犯人視点の倒叙ミステリー小説おすすめ11選|犯人の心情に思わず共感してしまうかも!
読者はすでに真相を知っているにもかかわらず、ページをめくる手が止まらなくなる不思議な魅力がある「倒叙ミステリー」。
今回は、特に犯人視点で展開する「倒叙ミステリー」のおすすめ小説を厳選してご紹介!王道から異色作、心に残る感動作まで幅広く取り上げました。犯人側の思わぬ事情に心が動いてしまうことも……。普通のミステリーとは一味違う読み方を体験できるのが倒叙の醍醐味です。
気になった作品はぜひ、手に取ってみてくださいね。

『扉は閉ざされたまま』 石持浅海
久しぶりに開かれる大学の同窓会。成城の高級ペンションに七人の旧友が集まったその日、伏見亮輔は客室で後輩の新山を殺害、外部からは入室できないよう現場を閉ざした。何かの事故か? 部屋の外で安否を気遣う友人たち。自殺説さえ浮上し、犯行は計画通り成功したかにみえた。しかし、参加者のひとり碓氷優佳だけは疑問を抱く。開かない扉を前に、ふたりの息詰まる頭脳戦が始まった……。
『月の扉』、『顔のない敵』などの著者として有名な石持浅海さんのミステリー。2005年「週刊文春ミステリーベスト10」第5位、2006年「このミステリーがすごい!」第2位、「本格ミステリ・ベスト10」第2位、第6回本格ミステリ大賞(小説部門)候補になった作品です。2008年に黒木メイサさん主演でテレビドラマ化されています。石持さんの「倒叙三部作」の1作目としても有名です。
『君の望む死に方』 石持浅海
余命六カ月――ガン告知を受けたソル電機社長の日向は、社員の梶間に自分を殺させる最期を選んだ。日向には、創業仲間だった梶間の父親を殺した過去があったのだ。梶間を殺人犯にさせない形で殺人を実行させるために、幹部候補を対象にした研修を準備する日向。彼の思惑通りに進むかに見えた時、ゲストに招いた女性・碓氷優佳の恐るべき推理が、計画を狂わせ始めた…。
石持浅海さんのミステリー。碓氷優佳を探偵役とする『扉は閉ざされたまま』の続編です。2008年松下奈緒さん主演でテレビドラマ化されています。末期がんを宣告された経営者・日向が、自分を殺害してもらうための完全犯罪を計画し、部下の梶間にそれを依頼するという異色の展開。登場人物たちの思惑の交錯がサスペンスを生み出し、読み手を緊張感で包み込みます。
『偽りの春 神倉駅前交番 狩野雷太の推理』 降田天
この”おまわりさん”からは逃げられない。日本推理作家協会賞受賞作!
老老詐欺グループを仕切っていた光代は、メンバーに金を持ち逃げされたうえ、『黙っていてほしければ、一千万円を用意しろ』と書かれた脅迫状を受け取る。要求額を用立てるために危険な橋を渡った帰り道、へらへらした警察官に声をかけられ――。第71回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞した表題作「偽りの春」をはじめ、“落としの狩野”と呼ばれた元刑事の狩野雷太が5人の容疑者と対峙する、心を揺さぶるミステリ短編集。
『女王はかえらない』、『少女マクベス』などの著者としても有名な降田天さんの作品。鮎川はぎの、高瀬ゆのかなどの名義でも活躍されている作家さんです。犯人視点で語られる短編の連作スタイルで、どの物語も事件の背景や犯人の心情が丁寧に描かれています。『朝と夕の犯罪 神倉駅前交番 狩野雷太の推理』が続編。シリーズで読むとさらに深みが増します。
『青の炎』 貴志祐介
秀一は湘南の高校に通う17歳。女手一つで家計を担う母と素直で明るい妹の三人暮らし。その平和な生活を乱す闖入者がいた。警察も法律も及ばず話し合いも成立しない相手を秀一は自ら殺害することを決意する。
『悪の教典』、『鍵のかかった部屋』などの著者としても有名な貴志祐介さんの異色ミステリー。2003年に二宮和也さん主演で映画化、さらに、漫画化、2022年北村諒さん主演で舞台化されています。綿密な準備と冷静な計画。そして、少年であるがゆえの未熟さや焦りが、物語に人間味とリアリティを与えています。犯人視点の作品として非常に秀逸で、思わず、主人公に肩入れしてしまいそうに……。静かな怒りと切なさが胸を打つ作品。
『invert 城塚翡翠倒叙集』 相沢沙呼
完璧な犯行計画による殺人。用意された鉄壁のアリバイ。事件は事故として、他殺は自殺として処理される、はずだった。霊感によって視えないものを視る美しい娘、城塚翡翠が現れるまでは。
ミステリランキング5冠を獲得した衝撃の結末から一転、犯人の視点で描かれる倒叙推理小説集。探偵の推理を推理せよ!
