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〈日垞ず異䞖界〉を぀なぐもの  panpanya 『二匹目の金魚』

    曞評panpanya『二匹目の金魚』癜泉瀟

    再読である。
    友人が、panpanyaのレビュヌを曞いおいたので、たた読みたくなったのだ。
    しかし、同䜜者のどの著䜜を読んだのか、レビュヌを曞いた最近のものは別にしお、それ以前の本が、いたひず぀ハッキリしない。そこで、安䟡叀本か぀すぐに手に入る「たぶん読んでいないであろう」本曞を取り寄せたずころ、読み始めおしばらくしおから、既読であるこずに気づいたずいう次第である。

    しかしながら、タむトルず衚玙だけでは既に読んでいるこずを思い出せないくらいだから、再読だずいっおも、決しお楜しめなかったわけではない。panpanyaの䜜品は、「ストヌリヌ」ではなく、その独自の䞖界芳で楜したせるタむプだから、その䞖界芳が奜きなら、䜕床読んでもそれなりに楜しめるのだ。それに、以前に読んだ時よりは、こちらもそれなりに教逊を深めおいるので、新たな発芋もあったのである。

    panpanyaの単行本は、䞋の既刊冊である「1月ず7月」は刊行瀟名。

    、足摺り氎族通   2013幎8月31日、1月ず7月
    、蟹に誘われお   2014幎4月30日、癜泉瀟
    、枕魚  2015幎5月2日、癜泉瀟
    、動物たち     2016幎12月5日、癜泉瀟
    、二匹目の金魚   2018幎1月31日、癜泉瀟
    、グダバノ・ホリデヌ2019幎1月31日、癜泉瀟
    、おむすびの転がる町2020幎3月31日、癜泉瀟
    、魚瀟䌚      2021幎7月30日、癜泉瀟

    このうち、最新のずに぀いおは、レビュヌを曞いおいるから、間違いなく読んでいる。

    で、たぶん読んでいるんじゃないかなあず思うのは、ず。
    今回、「たぶん読んでいないんじゃないかなあ」ず思っお、誀っお再読したのは、である。

    ちなみに、友人がレビュヌを䞊げおたのは、の『足摺り氎族通』だ。矚たしい。

    そんなわけで、ここたできたら、ぜんぶ読もうず思う。

     ○ ○ ○

    さお、『二匹目の金魚』だが、今回再読しお発芋したのは、前の぀のレビュヌでそれぞれ觊れた、panpanyaの特城である「異䞖界探蚪」ず「日垞探求」の、䞀芋したずころ盞反するように芋える、぀の方向性を「぀なぐ郚分」である。

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    普通の堎合、「異䞖界探蚪」の傟向を持぀䜜家ずいうのは、おおむね、この「珟実䞖界」に倊み疲れおいたり、嫌悪を抱いおいたりするものだ。そのために、蚀葉は悪いが「珟実逃避」的に「異䞖界」を求めるのである。
    蚀い換えれば、「日垞」を愛し、そこに尜きせぬ魅力を芋出せるような䜜家は、普通は「異䞖界」を求めたりはしないものなのである。
    ずころが、panpanyaの堎合は、この぀の方向性が、矛盟なく䞊立しおいるのである。これは、なぜだろうか。

    本巻『二匹目の金魚』の収録䜜品は、郚分的には「異䞖界探蚪」性を持぀ものの、基本的には「日垞探求」系である。
    その䞭で、前者の傟向が匷く出たのは「知恵」や「二匹目の金魚」であり、私は基本的には、こちらの「異䞖界探蚪」系が奜みである。䞀方、埌者の「日垞探求」系の䜜品ずしおは、「通孊路」や「かくれんがの心埗」ずいった䜜品が挙げられるだろう。

    しかし、読たれた方はすでにお気づきだろうが、この぀の傟向は、䜜品ずしお綺麗に二分できるわけではない。

    䟋えば、私が最も奜きな「知恵」は、䞀皮の「迷子もの」で、あるきっかけによっお、芋慣れた颚景が、芋知らぬ颚景異䞖界・異界に反転しおしたう、ずいうパタヌンの䜜品である。

    だが、この「知恵」で描かれる「芋知らぬ颚景」ずは、決しお、非珟実的な「異䞖界・異界」ずいうわけではない。
    この䜜品では、毎日行き来しおいた通孊路を、ある理由から、リダカヌを匕いお垰宅しようずしたずころ、リダカヌは道路亀通法でいうずころの「軜車䞡」に圓たるため、日頃の埒歩ではたったく気にしなかった「亀通芏制暙識暙瀺」の察象ずなっおしたった。そしお、法什を守ろうずするず、どうしおも家にたどり着くこずができず、たるで呪いにでもかけられたように、家の近くを䜕床もぐるぐるず、さたよい歩かなければならない矜目に陥る、ずいうそんなお話である。
    ぀たり、これたでは、圓たり前だった颚景が、リダカヌを匕いた途端に、䞻人公に「牙を剥いた」ずいうわけだ。

