芋出し画像

気付けば英雄⁉ 異䞖界のほほん英雄譚②

⚠本文にはアフィリ゚むト広告を含みたす

④第4話  è‹±é›„候補、旅立っお䞉十分で迷子になる


「    」

ミナは地図を芋た。

顔を䞊げた。

もう䞀床、地図を芋た。

右を芋る。

森。

巊を芋る。

森。

埌ろを芋る。

森。

前を芋る。

やっぱり森。

「    どこ」

旅立っお䞉十分。

ミナは芋事に迷子になっおいた。

「いやいやいや  おかしいでしょ」

地図を䞊䞋逆さたにしおみる。

「こっち」

暪にしおみる。

「  こっち」

裏返しおみる。

「    」

䜕も曞いおいない。

「セレナぁぁぁ  」

情けない声が森に響いた。

䞉幎間。

剣を教わった。

魔法を教わった。

魔物に぀いおも教わった。

野営の仕方。

薬草の芋分け方。

簡単な魔道具の扱い方。

料理。

掗濯。

掃陀。

畑仕事。

セレナは、本圓にいろいろなこずを教えおくれた。

ただ䞀぀。

「地図の芋方  ちゃんず聞いずけばよかったぁ  」

朚の根元ぞ座り蟌む。

それでも、䞍思議ず垰ろうずは思わなかった。

怖くないわけではない。

䞀人になった倜は、今でも眠れない。

家の䞭にいるず、

「ミナ、朝だぞ」

そんな声が聞こえおくる気がする。

料理を䜜れば、

「塩が倚い」

ず蚀われそうな気がする。

剣を振れば、

「腰が浮いおいる」

ず泚意されそうな気がする。

でも。

もう、声は聞こえない。

だからこそ。

「埅っおお」

ミナは立ち䞊がった。

「絶察、芋぀けるから」

パンッず頬を叩く。

「よし」

その盎埌。

ぐぅぅぅぅぅ。

「    」

お腹が鳎った。

「たず、ご飯にしよう」

決意より食欲が勝った。

森の䞭。

ミナは小さな鍋を火にかけおいた。

干し肉。

野菜。

少量の銙草。

氎。

そこぞ調味料を加える。

「セレナ盎䌝、野営スヌプ」

正確には。

セレナの料理があたりにも矎味しくなかったため、ミナが改良し続けた結果できたスヌプである。

ぐ぀ぐ぀ず煮蟌む。

いい匂いが挂い始めた。

「できた」

朚の噚ぞ泚ぐ。

「いただきたす」

ひず口。

「ん〜っ」

矎味しい。

䞀人だけど。

矎味しいものは矎味しい。

「セレナにも食べさせおあげたいな  」

その瞬間。

ガサッ。

茂みが揺れた。

ミナの手が剣ぞ䌞びる。

「誰」

返事はない。

ガサガサッ。

近づいおくる。

「魔物  」

剣を抜く。

次の瞬間。

茂みから飛び出しおきたのは、

「きゅぅぅ  」

小さな生き物だった。

「    なにこれ」

癜い毛。

長い耳。

䞞い身䜓。

背䞭には、小さな翌。

倧きさは猫くらい。

そしお。

ミナのスヌプを凝芖しおいる。

「    」

「きゅ」

「食べたいの」

「きゅっ」

ものすごい勢いで頷いた。

「魔物  じゃないよね」

ミナは少量のスヌプを噚ぞ入れた。

「熱いから気を぀けお」

癜い生き物が近づく。

ペロッ。

「きゅ!?」

飛び䞊がった。

「だから熱いっお蚀ったでしょ」

ふヌふヌしお冷たしおやる。

「はい」

今床は慎重に舐める。

「きゅぅぅぅぅ」

目を茝かせた。

「矎味しい」

「きゅ」

「そっか」

ミナは笑った。

旅に出おから。

初めお自然に笑えた気がした。

食事を終え、ミナは立ち䞊がる。

「じゃあね」

「きゅ」

「私、行かなきゃ」

歩き出す。

トコトコ。

「    」

埌ろを芋る。

癜い生き物が぀いおくる。

「぀いおきちゃダメだよ」

「きゅ」

たた歩く。

トコトコ。

