戦後80年今読みたい、戦争・平和を考える絵本30選|子供とともに世界の平和に心を寄せて
戦後80年、ひとつの節目を迎えた今年。子どもたちと一緒に「平和とはなにか」「戦争はどういうものだったのか」を見つめ直す時間を持ってみませんか?
絵本は難しいテーマを、やさしい言葉や絵で丁寧に伝えてくれる心強いツール。今回ご紹介する絵本たちは、子どもたちに「生きること」「守りたいもの」を語りかけてくれる名作ばかりです。
現在進行形で、世界では争いが絶えません。世界の平和に心寄せ、子どもと語り合う時間もまた、平和を願う行動のひとつといえるかもしれません。気になった作品がある方はぜひ、手に取ってみてくださいね。

『へいわとせんそう』たにかわしゅんたろう (著), Noritake (イラスト)
くらべてみると、みえてくる。「へいわのボク」と「せんそうのボク」では、なにが変わるのだろう。同じ人や物や場所を見開きごとにくらべると、平和と戦争のちがいがみえてくる。これまでになかった平和絵本!
『ヒロシマ 消えたかぞく』指田 和 (著), 鈴木 六郎 (写真)
原爆投下前、戦争中であっても、広島の町には笑顔にあふれた家族の日々の暮らしがありました。散髪屋さんである鈴木六郎さん一家の6人家族も、少しの不安はあったかもしれませんが、毎日笑顔で楽しくくらしていました。お父さんの鈴木六郎さんは、カメラが趣味。たくさんの家族写真を撮りためていました。
あの日。1945年8月6日。
一発の原子爆弾がヒロシマのまちに落ちました。
六郎さん一家は全滅しました。
長男の英昭くん(12歳)と長女公子ちゃん(9歳)は、通っていた小学校で被爆。英昭くんは公子ちゃんをおんぶして、治療所があった御幸橋まで逃げました。衰弱した公子ちゃんを「あとで迎えに来るからね」と治療所にあずけ、英昭くんは親戚の家へ避難しましたが、高熱を出し、数日後に亡くなります。公子ちゃんの行方はわからなくなりました。次男まもるくん(3歳)と次女昭子ちゃん(1歳)は、六郎さんの散髪屋さんの焼け跡から白骨で見つかりました。お父さんの六郎さん(43歳)は、救護所でなくなりました。救護所の名簿には「重傷後死亡」と記録されていました。家族がみんな亡くなってしまったことを知ったお母さんのフジエさん(33歳)は、井戸に身を投げて亡くなりました。
たった1発の原爆が、六郎さん一家を消し去ってしまいました。
この本を開くことで、原爆の残酷さ、戦争のむごさを、読む人の身に引き寄せて考えるきっかけとなったら、という願いを込めてつくりました。また、愛情あふれるすばらしい家族写真の数々から、幸せにくらす人間の何気ない日常こそが大事であることに気づかされます。それは、幸せな平和を作っていくのは、私たち自身であると訴えかけているようにも思えます。
家族で平和を考えるために、最適の写真絵本です。
『くつがいく』和歌山 静子
日本の兵隊たちはアジアの国ぐにで何をしたのか。兵隊たちと共に海をわたり戦場に行った靴たち。そのすがたをとおして、犠牲になった人びとや戦争のほんとうのすがたを描き、平和を守ることの大切さをうったえる。
70年前、日本の兵隊たちはアジアの国ぐにで何をしたのか。
幼いころ、何もわからず戦争を体験した作家が、あらためて戦争とは何かを問いただす。
兵隊たちに履かれて海をわたり、戦場に行った靴たち。その運命をとおして、ほんとうの戦争のすがたを描き、平和を守ることの大切さをうったえる。
そして、少女はいま、はっきりと自分の意志を伝える。
「わたしはわたしの未来を生きていく。わたしの未来に戦争はいらない」と。
日本の絵本作家が呼びかけ、中国、韓国の作家12人による「日・中・韓平和絵本シリーズ」の1冊。〈よい絵本〉
『おひさまとおつきさまのけんか』せな けいこ
ある日、けんかをしたおひさまと、おつきさま。ふたりの仲はどんどんわるくなあり・・・。戦争について、ストレートに問いかける絵…
『せかいで いちばん つよい国』デビッド マッキー (著),なかがわ ちひろ (翻訳)
「せかいじゅうの 人びとを しあわせにするため」に世界中を征服した、ある大きな国の大統領のおはなし。強者のゆがんだ論理を明るいユーモアで皮肉たっぷりに描いた寓話絵本。
『へいわってすてきだね』安里有生 (著), 長谷川義史 (イラスト)
