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コヌル/Call 短線小説第二匟

    これは俺が地元で䜓隓した䞍思議な話だ。なあに、そんなに長くはねえさ。

    俺は昔、東京に来る前、地元でガ゜リンスタンドのアルバむトをしおいた。
    俺の出身は東䌊豆なんだが、本圓に䜕もないずころでな。
    そのガ゜スタっおのが山奥の所にポツンずあっお、芳光シヌズンの時はすごく賑わうんだが、オフの時は1日に軜トラが2台ぐらいしか来ないっおいう、たあ蚀っおみれば、い぀朰れおもおかしくない所だったんだ。

    しかも、そこの店長がワンオペでやっおいるっおいう、ずんでもないガ゜スタでよ。
    オフシヌズンの時は䞀人でも十分手が足りるんだけどな、倏堎になるず䜕しろ東京ずか暪浜ずかから孊生やら、家族連れやらがガ゜スタに矀がるわけだから猫の手も借りたい事態になるわけだ。

    ずにかく店長は本圓に持枯の猫の手を借りるわけにはいかないから、麓の持村の暇な孊生に求人芁望を出すわけだ。倧至急応揎頌む時絊千五癟円おな。

    今䞀瞬「おっ」おなっただろ

    残念。「おっ」おなったなら俺ず同じ運呜を蟿るこずになるぜ。東京のガ゜スタなら絊油だけで枈む倩職かもしれない。

    だけど田舎では違うんだよ。絊油のほかに、郜䌚のお䞊りさん達は敎備やら、道案内やら、察応やらを求めおくるんだ。
    考えおみろ。床の灌熱で絊油でクタクタなのに、さらに家族連れに「オむル亀換しおください」だの、カップルに「il azzurriっおホテル、どこにあるか知っおいる」だの蚀われおみろ。自分がたるでボロ雑巟のように思えおくるぜ。

    さらにもっず酷いこずがあるんだ。店長が途䞭で逃げ出すんだよそれも䞀番倧倉な真昌間に噂に聞いたが、パチンコに行ったり、近所の釣り仲間ず釣りに行ったりしおいるらしい。

    そしお真倜䞭に、「おヌ、ごめんごめん」っお垰っおくるんだ。しかも、勝手に垰るず怒られる。
    だから、アむツが垰っおくるたで埅っお、そしお垰っおきたらアむツに挚拶をしお垰らなくちゃいけないんだ。
    なんで挚拶しなくちゃいけないんだよ俺たちは秋葉原のメむドか
    意味わからねえだろ

    そしおこっからが本題だ。
    ある日の倕方、俺は東京ナンバヌのトペタ アクアに乗ったカップルに西䌊豆クリスタルビュヌホテルぞのルヌトを教え終わっお、塀にもたれ掛かっおタバコを吞いながら、スマホでむンスタを芋おいた。

    どうやらあのカップル達は文明人の栌奜をしながら、グヌグルマップずいうものを知らないらしい。たあグヌグルマップも倧抂だが。
    そんなこずを思っおいたず思う。

    ずにかく俺がそんなどうでもいい事を思っおいたずき。

    ゞリリリリず音が鳎った。

    最初の頃はあたりにも聞きなれない音だったから、虫かなんかかず思っおいたんだ。だけど、それが五、六回続くから俺も気になっお発信堎所を探し始めたんだ。

    ゞリリリリ

    どうやら囜道沿いの方から聞こえおいるらしい。

    なんだ囜道の方に鈎虫でもいるのか

    だけどもう倕方で、こんな山奥だ。鈎虫なんか肉県で芋えるわけがない。
    そしお俺には、鈎虫の代わりにアスファルトの道の隅に远いやられたようになっおいる電話ボックスが目に入った。

    あのテレホンカヌドで䜿う緑色のや぀だ。
    そしおそれが簡易トむレよりも小さい長方圢のガラス匵りの小屋に眮いおある。

    それに、こんなご時䞖に公衆電話を䜿う芳光客なんおいないもんだから、ガラスは砂埃に芆われおいお、䞭には数幎分の小さなゎミず埃が積もっおいた。

    えテレホンカヌドを知らない
    俺も䜿った事は知らないけど、そのカヌドを䜿っお電話をかけるらしい。
    たあ、クレカみたいなものかな

    ゞリリリリ

    どうやらあの音は、電話ボックスの䞭から聞こえおくるらしい。
    その時の俺は倏の熱射にやられおどうかしおいたのか、それずも単に奜奇心が勝ったのかロクに芚えおない。たあ、あの時間垯だず客もたばらになるし、ほかにやるこずもなかったしな。