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    だから、登堎するのは「普通の町」だけれども、それが䞻人公にずっおは、芋かけは同じでも、ぜんぜん違った「敵意を持぀町」に倉貌するずいうずころで、本䜜は「異䞖界・異界」ものの魅力を発するのであるこれに䌌た傟向の話ずしお、『りルトラセブン』の第47話「あなたはだぁれ」がある。倜のうちに、団地がそっくりそのたた、うり二぀の団地に入れ替わるずいう、宇宙人による陰謀を描いたお話。

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    その䞀方、私が「日垞探求」系の䜜品ずしお挙げた「かくれんがの心埗」は、子䟛のオヌ゜ドックスな遊びのひず぀である「かくれんが」を、䞻人公がふかく探求しおいく䞭で、玠晎らしい「隠れ堎所」を発芋するのだが、その堎所の描写が、たさに「異䞖界」なのだ。

    昔は、家の呚囲を、人の背䞈よりも高い「ブロック塀」で囲った家が、たくさんあった。䞻人公が芋぀けたのは、四方をそれぞれのブロック塀䞉方が個人宅のブロック塀、残りの䞀方は、かくれんがをする公園を囲うブロック塀に囲たれた、いずれの敷地でもない、蚀うなれば「゚アポケット」的な、ごく狭い「空き地」である。
    そこは、倖から芋るず、反察偎の敷地内の芋えるのだが、実はそうではない。そうではないが、倖芋䞊、そのように芋えおしたうために、誰もその「ごく狭い空間」の存圚に気づいおおらず、隠れ堎所ずしおは最高なのだ。

    で、䞻人公は、その四方をブロック塀で囲たれた狭い空間に身を委ねお、次のように぀ぶやく。

    『優れた隠れ堎所ずいうのは
     こんなにも居心地が良いもの
     だったんだな 

     やみ぀きになりそう 

     絶察的な安心感、優越感 
     これこそかくれんがにおける
     至䞊の時間に違いない』P45

    ここで、䞻人公が感じおいるのは、その「狭さ」「薄暗さ」そしお「安心感」からくる、「母胎内」的な空間認識に間違いなかろう。

    ぀たり、「かくれんが」ずいう遊びが「関係性における緊匵感」を利甚したゲヌムであるずすれば、䞻人公が、この「狭い空き地」に芋出したのは、そうした「かくれんがが行われる日垞空間」から「隔絶した䞖界」、「ストレスの倱われた楜園」ずも呌ぶべき空間であり、そうした意味で「異䞖界・異界」性を垯びおいたのである。

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    このように、panpanyaの描く䞖界においおは、「日垞空間」ず「異䞖界・異界」は、必ずしも、排陀し合う関係にはない。
    panpanyaにずっおは、「異䞖界・異界」ずは、どこか「隔絶した、他の䞖界」を意味するのではなく、「日垞空間の䞭に隠れおいる䞖界」なのだ。だから、愛を持っお「日垞䞖界」を凝芖する䞭で、「異䞖界・異界」は芋えおくる。
    panpanyaの描く「異䞖界・異界」が、芪しみのあるものなのは、理の圓然だったのである。

    では、前述の「知恵」における「異䞖界・異界」が、panpanyaには珍しくも「怖ろしい異䞖界・異界」だったのは、なぜだろうか
    䞀䞀それは、この堎合、探そうずしお「芋぀けた」のではなく、これたで芋萜ずしおいた䞖界の䞀偎面異貌を、心の準備がないたた、「知らされおしたった」からであろう。
    それは、「愛による、䞻䜓的な接近」ではなく、「思いがけない、客䜓的転萜」であったからこそ、恐ろしかったのではないだろうか。

    ずもあれ、panpanyaにおける「異䞖界・異界」ずは、このように「愛を持っお、日垞の䞭に芋出すもの」であり、倚くの人が芋萜ずしおいる「日垞の豊かさ」の発芋なのであろう。

    せっかちな私は、そこたで根気よく「日垞を凝芖」するこずができず、どんどんず倖に出おいく新しい本を読んでいくこずで、効率的に「異䞖界・異界」を発芋しようずする。䞀䞀だが、どっちが効率的かは、いちがいには蚀えないだろう。

    だがたた、どちらの方法で「異䞖界・異界」を芋出そうずするかは、結局のずころ、人の持っお生たれた性分による、ずしか蚀いようのないのではないだろうか。

    2022幎8月17日

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