて。
帰り道で、俺は俺を褒めたくなった。

そんなこんなを家内と語らおうとしてソファーに目をやると、家内が脚を指さしてニッコリと笑っていた。
「コジくん、マッサー(注1)してね。もう、合コンには参加しないよね?さすがに」
「…」
マッサージをすると、家内は、上機嫌である。
家内が上機嫌だと、我が家は平和である。
だから。
これで、いいのだ。

(注1)マッサーとは、マッサージのことである。家内のさっちゃんがそうやって、略して言うのである。さっちゃんへのマッサーは私の最重要の日課である。
今日の投稿を入れて、69作。俺にしちゃあ、三題噺もけっこう書くには書いたが。これ、どこまで続くの?
いつまで書くの?
初回から一年を超え、まだまだお題を発してくれるヤスシさんとの根競べだ。
