阿部暁子おすすめ小説7選|2025年本屋大賞受賞の注目作家!
あたたかくて、どこか切なくて、でも必ず前を向ける――。
そんな物語を探している方に、ぜひ読んでいただきたいのが阿部暁子さんの小説です。
2025年本屋大賞を受賞した『カフネ』をはじめ、阿部さんの作品はどれも、日常の中にある感情の機微を丁寧にすくい取ったものばかり。人と人とのつながりをやさしく描いてくれます。
心に響く物語との出会いが、きっとここにあります。次の一冊として、ぜひ、手に取ってみてくださいね。

『カフネ』
☆2025年本屋大賞受賞作☆
【第8回未来屋小説大賞】
【第1回あの本、読みました?大賞】
一緒に生きよう。あなたがいると、きっとおいしい。
やさしくも、せつない。この物語は、心にそっと寄り添ってくれる。
最愛の弟が急死した。29歳の誕生日を祝ったばかりだった。姉の野宮薫子は遺志に従い弟の元恋人・小野寺せつなと会うことになる。無愛想なせつなに憤る薫子だったが、疲労がたたりその場で倒れてしまう。
実は離婚をきっかけに荒んだ生活を送っていた薫子。家まで送り届けてくれたせつなに振る舞われたのは、それまでの彼女の態度からは想像もしなかったような優しい手料理だった。久しぶりの温かな食事に身体がほぐれていく。そんな薫子にせつなは家事代行サービス会社『カフネ』の仕事を手伝わないかと提案する。
食べることは生きること。二人の「家事代行」が出会う人びとの暮らしを整え、そして心を救っていく。
『カフネ』は、2025年本屋大賞を受賞した、阿部さんの代表作。主人公は、食や日常を通じ、さまざまなバックグラウンドを持つ人々との交流を経験していきます。
食卓を囲む温もり、日々のささいな会話、誰かの思い出の中に息づく存在感――こうした細部の描写が心に染み入り、ページをめくる手が止まらなくなります。
自分のまわりの人との関係性を改めて考えてみたくなる一冊。
『金環日蝕』
輪郭は強烈な輝きを放っているのに、
彼の中心は闇に沈み、謎めいたまま――
ひったくりの犯人を突き止めた。
事件はそれで終わらなかった。
私たちは、ある男が歩んだ道を
辿り直すことになる。
本屋大賞作家、渾身の長編
知人の老女がひったくりに遭う瞬間を目にした大学生の春風は、その場に居合わせた高校生の錬とともに咄嗟に犯人を追ったが、間一髪で取り逃がす。犯人の落とし物に心当たりがあった春風は、自分が通う大学で犯人探しをしようとするが、心配だから同行させてほしいと言う錬に押し切られ、二日間だけの探偵コンビを組むことに。かくして大学で犯人の正体を突き止め、ここですべては終わるはずだった――。最新作『カフネ』が話題の俊英が〈犯罪と私たち〉を切実に描いた、いま読まれるべき力作長編。
大学生の春風が、偶然出会った高校生の錬と共に、ひったくり事件の真相を追うことから物語が始まります。軽やかな筆致で描かれる若者たちの行動力と、彼らを取り巻く小さな事件には、じわりと染み出すような余韻があります。
スピード感もあり、ぐいぐい読み進められる作品。爽やかな青春ミステリーかと思いきや、思いのほか、重いテーマも描かれています。謎が解けた瞬間の驚きとともに、その背後にある“人の心の機微”に触れることで、考えさせられることも多い一作です。
『カラフル』
高校入学式の朝、荒谷伊澄は駅のホームでひったくり犯を捕まえた。
その際に、犯人の前に出て足止めをしようとしたのが、車椅子に乗った少女だった。
その後の事情聴取で判明したのだが、渡辺六花というその少女も、伊澄と同じ高校の新入生だった。
弁が立ち気の強い六花に、伊澄はヤな女だな、と感じたのだが……?
夢を追い続けられなくなった少年と少女の挫折と再生の恋物語!