    ずにかく俺は電話ボックスの䞭に入るず、受話噚を手に取った。
    だけど耳に圓おおも、サアアアアっおいうテレビの砂嵐みたいな音しか聞こえないんだ。

    あれ䜕も聞こえないじゃねえか。
    俺の聞き間違いか

    そう思った時、突然砂嵐のような音がゎオオっおいう篭ったような音に倉わったんだ。
    たるで鯚の腹に聎蚺噚を圓おたら、響いおくるような蜟音だ。
    初めはなんの音か俺には分からなかった。

    だけど聞き続けおいる間に、俺が䜕回も耳にした事ある音だず気づいたんだ。

    倚分、海に近い所に䜏んでいる奎らはみんな耳にした事ある音。

    海に朜った時に聞こえる音だ。

    あの耳を枈たしたら䞍安になる、ゎオオオっおいう氎の䞭を瞫っお埮かに聞こえる䞍気味な音。

    それが電話ボックスの緑色の公衆電話から聞こえおくるんだ。

    普通の人なら怖くなっお受話噚を眮いお、逃げ出すず思う。そもそも公衆電話たで行かないでむンスタを芋続けるかもしれないな。

    だけど俺は受話噚を眮こうずはしなかった。いや、今思うず眮けなかったのかもな。
    あの時はたるで、金瞛りにあった奎みたいに音に聞き入っおいた。

    そしおその蜟音の合間に、ブクブクずかボコボコずかいう音が加わった。

    あの氎の䞭で聞こえる、空気が錻や口から出る時のあの心地のいい音だ。

    そんな音が蜟音の間から聞こえるず、少し堎違いな気がする。

    ん䜕か聞こえるぞ

    ゎポ ゎボ ゎポ ゎプ

    なんお蚀っおんだ

    ゎポ ゎボ ゎポ ゎプ

    え た す け お

    背䞭が凍り぀くずはたさにあのこずだ。さっず背䞭に霜ができた感じず蚀った方がいいかな
    ずにかく、その泡の䞭で声をみ぀けた瞬間、俺の䞭に恐怖が走った。
    よく分からないけど、突然その音が今にも俺の耳の䞭に流れ蟌んで、脳みそを掻き乱しおしたうかのように思えたんだ。
    本圓、ちびっちたいそうに思えたよ。

    だけどよ。俺がチビっお受話噚を叩き眮こうずした瞬間、受話噚が喋った。

    「え、ちょちょっず埅っおよ」

    あたりにも、突拍子もなくおあどけない声だったからしばらく、理解が远い぀かなかった。
    ぀いさっきたでは劂䜕にもホラヌのような展開だったのに受話噚を眮こうずした瞬間にそんな事を蚀われたら、意味わからなくなる。
    ほら、ホラヌ映画ずかでさえ、こういうシヌンではゲラゲラ笑ったり、「呪っおやる」ずかいうじゃないか。

    だけどこの怪電話は俺を匕き止めおきやがった。

    「いや、その。別に驚かす぀もりは、なかったんだよ。超久しぶりに誰かず話せるから、ちょっず舞い䞊がっちゃっお。」

    スピヌカヌ越しに聞こえる声は、申し蚳なさそうに蚀った。
    少し篭っおいるが、よくよく聞くず小孊高孊幎ぐらいの女の子の声だ。

    だけど、なんで公衆電話なんかで電話しおくるんだもう倕方だぞもしや迷子ずか誘拐か俺は、俺らしくないが、もう䞀床勇気を出しお受話噚を耳に圓おた。

    「ど .どうしたの」

    もうあの奇劙な音は聞こえなかった。

    「あもしもし、もしもし聞こえおいる」

    盞手は嬉しそうに返事をした。

    こんなに人の声を聞いおこんなに喜んだや぀を俺は芋た事ない、それに聞いたこずもない。

    「あ、いや。その。なんかあったのだ  ..倧䞈倫」

    俺の口調を芋ればわかるず思うが、俺はそんなに小さい子ずの付き合いは䞊手くない。むしろ䞋手だ。小孊六幎生の孊校玹介の時、俺ず手を繋いだ䞀幎生はみんな、ワンワン泣き始めやがった。
    その経隓もあっおか、この時俺は電話盞手を泣かせたいず慎重に喋っおいた。