「    」

止たる。

癜い生き物も止たる。

歩く。

トコトコ。

走る。

タタタタタタ。

「速っ!?」

飛んだ。

「飛べるの!?」

ミナの頭ぞ着地する。

「きゅ」

「  降りお」

「きゅ」

「そこ気に入ったの」

「きゅっ」

こうしお。

セレナを探す孀独な旅は、

開始初日にしお。

少しだけ孀独ではなくなった。

第5話  åˆã‚ãŠã®è¡—ず、初めおの盞棒


森を抜けるたで。

さらに二日かかった。

正確には。

道に迷い続けた。

「おかしいなぁ  」

「きゅ」

「絶察こっちだず思ったんだけど」

「きゅぅ  」

癜い生き物からすら呆れられおいる気がする。

「そんな顔しないでよ」

「きゅ」

「じゃあ、あなた道わかる」

癜い生き物が飛び䞊がった。

「え」

森の䞊たで䞊昇する。

しばらくしお戻っおくるず、右方向ぞ前足を向けた。

「    」

ミナは固たった。

「もしかしお街、芋える」

「きゅ」

「    」

この二日間はなんだったのだろう。

「最初から聞けばよかったぁぁぁ」

数時間埌。

森を抜けたミナの目の前に、

倧きな城壁が珟れた。

「わぁ  」

旅商人。

銬車。

冒険者。

商人。

倚くの人々が門を行き亀っおいる。

亀易郜垂リベル。

王囜南郚でも有数の倧郜垂だった。

「すごい  」

ミナにずっお、これほど倧きな街は初めおだった。

セレナず暮らしおいた堎所の近くにも街はあった。

けれど芏暡が違う。

屋台から挂う肉の匂い。

魔道具店。

歊噚屋。

宿屋。

露店。

芋たこずのない果物。

そしお。

「焌き䞲  」

「きゅ  」

二人同時に肉を芋る。

「    」

「きゅ」

「食べる」

「きゅ」

旅の目的を忘れたわけではない。

腹が枛っおは戊はできない。

たぶん。

「お嬢ちゃん、その子珍しいな」

焌き䞲を買った店䞻が癜い生き物を芋る。

「この子ですか」

「ああ。どこで捕たえた」

「森でご飯食べおたら来たした」

「  森」

店䞻の顔が少し倉わった。

「ちょっず埅お。その矜  」

癜い生き物をじっず芋る。

「もしかしお、スノりフェンリルの幌䜓じゃないか」

「    」

ミナは癜い生き物を芋る。

癜い生き物もミナを芋る。

「フェンリル」

「幻獣だよ」

「    幻獣」

セレナから聞いたこずがある。

魔物より遥かに垌少な存圚。

粟霊や神獣に近い力を持぀個䜓も存圚する。

「えぇぇぇぇぇ!?」

街䞭にミナの声が響いた。

「きゅ!?」

「あなた幻獣なの!?」

「きゅ」

本人は分かっおいるのかいないのか。

元気よく返事をする。

「いやいやいや 私、普通にスヌプあげちゃったよ!?」

店䞻が笑った。

「幻獣を逌付けしたのか。倧した嬢ちゃんだ」

「逌付けじゃありたせん」

「名前は」

「    」

ミナが止たった。

そういえば。

名前を぀けおいない。

「名前  」

癜い毛。

ふわふわ。

䞞い。

「モチ」

「きゅ!?」

ものすごく嫌そうな顔をされた。

「え、嫌なの」

「きゅぅぅ  」

「じゃあシロ」

「きゅぅ  」

「ナキ」

ピクッ。

「ナキ」

「きゅ」

「決たり」

癜い幻獣。

ナキ。

こうしお正匏に、

ミナの最初の旅仲間ずなった。

その日の午埌。

ミナは冒険者ギルドを蚪れた。

巚倧な建物。

䞭では歊装した冒険者たちが行き亀っおいる。

掲瀺板には倧量の䟝頌曞。

ミナは受付ぞ向かった。

「いらっしゃいたせ」

受付嬢が笑顔を向ける。

「䟝頌ですか」

「あの、人を探しおいるんです」

「行方䞍明者でしょうか」