6歳の少年の詩を、長谷川義史が魂で描いた!2013年、沖縄県「平和の詩」最優秀賞受賞作品。慰霊の日の式典で、6歳の少年が朗読する凛々しい姿が報道され、全国で大きな反響を呼んだ。長谷川義史が、与那国島の安里有生を訪れて描きあげた絵本!「ああ、ぼくは、へいわなときにうまれてよかったよ。このへいわが、ずっとつづいてほしい。みんなのえがおがずっと、つづいてほしい。」沖縄発、平和へのメッセージ。
『ひろしまのピカ』丸木 俊
字を読まなくても、視覚的に原爆の恐ろしさ・悲惨さ・怒りを訴えかけてきます。絵の中に、人々の苦しみや、戦争の悲惨さ・やり場の無い怒り・胸につかえる想いが閉じ込められています。平和の大切さ、今の私たちがどんなに幸せかをよくよく心にとめておくべきだと悟らされます。
『ちいちゃんのかげおくり』あまん きみこ (著), 上野 紀子 (イラスト)
夏のはじめのある朝、小さな女の子のいのちが、空にきえました。--悲惨な戦争の中に幼い命をとじた女の子の姿を、静かに描く。
『焼けあとのちかい』半藤 一利 (著), 塚本 やすし (著, イラスト)
半藤一利の戦争体験を描いた初の絵本! 「戦争だけは絶対にはじめていけない」 日本の戦争に向き合い、戦争の過程を精緻に解明してきた半藤一利。
その原点は中学2年で体験した東京大空襲だった。
開戦から日に日に苦しくなる下町の生活。そして3月10日。
猛火を生きのびた半藤少年は焼けあとでちかった――。
半藤少年の体験を描くのは大胆な画風で注目を集める絵本作家・塚本やすし!!
小学校中学年以上向け
小学校3年生以上の漢字にルビ
用語解説の注あり
「あの戦争の東京大空襲で、猛火と黒煙とに追われ死ぬ思いをした体験が、この絵本からよみがえりました。
世界中の子どもたちを、二度とあんなひどい目にあわせたくはない! 」――半藤一利
『さくら』田畑 精一
桜の花咲く春に生まれたぼく。その年に侵略戦争が始まり、教科書も新聞も戦争の色にぬりかえられました。ぼくも桜の花のように散れ、散れと教えられます……。しかし、戦争が終わり、父を失い、多くの人が亡くなり、家族の生活は悲惨さを極めます。大人になったぼくに、桜の老木が語りかけます。「戦争だけはぜったいにいかん!」と。
日本の絵本作家が呼びかけ、中国、韓国の作家12人による「日・中・韓平和絵本シリーズ」の1冊。
『あるひ あるとき』あまんきみこ (著), ささめやゆき (イラスト)
今、次の世代へ伝えたい
『車のいろは空のいろ』『ちいちゃんのかげおくり』の作者あまんきみこが初めて語る戦時下・大連でのものがたり
第二次世界大戦中、旧満州の大連に住んでいた「わたし」には、大切な友だちがいました。こけしのハッコちゃんです。片目の墨がながれたような泣き顔でよごれていたけれど、わたしたちはいつもいっしょでした。でも、戦争が終わり日本へ引き上げることになり、わたしとハッコちゃんは・・・。
あまんきみこの創作の原点である、大連での体験から生まれた珠玉の物語を、ささめやゆきが美しく静かなタッチで描きます。
『字のないはがき』向田邦子 (著), 角田光代 (著), 西加奈子 (イラスト)
人気2大作家共演! 感動の名作を絵本化。
【教科書にも載っている実話を絵本化!】
このお話は・・・
脚本家、エッセイスト、直木賞作家である
故・向田邦子の作品の中でもとりわけ愛され続ける
名作「字のない葉書」(『眠る盃』所収、1979年講談社)が原作。
戦争中の、向田さん一家のちいさな妹と、
いつも怖いお父さんのエピソードを綴った感動の実話です。
向田邦子さんのちいさな妹・和子さんが主人公。
ぜひお子さまと語り合って欲しい作品です。
【あらすじ】
戦争時代、ちいさな妹が疎開するとき、
お父さんはちいさな妹に、
「元気なときは大きな○を書くように」と、
たくさんのはがきを渡しました。
しかし、大きな○がついたはがきは、
すぐに小さな○になり、やがて×になり・・・。
【直木賞作家2人の夢の共演!】
当代人気作家の角田光代と西加奈子の最強コンビで
美しい絵本によみがえりました。
大の向田ファンで知られる角田光代の渾身の描写と
西加奈子の大胆な構図と色彩をぜひ堪能してください。
『世界で最後の花』ジェームズ・サーバー (著), 村上春樹 (翻訳)
なぜ人間は戦争を繰り返すのか?
