メインコンテンツへスキップ

ガンダム"二次創作"『マチルダ』第3話

    創作としての「マチルダ中尉」物語。
    今回は第3回です。よろしくお願いします。

    ***

    一瞬の想いを残して、ホワイトベースを、技術士官テム・レイの元を後にしたマチルダだった。
    自分のようなものの説明がどれだけ助けになったかは分からないが、彼女自身が得たものは大きかった。どこをどう通って部隊まで帰ってきたのかよく覚えていないほどだ。しかしあれからマチルダはホワイトベースのことをあまり思い出さないようにしていた。

    レイ大尉が行方不明と、風の噂で聞いていたからだ。

    レビル将軍は言葉を続けた。
    「あのホワイトベースな、今はまた地球に戻ってきている。君にはそこへ行ってもらいたい。」
    なるべく思い出さないようにしていたということは鮮明に記憶しているということにほかならない。それでも冷静を保ち、または装って、マチルダはレビル将軍の言葉に耳を傾けた。
    「今はまだ航行中だ。本来ならもっと早くこちらに到着していてもよかったのだが、いろいろあってな…。負傷兵も多く、サイド7からの避難民も抱えている。」
    「サイド7、ですか?」
    新型戦艦があの場所へ向かっていたことは、このときのマチルダには若干不思議に思えた。
    「大人はほとんどやられてしまった。兵の中には民間人も多く、若者も混ざっている。艦長も代理が務めているし、避難民も高齢の者か病人だ。君のような人間が行ってやった方が、連中も安心する。」
    「はい。私でよければ喜んで。」
    「助かる。…大人はなかなか手を挙げんのだよ、こういうときはね。」
    やれやれといった表情で将軍はマチルダを見た。命令なので受け入れたが、簡単なことではないこともこのとき理解した。
    「地球に帰還した時一緒だったサラミスの連中にも入ってもらっているんだが…適任とはならんようでね、どうも。」
    「何となく分かります。」
    ははは、と笑った後、将軍はもう一度顔を引き締めた。
    「あの時と違って今はモビルスーツを乗せてはいるが、レイ大尉が艦にはいない。艦長も技術士官も無しにここまでやってきていることに正直私も驚いているくらいだ。サラミスの連中の気持ちも分からないではない。連中は、ちょっと違うのかもしれない。」

    マチルダは自分の口からはそれ以上聞けなかった。レイ大尉が、今は別のどこかにいるのか、それとも噂通り本当に行方不明なのか。
    濁しているということは何も知らなくていいということだと理解したマチルダは、ホワイトベースに質問されたときにも同じように答えようと決めていた。
    「時間がない。必要な資料は届ける。24時間以内に君は自分の準備をしておいてくれ。隊の他の人間にはもう話はしてある。」

    (続く)

    ( 1,2,)

    あなたへのおすすめ