高校入学式の朝、駅でひったくり犯を止めようとした少年・伊澄と、車椅子の少女・六花の出会いから始まる物語です。互いに過去の傷や迷いを抱えた立花と伊澄が、少しずつ心を通わせていく様子は、まるで曇り空に差す一筋の光のように希望を感じさせます。六花の強さと繊細さ、伊澄の不器用ながらまっすぐな心など、キャラクターそれぞれがとても丁寧に描かれていて、共感を呼びます。
障害のある人との向き合い方など、若者世代、大人世代とそれぞれに感じることがある作品。
『どこよりも遠い場所にいる君へ』
ある秘密を抱えた月ヶ瀬和希は、知り合いのいない環境を求め離島の采岐島高校に進学した。
采岐島には「神隠しの入り江」と呼ばれる場所があり、夏の初め、和希は神隠しの入り江で少女が倒れているのを発見する。病院で意識をとり戻した少女の名は七緒、16歳。そして、身元不明。入り江で七緒がつぶやいた「1974年」という言葉は? 感動のボーイ・ミーツ・ガール!
まるで夏の終わりに聴くノスタルジックなメロディのような余韻を残す本作は、SF的な仕掛けと心理描写の繊細さが絶妙に溶け合っています。切なさと希望が交差する、珠玉の青春ファンタジー。
『また君と出会う未来のために』
仙台の大学に通う青年・支倉爽太は、人には秘密にしている過去があった。
失意の底にいた小学校三年生の頃、幽霊が出ると噂のある海で溺れたことをきっかけに、遠い未来――2070年――へと時間を超えたことがあったのだ。
そして現代に戻れたあとも、未来で出会った年上の女性を忘れられずにいた。再会する方法など分かるはずもなく、気持ちを押し殺して大学とアルバイトに明け暮れていた爽太。
しかし、大学の室内楽サークルに入っている友人達の揉め事に関わる中で親しくなった八宮和希という青年に「おれは、過去から来た人に会ったことがある」と告げられて…?
大好評を博した『どこよりも遠い場所にいる君へ』に続く、様々な「出会い」の物語!
前作『どこよりも遠い場所にいる君へ』の続編にあたるのが、この『また君と出会う未来のために』です。前作で描かれた“出会い”が、今作では“未来”という視点で展開されていきます。前作と同じく、「時間」を巡るテーマが中心にあり、読者の心に深い問いかけを投げかけてきます。阿部さんならではの優しい文体が胸を打ちます。
『室町繚乱 義満と世阿弥と吉野の姫君』
南朝の姫君・透子は、北朝に寝返った武士・楠木正儀を取り返すため京の都に向かう。宿敵・足利義満や、能楽師の観阿弥・世阿弥親子との出会いを経て、彼女が知った広い世界とは──。(解説/末國善己)
南北朝時代が舞台の歴史物語。時代背景に不慣れな読者でも、登場人物たちの心情を通して自然と世界観に引き込まれる力作です。ラノベ感もあるので、歴史小説が苦手な人でも読みやすい作品ですよ。
『鎌倉香房メモリーズ』
「香り」で謎解き。思い出は切なくて、やさしい…。人の心の動きを香りとして感じとる力を持つ、高校二年生の香乃は祖母が営む香り専門店『花月香房』に暮らしている。香乃のよき理解者、大学生の雪弥さんと共に『花月香房』は今日もゆるり営業中。そんなある日、店を訪れた老婦人の“消えた手紙”を一緒に探すことになって!? 鎌倉を舞台に、あの日の匂いと、想いも……よみがえる。ほっこり、あったか香りミステリー。
古都・鎌倉を舞台にした、香りにまつわる連作短編小説。人と人のつながりや、失われかけた絆の再生など、心に残るテーマがちりばめられている点も魅力です。読後は、ふとした日常の香りにも敏感になりそうな、そんな読書体験を与えてくれるシリーズ。全5巻で完結しています。
まとめ|阿部暁子おすすめ小説7選|2025年本屋大賞受賞の注目作家!
阿部暁子さんは、2025年本屋大賞を受賞した実力派作家として、ますます注目を集めています。どの物語にも共通しているのは、人とのつながりや優しさ、そして心の再生に寄り添う視点です。
青春や恋愛、家族、歴史をテーマにしながらも、どこか自分自身の物語のように感じられる不思議な力があります。
未読の方は、ぜひ、一度手に取ってみてくださいね。
