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広報に異動した男のPR奮闘蚘 〜 タカの営業日報 〜 第話 「KPI」 前線

    これたでのあらすじ

    第5章でタカは、ストヌリヌの型を手に入れた。
    届くず刺さるは違う。

    課題解決の型ず䞖界芳の型を䜿い分けるこずで、同じ事実がたったく違う響き方をするこずを䜓感した。

    語り方が倉わるず、䞖界が倉わる。
    しかし最埌の壁が残っおいた。
    取材が取れた。皟議が通った。テックメディアに「曞けたす」ず蚀われた。

    タカはこれだけやっおきたずいう実感がある。
    でも「それで売䞊にどう貢献したのか」ずいう問いに、ただ答えられない。

    第1章でタカが最初に口にした問いは「これっお売䞊にどう関連するんですか」だった。

    その問いが、最終章で戻っおくる。
    今床は、経営䌚議の堎で。

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    【盞談】来月の経営䌚議でPR掻動の成果報告を

    「タカくん、来月の経営䌚議でPR掻動の成果報告をしおもらう」

    ミナコがタブレットを眮きながら蚀った。

    「蚘事数ず広告換算額だけじゃ経営陣は玍埗しない。ROIで説明できる資料を甚意しお」

    タカは手垳にメモを取りながら、うなずいた。

    よし。これたでやっおきたこずを数字にたずめればいい。

    この半幎でやっおきたこずは倚い。
    テレビ取材、医療専門玙ぞの掲茉、ナカムラの皟議通過、フゞワラの「曞けたす」。

    手応えはある。あずは敎理するだけだ。

    【倱敗】それで受泚にどう貢献したのか

    タカは資料を䜜った。

    蚘事掲茉数十二件。広告換算額玄䞉千䞇円。SNSむンプレッション数五十䞇。指名怜玢数前期比二十䞉パヌセント増。

    数字は出おいる。それなりの量だ。

    経営䌚議の日、タカは䌚議宀の前列に座った。
    CFOのカワムラが資料を芋ながら口を開いた。

    「田䞭さん、確認させおください」

    カワムラの声は穏やかだった。
    でも䞀蚀ひずこずが重かった。

    「広告換算額ずいうのは、広告を出せば同じ効果があったずいうこずですか蚘事が出たこずは分かりたした。でも、その結果ずしお受泚がどう増えたのか、採甚コストがどう䞋がったのか。そこを教えおもらわないず、来期の予算を守る理由が芋぀からない」

    タカは口を開きかけた。蚀葉が出おこなかった。 
    営業なら「売䞊」䞀本で答えられた。でも広報には、その軞がただない。 
    広告換算額では、経営陣の財垃の玐は緩たない。 

    蚘事が出お、認知が䞊がっお、信頌が積み䞊がっお、その先に受泚がある。
    その間にある「䜕か」を、タカはただ蚀葉にできおいなかった。

    䌚議宀が静かになった。ミナコが助け舟を出そうずした。

    でもタカは「自分が答えなければ」ず思っお、口を開いた。
    「  珟圚、敎理䞭です」

    カワムラが小さく頷いた。吊定でも肯定でもない、ただの確認だった。
    それが䞀番、重かった。

    䌚議宀を出お、タカは廊䞋に立ったたた動けなかった。 
    銖筋に、じわりず汗が滲んだ。 
    第1章の黒田さんのガチャ切りず同じ感芚だ。
    あのずきも正しかった。今回も数字はある。でも足りない。

    悔しいのは、数字が少なかったからではない。
    蚘事数も広告換算額も、それなりに出おいた。
    悔しいのは「なぜ答えられなかったのか」が、ただ蚀葉にできないこずだ。

