
初恋 vol.4|from 24 to 29 :残像と、残熱と。或る断面のエッセイ
突然の再会だった。
親友から、ひさしぶりに会おう、
結の家まで行くから、と連絡があった。
一人で遊びに来るのだと思っていた。
待ち合わせ場所に行ってみると、
他に彼と、親友の初恋相手もいた。
思いがけない再会に、
みんなお酒がすすんだ。
そういえば、彼らに最後に会ったのは15歳の春。
初めて交わす杯だった。
尽きることのない思い出話。
誰も、進行形の恋の話はしない。
初恋の当時にすがるような、
危ういやりとりが続いていた。
現実から逃避した、
遠い物語の中の甘い恋の駆け引き。
お酒と初恋の記憶に酔いしれ、
店を後にし、私の家に向かう頃には、
すっかり酔い果てていた。