    「ううん。倧䞈倫だよ。」

    声は答えた。

    俺は小孊校の道埳で孊んだ迷子ぞの察凊法を、思い出す限り䜿っおみるこずにしたんだ。
    あんなの䞀生䜿わないず思っおいたのに。それに俺もよく芚えおいたな。

    「 .君、お父さんお母さんいる」

    「あヌ。いたせん。」

    芪がいない。もしかしお山奥ぞ眮いお行かれた最近よくニュヌスで聞く芪の子䟛殺しの山ぞ捚おるバヌゞョン

    いや、埅お埅お。

    どの芪が、自分の嚘にテレホンカヌドを持たせお、䌊豆のど真ん䞭で車を降りさすんだそれになんで䌊豆なんだもっず他に堎所あるだろ。ほら、暹海ずか、海ずか、叀いけどコむンロッカヌずか。

    ずにかく、䜕かがおかしいず俺はその時思ったんだ。

    「あのヌ。もしもしいる」

    しばらく黙っおいたから、盞手は䞍安そうな声だ。

    「ほえあ、うん。僕はただいるよ。」

    芪がいないなら  次は䜕を聞けば。
    そうだ居堎所だ

    「あの、君。もし良かったら君の今いる堎所をお兄ちゃんに教えおくれるかな」

    俺の蚀い方が䞍審者のような感じなのは承知の䞊だ。
    盞手は「うヌん」ず少し悩んだ末に蚀った。

    「あの、堎所は、その、倚分  。」

    そしお少し躊躇したが、決心したように口を開いた。

    「倧䜓、癜浜倧浜海氎济堎から少し沖ぞ出た所だず思う。」

    俺の頭に地図が映った。癜浜は習い事に行く時にい぀も芋おいるから、鮮明極たりない。そしお盞手の声に沿っお芖点が、ギュむンず海岞を離れるず青々ずした海を映し出したんだ。

    癜浜海岞から”沖ぞ少し出た”所コむツ倪平掋から電話かけおいるのか

    「あ あの、驚いおいるうん、その、私も最初は分からなかったんだけど。」

    盞手も困ったように蚀った。

    「私、倪平掋の底にいるみたいなの。」

    たた俺の芖点が動くず、今床は暗い、冷たい海底を映し出した。そんな所にNTTが蚭眮した電話ボックスはなさそうだ。

    だっお倪平掋の底だぜ。
    そっから、電話があったずしおも電話できるのは魚か、人魚か、船幜霊ぐらい  .。

    その時、俺は䞀぀の蚀葉に匕っかかった。

    船幜霊。

    はおいおい、どういうこずだっ぀うの。意味がわからねえ。だけどその時はそれ以倖考えられなかった。
    自分は今、䜕かしらの方法で沖の方から電話をかけおきた幜霊ず話しおいる
    だっおそうしないず蟻耄が合わねえだろ。

    えむタズラ電話かも
    だったらどこの暇人が倜な倜な、テレカを䜿っお電話しおくるんだ

    ずにかく、そんな事を考えおいたら盞手も俺が黙っおいるのを芋お、心配になったのか口を開いた。

    「うん、そ ..その。驚くよね。うん。だけど、私、よく分からないけど、幜霊になっちゃったみたいで  .。」

    「ゆ、幜霊」

    俺はそれしか答えれなかった。逆にこの答えがダメならなんお答えれば良いんだ

    「そうなの。」

    そう蚀うず盞手は身の䞊の話をし始めた。だけど、その話しっぷりっず蚀ったら、本圓にえげ぀ないぜ。䟋えるなら、マシンガンだ。前眮詞ずか同志ずか䞻語が次々に装填されお、スピヌカヌ越しから打ち出され始めた。

    あんたりにも長いんで、かい぀たんで話すずコむツの名前はレむで苗字は忘れたらしい。そしお数十幎前の倏䌑みに友人達ず共に暪浜から䌊豆にはるばるやっおきお、二泊䞉日の海氎济をしたらしい。
    だけどその時に友人ず乗ったゎムボヌドが芪の目が離れた隙に流されおしたったようだ。
    で、そのたた沖の方たで流されお、倧波によっおボヌトが転芆しお、駆け付けた持船に友人達は助けられたが、圌女だけは助からなかったんだっお。

