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Photo bysugitamokkoujo13

三題噺ショートショート_手紙

    落語家もすなる三題噺といふものを、コジも、してみむとてするなり。

    企画もの、大の苦手なのである。

    どんな親しい人の企画ものでも、なかなか素直には乗れない。

    私は、「ルール」とか「決まり事」とか「期限」とか「締め切り」とかという制限事項が世の中で一番嫌いなのだ。

    いくつになろうが、聞かん坊の悪ガキ。それが、私、kojuroだからである。


    え?落語?三題噺?ヤスさん?

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    お題、難しくなってきてないか?



    心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟つぶやいた。

    コジ、別名、天の邪鬼志朗あまのじゃくしろうだろ。「もし書けなかったとしても、それはそれでOK。でも、やってみなきゃ、もったいない!」なんてこと言われたら、逆に書きたくなるんじゃないの?


    なんのはなしですか。

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    書くの? 書かないの? どっちなんだよっ!



    わかったよ、書くよ。書く書く。書けば良いんでしょ、リトル。それで、いいんだろ?


    ブラックホールよりも重い重い重い腰を上げて、半ば自暴自棄に筆を執る。

    さて。では、三題噺ショートショート「手紙」まいりましょうか。


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    最初のデートは王子動物園おうじどうぶつえん。俺の庭だ。

    猿山が好きで。遠足も写生も、ずっとその周りで過ごした。

    そのことを話したら、澪みおはクスクス笑っていたっけ。





    俺の大学の隣の女子大生で。幸哉こうや主催の合コンで知り合った。

    大人しい性格で。隅っこに一人でいたから、俺から声をかけたんだ。






    帰り際に、売店でアクセサリーを買った。







    あの日、応援に来てもらったんだ。


    俺の逆転サヨナラホームランでゲームを締めたが、スタンドに澪の姿は無かった。







    一月ほどしてから、幸哉が手紙を渡してくれた。






    あの日、お父さんが倒れ。程なく会社が行き詰まり。学校もやめて遠くに引っ越したのだという。

    なくしたピアスを探したが、どうしても見つからなかったらしく。最後はこう結んであった。



    See you again.







    同窓会で、ひどく幸哉に叱られた。


    別れの手紙だと思っていたあれは、また会いたいという意味だったんだと。







    そういや最後に、小さな字で数字が書いてあった。






    俺ってほんとに、バカなヤツだった。


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    ヤスさんの三題噺企画の、そんなこんなを家内と語らおうとして後ろを振り向くと、家内が笑って言った。

    まだ、あの三題噺続けてるの?じゃ、それにちなんで、マッサー(注1)三倍返しで、ね。ペペン、ぺンッ!


    ……。


    マッサージをすると家内は、上機嫌になる。


    家内が上機嫌だと、我が家は、明るくて平和である。





    だから。



    これで、いいのだ。

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    三題噺……また、つまらぬものを書いてしまった……



    (注1)マッサーとは、マッサージのことである。家内のさっちゃんがそうやって、略して言うのである。さっちゃんへのマッサーは私の最重要の日課である。


    俺にしちゃあ、三題噺も、けっこう書いたは書いたが。笑



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    三題噺なぁ……また、書くかなぁ……

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