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Photo bymortalcoil40

三題噺ショートショート_傷

    kojuro

    落語家もすなる三題噺といふものを、コジも、してみむとてするなり。

    企画もの、大の苦手なのである。

    どんな親しい人の企画ものでも、なかなか素直には乗れない。

    私は、「ルール」とか「決まり事」とか「期限」とか「締め切り」とかという制限事項が世の中で一番嫌いなのだ。

    いくつになろうが、聞かん坊の悪ガキ。それが、私、kojuroだからである。


    え?落語?三題噺?ヤスさん?

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    またまた、難題……



    心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟つぶやいた。

    コジ、別名、天の邪鬼志朗あまのじゃくしろうだろ。「もし書けなかったとしても、それはそれでOK。でも、やってみなきゃ、もったいない!」なんてこと言われたら、逆に書きたくなるんじゃないの?


    なんのはなしですか。

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    書くの? 書かないの? どっちなんだいっ!



    わかったよ、書くよ。書く書く。書けば良いんでしょ、リトル。それで、いいんだろ?


    ブラックホールよりも重い重い重い腰を上げて、半ば自暴自棄に筆を執る。

    さて。では、三題噺ショートショート「傷」まいりましょうか。


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    高校の時、全く勉強しなかった。宿題は出さないのが当たり前。だが赤点だけは、辛うじて回避する。

    俺の学校は、曲がりなりに「進学校」で。

    赤点なら部活動停止。単位を落としたら退部。そんなくだらない不文律があった。






    高三に上がる三学期末が終わった日、担任の英語教師に呼び出された。




    「お前、このままじゃ単位、落とすぞ」




    追試を三回受けて、ひとり通らず。





    究極の救済措置は、写経。教科書全部を書き写すことだった。



    生まれて初めて必死で取り組み。何とか期限の朝までオールナイトでやり遂げ。職員室の担任の机の上にノートを叩きつけ、サンドイッチを咥えながらチャリンコを飛ばし。開かない踏切にも耐え、ようやく球場に着いてマウンドに立った。


    キャッチャーのサインに首を縦に振り。振りかぶって第一球を投げ込んだ。







    気付いたとき、ベッドで寝ていた。ピッチャーライナーを食らい、病院に担ぎ込まれたのだ。







    今だにその傷が疼き、俺に語りかけてくる。






    為さねば、成らぬ。


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    ヤスさんの三題噺企画の、そんなこんなを家内と語らおうとして後ろを振り向くと、家内が笑って言った。

    まだ、あの三題噺続けてるの?じゃ、それにちなんで、マッサー(注1)三倍返しで、ね。ペペン、ぺンッ!


    ……。


    マッサージをすると家内は、上機嫌になる。


    家内が上機嫌だと、我が家は、明るくて平和である。





    だから。



    これで、いいのだ。

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    なんだかなぁ、三題噺……



    (注1)マッサーとは、マッサージのことである。家内のさっちゃんがそうやって、略して言うのである。さっちゃんへのマッサーは私の最重要の日課である。


    俺にしちゃあ、三題噺も、けっこう書いたは書いたが。笑



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    三題噺……難しいって、話

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    なぜかキナリ杯をきっかけに、noteを書くようになった。気ままに、気長に、書きたいときに、書きたいことを書きたいだけ書く。

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