ガンダム"二次創作"『マチルダ』第5話
創作としての「マチルダ中尉」物語。
今回は第5回です。よろしくお願いします。
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「凄いじゃないか、自分の隊を率いているだなんて。」
ウッディの言葉に救われた。2度目の補給の帰り道、ザクの襲撃でミデアを破損させてしまったばかりだった。
「大したことはできてないわ。」
「そんなことはない。」
誰から見てもどこにも隙のない印象のマチルダは、これほどまでにまっすぐなアプローチを常にかけてくれる実直な男性に会うのはウッディが初めてだったし、彼を措いて他にいなかった。今回だって、遠いところをわざわざ用事を作ってこちらに出向いてくれている。
「二度の補給と伝達はうまくいってるんだろ、問題ないさ。」
しかし彼女がいまこうしていられるのは、明らかにガンダムに、アムロに救われたからだ。しかもわざわざ助けに来てくれたばかりに、彼は命がけで時限爆弾を外さなければならなくなったと聞いた。あのとき背後に見えた巨大な爆煙にもしもガンダムが、彼が巻き込まれていたら…。
「私の任務は完了できなかったことになっていた。」
「それは考え過ぎだ。」
「でも事実よ。私はあのガンダムの、彼の命がけの行為に報いなければならない。」
士官学校からずっと彼女を追ってきたウッディだ、今の彼女こそ危険な状態にあると感づいた。
「マチルダ、」今言うべきことではないと思いつつ、言葉にせずにはいられなかった。
「次の大きな作戦が終わったら、僕と結婚してくれないか。」
「ええ。」
マチルダは心底嬉しかった。答えに嘘はなかった。が、心のどこかに引っ掛かりがあることも、そして、それを目の前のウッディにも見抜かれてしまっていたことにも、彼女は気づいていた。
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「君はよくやっている。次の出動は重要な任務になる。その前に、ある場所まで行ってきてほしい。羽を伸ばす、というわけにはいかんのだが、届けてほしいものがあるのだ。」
レビル将軍にひっそりとこじんまりした倉庫に導かれた。
「これと、あと幾つか、君がこれと思うものを。」
そう言って指さした先にあった大きなファイルは、かなりのダメージを受けていた。部屋には被害にあったものから選り抜かれたものが並べてあるようだった。
「行ってほしい場所はここだ。」
目の前のモニターに映し出されたのは、見慣れない部屋だった。
「野戦病院では手に負えんでな、ここからそう遠くない場所にある特殊な集中治療室だ。最近やっと目を覚ましたのだが、どうにも、な…。」
やつれて覇気のない顔立ちではあったが、眼ははっきりしていた。しかし一点しか見つめていない。何かを思い出そうとしているようだった。
「レ、レイ大尉…。」
忘れるはずのないそのモニター越しの顔に、この感情をなんと表現すればいいのかマチルダは戸惑った。
(続く)