城塚翡翠からの挑戦状!
あなたは、探偵の推理を推理することができますか?
すべてが、反転。
invert
in・vert
【他】…を逆さにする,ひっくり返す,…を裏返しにする;
〈位置・順序・関係を〉反対にする;〈性質・効果などを〉逆転させる;
inverted detective story:
倒叙推理小説
『medium 霊媒探偵城塚翡翠』、 『マツリカ・マトリョシカ』などの著者としても有名な相沢沙呼さんの作品。「城塚翡翠シリーズ」の第2作です。『medium 霊媒探偵城塚翡翠』の結末に触れているので、先に『medium 霊媒探偵城塚翡翠』を読んでおくのがおすすめ。2022年「このミステリーがすごい!」第6位、『2022本格ミステリ・ベスト10』第9位、2022年「ミステリが読みたい!」第9位にランクインしています。
『ゴールデンスランバー』 伊坂幸太郎
衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。なぜだ? 何が起こっているんだ? 俺はやっていない――。首相暗殺の濡れ衣をきせられ、巨大な陰謀に包囲された青年・青柳雅春。暴力も辞さぬ追手集団からの、孤独な必死の逃走。行く手に見え隠れする謎の人物達。運命の鍵を握る古い記憶の断片とビートルズのメロディ。スリル炸裂超弩級エンタテインメント巨編。
『オーデュボンの祈り』、『アヒルと鴨のコインロッカー』などの著者としても有名な伊坂幸太郎さんの作品。犯人とされる男の逃走劇を描くエンタメミステリーです。厳密には倒叙ミステリーの型にはまりませんが、読者が最初から“犯人扱い”される主人公の無実を知っている点で、倒叙的な構造を持っています。スピード感のある展開でさくさく読めます。
『推しの殺人』 遠藤かたる
2024年 第22回『このミステリーがすごい!』大賞
文庫グランプリ受賞作
行き着く先は破滅か、ステージか!
待ち受けるどんでん返し!
(あらすじ)
大阪で活動する三人組女性地下アイドル「ベイビー★スターライト」は、様々な問題を抱えて危機的な状況にあった。尊大な事務所社長、グループ内での人気格差、恋人から暴力を受けているセンター……そのような中で、“ベビスタ”はさらに大きな問題に見舞われる。メンバーのひとりが事務所で人を殺してしまったのだ。彼女の罪を隠蔽するため、三人は死体を山中に埋めることを決意して――。
第22回『このミステリーがすごい!』大賞・文庫グランプリを受賞したデビュー作です。地下アイドル×殺人隠蔽というユニークな軸のストーリー展開が魅力的。登場人物も少なく、読みやすい文体で感情移入しやすい内容です。読者は共感と嫌悪のはざまで揺さぶられます。
『逃走』 薬丸岳
死んだはずのあの男がいた。小さかった妹とふたりで懸命に生きてきた二一年間はなんだったんだ? 傷害致死で指名手配されたのは妹思いで正義感が強い青年。だが罪が重くなるとわかっていて彼は逃げ続ける。なんのために? 誰のために? 渾身の全面改稿、ほぼ書下ろしの秀逸ノンストップ・エンタメ!
『天使のナイフ』、『刑事のまなざし』などの著者としても有名な薬丸岳さんの作品。スピード感のある展開で、まさに逃走中のハラハラ感を味わえます。社会派の要素もあり、追う者と追われる者、それぞれの立場の葛藤や正義について考えさせられます。
『そしてミランダを殺す』 ピーター・スワンソン
【年末ミステリランキング上位独占の傑作!】
『このミステリーがすごい! 2019年版』第2位
『週刊文春ミステリーベスト10 2018』第2位
『ミステリが読みたい! 2019年版』第2位
読者・書評家が大絶賛! 予測不可能な殺人計画の行方は!?
