
初の査読通過。共著で学び、単著に繋げる。ー査読への挑戦⑥
第1章 手元に届いた、初めての査読通過論文
組織学会での発表を5日後に控えた日。
私の手元に、一冊の学会誌が届きました。
その冊子には、私にとって特別な意味を持つ論文が掲載されています。
それは、私自身の人生において初めて査読を通過した論文です。
活字になった自分の論文を見るのは、やはり特別な経験でした。
しかもそれが、厳しい査読を経たうえで掲載に至ったものであるという事実には、単なる達成感以上の重みがあります。
自己紹介
第2章 始まりは、先生からの一言だった
この論文の出発点は、昨年の夏でした。
修士時代にお世話になった担当教員の先生から、「一緒にやらないか」と声を掛けていただいたことが始まりでした。
そこから急遽、予定稿を作成し、共同発表の準備を進めることになりました。それが、私にとって研究者として初めての打席でした。
当時の私は、まだ学術論文として何が必要かを十分に理解できていませんでした。
背景説明の置き方、先行研究レビューの役割、理論説明の組み立て方、考察の射程。どれを取っても、学術の論理としてはまだ拙かったと思います。
第3章 厳しい指摘と、先生による論文の仕上げ
その最初の発表でいただいた反応は、全体として前向きなものでした。
ただし、査読を受ける論文として仕上げる段階では、求められる厳密さはまったく別のものでした。
先生からは、背景説明、先行研究レビュー、理論説明、考察のそれぞれについて、細かな指摘を数多くいただきました。
しかし、その指摘があったからこそ、論文を学術の型に近づける方向が見えました。
査読で問われる論点を踏まえながら、先生が論文全体を精緻に整え、最終的に仕上げてくださいました。
私はその過程を通して、論文とは単に経験や事例を書くものではなく、
先行研究との対話を踏まえ、
論点の飛躍を抑え、
概念と事実の対応を明確にし、
考察の射程を整える
ことで初めて学術的な文章になるのだ、ということを具体的に学びました。
この共著論文は、私にとって一つの成果であると同時に、学術論文の書き方を学ぶ機会そのものでもありました。
第4章 この最初の一歩が、その後の自分につながっている
この「最初の査読通過」があったからこそ、その後の自分があります。
論文が掲載されたこと自体もうれしい出来事ですが、それ以上に大きいのは、
どうすれば経験や実務上の問題意識を、学術的な主張へと組み替えられるのかを具体的に知ることができたことでした。
実務家として現場を知っていることと、研究者として論文を書くことは、やはり違います。
現場では「分かっていること」も、論文では先行研究の中に位置づけ、言葉を定義し、論理として積み上げなければ通りません。
その意味で、この共著論文は、私にとって単なる掲載実績ではなく、研究者としての出発点と呼べるものです。
第5章 次に問われるのは、自分一人で立てるかどうか
もちろん、私はここで満足するつもりはありません。
今回の論文は、先生のご指導と仕上げによって形になったものであり、だからこそ多くを学ぶことができました。
そのうえで次に問われるのは、自分一人でどこまでできるかです。
今年の私の目標は、まず初めての単独での学会発表です。
そしてその先にあるのが、単独での論文投稿と、自力での査読通過です。
共著で学んだことを土台にしながら、次は一人の研究者として、自分の論理で勝負しなければなりません。
その意味で、いま私は、共著で学ぶ段階から、単著で立つ段階へと移ろうとしているのだと思います。
第6章 数日後の発表に向けて
数日後、私は単独発表者として教壇に立ちます。
今回の発表は、自分にとって単なる一つの報告ではありません。
共著で学んだ論文の型を、今度は自分自身の発表と議論の中でどこまで実装できるかを試される場でもあります。
だからこそ、ここからの数日間は、想定される厳しい質問に耐えられるように、論点の不足や飛躍を一つずつ潰していく時間になります。
手元に届いた学会誌の重みを確かめながら、次の一歩に向けて準備を進めたいと思います。
第7章 おわりに
初めて査読を通過した論文が届いた日。
それは、一つの区切りであると同時に、次の課題がよりはっきり見える日でもありました。
共著で学び、単独で立つ。
その移行のただ中に、今の自分はいます。
まずは目の前の発表をしっかり乗り越えること。
そしてその先で、単独投稿と自力での査読通過へつなげていくこと。
いまは、そのための準備を続けたいと思います。
つづく
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