
林明子の絵本と本おすすめ15選|赤ちゃん絵本から読み継がれる名作まで 親子で味わうやさしい世界
林明子さんの絵本は、子どもの表情やしぐさ、何気ない日常の空気を丁寧に描いた作品が多く、長く読み継がれている名作ばかりです。ここでは、林明子さんの単著絵本に加え、挿絵を手がけた名作も含めて15作品を紹介します。
初めて林明子さんの作品を読む方も、子どものころに親しんだ作品をもう一度読み返したい方も、気になった絵本はぜひ手に取ってみてくださいね。

『こんとあき』
こんは、あきのおばあちゃんが作ったキツネのぬいぐるみ。あきが成長するにつれ、こんは古びて、腕がほころびてしまいました。あきはこんを治してもらうため、こんと一緒におばあちゃんの家に向かいます。あきは、電車でこんとはぐれたり、犬に連れさられたこんを探したりと、大変な目にあいます。こんとあきは無事におばあちゃんの家につくことができるのでしょうか? お互いがかけがえのない存在であるこんとあきの冒険の物語。
講談社絵本賞を受賞した林明子さんの代表作。キツネのぬいぐるみ「こん」と、女の子あきが、こんを直してもらうためにおばあちゃんの家へ向かう物語です。電車に乗ったり、砂丘を越えたりする旅の中で、ふたりの関係がより深く見えてきます。表紙の老夫婦は、林明子さんのご両親がモデルになっているそう。大人になって読み返しても、静かな余韻がある一冊です。
『はじめてのキャンプ』
なほちゃんは、大きい子たちにまざって、ひとりでキャンプに行きたいといいました。みんなは口ぐちに「小さい子にはできないよ! 」といいます。なほちゃんは大きい子たちに負けまいと、重い荷物もひとりで背負い、まきを集め、懸命にがんばります。おいしいごはんを食べて、1日が楽しく過ぎていきます。夜、テントでこわいお話をききますが、なほちゃんはひとりでおしっこに行けました。「ちゃんとキャンプできたよ! 」
フランスの絵本賞・LE GRAND PRIX DES TREIZEを受賞した作品。なほちゃんが、大きい子たちにまじって、初めてキャンプへ出かける幼年童話です。重い荷物を持ち、薪を集め、夜のこわさにも向き合いながら、「ちゃんとできた」という小さな誇りを積み重ねていきます。子どもが少し背伸びしたい時期の気持ちを、林明子さんらしい温かな絵と文章で描いた一冊。絵本より読み応えがあり、物語の世界にじっくり入りたい時にもおすすめです。
『くつくつあるけ』
「くつくつ あるいた ぱた ぱた ぱた さんぽに おでかけ」あかちゃんがはく、やわらかそうで小さな靴がお出かけします。「とん とん とん」とつまさきで歩いたり、「ぴょん ぴょん」とジャンプしたり、優しい色彩で表情豊かに描かれた靴が歩き出しました。ジャンプしすぎて転んでも、「ひとりで おきるよ」とがんばります。靴をはいて、自分の足でよちよちと歩きだす喜びに満ちたあかちゃんにぴったりの絵本です。
「くつくつあるけのほん」シリーズの一冊。小さなくつが、ぱたぱた、ぴょんぴょんと動き出す赤ちゃん絵本です。言葉はとても少ないのに、くつが歩く音や弾む気分がそのまま伝わってくるような楽しさがあります。まだ長い物語を追う前の時期でも、くり返しのリズムや絵の動きから自然に楽しめる作品。赤ちゃんの生活に近い「歩く」「出かける」というテーマを、かわいらしく表現した作品です。
『おててがでたよ』
すっぽりかぶった服から、まずは「ぱっ おててが でたよ」。次は頭と顔が出ます「ばあー おかおが でたよ」もう一つ手も出して、最後は足。苦労しながらも、片足ずつ服から出して、おきがえできました!自分で洋服を脱ぎ着できるようになるのはとっても難しいこと。そんなあかちゃんが、からだの部分をひとつずつ確認しながら、一生懸命服を着て、できるたびに喜ぶ、表情豊かな絵本です。
「くつくつあるけのほん」シリーズの一冊。服を着る赤ちゃんの姿を、やわらかく愛らしい絵で描いた作品です。服の中から、手が出て、顔が出て、体が少しずつ見えてくる流れが楽しく、着替えの時間そのものが小さな遊びのように感じられます。赤ちゃんの一生懸命な動きや、できた瞬間のかわいらしさがぎゅっと詰まった絵本。日常の中にある成長の一場面を、やさしく見守るように描いています。