ある日、ヒースロー空港のバーで、離陸までの時間をつぶしていたテッドは、見知らぬ美女リリーに声をかけられる。彼は酔った勢いで、1週間前に妻のミランダの浮気を知ったことを話し、冗談半分で「妻を殺したい」と漏らす。話を聞いたリリーは、ミランダは殺されて当然と断じ、殺人を正当化する独自の理論を展開してテッドの妻殺害への協力を申し出る。だがふたりの殺人計画が具体化され、決行の日が近づいたとき、予想外の事件が起こり……。4人の男女のモノローグで、殺す者と殺される者、追う者と追われる者の攻防が語られるスリリングな快作!
『ケイトが恐れるすべて』、『アリスが語らないことは』などの著者としても有名なピーター・スワンソンさんの作品。2018年「週刊文春ミステリーベスト10」第2位、2019年「このミステリーがすごい!」第2位などにランクインしています。アメリカ発の倒叙ミステリーの傑作。先の読めないストーリー展開と、巧妙な伏線回収が見事です。
『クロイドン発12時30分』 F・W・クロフツ
オールタイムベストの『樽』と並び立つ大傑作。フレンチ警部、犯人の目論見を粉砕する。
創元推理文庫創刊60周年記念。名作ミステリ新訳プロジェクト第2弾。
チャールズは切羽詰まっていた。父から受け継いだ会社は不況のあおりで左前、恋しいユナは落ちぶれた男など相手にしてくれない。叔父アンドルーに援助を乞うも、駄目な甥の烙印を押されるばかり。チャールズは考えた。叔父の命、または自分と従業員全員の命、どちらを選ぶのか。身の安全を図りつつ遺産を受け取るべく、計画を練り殺害を実行に移すチャールズ。快哉を叫んだのも束の間、フレンチ警部という名の暗雲が漂い始める。『樽』と並ぶクロフツの代表作、新訳決定版。
『樽』などの著者としても有名なF・W・クロフツさんの作品。「リアリズム推理小説」の名手としても有名な作家さんです。フレンチ警部(のち警視)シリーズの11番目の長編です。リチャード・ハルの『伯母殺人事件』、フランシス・アイルズの『殺意』と並び、「倒叙三大名作」としても有名な作品です。
『容疑者Xの献身』 東野圭吾
運命の数式。命がけの純愛が生んだ犯罪。 東野圭吾作品読者人気ランキング第1位。累計220万部突破、直木賞受賞の大ベストセラー。 天才数学者でありながら不遇な日々を送っていた高校教師の石神は、一人娘の美里と暮らす隣人の花岡靖子に秘かな想いを寄せていた。 ある日、靖子の前夫・富樫が母娘の居場所を突き止めて訪ねてきた。金を無心し、暴力をふるう富樫を、靖子と美里は殺してしまう。 呆然とする二人を救うために、石神は完全犯罪を企てる。 だが皮肉にも、石神と帝都大学の同期であり、親友である物理学者の湯川学がその謎に挑むことになる。 ガリレオシリーズ初の長編。第134回直木賞受賞作。第6回本格ミステリ大賞受賞。2005年度の国内の主要ミステリランキング「本格ミステリ・ベスト10」「このミステリーがすごい! 」「週刊文春ミステリベスト10」すべてにおいて1位獲得、エドガー賞(MWA主催)候補作にもなった。日本では福山雅治主演で映画化、韓国、中国でも映画化。舞台化もされた。
第134回直木賞受賞作品、第6回本格ミステリ大賞受賞作品。累計発行部数が約300万部という驚きのベストセラー作品です。「本格ミステリ・ベスト10」2006年版、「このミステリーがすごい!2006」、2005年「週刊文春ミステリベスト10」で、それぞれ1位を取っています。2008年には福山雅治さん主演のテレビドラマ『ガリレオ』の劇場版として映画化されています。ラストで明かされる「献身」の意味が、痛烈な哀しみと美しさを伴って胸に迫る秀逸なタイトルです。
まとめ|犯人視点の倒叙ミステリー小説おすすめ11選|犯人の心情に思わず共感してしまうかも!
倒叙ミステリーは、犯人の視点で描かれることで、通常の推理小説とは異なるスリルや深みを提供してくれます。読者は犯人の心理やトリックを知ったうえで、刑事や探偵との知的な駆け引きを楽しむことができます。
未読の作品がある方はぜひ、手に取ってみてくださいね。
