サッカー小説おすすめ10選|ワールドカップでサッカー熱が高まる今読みたい名作
ワールドカップが始まると、試合を見る時間だけでなく、サッカーそのものに触れたくなる時間も増えてきます。代表戦の熱気、サポーターの声、勝敗を分ける一瞬のプレー。そんな空気に包まれている時期こそ、サッカー小説を読むのにぴったりです。
サッカー小説には、部活に打ち込む高校生、少年サッカーチームの仲間たち、プロを目指す若者、クラブを応援するサポーター、チームを裏側から支える人たちなど、さまざまな立場の物語があります。ピッチの上の熱さだけでなく、家族や仲間との関係、夢を追う苦しさ、負けた後の悔しさまで描かれているのが魅力です。
今回は、ワールドカップでサッカー熱が高まっている今読みたい、サッカー小説のおすすめ作品をご紹介!気になった作品はぜひ、手に取ってみてくださいね。

『悪魔のパス 天使のゴール』村上龍
試合で活躍した選手が心臓麻痺で死んだ。セリエAの日本人プレーヤー冬次の依頼で調査に乗り出した小説家・矢崎は、死を招く最強のドーピング剤「アンギオン」の存在を知る。
『限りなく透明に近いブルー』、『コインロッカー・ベイビーズ』、『半島を出よ』などの著者としても有名な村上龍さんの作品。サッカーを通して、若者たちの欲望、孤独、才能、社会の空気を描いた長編小説です。ミステリーものというより、村上龍作品らしい鋭さと濃さがあります。試合の描写がリアルでぐっと引き込まれます。
『龍時』野沢尚
こわれた家族、さえない学校。体内に滾るのはサッカーへの情熱だけ。それさえも、この国では行き詰ってしまうのか。2001年、スペインU─17とのサッカー親善試合に急遽招集された無名の高校生、志野リュウジは、世界の壁を痛感し、単身スペインに渡ることを決意する。両親との葛藤、国籍のハードル、友情や淡い恋など、ビルドゥングスロマンの味わいを発揮しながら、選手の目線から驚くべき緻密さでゲームシーンを再現。本邦初の本格サッカー小説、待望の文庫化。
『破線のマリス』などの小説や、『眠れる森』、『名探偵コナン ベイカー街の亡霊』などの脚本でも知られる野沢尚さんの代表的なサッカー小説。「日本初の本格サッカー小説」と銘打たれた作品で、海外で挑戦する孤独、プロを目指す厳しさ、日本とは違うサッカー文化が濃く描かれています。全3巻で刊行されましたが、著者の急逝により未完となった作品。
『サッカーボーイズ 再会のグラウンド』はらだみずき
熱くてせつない青春スポーツ小説! 大型新人現る!!
サッカーを通して迷い、傷つき、悩み、友情を深め、成長していく遼介たち桜ヶ丘FCメンバーの小学校生活最後の1年と、彼らを支えるコーチや家族の思いをリアルに描く、熱くてせつない青春スポーツ小説!
『高校サッカーボーイズU-16』、『サッカーの神様をさがして』、『太陽と月』など、サッカーを題材にした作品を多く手がけるはらだみずきさんの代表作。『本の雑誌が選ぶ文庫ベスト10』第10位にランクインした作品です。キャプテンを外される挫折、仲間とのすれ違い、コーチや家族の思いが重なり、少年サッカーのまぶしさと苦さが残ります。シリーズの入り口にもおすすめです。
『レッドスワンの絶命 赤羽高校サッカー部』綾崎隼
私立赤羽高等学校サッカー部『レッドスワン』。新潟屈指の名門は崩壊の危機に瀕し、選手生命を絶たれた少年、高槻優雅は為す術なくその惨状を見守っていた。
しかし、チームが廃部寸前に追い込まれたその時、救世主が現れる。新指揮官に就任した舞原世怜奈は、優雅をパートナーに選ぶと、凝り固まってしまった名門の意識を根底から変えていく。
誰よりも〈知性〉を使って勝利を目指す。新監督が掲げた方針を胸に。『絶命』の運命を覆すため、少年たちの最後の闘いが今、幕を開ける。
『蒼空時雨』に始まる花鳥風月シリーズ、『ノーブルチルドレン』シリーズなどの著者としても知られる綾崎隼さんの作品。新潟の私立高校サッカー部「レッドスワン」を舞台に、廃部の危機にある名門チームの再生を描いた青春サッカー小説です。戦術、知性、選手たちの覚悟が重なり、ただの部活ものでは終わらない熱量があります。シリーズで追いかけたくなる作品です。
『ディス・イズ・ザ・デイ』津村記久子
「こういう話をしてるとさ、どんな気持ちでも生きていけるんじゃないかって思うよね」
22のチーム、22の人生――
サッカー国内2部リーグ22チームの22人のファンたちは、それぞれの思いを抱いて今季最終試合のザ・デイ、「その日」に向かう。職場の人間関係に悩む会社員、別々のチームを応援することになった家族、憧れの先輩に近づきたい男子高生、両親の離婚で十数年ぶりに再会した孫と祖母など、ごく普通の人たちのかけがえのない人生を、サッカーを通してエモーショナルに描き出した、一話完結の連作小説集。
単行本刊行時、30近いメディアで多数書評掲載や紹介がなされるなど圧倒的な評価を得、また第6回サッカー本大賞を受賞した作品が、ついに待望の文庫化!