『おつきさまこんばんは』
静かな夜の空。ネコが寝そべる屋根の上が明るくなって、しだいに金色に輝くまん丸いお月さまがでてきました。「お月さまこんばんは」。ところが、そこに黒い雲がやってきて、お月さまを隠してしまいます。でも、だいじょうぶ。黒い雲は少しお月さまと話をして、また去って行きました。ふたたびあらわれたお月さま、にっこり笑顔で「こんばんは」。まるで話かけてくるようなお月さまのやさしい表情に子どもたちも思わずにっこり。
「くつくつあるけのほん」シリーズの一冊。夜空に出てきたおつきさまへ、静かにあいさつをする赤ちゃん絵本です。黒い空に浮かぶ黄色いおつきさまの表情が印象的で、ページをめくるたびに夜のやさしい空気が広がります。雲が出てきて、おつきさまが隠れたり、また顔を出したりする流れもシンプルでわかりやすい作品。寝る前の読み聞かせにも選ばれ続けている、林明子さんの代表的な赤ちゃん絵本です。
『ふたつのいちご』
かすみちゃんは、クリスマスのケーキに飾るいちごを探しに行って、うさぎの家を見つけました。うさぎの家でもうさぎのお母さんがケーキを作っていて……。
『クリスマスの三つのおくりもの』に収録されている一冊。クリスマスのケーキに飾るいちごが足りないことに気づいたかすみちゃんが、いちごを探しに出かける物語です。森の中で出会ううさぎの家の場面には、林明子さんらしいやわらかなファンタジーの空気があります。小さな手のひらサイズの絵本ながら、クリスマスを待つ子どもの気持ちや、誰かを思うやさしさが丁寧に描かれた作品です。
『サンタクロースとれいちゃん』
サンタさんを待ちきれなくなって外に出て行ったれいちゃんは、森から出て来たサンタクロースに会って、「わたしのくまちゃんは?」と声をかけたのですが……。
『クリスマスの三つのおくりもの』に収録されている一冊。クリスマスの夜、サンタクロースを待ちきれなくなったれいちゃんが、外へ探しに行くお話です。やっと見つけたサンタさんは忙しそうで、れいちゃんになかなか気づいてくれません。子どもにとって特別な夜の期待と不安が、かわいらしい絵で描かれています。こちらも手のひらサイズの小さな絵本です。
『ズボンのクリスマス』
なかなか仕度をしないもっくんをおいてみんながパーティーに出かけると、もっくんのズボンはそわそわ、みんなを追って走り出し、もっくんはそれを追って……。
『クリスマスの三つのおくりもの』に収録されている一冊。なかなか支度をしないもっくんを置いて、みんながパーティーへ出かけてしまうところから物語が始まります。すると、もっくんのズボンがそわそわと動き出し、みんなを追いかけて走り出します。日常の持ち物が突然動き出す展開が楽しく、子どもの想像力をくすぐる作品。クリスマスの特別感と、ちょっとしたユーモアが詰まった絵本です。
『まほうのえのぐ』
おにいちゃんが絵をかいていると、よしみは、いつも「わたしも絵の具でかきたい」とだだをこねます。すると、おにいさんは、「だめだめ」。
ある日、よしみが、絵の具をつかんではなさないので、おにいちゃんはしかたなく、貸してくれました。よしみは喜んで絵の具を使うのですがうまくかけません。すると、どこからかへびがやってきて、絵の具をくわえて森の中へ。よしみがあわてておいかけていくと、森の中は、りすやからすやねずみが、絵を描いていました。さらさら、ごしごし、ぱたぱた、よしみは、あちこちから集まってきた動物たちといっしょに夢中で絵をかき始めます。さて、よしみの絵は、どんな絵になったのでしょう。
ちょっぴり背伸びしたい少女の気持ち、空想の中で遊びながら、絵をかく楽しさなどに、心に静かに響いてくるファンタジー絵本。『こんとあき』『おふろだいすき』などでおなじみの林 明子さんが優しいタッチで描いてくださっています。この作品は、1993年4月号の「こどものとも」として、刊行されましたが、読者の皆様のリクエストが最も多く、この度ハードカバー化されます。どうぞ、お楽しみに!