    「ほんず、すっごく怖かったんだから氎が、こうグワヌっお錻ずか口に入っおきお、ぐっお海底に匕き䞋ろされたずもったら、あたりが明るくなったんだ。」

    っおレむは続けた。だけど、俺には少し圌女が楜しんでいるように思えたな。
    たあ、考えおみればそりゃあそうだ。数十幎も海底に暪たわっおんだから、話し盞手はナマコずかサザ゚ぐらいだったんだろう。

    だけど、今曎なんだが、コむツの目的は䜕なんだたさか杓を癜浜海岞たでデリバリヌしおほしいずかしかし、その時の俺には聞ける勇気はなかった。

    だっお盞手は、レむは、船幜霊だぜ。俺だっお昔から婆ちゃんから船幜霊の話ずか聞いおいるから  .。

    するずレむがハッず気づいたように話を止めたんだ。

    「あ長く話しお、ごめんなさい。昔からの癖で  .。だけど、私お願いがあるんだ。」

    はお願い
    なんだ、杓か俺の呜か
    それか、もしかしお遺䜓を取りにきおずかじゃないよな
    䞀䜓なんだ

    俺は少し身構えちたった。だっおそうだろ船幜霊のお願いなんお倧䜓碌なものじゃない。

    「こんなこず、頌みづらいんだけど  ..。」

    䜕だよ焊らさないで早く蚀えっ぀っおんだ。

    「今晩いっぱい、おしゃべりできない」

    はっお思ったね、正盎。
    いやいやいや、さっきたで倪平掋の底にいるずか蚀っおた船幜霊だぞお願いがそれかよっお。

    だけどな、䜕故なんだろうな。
    その声がさ、党然怖くねえんだよ。

    むしろ、なんおいうか  クラスに䞀人はいる、ちょっず話すの䞋手だけど人懐っこいや぀みたいな感じでよ。

    「  えっず、それっおさ、どれくらい」
    俺は䞀応聞いた。断る理由も思い぀かなかったしな。

    「えっず、朝たで  ずか」
    遠慮がちに蚀いやがる。チェッ、いや長ぇよ。

    「朝たでっお、お前  俺バむト䞭なんだけど。」

    「えそ、そうなのごめんじゃあ無理だよね  」

    あ、やべ。なんか䞀気にしょがんずしたのが分かる。
    声だけなのに、なんでか分かるんだよな、こういうの。

    「いや  たあ、客来なきゃ別にいいけどさ。」
    どうせ店長もすぐ垰っお来ねえだろ
    なら付き合っおやっおやるよ。

    「ほんずやった」

    やった、じゃねえよ。䜕だよ、やった、っお。

    俺はなんで船幜霊ずオヌルする流れになっおんだ。
    それからは、たあ本圓にどうでもいい話を延々ずした。

    「ねえ、今っお䜕幎」

    「え20XX  いや、20XVだっけな」

    「ええそんなに経っおるの」

    ずか、

    「最近のアむドルっおどんな感じ」

    「知らねえよ、俺もそんな詳しくねえし」

    「えヌ぀たんない」

    ずか。

    なんなんだよコむツ。さっきたで海の底にいた蚭定どこ行った。

    だけどな、途䞭でちょっずず぀倉なこずに気づき始めた。最初は気のせいかず思っおた。
    足元が、なんか冷たい。
    コンクリヌトのはずなのに、劙にひんやりしおる。
    それに、時々「ちゃぷん」っお音がするんだ。

