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ガンダム"二次創作"『マチルダ』第6話

    創作としての「マチルダ中尉」物語。
    今回は第6回です。よろしくお願いします。

    ***

    レビル将軍はいきさつを、注意深く搔い摘んで話し始めた。
    「ホワイトベースがサイド7で敵のモビルスーツの襲撃にあったとき、…彼は宇宙に投げ出されてしまったのだ。長らく、行方不明と思われていたのだが、ーしかし着ていた宇宙服の姿勢制御装置のおかげで、実はあまり遠くへは飛ばされていなかった。ただ、、見つかるまでには時間がかかってしまってな。今の彼は、記憶が曖昧なのだ。それでなくても長いことここで眠っていた。敵のモビルスーツはザクしか知らんし、すでにこちらで試作段階にある量産型ガンダムのことも、彼はまだ知らないままだ。…」
    静止画なのかと思うほど動かない彼だったが、それは画面を見つめるマチルダも同じだった。
    「治療を進めやすくするため、このあと彼を中立サイドに移送することになっているのだが、…その前に一度彼と会ってみてくれんか。君はあのとき彼と、ガンダムやホワイトベースに関して少し会話をしている。会えば何か思い出すかと思うのだ。」
    軍人としての彼の復活を希望するのであれば、職務上の会話の相手をした人間として、自分が呼ばれたことには納得がいった。
    「バギーで行けば近い。市街地を抜けると、港の向かいにコテージや貸別荘が点在する丘がある、その間の野原を過ぎればすぐだ。3時間もあれば往復できる距離だ。」
    「2時間で戻ります。」
    任務であればこその進言だったが、多少の後悔があった。
    「慌てて戻ろうとする必要はない。彼と会話が成り立つことが先決だ。」
    頼んだぞ、と見つめる彼の目には、多少の優しさが表れていた。
    「それと…帰りは近道もあるが、今日は雨上がりだ、止めておいた方が良い。」

    一般のゲートから出るのは久しぶりだ。バスケットを抱えた行商の幾人かをすり抜け、それほど慣れていないバギーを走らせた。
    カモフラージュが効いていて、外から見たらまさか集中治療室があるとは思えない建物だ。外階段で2階に案内され、ドアを開けた。
    「失礼します。」
    平静は装えなかった。はたして振り向いた彼の第一声は比較的早かった。
    「…マチルダ君、だったね。」
    あれから何度もホワイトベースを見ているが、やはりあのときが、初めて見たあのときが一番震えた。そのときの感覚がよみがえった。何のことはない、これでは自分自身の記憶のために来たようなものじゃないか。
    「ご無事で…、何より、、それに、いえ、私は…。すみません、いったい、どうしたというのか…。」
    「慌てなくていい。座りなさい。そこでよければ。」
    テムの表情も、あのときと同じように穏やかだった。
    「よく来てくれた。今のうちでよかったよ。」そう言った後、穏やかなままではあるが少し表情を曇らせた。
    「自分では分かるのだ。私はもう、長くない。」
    「そんな(ことを)」おっしゃらずにという隙を与えなかった。
    「少しずつ、記憶が失われていっていることもね。」

    (続く)

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