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ガンダム"二次創作"『マチルダ』第4話

    創作としての「マチルダ中尉」物語。
    今回は第4回です。よろしくお願いします。

    ***

    形式的に辞令を受けた次の瞬間にはもうミデア輸送機の元へと歩を進めなければならなかった。最後にもう一度レビル将軍から声をかけられた。
    「経験のあるクルーも乗っている。頼りにしていい。しかしホワイトベースの面々とは君が直接話をしてくれ。いいかね。」
    「はっ、了解しました。」
    「ある程度、本音を聞き出したくもあるのでな。」
    自分自身に発破をかけるようにいつにも増して大きめの返事をしたマチルダだったが、少し空振りだったかもしれないと目を伏せた。
    「途中の道のりはある程度危険を回避して進めるだろうが、なにせ肝心のホワイトベースがまだジオンの勢力圏内だ。抜かるなよ。」
    「はっ。マチルダ隊、出動します。」

    果たして確かにやっとレーダーで捉えたホワイトベースはかなり危険な状況だった。数基のドップと、遠くにガウもいる。勢力圏内どころではない。
    しかしもっと驚いたのはガンダムの戦い方だ。空中戦ができるとは聞いていない。
    「パイロットは?大人はほとんどやられてしまったと聞いているし、…」
    この問いに今ここで誰も答えられるはずがないと分かりきっていたので、これは独り言にしておいた。敵の動きからも明らかに動揺が伺えた。
    「とにかく、今のところ向こうがこちらに気づく様子はない。このままホワイトベースに近づければいいが。」

    いよいよホワイトベースが見えてきた。自分の任務遂行が優先でもありと考えたマチルダは、ガンダムに敵を深追いするのをやめさせた。目の前にいる自分が直接指示を出すということで、ガンダムと通信できるよう要請するべく、ホワイトベースに比較的丁寧な口調で交信を切り出した。
    「補給部隊より、マチルダと申しますが、…どなたか応答できますか?」
    通信にはブライトがすぐに応答し、要請はすんなり通った。

    現時点で分かりうる範囲の搭乗者名簿に目を通しておいてよかった。ルナツーで調べたものにサラミスの乗組員を加えたもの、というのが最新版で、全員生き残っているとは限らないとは聞いていたし、民間人から戦いに参加している者も多いとは知っていた。ルナツーの滞在は短時間だったはずで、ここまでまとめてあったことに感謝したい。
    そして確かに、ガンダムのパイロットは彼だった。
    「…アムロ・レイ。」
    紛れもなくあの机の上の写真の少年だった。彼があのガンダムに乗り、しかも空中戦までやってのけていたとは。将軍が、「連中はちょっと違うのかもしれない」と言っていたことが、徐々に現実味を帯びて分かり始めていた。

    「それにしても彼は、…」
    知っているのだろうか、父の行方を。父が行方不明であることを。
    益々、詳しいことは知らされていないことにせざるを得ない状況だ。幸い向こうからくる質問も、本質を投げつけてくるものではなかった。物資や食料などの補給が完了したことは、彼らの心をかなり潤した。サラミスの乗組員を引き揚げさせる関係で避難民は病人を中心に一部の引き取りとなってしまったが、それでもマチルダ隊初陣としてはあっぱれな活躍だった。

    「あなたはエスパーかもしれない。」
    ついあんなことを言って、少年の肩まで叩いていた自分にマチルダは驚いてもいた。ただ、彼には特に頑張ってほしいと思ったのは事実だ。あの日、レイ大尉の図面にあったものが、今こうして彼の手によって動いている。この事実を、どこかで大尉はご覧になっておられるだろうか。
    「連邦軍にもあなた方を見捨ててはいない人がいる。」
    降下するエレベーターの中、自分もその一人であると、マチルダは改めて心に刻んだ。

    (続く)

    ( 1,2,3,)

    **追記
    マチルダがガンダムと交信するためホワイトベースに連絡を取る、という部分ですが、当時この部分、なぜいきなりガンダムに通信できているのか疑問でしたが、最近調べたところ、補給部隊は補給先の艦及び艦が有する機と通信できるよう共有設計されていると知りました。後日カットして、文章調整したいと思っております。

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