「はい」

ミナは荷物から䞀枚の玙を取り出した。

セレナの䌌顔絵。

赀い髪。

女性。

元王囜階士。

受付嬢の衚情が倉わった。

「  セレナ・アルノェむン」

ミナの心臓が跳ねる。

「知っおるんですか!?」

「有名ですよ。元王囜階士団の第䞀玚階士ですから」

「第䞀玚  」

初耳だった。

セレナは、自分の過去をほずんど話さなかった。

「この方を探しおいるんですか」

「はい」

「ですが  」

受付嬢が蚀葉を濁す。

「半幎前のダンゞョン灜害で死亡認定されおいたす」

「死んでたせん」

即答だった。

受付嬢が目を䞞くする。

「私、芋たんです」

ミナは拳を握る。

「捕たっただけです。死んだずころなんお芋おたせん」

「しかし  」

「だから探したす」

静かな声だった。

けれど。

迷いはなかった。

受付嬢はしばらくミナを芋぀める。

そしお。

「  少々お埅ちください」

奥ぞ消えた。

しばらくしお。

䞀人の老人が珟れた。

癜髪。

巊目に傷。

片腕がない。

「お前さんが、セレナを探しおいる嚘か」

「はい」

老人はミナを芋る。

そしお。

「名前は」

「ミナです」

「そうか」

老人の目が现くなる。

「なら、お前に芋せるものがある」

ミナの胞がざわ぀いた。

第6話  é»’い王章


老人の名前はガルド。

リベル冒険者ギルドの支郚長だった。

通されたのは建物の奥にある小さな郚屋。

机。

怅子。

壁䞀面の地図。

そしお倧量の資料。

ガルドが机の匕き出しから、小さな箱を取り出した。

「半幎前」

ミナの身䜓が固くなる。

「䟋のダンゞョン封鎖埌、入口付近を調査した」

箱が開く。

䞭に入っおいたのは、

黒い石だった。

「  これ」

衚面に奇劙な王章が刻たれおいる。

六本の腕。

角。

ミナの呌吞が止たった。

「知っおいるのか」

「  芋たした」

「どこで」

「セレナを捕たえた魔物」

ガルドの目が鋭くなる。

「詳しく話せ」

ミナは話した。

黒い扉。

突然珟れた魔物。

人の蚀葉を話したこず。

六本の腕。

セレナが捕らえられたこず。

転移石で逃がされたこず。

すべお。

ガルドは䞀床も口を挟たなかった。

話が終わるず。

長い沈黙。

「  やはりか」

「知っおるんですか」

「確蚌はない」

ガルドが黒い石を指で転がす。

「だが、この王章は過去にも確認されおいる」

「どこで」

「魔王領だ」

空気が倉わった。

「魔王  」

「正確には、魔王軍の䞊䜍個䜓が䜿甚するずされる王章だ」

ミナは黒い石を芋る。

「じゃあ  」

「お前たちが遭遇した魔物は、偶然ダンゞョンに出珟したわけではない可胜性がある」

「    」

「䜕らかの目的で、そこにいた」

目的。

その蚀葉が胞ぞ刺さった。

「セレナを  」

「それは分からん」

ガルドが立ち䞊がる。

「だがもう䞀぀、劙なこずがある」

地図を広げた。

「同じ王章が芋぀かった堎所がある」

指を眮く。

リベルから遥か東。

山岳地垯。

「叀代郜垂ルナ・゚ルド」

「そこに  」

「䞉ヶ月前、冒険者が黒い石を持ち垰った」

ミナは立ち䞊がった。

「行きたす」

「埅お」

「でも」

「今のお前では死ぬ」

「私、Lv31です」

ガルドが錻で笑った。

「ただ31だ」

聞き芚えのある蚀葉。

ミナが黙る。

「  セレナにも同じこず蚀われたした」

「だろうな」

「知り合いなんですか」

「昔な」

ガルドは少しだけ笑った。

「䜕床か䞀緒に仕事をした」

初めお知るセレナの過去。

「セレナは匷い」

ガルドが続ける。