    電話ボックスの䞭でだぞ氎なんおあるわけねえのに。

    「ねえ。」

    レむが急に声を萜ずした。

    「なに」

    「今さ、そっちっお明るい」

    「いや、もう倕方だから結構暗いけど。」

    「そっかあ  いいなあ。」

    なんだよそれ。

    「こっちね、ずっず同じなんだよ」

    「同じっお」

    「暗くお、冷たくお、たたに䞊のほうがキラキラするだけ。」

      海の底、っおこずか。

    「でもね」

    レむが少し笑った気がした。

    「今は党然平気」

    「なんで」

    「だっお、話せおるから」

    その䞀蚀で、なんか詰たった。
    䞊手く返せねえ。
    なんでだ

    それからしばらく、たたくだらねえ話に戻った。
    孊校の話ずか、奜きな食べ物の話ずか。

    「れリヌが奜きだったの。あの、カップに入っおるや぀。」

    「あヌ、わかる。オレンゞのや぀ずか」

    「そうそうあずね、ぶどう」

    「ただガキだな。」

    「うるさいなあ」

    普通に笑い合っおた。

    船幜霊ず。
    意味わかんねえだろ
    そんで、どれくらい時間が経ったか分からねえ。

    ふず気づいたら、倖が劙に静かだった。

    車の音もしねえ。
    颚も止んでる。

    その代わりにゎオオオ、っお。

    あの音がたた戻っおきた。氎の䞭の音だ。
    さっきより、近い。

    「  なあ、レむ」

    「うん」

    「お前さ、今どこにいんの」

    「え」

    「さっきより  近くねえか」

    少し間があった。

    「  バレちゃった」

    おいおい、軜い調子で蚀うなよ。

    「ちょっずだけ、䞊に来おるの。」

    「は」

    「だっお、声が遠くなるの嫌だったから」

    その瞬間、ちゃぷん、っお音が今床ははっきり足元で鳎った。靎の䞭に、冷たいのが入っおくる感芚。
    俺は思わず䞋を芋た。

    暗くおよく芋えねえけど、床が濡れおる。
    いや、濡れおるどころじゃねえ。
    じわじわ、氎が増えおる。

    「おい、ちょっず埅お。」

    「なに」

    「お前、それ以䞊来んな。」

    「え、なんで」

    なんで、じゃねえよ。

    「  なんかダバい気がする。」
    正盎に蚀った。

    するず、レむは少し黙っおから、

    「  そっか」

    っお、小さく蚀った。

    それからアむツは、しばらく無蚀になった。

    ゎオオオっお音だけが響いおる。

    氎は、それ以䞊増えなくなっおた。

    「ねえ。」
    レむがたた話しかけおきた。

    「なんだ」

    「ありがずうね。」

    「は」

    「こんなに長く話したの、ほんず久しぶりだった。」

      ああ、これ。終わるや぀だなっお、なんずなく分かった。成仏か分からないが、䜕かの“終わり”。
    そう感じたんだ。

    「別に  俺も暇だったし。」

    「ふふ、なにそれ。」

    少し笑う声はさっきより、だいぶ遠かった。

    「ねえ、最埌にさ。」

    「おう。」

    「名前、教えおくれる」

    「  なんで今さら。」

    「いいじゃん。」

    仕方ねえな。

    「——だよ」

    「そっか。芚えずくね。」

    船幜霊が芚えおどうすんだよ。郚屋を浞氎させるのかそう思ったけど、蚀わなかった。聞かない方が良い事もあるだろ

    「じゃあ、そろそろ行くね」

    「  おう」

    匕き止めなかった。匕き止めちゃいけねえ気がした。

    「ねえ。」

    「ん」

    「もしさ。」

    遠かった声が少しだけ、近づいた気がした。
    たるで付け足すように。

    「海、来るこずあったら。」

    「おう。」

    「たたにでいいから、思い出しお。」

    そしおプツッず切れた。それっきりだった。
    ツヌ、ツヌ、っお音もなく、気づいたらただの無音になっおた。

    受話噚を眮いたあず、しばらく動けなかった。
    足元は也いおた。さっきたでの氎なんお、嘘みたいに。

    そのあず店長がい぀も通りヘラヘラ垰っおきお、

    毎床お銎染みの「おヌ悪い悪い」なんお蚀っおたけど、正盎、ほずんど芚えおねえ。
    そもそも、あの日どうやっお家に垰ったかも芚えおねえんだ。

    そんで、あれからしばらくしお、なんずなく気になっお昔の事故ずか調べおみた。

    そしたら、癜浜の沖で流された子䟛の話が䞀件だけ出おきた。

    名前は——。

    で、そこでよ。
    今週、久しぶりに地元垰るんだわ。
    別に倧した理由じゃねえけど。ちょっず海でも芋に行こうかなっお。
    あい぀、れリヌ奜きっお蚀っおたし、コンビニで適圓に買っおさ、癜浜のあたりで投げおやるのも悪くねえかなっお思っおる。

    ぀いでに、あの電話ボックスな。
    ただあるのか知らねえけど、ちょっず芗いおみようかなっお。  たあ、鳎らねえなら鳎らねえでいいけどさ。
    もしたた、ゞリリリリっお鳎ったら——

    たあ、その時には、たた付き合っおやるよ。


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    Sei

     
     
    ドむツ圚䜏6幎目。 趣味で小説ず絵を描いおいる5歳の玔ゞャパ高校生です。 奜きな小説家はH.G.りェルズ、村䞊韍、䌊藀蚈劃、サルバドヌル・プランセンシアetc。 のんびりず日本語保持のためにやっおいきたすので、よろしくお願いしたす

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