『ポトスライムの舟』、『この世にたやすい仕事はない』、『水車小屋のネネ』などの著者としても有名な津村記久子さんの作品。2019年、第6回「サッカー本大賞」を受賞した作品です。国内サッカー2部リーグを舞台に、最終節を迎える22チームと、そのクラブを応援する人々の人生を描いた連作小説集です。選手ではなく、サポーターや日常を生きる人たちに光が当たるところが魅力です。サッカーが暮らしの一部になる感覚を味わえます。
『ラストシュート 絆を忘れない』小宮良之
小学6年生の広瀬ゆうは「キッカーズ」のエースストライカー。裕福な家庭で育った秀才の蓮、かつて不登校だった茂、チーム唯一の女子選手みすずたちとともに、全国大会出場を目指していた。ゆうの憧れは、かつてJクラブにも誘われたことのある父親だった。しかしその父はもうこの世にはいない……。ゆうは父の遺した言葉を胸に、仲間との衝突、ライバルとの対決、チームの崩壊危機など、様々な困難に立ち向かっていく――。
『アンチ・ドロップアウト』、『導かれし者』などの著者としても知られるスポーツライター・小宮良之さんの小説。少年サッカーチーム「キッカーズ」を舞台に、小学生たちが仲間とぶつかりながら成長していく青春群像劇です。多くのアスリートを取材してきた著者ならではの目線があり、試合の熱さだけでなく、子どもたちの迷いや悔しさも丁寧に描かれています。少年サッカーに関わる家庭にも響く一冊です。
『誉れ高き勇敢なブルーよ』本城雅人
惨敗したW杯から三年。苦戦する日本代表を立て直すため、新たな監督探しを託された望月は、かつてマスコミのリークで契約に失敗した過去を持つ。サッカー協会、記者、代理人、選手――複雑な思惑が渦巻くなか、タフな交渉を続ける望月だが、妨害の裏には驚くべき黒幕がいた。迫真のスポーツサスペンス! 「W杯の勝敗の裏に、これだけの熾烈な闘いがある。そのドラマにすっかり魅せられた」――セルジオ越後<サッカー解説者>
『ミッドナイト・ジャーナル』、『傍流の記者』、『監督の問題』などの著者としても知られる本城雅人さんの作品。ワールドカップ後の日本代表をめぐり、監督、選手、関係者たちの思惑が交差していくサッカー小説です。代表チームの舞台裏、勝利への重圧、組織としてのサッカーが描かれており、部活や少年サッカーとは違う緊張感が漂います。
『Good old boys』本多孝好
やっぱりお父さんはスーパーヒーローなんだ!
それぞれの思いを抱えた8組の家族のじわっと沁みる物語
この想いはきっと伝わる──。
一番弱いのに、一番楽しくサッカーをやれる「牧原スワンズ」の四年生チーム。公式戦では一勝はおろか、まだ一点も取ったことがない市内屈指の弱さを誇っている。今年最後の公式戦となる市大会に挑む子どもたち。しかし、チームの活動を手伝う父親たちは、それぞれに悩みを抱えていた。八組の家族のありようとその成長を描き、すべての頑張るお父さんと子どもたちへあたたかなエールを贈る物語。
『dele』、『MOMENT』、『真夜中の五分前』などの著者としても知られる本多孝好さんの作品。弱小少年サッカーチーム「牧原スワンズ」に所属する子どもたちと、その父親たちを描いた連作小説です。主役はピッチに立つ子どもたちでありながら、見守る大人たちの人生にも焦点が当たります。勝つことだけでは測れない少年サッカーの時間、家族の距離、父親たちの不器用な愛情が静かに響く一冊です。
『ホケツ!』小野寺史宜
サッカー部引退を間近に控えた高校三年生の宮島大地は一度も公式戦に出場したことがない。だが、母を亡くしてから同居している絹子伯母さんには「レギュラー」と嘘をついていた。最後の大会が終わったら進路を決めなければならない。悩む大地に十二年前に家を出た実父から突然、連絡があり……。家族、仲間、将来――迷いながら自分だけのポジションを探し出す物語。
『ひと』、『みつばの郵便屋さん』、『リカバリー』などの著者としても知られる小野寺史宜さんの作品。部活でも家庭でも主役とは言えない大地が、自分の居場所や進路と向き合っていきます。レギュラーではないからこそ見える景色があり、派手な活躍ではなく、等身大の成長に胸を打たれる青春小説です。
『ホペイロの憂鬱 JFL篇』井上尚登
僕がホペイロ(roupeiro:ポルトガル語で用具係のこと)を務めるプロサッカークラブ・ビッグカイト相模原では、奇妙な事件がわんさか起きる。J2昇格を目指して新シーズンが始まったのに問題山積だ。まったく傷んでないのに頻繁にスパイクを交換したがるエース、窃盗容疑で逮捕されたナイジェリア人助っ人、名物サポーターの大フラッグの盗難……。その度に、僕に謎を解かせようとするんだ。選手のスパイク管理が本職なのに! 日本フットボールリーグ(JFL)所属のサッカークラブを舞台に、ホペイロの奮闘を描く、ほのぼの連作ミステリ。
『T.R.Y.』、『厨房ガール!』などの著者としても知られる井上尚登さんの作品。2018年、白石隼也さん主演で映画化されています。JFLのサッカークラブで、用具係を意味するホペイロとして働く主人公が、クラブ内で起こる小さな謎やトラブルに向き合う連作ミステリー。選手や監督ではなく、チームを裏側から支えるスタッフが主人公という点が新鮮です。サッカー小説でありながら、日常ミステリーとしても楽しめる一冊。
まとめ
サッカー小説には、試合に勝つ喜びだけでなく、負けた後の悔しさ、補欠のまま過ごす時間、仲間との関係、家族の見守り、プロを目指す覚悟まで描かれています。同じサッカーでも、描かれる景色は作品ごとに大きく違います。気になる作品があったら、ぜひ、手に取ってみてくださいね。