1993年に『こどものとも』で初出した作品。お兄ちゃんから借りた絵の具をきっかけに、よしみが森の動物たちと不思議な時間を過ごす絵本です。絵を描く楽しさ、色が広がっていくわくわく感、夢中になって筆を動かす子どもの気持ちが生き生きと描かれています。森の動物たちが絵を描く場面には、現実と空想の境目がふっと溶けるような魅力があります。絵が好きな子どもにもおすすめの作品です。
『でてこい でてこい』
「だれか かくれてるよ でてこい でてこい」と色紙に呼びかけると、「げこ、げこ、げこ」とカエルが跳びだし、「ぴょーん ぴょん」とウサギが登場。動物たちの色やシルエットがとても楽しく描かれます。
0才から楽しめる「0.1.2.えほん」の1冊。色紙に向かって「でてこい でてこい」と呼びかけると、かえるやうさぎ、あひるの親子など、いろいろな動物が飛び出してきます。はっきりした色づかいと、リズムのある言葉が印象的で、ページをめくるたびに次は何が出てくるのか期待がふくらみます。赤ちゃん絵本らしいシンプルさの中に、林明子さんの明るい表現が光る一冊です。
『はじめてのおつかい』
みいちゃんはママに頼まれて牛乳を買いに出かけます。自転車にベルを鳴らされてどきんとしたり、坂道で転んでしまったり、ひとりで歩く道は緊張の連続です。坂をあがると、お店につきました。お店にはだれもいません。みいちゃんは深呼吸をして、「ぎゅうにゅうください」と言いました。でも、小さな声しかでません。お店の人は、小さいみいちゃんには気がつかないみたい……。小さな女の子の心の動きを鮮やかに描いた絵本です。
第12回静岡書店大賞「児童書・名作部門」に選ばれたロングセラー絵本。筒井頼子さんの文、林明子さんの絵による作品で、5歳のみいちゃんが初めてひとりで牛乳を買いに行く物語です。自転車に驚いたり、坂道で転んだり、お店の人に声をかけられなかったり、小さな不安が丁寧に描かれています。子どもにとっての「初めて」が、どれほど大きな冒険なのかを感じられる名作です。
『もりのかくれんぼう』
家へ帰る途中、幼いケイコは見知らぬ森にまよいこみ、動物たちと大好きなかくれんぼをします。抜群に楽しいかくし絵の絵本。
2017年箕面・世界子どもの本アカデミー賞を受賞した作品。末吉暁子さんの文、林明子さんの絵による、かくし絵の楽しさが詰まった絵本です。家へ帰る途中、ケイコは見知らぬ森に迷い込み、動物たちとかくれんぼをします。秋の森の色合いが美しく、ページの中に隠れた動物を探す楽しみもあります。少し不思議で、少しこわくて、最後にはあたたかい気持ちが残るファンタジー絵本です。
『いもうとのにゅういん』
あさえが幼稚園から帰ってくると、お母さんはぐったりした妹のあやちゃんを病院につれていくところでした。友だちと遊びながら待っていると、お母さんが帰ってきて、あやちゃんが盲腸の手術で入院することになったといいます。あさえはお父さんが帰ってくるまで、ひとりで留守番をします。そのうち暗くなって、雷が鳴り……。妹の入院でちょっぴりお姉さんになったあさえの物語です。
筒井頼子さんの文、林明子さんの絵による作品。妹のあやちゃんが盲腸の手術で入院することになり、姉のあさえが不安な気持ちを抱えながら過ごす物語です。突然の出来事に戸惑い、さびしさや心配を感じながらも、妹のために何を持っていこうか考えるあさえの姿が丁寧に描かれています。子どもが「お姉ちゃん」として少し成長する一日を、林明子さんの表情豊かな絵で味わえる一冊。家族を思う気持ちが静かに伝わる、あたたかな絵本です。
『おふろだいすき』
ぼくはおふろが大好き。あひるのプッカをつれてはいると、かめやペンギン、オットセイやくじらまで登場して……。子どもの空想の世界をのびのびと描いた絵本。
サンケイ児童出版文化賞美術賞を受賞した作品。松岡享子さんの作、林明子さんの絵による、おふろの時間を舞台にしたファンタジー絵本です。あひるのプッカとおふろに入る男の子の前に、かめ、ペンギン、オットセイ、カバ、クジラまで次々と現れます。いつもの浴室が、いつの間にか大きな想像の世界へ広がっていく展開が魅力。湯気の向こうに広がる夢のある世界を楽しめる一冊です。
『魔女の宅急便』
「ひとり立ち」するためにはじめての街にやってきた13歳の魔女キキと相棒の黒猫ジジ。彼女が懸命に考えて自立するために始めた仕事は、ほうきで空を飛んで荷物を届ける宅急便屋さんでした。ミスしておちこんだりしながらも元気に生きるキキは荷物を運びながら大事なことを発見していきます。相棒の黒猫ジジと喜び悲しみを共にしながら、町の人たちに受け入れられるようになるまでの1年をさわやかに描いた物語。
角野栄子さんの『魔女の宅急便』は、1985年に野間児童文芸賞と小学館文学賞を受賞し、1989年にはスタジオジブリで劇場アニメ化された作品です。林明子さんは福音館書店版で画を手がけています。
13歳の魔女キキが、黒猫ジジとともに知らない町へ旅立ち、空を飛ぶ力を使って仕事を始める物語。絵本ではなく児童文学ですが、林明子さんの挿絵作品として外せない一冊です。映画で親しんだ人にも、原作ならではのやさしい世界を味わえます。
まとめ|林明子の絵本と本おすすめ15選|赤ちゃん絵本から読み継がれる名作まで 親子で味わうやさしい世界
林明子さんの作品は、子どもの小さな表情や動きから、気持ちの揺れまで伝わってくるような魅力があります。赤ちゃん絵本から、幼年童話、クリスマス絵本、ファンタジー、挿絵を手がけた児童文学まで、年齢や場面に合わせて選べる作品がそろっています。林明子さんのあたたかな絵本の世界を味わってみてください。気になった本はぜひ、手に取ってみてくださいね。