わたしたちは戦争のない未来をつくることができるのか?
第二次世界大戦開戦直前に描かれた、今を生きるわたしたちに託された平和への切実な願い。世界で読み継がれてきたロングセラーを、村上春樹の新訳で復刊。
【内容紹介】
第十二次世界大戦が起きた世界。文明は破壊され、町も都市も、森も林も消え去った。残された人間たちは、ただそのへんに座りこむだけの存在になってしまった。ある日、ひとりの若い娘がたまたま世界に残った最後の花を見つけます。その花をひとりの若い男と一緒に育てはじめます。すると……。
『六にんの男たち—なぜ戦争をするのか?』デイビッド=マッキー (著), 中村 こうぞう (翻訳)
平和を望みながらも、富を求めて戦争への道を歩んでしまう人間の姿を、ユーモアとペーソスをこめて描く。大人も見てほしい絵本。
『もっとおおきな たいほうを』二見 正直
王さまの、ただ「たいほうを打ちたい」という思いから、キツネとの争いが始まりました。王さまとキツネの「たいほう大きさ比べ」はページをめくる度にエスカレートしていき、「もっとおおきなたいほうを」のくり返しは、ますますこっけいなものになっていきます。最後には"ほっとする"結末が待っています。
2003年刊行以来「ページをめくる度に子どもたちが笑ってくれる」と、幼児から小学校高学年まで【読み聞かせ】で喜ばれています。大人も楽しみながら【平和】について考えることができるという一面もあり、翻訳版はアジアの紛争地域にある子どもたちにも届けられています。第三回子どもの絵本大賞in九州ランクイン、第一回リブロ絵本大賞ランクイン、第三回MOE絵本屋さん大賞ランクイン。
『せんそうしない』谷川 俊太郎 (著), えがしら みちこ (著)
ちょうちょと ちょうちょは せんそうしないきんぎょと きんぎょも せんそうしないくじらと くじらは せんそうしないまつのき かしのき せんそうしない谷川俊太郎の言葉で語られる戦争への思い、えがしらみちこの絵の透明な生命力が融合して、ひとつの世界観を作り出しています。人間の知恵はどこにあるのかを、静かに問いかける絵本。
ちょうちょと ちょうちょは せんそうしない
きんぎょと きんぎょも せんそうしない
くじらと くじらは せんそうしない
まつのき かしのき せんそうしない
谷川俊太郎の言葉で語られる戦争への思い、えがしらみちこの絵の透明な生命力が融合して、ひとつの世界観を作り出しています。人間の知恵はどこにあるのかを、静かに問いかける絵本。
『かあさんはどこ?』クロード・K. デュボワ (著), 落合 恵子 (翻訳)
戦争から遠いはずのまちに、突然の砲撃。恐ろしい音がどんどん大きくなって、近づいてくる。家は、めちゃくちゃに壊され、家族はだれひとりいない。「かあさんは どこ? みんなは?」守ってくれる大人はなく、知らないひとのなかにその子はひとり。はしって、はしって、はしりつづけて……。
『まちんと』松谷 みよ子 (著), 司 修 (イラスト)
昭和20年8月6日の朝、原爆に傷ついた女の子は、トマトを口に入れてもらうと「まちんと、まちんと」と後をねだり死んでいった。
『すみれ島』今西 祐行 (著), 松永 禎郎 (イラスト)
太平洋戦争ののち、南の海の小さな島に、ひっそりすみれが咲きました。特攻に散った若者たちと小学生の交流を愛情をこめて描く。
『チロヌップのきつね』たかはし ひろゆき
北海に浮かぶ小さな島チロヌップ。きつねたちと人々の暮らしを、やがて戦争が…。
今こそ伝えたい平和への願い北海の孤島できつねの親子が平和にくらしていました。しかし、戦争の余波は、その島にまでおよんできたのです。きつねの親子の愛や、野生の厳しさ、人間に翻弄されるきつねたちの悲哀を詩情豊かに描きます。英語版・ドイツ語版が出版され、アニメ映画でも話題をさらった物語。平和への祈りをこめて描かれた絵本。
『8月6日のこと』中川 ひろたか (著), 長谷川 義史 (イラスト)
これは66年前、ほんとうにあったお話です。
瀬戸内海はその日も おだやかな海でした。
絵本作家・中川ひろたかが、
広島で亡くなった自分の伯父、被爆者となった自分の母の体験を伝え、
子どもたちへ問いかける。
絵本界屈指の人気コンビが、初めて挑む「核と平和」。
『かわいそうなぞう』つちやゆきお (著), たけべもといちろう (イラスト)