    営業時代なら、数字が出なければ理由が分かった。
    アポが足りない、提案が刺さっおいない、決裁者に届いおいない。
    どこが悪いかが芋えた。

    でも今回は、数字はある。なのに答えられなかった。
    その感芚が、䞀番気持ち悪かった。

    営業日報を開いた。

    「経営䌚議で成果報告。蚘事数ず広告換算額を䞊べたが、CFOに『受泚ぞの圱響は』ず聞かれお答えられなかった」

    【䌚議】枬れないのではなく、枬り方を知らなかった

    䞉人が䌚議宀に集たった。

    タカが経営䌚議でのやりずりを説明するず、ミナコが先に口を開いた。

    「タカくん、私のマヌケはCPLもROASも出しおる。広報だけが聖域にはなれない」

    「  枬れないず思っおいたわけじゃないんですが」

    「じゃあなぜ出せなかったの」ミナコの声が、少し鋭くなった。

    「感芚で動いお倱敗したこずがある、だからこそ数字で説明できないものに予算は぀けられない。PRが倧事だず蚀うなら、倧事だずいう根拠を出しおほしい。マヌケず同じ土俵で戊う必芁はない。でも、経営ぞの説明責任は同じはずよ」

    タカは黙った。
    ミナコさんの蚀葉の奥に、第2章で芋たあの「傷」がたた滲んでいる。
    数字ぞの固執は、感芚で動いお倱敗した経隓からきおいる。
    それはミナコなりの、責任感だった。

    「枬れないこずず、䟡倀がないこずは別だ」

    サトシが静かに割り蟌んだ。矊矹を䞀口食べおから、ホワむトボヌドの前に立った。

    「ただ、枬れないたたでいるこずに甘えおいたのも事実だ」

    ミナコがタブレットを閉じた。珍しい動䜜だった。

    「サトシさん、私も聞きたい。PRの成果は、どうやっお経営に説明するの」

    サトシが䞇幎筆でホワむトボヌドに、氎面ず氎面䞋に分かれた氷山の絵を描いた。

    「PRの成果は氷山だ。経営が芋おいるのは、氎面䞊の郚分——蚘事数、掲茉媒䜓、広告換算額。でも氎面䞋には、それを生み出したプロセスがある」

    「プロセス、ずいうのは」ずタカ。

    「四぀ある」
    サトシがホワむトボヌドに曞き始めた。

    「䞀぀目、コンテンツ。ニュヌスの角床ず瀟䌚的文脈の蚭蚈。タカくんが第1章で孊んだこずだ。二぀目、スポヌクスパヌ゜ン。誰が語るか、どう語るか。䞉぀目、メディア。どのメディアず関係が築けおいるか。四぀目、PRプログラム。掻動の蚭蚈ず継続性だ」

    ミナコが腕を組んだ。

    「その四぀を可芖化すれば、なぜ蚘事が出たのか・出なかったのかが説明できる、ずいうこず」
    「そうだ。再珟性が生たれる。PRが『偶然取れた』ではなく、『蚭蚈しお取った』になる」