「だからこそ分かる。そい぀が抵抗できず捕らえられた盞手なら、Lv31のお前が行ったずころで䜕もできん」

悔しい。

でも。

䜕も蚀い返せなかった。

あの日。

自分は䜕もできなかった。

䞉幎間鍛えた。

匷くなったず思っおいた。

でも。

あの魔物には、

子どものように扱われた。

「じゃあ  どうすれば」

「匷くなれ」

「    」

「情報を集めろ。仲間を䜜れ。経隓を積め」

ガルドは䞀枚の玙を差し出した。

冒険者登録申請曞。

「䞖界を歩くなら、冒険者になれ」

「冒険者  」

「各地のギルドを利甚できる。情報も集めやすい」

ミナは玙を芋る。

「それに」

ガルドが笑う。

「迷子になっお森で䞉日も圷埚うような奎が、䞀人で魔王領たで行けるず思うか」

「二日です」

「そこか」

ナキが机の䞊で、

「きゅぅ  」

ず鳎いた。

数十分埌。

魔力枬定。

戊闘胜力枬定。

スキル確認。

䞀通りの詊隓が始たった。

「では、この氎晶ぞ手を」

受付嬢に蚀われ、ミナは氎晶ぞ觊れる。

光が溢れた。

【ミナ】

Lv31

クラス魔法剣士

HP487

MP821

剣術Lv6

火魔法Lv5

氎魔法Lv4

颚魔法Lv7

生掻魔法Lv8

料理Lv9

スキル

称号異邊の魂

受付嬢が銖を傟げた。

「  スキルが読み取れない」

ガルドの衚情が倉わる。

「もう䞀床やれ」

再枬定。

結果は同じ。

【スキル】

「壊れおる」

「そんなわけあるか」

ミナは苊笑する。

「昔からこれなんです」

ガルドは氎晶を芋る。

「セレナは䜕ず蚀っおいた」

「分からないから、そのうち分かるだろうっお」

「  あい぀らしいな」

その瞬間。

氎晶が。

ドクン。

脈打った。

「え」

ミナの芖界が暗転する。

䜕かが芋えた。

暗い堎所。

鎖。

石造りの郚屋。

そしお。

赀い髪。

「    セレナ」

女性が顔を䞊げる。

痩せおいる。

鎧はない。

䞡腕を黒い鎖に拘束されおいる。

でも。

生きおいる。

『  ミナ』

「セレナ!!」

ミナが氎晶ぞ手を䌞ばす。

映像が消えた。

バキンッ!!

氎晶に亀裂が走る。

「    」

郚屋が静たり返る。

ミナの手が震えおいた。

「生きおる  」

涙が萜ちる。

「生きおる  」

半幎間。

誰も信じおくれなかった。

死亡認定。

救助打ち切り。

生存者なし。

䜕床も聞かされた。

それでも。

信じ続けた。

「セレナ  生きおる」

ナキがミナの肩ぞ飛び乗る。

「きゅ」

ミナは涙を拭った。

そしお。

笑った。

「埅っおお」

腰の剣を握る。

「絶察に迎えに行くから」

その日。

冒険者ギルドに、

䞀人の新人冒険者が登録された。

ミナ。

Lv31。

魔法剣士。

冒険者ランク。

最䜎䜍のF。

同行するのは、

なぜか幻獣スノりフェンリル。

そしお。

正䜓䞍明のスキルを䞀぀。

本人の目的はただ䞀぀。

倧切な人を連れお垰るこず。

䞖界を救う予定などない。

魔王を倒す予定もない。

英雄になる予定なんお、

もちろんない。

ずころが翌朝。

ミナはギルドの掲瀺板の前で銖を傟げおいた。

「えっず  」

䟝頌曞を䞀枚取る。

【薬草採取】

掚奚ランクF

報酬銅貚15枚

「たずはこれかな」

「きゅ」

蚘念すべき、

冒険者ミナの初䟝頌。

䞖界を揺るがす英雄䌝説は。

ずおも地味な、

薬草摘みから始たった。

いいなず思ったら応揎しよう

ひら🎈 🌟ぜひ応揎お願いしたす🌟 もっずがんばりたす(àž‡ •̀_•́)àž‡

この蚘事が参加しおいる募集