第二次世界大戦下の上野動物園での戦時猛獣処分。
本当にあった、かわいそうな3頭のぞうのお話。
1970年発売から版を重ね、251刷・160万部!!(2024年11月金の星社調べ)
戦争を知らない世代にも語り継ぐ、平和の物語。
『絵で読む 広島の原爆』那須正幹 (著), 西村繁男 (イラスト)
原爆の開発から投下にいたる歴史的背景、当時の広島の町の様子、人々の暮らし、そして核兵器の原理、放射線障害など、50年前に炸裂した原爆を、今日の視点で多角的に扱っています。
『さがしています』アーサー・ビナード (著), 岡倉 禎志 (写真)
「おはよう」「がんばれ」「いただきます」「いってきます」「ただいま」「あそぼ」そのことばをかわすことができる、みんなの生活は、どこへいったのか? 1945年8月6日の朝、ウランの核分裂が広島で引き起こしたことは、どこまで広がるのか? ピカドンを体験したカタリベたちは、さがしています─たいせつな人びとを、未来につづく道を。ヒロシマから今をみつめる写真絵本。
『うさぎのしま』たての ひろし (著), 近藤 えり (著)
広島県・大久野島。
「うさぎのしま」として親しまれるこの島で、一組の親子が白いうさぎに出会う。
―「あの子のおかあさんも、白い?」
何気ない一言が、封印された過去を呼び覚ます。
時は、第二次世界大戦へ―。
防毒マスクに身を包み、毒ガスを製造する人々。手渡されるかごの中には……。
かつてこの島は、「地図から消された島」だった。
無垢な存在が、浮かび上がらせる戦争の記憶と、現代の環境問題。
過去と向き合い、未来を考える。忘れてはならない「記憶」の物語。
『へいわって どんなこと?』浜田 桂子
へいわってどんなこと?
「きっとね、へいわってこんなこと。せんそうをしない。ばくだんなんかおとさない。いえやまちをはかいしない。……」
いろいろな視点から平和を考え、平和の意味を問い返します。
本シリーズは、日本の絵本作家が中国と韓国の絵本作家に呼びかけ、三か国12人の協力で実現した平和を訴える絵本です。
『むこう岸には』マルタ カラスコ (著),宇野 和美 (翻訳)
わたしの夢は、いつかこの川に橋をかけること……。南米チリのイラストレーターが描く、明るい光と笑い声にみちた平和を願う傑作絵本。
『戦争をやめた人たち -1914年のクリスマス休戦- 』鈴木 まもる
1914年、第一次世界大戦が始まった。ドイツ、オーストリアなどの同盟国軍とイギリス、日本などの連合国軍との戦いだ。
戦渦のクリスマスイブの夜、戦場に銃声の代わりに「クリスマスキャロル」の歌声が流れるという「奇跡」が起こる。
戦争を始める人もいれば戦争をやめる人もいる。人に対する想像力と行動する勇気の大切さを描き、どうすれば戦争をしない人になるのか、その答えがこの絵本にある。
作者が絵本の最後の絵を描いていた2022年2月25日、ロシアがウクライナに侵攻を始めるという、運命的な絵本となった。これからの未来をどう生きるべきか、戦争が現実に起こっている今だからこそ読みたい絵本。
『サニーのおねがい 地雷ではなく花をください』柳瀬 房子 (著), 葉 祥明 (イラスト)
世界では64カ国に計1億1千万個以上もの地雷が埋設されているといわれています。その大部分が対人地雷です。対人地雷は兵士と一般人(子ども・女性・老人等)の見境なく、戦争が終わって平和な世界になっても、半永久的に被害をもたらす非人道的な武器です。取り除くのにもたくさんの時間と労力と費用がかかります。平和な世界をみんなでめざそうと、うさぎのサニーちゃんが、「地雷」について教えてくれます。この絵本1冊で、10平方メートルの地雷原がクリアな土地になります。全・英訳付。
『戦火のなかの子どもたち』岩崎 ちひろ
ベトナム戦争で死んでいっただ子どもたち、生きぬいてきた子どもたちへの熱い思いがこめられた絵本。いわさきちひろ最後の絵本。
まとめ|戦後80年今読みたい、戦争・平和を考える絵本30選|子供とともに世界の平和に心を寄せて
戦後80年という節目の年に、「戦争」や「平和」について子どもと一緒に考える時間はとても貴重です。絵本は決して教科書ではありませんが、感じて、考えるきっかけを与えてくれる存在です。
平和を未来につなぐためにも、今日、一冊の絵本を手に取ってみませんか?