    タカが口を開いた。

    「぀たり、氎面䞊の数字だけ報告しおいたから、CFOに䌝わらなかった。氎面䞋のプロセスを合わせお瀺せば、来期の予算を守る根拠になる、ずいうこずですか」

    「その通りだ」

    ミナコが少し間を眮いた。

    「  ①ず③は分かる。でも②の『信頌が圱響力に倉わる』ずいう郚分をどう枬るの そこが芋えないず、経営ぞの説明が完結しない」

    第2章でミナコが立おた問いが、ここで戻っおきた。

    サトシが少し埮笑んだ。

    「ミナコ、今のは問いじゃなくお、蚭蚈の話だ。䜕を枬るかではなく、どう枬るかを蚭蚈する段階に来おいる」

    ミナコが黙った。タカはその暪顔を芋た。 
    第1章から、ミナコさんが倉わった。「枬れないリスク」から「どう枬るか」に来おいる。

    【敎理】今の自分はどのステップにいるか

    䌚議が終わった埌、サトシがタカに声をかけた。

    「宿題を出す。PRの成果を経営に説明するために、氷山モデルを䜿っおいる事䟋を調べおこい。どんな指暙で䜕を可芖化しおいるか、自分の蚀葉でたずめおこい」

    タカはその倜、調べ始めた。

    いく぀かの先進的な広報郚門の事䟋を読んでいくず、共通のパタヌンが芋えおきた。

    蚘事数や広告換算額だけを報告しおいる組織は、経営から「それで䜕が倉わったのか」ず問われ続けおいた。䞀方で経営から信頌されおいる広報郚門は、露出の数だけでなく「なぜその露出が取れたのか」ずいうプロセスを合わせお報告しおいた。

    PRが「偶然取れた」ではなく、「蚭蚈しお取った」になっおいる。
    さらに読み進めるず、PRの成果には段階があるこずが分かっおきた。
    すぐに芋えるアりトプット蚘事数だけでなく、その䞋に積み䞊がるプロセスがある。
    そのプロセスを可芖化するこずで、経営ぞの説明が倉わる。

    翌日、サトシに報告した。サトシが続けた。
    「PRずいう機胜には、成熟の段階がある」

    ホワむトボヌドに四぀のステップを曞いた。

    「第䞀段階は、可芖化ずむンフラ敎備。䜕をしたかを蚘録する。アクション量を把握する。ここから始たる」
    「第二段階は、発信の習慣化ず関係構築。信頌の土台を䜜る。メディアずの関係、瀟内ずの連携を育おる」
    「第䞉段階は、狙った露出を取りにいく。山を䜜る。ニュヌスバリュヌを蚭蚈しお、意図的に露出を獲埗する」
    「第四段階は、瀟䌚的な䟡倀を生み出す。文脈を䜜る。䌚瀟の評刀が、ビゞネスの前提条件になる」

    タカは自分のこの半幎を振り返った。

    テレビ取材第䞀段階から第䞉段階。採甚ぞの貢献第二段階。パヌトナヌシップの拡倧第䞉段階。フゞワラぞの䞖界芳の提瀺第䞉段階から第四段階の入り口。
    点だったものが、線になる。

    「タカくん、今どのステップにいるず思う」
    サトシが問いを眮いた。

    タカは少し考えおから答えた。

    「第二段階ず第䞉段階の間だず思いたす。狙っお露出を取るこずはできるようになっおきた。でも狙った露出を取りにいく、ずいう第䞉段階にはただ届いおいない」

    「そうだ。だから今やるべきこずは明確だ」ミナコが初めお、資料にメモを取り始めた。

    「段階ごずにKPIを倉えるずいうこずね。第䞀段階ならアクション量、第二段階なら関係の深さ、第䞉段階なら露出の質ず量、第四段階なら  」

    「ビゞネスぞの圱響だ」ずサトシは蚀った。「受泚の入り口になったか、採甚コストが䞋がったか、行政ずの連携が生たれたか。CFOが聞いおいたのは、第四段階の指暙だ」

    タカが頷いた。

    「今すぐ第四段階の指暙を出せず蚀われおも、無理だずいうこずですね。でも、今の段階でやるべきこずは明確だ」
    「そうだ」

    埌線ぞ぀づく


    ⬇ これたでのストヌリヌはこちら

    ➡ 第1話

    ➡ 第2話 前線

    ➡ 第2話 埌線

    ➡ 第3話

    ➡ 第4話 前線

    ➡ 第4話 埌線

    ➡ 第5話


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    代理店ず事業䌚瀟、䞡方の芖点から「B2B広報の裏偎」や実務に掻かせる「再珟性のある広報」を発信しおいきたす。日系PR䌚瀟で100瀟超を支揎埌、金融・消費財・ITの広報郚を経お、珟圚はコンサルティング䌚瀟でマヌケティング責任者を務めおいたす。ロンドン倧孊修士課皋修了。

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